麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

2021年秋の旅<関東温泉巡り>その1

2021年としては最初の投稿です。2021年は今のところ、私にとって人生最悪の1年になっています。

2月に「自分の人生には、こんな悲劇が起こることは絶対にない筈だ!」というくらいの悲しい出来事が起きてしまい、文字通り悲嘆に暮れていたのです。
このことは、ブログに書くことは控えますが、我が人生で(多分、一生のうちで)最悪の出来事だったことは紛れもない事実です。

それでも、人間生きている限り前を向いていかなければいけません。悲しみを忘れるためにも、好きなことをして元気を取り戻す必要があります。私の好きなことといえば、そう… 旅行しかありませんから、全てを忘れるためにも春からプラン作りに没頭しました。私が元気を貰える旅行先と言えば、43年前からそれはいつでも”北海道”です! たっぷりある時間を旅行の情報収集とプラン作りに全て費やして、自分のベストプランができたと自画自賛して、少しは気持ちが楽になっていました。どんなプランかと言うと、観光的にはともかく北海道の美味いもんを徹底的に食い尽くすプランで、プラン通り実施していたら私の体重は間違いなく10キロは太ってしまうくらい、60歳を過ぎて自分の胃袋の限界にチャレンジするという超無謀な計画でした。

ところが、コロナは収束するどころかますます感染者は激増し、北海道旅行にも暗雲が立ち込めます。頼みのワクチンが8月の旅行出発までに2回打てないことが明らかになった時点で北海道でも43年振りの「道北の離島巡り」を諦めて、6年振りの道東に行き先を変更して再び一日中プランニングに没頭する毎日を送りましたが、結局道東のプランも陽の目を見ることなく、出発の10日前には止む無く全面取消をせざるを得ませんでした。

旅行を諦めた後の私は、完全な抜け殻。いつも通りの勤務先の夏休みも何もする事がなく、朝からテレビを見ながらボーッとしている日々を送ります。唯一の楽しみは、大谷選手の活躍だけの毎日でした。

「こんな生活を続けると、早晩自分はダメになってしまう!」と、自分なりに大いに自分に危機感を抱き、「何とかしなければ!」と気分転換をしようと思います。世の中はまだ緊急事態宣言が出ていますが、おとなしくそれに従っていると自分は本当の廃人になってしまう気がしたので、ここは自分自身のためにあえて禁を破る決断をしました。
9月後半にはシルバーウィークがあり、ここで平日を3日休めば8連休ができますので、往復フェリーを使う私でも、何とか北海道に行けそうです。そう考えてから、2021年3度目のプランニングに没頭する日々を再び送りますが、こんな時に限って珍しく仕事の関連で抜けられない日が発生して、3度目の北海道はまたも幻に終わります。

とはいえ、とにかくどこかには必ず旅には出たいので、仕事の予定がどうなってもいいようにすぐに帰れる「関東圏プラスα」で温泉三昧を楽しむ4泊5日の日程を急遽作って旅に出ることにしました。
今回はそんな旅でしたが、お陰様で少しは元気を貰うことが出来ましたので、その様子をいつも通りにレポートさせていただきます。なお、8月下旬には2度目のワクチンを接種して、旅行の時期は一番抗体が元気な時(?)だったと思います。勿論、毎朝の検温も含めた健康管理も自分でできる限り行いました。

 

1日目:9月19日(日)

 

2021年最初の旅、まずは「日本二周目」の基本通り47都道府県を1県づつ制覇することを目指します。今回のターゲットは、まずは群馬県
群馬県(と栃木県)での私の2周目の目標に書いていたのは、”尾瀬!”。でも、どう考えてもあの木道を1時間以上歩くのは私にはどうにも厳しそうで,いい案が浮かびません。ついては、とりあえず2周目は別の群馬を旅することでお茶を濁すことにします。

私的に群馬と言えば、やっぱり温泉。個人的には群馬4大温泉と勝手に名付けた草津伊香保、水上、四万の4温泉を改めて制覇しようと思います。4温泉のうち水上温泉は1周目の2015年に訪ねています

zettaikaifuku.hatenablog.com

ので残すは3つですが、今回群馬県の宿泊予定は2泊なので、仕事を含めて一番行く機会が多かった伊香保温泉は立ち寄るだけにして日程を組みます。群馬は仕事ではよく温泉には行きましたが、近すぎて逆に観光は殆どしていないので、見どころはそれなりにありそうです。

いつも通り9時に家を出発、すぐに圏央道に乗り、「このままでは昼食場所に早く着きすぎるぞ!? どうしよう??」と考えていたら、何故だか突然ナビの到着予定時間が11時過ぎから13時頃に変わります。「一体、何が起きたの??」訳がわからないままにハンドルを握っていると、関越道の渋滞情報が飛び込みます。どうやら酷い事故渋滞らしく、ラジオでは「渋滞を抜けるまで3時間」と、恐ろしい事を言っています。こんな状況で大人しく関越道に乗る選択肢はなく、「群馬なんて隣県じゃん。下道で行きゃあいいじゃん!」と、軽く考えて渋滞している関越道へのジャンクションをスルーして、次のインターで圏央道を降りて、下道を走り出します。ところが、その下道も大混雑。ラジオでは関東圏ほぼ全域でどこもかしこも大渋滞していることを伝えており、さすがに今日は3連休の中日だけあって、どうやら私のように我慢できなくなった旅行者で関東中の道路は溢れかえっているようです。
それでも渋滞の下道を1時間もノロノロと走り、次の東松山ICあたりで渋滞は解消していそうな情報をラジオから仕入れたので、再び意を決して関越道へ。インターまではまだ結構な渋滞でしたが、そこから先は今までの混雑が嘘のような快適ドライブ!
1年半振りの大渋滞、何やら昔に戻ったようで何となく少しだけ嬉しい瞬間でした!

本日のお昼は、本場「水沢うどん」。11時過ぎに着く予定だったので、お店は選び放題だと思っていたのですが、予定より1時間半ディレイで人気店は行列必至と思い、目についた大きな駐車場のあるお店に入り、あっという間にカウンターに席をゲット。

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私的には水沢うどんの定番である舞茸の天ぷらと共にいただきます。

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ごまだれも、水沢うどんならでは… かな?

でも、日本三大うどんの中では、やはり印象が薄い名物です。

 

この旅最初の観光は伊香保温泉。伊香保温泉では行ったことがないロープウェーでいつも通り高いところに行って見ようと思います。

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伊香保温泉にある乗り場

ロープウェーで上まで昇り、その後少しだけ歩いて展望スポットを目指しますが、正直高いだけというか特に絶景という見どころでもなく、有名な温泉のそばでなければ、このロープウェーもなかったに違いないと思える景色ではありました?

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でも天気は良く、群馬の山並みはキレイです!

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次の観光も高いところの榛名山ロープウェイ。伊香保温泉から一山越えて30分ぐらいのドライブで辿り着きます。でも、こっちはさすがに人気観光地らしく行列ができています。

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2輛連結がユニークなロープウェイ。

群馬の湖と言えば大半がダム湖人造湖なのですが、この榛名湖は珍しく?自然湖。

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天気が良ければ富士山も見えるそうですが、この日は晴天なものの富士山までは見えないようです。

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この旅行中に富士山に巡り合えるでしょうか?

 

榛名湖畔周辺はもう緊急事態宣言が明けたかのような大混雑だったので、駐車場も探さずにスルー。その他にもいくつかの観光プランも用意していたのですが、朝の渋滞のお陰でそろそろ宿に向かう時間に。
この日の宿泊は、こんなに近いのに意外にも未訪問の四万温泉。このすぐ横のゴルフ場には、10年以上前には(安いので)何度も来ていたのに です。(平日のワンラウンド3800円でした! 確か)
この日は、三連休の中日なのでさすがに温泉はどこも高く、費用を節約するために比較的安かった大型旅館をチョイス。
隣には”千と千尋”のモデルになった高級宿が。

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緊急事態宣言中とはいえそれなりに混雑していましたが、お風呂は意外にも空いていて、半年以上振りの温泉をゆっくりと楽しむことができました。夕食も嫌いなバイキングを覚悟していましたが、感染防止対策のためか半分以上はサービスされ、飲み放題のお酒が進みます。でも、メインの揚げたて天ぷら食べ放題が、品数が少なく天ぷら好きの妻はガッカリ顔でした。
でも4泊の温泉旅館巡りのスタートとしては、まずまずの一晩でした。
今回は、一旦ここで投稿することにします。

2020年最後の旅<神奈川県>

(投稿した日は2021年ですが、この旅行は2020年です。)

今年の年末年始、私の勤務先のカレンダーは12連休ですが、今年我が家は喪中でお正月ができないため暇な12日間になるのは嫌なので、go toトラベルキャンペーンをフルに活用して関東近辺の旅行三昧を楽しもうと、早くから高級宿を予約していました。

予定では、年末は静岡~南関東の高級宿を楽しむ3泊4日、年始は(高級宿ではないけれど料理中心の宿選びで)千葉の海鮮を楽しむ4日間を計画、宿代が高くなる大晦日~正月以外は文字通り関東を満喫する計画でした…
ところが、ご存知の通りコロナ感染が再拡大し、12/28~1/11の間はgo to トラベルキャンペーンも適用除外になり、今のうちに分不相応に高級宿三昧を楽しもうという目論見は脆くも崩れてしまいました。とりあえず「静かなお正月を」という政府の方針に従うことにして、一旦は6泊全ての予約と関連して取っておいた交通機関等の全ての予約をキャンセルしたのですが、そうするとこの旅行に備えて大掃除も12月の前半から徐々に済ませておいた我々は、やはり正月を含めて何もやることがない12連休は苦痛で、まだ仕事をしている方がましなくらいです。(とはいえ、仕事もできませんが…)
ということで、政府の推奨に従い2021年の正月は「静かなお正月」を送ることにしますが、せめて2020年中に日程を短くして2泊3日の旅くらいは楽しもうと、改めてプランを練り直します。出発は当初の予定と同じ12/27(日)、行き先は南関東周遊を諦め、神奈川県に絞ることにしました。11月に箱根に行ったばかりなのですが、その時にも「もっといろいろな美術館・ミュージアムが見たい!」という自分と妻の希望が珍しく一致し、もともとの予定でも「箱根のミュージアム巡り」をメインイベントと考えていたため、メインイベントだけは前回同様のプランニングです。
1泊目の27日はまだgo toキャンペーンがギリギリで適用できるのですが、この状況で宿も少しはキャンセルが出始めたようなので、第一希望だった湯河原の高級温泉宿にも僅かに空室が出来、幸運にもgo to価格で予約することができました。go toから外れた2泊目はその影響でかなりの旅館で大量キャンセルがでた様子で、観光地はどこも皆ガラガラ。旅館の経営が心配になるほどの状況でしたが、価格はともかく宿は選び放題だったので、凄く久しぶりに箱根の王道である箱根湯本に宿を取ります。この2泊の前後に神奈川のややマイナーな観光地(失礼!)を組み合わせて、3日間の神奈川の旅の日程が出来上がりました。

 

1日目:12月27日(日)

 

いつも通り朝の8時には埼玉県北部の家を出て、自宅近くから圏央道に乗ります。本当なら、この日あたりは帰省ラッシュで渋滞情報を心配しながらのドライブの筈なのですが、圏央道を走る車の数は異様に少なく、日本経済を考えると大いに不安ではあるのですが、ドライバー的には超快適なドライブ。運転に余裕があるからか富士山がとても大きくきれいに見えます。いつもは余裕がないからなのか、圏央道からの富士山がこんなにきれいに見えるのは私的には初めての経験です。僅かに渋滞情報が出ていた海老名ジャンクションでも少しだけブレーキを踏んだだけで済み、小田原厚木道路へ。ここでも渋滞に巻き込まれることもなく、あっという間に小田原を通過、予定以上に順調なドライブ。
今日の最初の目的地は真鶴。真鶴は三浦半島伊豆半島に挟まれた相模湾に少しだけ突き出た小さな半島。でも真鶴に来た最大の目的は、半島の景色よりも相模湾で取れる新鮮な海の幸のランチ。でも、予定より早く真鶴半島に着いたので、まずは真鶴半島の突端まで行ってみます。
ケープ真鶴という観光施設に車を停め、突端まで行ってみようとも思いましたが、手すりのない下り階段が続くので、最初の観光から下に降りるのを諦め、上から景色を満喫することに。
雄大相模湾の眺望

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これが、真鶴のシンボル(?)三ツ石 干潮時には、陸続きになるのだとか…

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右には、熱海の町並みに続いて伊豆半島が見えます。

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車に戻り、まだ時間があったのでgoogle地図にあった「モアイ像」を探してドライブしてみたのですが、案内もなく見つからず、そろそろ空腹になった妻に促され、諦めて予約していた食堂に向かいます。
昔から真鶴は海鮮が美味しいことで有名で、神奈川の友人の多くから「美味しい海鮮が食べたければ真鶴に行け!」と言われたことを思い出します。今回、目を付けた食堂は、さほど有名ではなく大型店ではないので団体は入れそうもない「丸入水産」という小さな食堂。食堂に向かう途中、真鶴で一番有名な海鮮店の前を通ると、そこには既に人だかりが…(車の中からチラッと見ただけなので、開店前だからか待ちの人たちかは不明ですが、混んでいたことは確かです。)
でも、この「丸入水産」には我々が一番乗り!

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「丸入水産」入口(私の車が邪魔ですね!)

妻はとにかく刺身が好きなので、刺身を存分に楽しめるという「まるいり定食」@3400円×2と、時価@4000円の伊勢海老をオーダー。今回も酒が飲めないのが悲しいところ。

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突き出しの自家製イカの塩辛 まいう~!

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伊勢海老の刺身!

舟盛で出された10種類を超える刺身はどれもとびっきり新鮮で美味!

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ビジュアルは兎も角、10種類もの新鮮な刺身が満載!

最後には、伊勢海老の味噌汁と呼子で食べたイカを彷彿とさせるイカの刺身&サザエ!

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満足はしましたが、期待度が高すぎたのでその期待を上回ることはできなかったのと、やっぱり自分的にはサザエのつぼ焼きや焼き魚も食べたかったなぁ~

(と、贅沢な愚痴)

食事が終わったのは1時過ぎ、このまま湯河原の高級宿に向かうのは早すぎるのでどこかで時間を潰す必要があります。当初は湯河原の「西村京太郎記念館」にでも行こうと思っていたのですが、妻は全く興味がなさそう。そこで、今日は天気がいいのですが明日の天気予報はあまり良くないので、明日行くつもりだった「箱根駒ヶ岳ロープウェイ」に乗ることを思いつき、湯河原を超えて芦ノ湖畔まで山を登ります。
箱根駒ヶ岳ロープウェイには、2015年2月に前の会社の退職直前に来たことがあるのですが、その時は霧で全く何も見えなかったので、今回はそのリベンジです。

芦ノ湖畔から眺めると、富士山は雲に隠れていたのですが、ロープウェイの途中からはその雄姿を存分に見せてくれます。正に、「頭を雲の上に出し」の風景です。

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本当に、この時までは雪がほとんどない富士

それにしても、今年の富士山は本当に雪が少ないですね! (この日までは)

ロープウェイ終点からは、芦ノ湖は綺麗に見えますが、富士山はまた雲に隠れてしまっています。

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帰りも、富士の雄姿を存分に楽しみ、約6年前のリベンジ無事に果たしました!

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本日の宿泊、湯河原の高級宿は昔から名前だけは知っている奥湯河原にある海石榴(つばき)。近年、北海道の大型ホテルチェーンに買収されてサービスが落ちたという声を聞いたこともあり若干危惧していました。エントランスに車を付けても誰も出てこなかった時にはちょっと嫌な予感もしましたが、その時以外にサービスに手抜かりはなく、価格相応のサービスをしてくれて、満足させていただきました。
唯一の注文を付けるとすると、部屋食の夕食の次を持ってくるのが遅いこと。仲居さんは一生懸命でしたが、恐らく多数の部屋を担当しているのか、美味しい食事の一品一品の間が空きすぎて間延びしてしまい少し残念でした。でも、部屋にはサービスのビールが4本も置いてあったので、ビールを飲んで次を待つことができましたので、文句を言うレベルまでは行きませんでしたが…

 

2日目:12月28日(月)

 

いつでも入れる快適なお風呂で誰もいない朝風呂を楽しみ、部屋食の朝食にも満足し、快適な湯河原の高級宿をすっかり満喫しました。2020年の高級宿の締めくくりとしては、大満足でした。
この朝の湯河原の天気は小雨。でも1週間前の天気予報ではこの日の箱根の天気は雪予報で、雪が降ると車で箱根の山を上るのは無理かな?と危惧していたのですが、やがて予報が雪から雨に変わってくれたので、雨であれば御の字です。どうせ今日は美術館巡りの1日で、雨ぐらいであれば問題はありません。
昨日同様に湯河原パークウェイを上って箱根まで、昨日走った芦ノ湖の反対側の「芦ノ湖スカイライン」をドライブして本日の目的地である箱根仙石原を目指します。どうやら雨は止んだようで、ドライブしながら時折富士山が見えます。今日の富士山は雪をたっぷり抱いていて、昨日ロープウェイから見た山とは別の山のように見えます。昨晩~今朝にかけてかなりの降雪があったようです。この雪がここ箱根に降らなくて本当に良かった!
今日の箱根ミュージアム巡りの1番目は「星の王子さまミュージアム」。11月に箱根に来た時、妻がこのミュージアムの存在を知り、その時はスケジュールの都合で行けなかったために「12月に連れて行く!」という約束を果たすべく、今回の旅行を神奈川県にしたのは、正にこのミュージアムが目的だったのです!
童話「星の王子さま」と作者サン=テグジュペリの関連の展示が中心のミュージアムなのだろうと想像しますが、星の王子様は昔読んだことがあるのにその内容等は完全に忘れていたので、改めてamazonで童話を読んでからミュージアムに向かいました。
雨が止んだミュージアムは、まずはパリの町並みを彷彿とさせる風景から始まります。

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次はストーリーに従って登場人物が登場。(読んでおいて良かった!)

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フランスらしく教会もあります。

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展示は、予想通りストーリー以外にはサン=テグジュペリの生涯関連が多かったのですが、サン=テグジュペリパイロットで世界中で活躍して40代で帰らぬ人となったことは知りませんでした。

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クリスマスイルミネーション?

ミュージアム巡りその2は、箱根ガラスの森美術館

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外にあるガラスのモニュメントはきらきら光って綺麗なのですが、写真に撮るとそのキラキラが撮れずに、その綺麗さは伝わりません。

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ベネチアングラス博物館などは、私にとってはやや期待外れでした。

ランチは、仙石原の有名寿司店に狙いを定めていましたが、何故かお休み。仕方がないので再び星の王子様のあたりまで戻り、何となくネットでお店を探した時に店名を覚えていたお店に入ります。大エビフライが名物らしく海老好きの妻に勧めましたが、朝食をたっぷり食べていた我々は二人ともうどん一杯だけがちょうどいいボリューム。

ミュージアム巡りその3は「ポーラ美術館」。モネ、セザンヌピカソシャガールなど私でも知った有名画家の作品がたくさんあり、観甲斐があるある素晴らしい美術館でした。ちょっと遅くなってからの入場だったため、駆け足での見学となってしまい、ちょっと残念。「これなら、箱根ガラスの森をカットして、星の王子様とポーラ美術館の2つにすればよかったね。」と後悔しても後の祭りです。
西洋美術以外にも焼き物などのコレクションもあり、かの北王子魯山人と私が昔から気になっている河井寛次郎のコレクションをゆっくり眺めたのは、2015年に行った足立美術館以来かもしれません。

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今晩の宿がある箱根湯本までのルートは、箱根駅伝6区の山下りのルートを走ります。景色を満喫するため、「少し、ゆっくり走りたい」と思っていたら、神様の思し召しか、思いもかけない大渋滞に巻き込まれ函嶺洞門あたりの風景は本当にゆっくり見ることができました。
本日の宿は箱根湯本でも私が知らなかった宿「ホテルマイユクール祥月」。女性目線で宿を運営している旅館らしく、ロビーも狭く団体向きではないので旅行会社時代の私の知識外でした。
でもこの旅館、予想以上に快適でした。この8月以降go toトラベルキャンペーンで高級旅館に慣れきっていたのですが、サービス等は比ぶべきもありませんが、食事等は遜色がありません。
食事は17:30と19:45の2回制で、遅くチェックインした我々はちょっと遅い19:45~のスタート。まずは彩り豊かな前菜の盛り合わせから始まります。

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前菜盛り合わせ(2人分)

その後は、和洋折衷のメニューが続き、どれも満足度が高いクオリティ。何より、周囲の人と全員同時に食事をスタートしているので、下膳・配膳のサービスもとてもスピーディで気持ちがいい! また、バックにはピアノの生演奏が流れて、我々が知った曲の美しい旋律が優雅に流れ、周囲のお客さんの話し声も気にならずに、騒がしい旅館の食事のイメージはありません。
そして、一番感動したのはデザート。ハイティー形式で一人10種類のデザートがサーブされ、希望者はお代わりも出来るのです!

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デザート(2人分) 私は完食してしましました!

それまでで満腹になったにも拘わらずに、ついつい10種類のデザート、完食してしまいました!(さすがに、お代わりはしませんでしたが…)
この日からgo to キャンペーンは適用外となったものの、この日のこの宿は満館。今日は3つの美術館共にかなりの混雑だったし、宿は満室だし… go toキャンペーンを止めてもあまり効果が出ていないように感じられた1日でした。

 

3日目:12月29日(火)

 

このホテルの唯一の欠点(我々が気に入らないところ)は朝食が我々が大嫌いなバイキングであること。ただ、バイキングの朝食以外はとても気に入ったので、そのうちにまた行きたいと思います。
朝食時間が7時しか選べなかったので、8時半には宿を出て、まずは正月を前に有名な小田原蒲鉾の鈴廣本店でお買い物。鈴廣本店は箱根駅伝で6区から7区への小田原中継所があるあの場所です。今年は喪中なので紅白の蒲鉾は食べずに、白一色の蒲鉾とつまみの竹輪等を年始用に仕入れます。
この日の神奈川県最後の観光は大山阿夫利神社。神奈川県伊勢原市の大山には、小学校時代に遠足で来て以来なのでおよそ50年振りです。2015年・2017年に鳥取県の大山(だいせん)に行くたびに、「そういえば、神奈川の大山(おおやま)には小学生の時以来行っていないなぁ~!」と思い、「いつかは行かねば!」と思っていたためです。
大山阿夫利神社まではケーブルカーで登るのですが、一番上の駐車場からでもケーブルカーの駅までは普通の人でも15分は階段を登る必要があるようです。この日は10時頃にはその最上部に着いたにもかかわらず、駐車場は周囲の民間駐車場を含めてすべて満車で、駐車場待ちの車も数台。徐々に山を下りながら駐車場を探したところ、ずっと下にある無料駐車場まで空きはありません。

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この下の駐車場から歩いてケーブルカー駅に行くことは考えられないので、周囲にバス停を探したところ、近くに先ほどの最上部まで行くバス停があり、10分後に来た超満員のバスに乗って、再び最上部まで行き、改めてここからこの「こま参道」を登ることにします。

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参道にはお土産屋と食堂などが並び、観光地としてはそれなりに賑わっている感じ。それにしても今年は分散初詣を推奨している故か、凄い混雑です。大山って、こんな人気観光地だったっけ?? 
でも、ありがたいことに大半の階段に手すりがあるため、私の足では約25分でようやくケーブル駅に到着。駅にもすごい行列です。

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蜜状態のケーブルカーで阿夫利神社駅に着き、また階段を大山阿夫利神社まで。

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晴れていれば三浦半島はおろか房総まで見えるそうですが、この日は江の島さえ見えません。

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初詣ができない喪中の我々も初詣とは言えない参拝を済ませて、再びケーブルカーで下山します。

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再び「こま参道」ですが、今度は下りなのでやや余裕を持って下山することが出来ました。

そろそろ昼食の時間で、大山といえば豆腐とイノシシ料理が名物のようですが、二人ともどうもその気になれずに「ファミレスの方がいいよね!」ということになりましたが、ファミレスと言った瞬間に懐かしい神奈川のファミレスチェーンのことを思い出し、帰りのバスの中でそのファミレスが近くの海老名のららぽーとにあることを発見して、向かうことにしました。
その懐かしのファミレスとは、「ハングリータイガー」。我々が横浜に住んでいた頃(約20~30年前)にたまに行ったハンバーグが名物のファミレスです。妻にはあまり記憶がないようでしたが、当時車で営業することも多かった私はよく行った大好きなレストランだったのです。

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目の前でハンバーグを割ってくれるシステムは昔と同じで、神奈川県の観光の締め&2020年の旅行の締めとしては最高のアレンジでした。(と、自己満足)

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2021年は、go toキャンペーンはともかく、コロナを気にせず存分に旅行が楽しめますように!、

箱根 高級宿と紅葉の旅

10月初めの"東北鉄ちゃん旅"から帰った後も、いろいろなことがありました。その直後仙台に行く用事も発生したのですが、楽しい"旅"ではなく憂鬱な"旅行"でした。
でもgo to travelキャンペーンもあるし、ともかく旅に出たいという強い気持ちだけはずっと持ち続けています。という訳で、今回もまた危機的な家計の財政をかえりみずに旅に出てしまったというお恥ずかしいレポートです。
今回の旅先は"箱根"。珍しく妻の「箱根、行ってみたい!」という一言がきっかけです。勿論、昔から&日本一周目の時にも箱根には行っているのですが、実は家族旅行では箱根に泊まったことはなかったのです。理由は、箱根には仕事の関係で嫌という程行っているので、私的には”今更、箱根の団体用旅館になんて泊まりたくない!”という我が儘から。勿論、団体用ではない高級旅館もあまたあることは知ってはいましたが、”箱根の高級旅館は高い!”という私の固定観念から、いつも近隣の熱海や湯河原に宿を取り、箱根には昼間観光に来ることで済ませていたのです。
そういえばちょうど”日本二周目”の神奈川県の目的地探しにも苦労していました。神奈川県に魅力が無いわけでは決してなく、昔神奈川には職場もあり8年以上も住んでいたし、とにかく馴染み深い県だった故です。ということで、”箱根の高級旅館と紅葉”というテーマを無理矢理神奈川県の二周目にこじつけることにして、go to travelキャンペーンの恩恵を存分に味わえるような超高級旅館を紅葉が楽しめそうな11月中旬の日曜日を予想して早めに予約。
でも旅行実施が近づき予定をあれこれ考えると、箱根の紅葉は存分に楽しみたいし、折角の高級旅館なんだから早めにチェックインしてのんびりしたいし…  ということで、もう一泊しようと土曜日の箱根の宿を探しますが、予想通りの紅葉の進み具合に+go toキャンペーン効果が重なったためか箱根中の宿はほぼ満室。仕方なく土曜日は小田原の東横インを予約し、箱根と言えば自分的にはお約束の小田原ロマンスカーを予約して準備完了です。

 

1日目:11月14日(土)

 

今回の旅は車ではなく列車の旅。理由は紅葉期の箱根の大渋滞に巻き込まれると身動きが取れなくなる予感がしたからです。勿論列車もとにかく混むでしょうが、満員電車だと思って我慢することにします。
この日はロマンスカーに乗って小田原に行くだけなので、いつもの土曜日同様手足のリハビリをしてからゆっくりと10時半過ぎに家を出ます。
お昼は新宿にて。今回の行き先は箱根で交通機関としては小田急グループにメチャクチャお世話になるので、お昼ご飯はその小田急グループに敬意を表して小田急デパートのレストランでいただきます。まだ旅先ではありませんが、私的にはもう楽しい旅が始まっているのでこの日のお昼からいつもとは違うプチ贅沢を実行。レストランでの食事も予約するとポイントが戻って来るgo to eatキャンペーンもあるので、今回の旅では予約できるレストランはすべてちゃっかり予約済みです。
お昼はオイスター専門店にて牡蠣をいただきます。

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2つの産地の生牡蠣から始まって、牡蠣フライや焼き牡蠣など旅のスタートとしては上々のランチ。

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駅でロマンスカーの指定券を受け取り、箱根フリーパスを購入して小田急ロマンスカーの乗り場に向かいます。
小学生だった6年間小田急線沿線の祖師ヶ谷大蔵で育った私は、電車と言えば小田急で、(夢の)特急列車と言えば何と言ってもロマンスカー! 昔のロマンスカーはピポパポとチャイムを鳴らして疾走していた鉄ちゃん小学生にとってはとにかく憧れの電車でした。
小田急線に乗るのも凄く久し振り。複々線化されたことは知ってはいましたが、久し振りに路線図を眺めると快速急行なんてのが出来ていたり、その快速急行が登戸に停まるのに成城学園前向ヶ丘遊園に停まらないことに昔の小田急線住民としては愕然とします。私が小さい頃は田舎のローカル線南武線との接続駅登戸には準急しか停まらなかったのに…?? 小田急の路線図のほぼ中央に存在感を示して鎮座する町田駅。この駅名にもいまだに馴染めません。やっぱり私にとってはいつまでたっても子供時代の「新原町田駅」なのです。
ロマンスカーと言えば当然憧れは展望車。今回は間際に予約したにも関わらず、後ろ展望車の2列目が取れたので、嬉々として列車を待ちます。

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これが、憧れの(後)展望車

ロマンスカーに乗るのなんて何年振りでしょう? 昔横浜に住んでいた頃新宿で呑んで大和まで何度か乗った記憶がありますが、それも二十数年前です。

ロマンスカーの沿線は懐かしい思い出ばかり。通っていた高校に近い青春の地&大学生時代は"徹マンの地"だった下北沢、高3の夏休みには受験勉強と称して毎日通った梅ヶ丘図書館(でも、結局友人とダベってしまい、あんまり勉強しなかったなぁ~!)、小学生時代、小田急線が立体交差になる前には環八が小田急で寸断されていて我々のローラースケート場だったり、大学時代には狛江に住んでていつも酔っ払って千鳥足で家まで歩いたり… ロマンスカー、早すぎて記憶が追いつきません。もっとゆっくり走ってよぉ~!

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こんな鉄ちゃんがキュンキュンする景色が続きます

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間もなく、小田原到着

どこまで行っても思い出は尽きず、結局ハイテンションの興奮状態のまま小田原駅に到着。
すぐに駅前の東横インに荷物を置き、こちらは間違いなく54年振りの小田原城に向かいます。
小田原城に来たのは、間違いなく小学校に入る直前の幼稚園年長の時。実はその時、私の人生で唯一迷子になって大騒ぎになり、数十分後に何とか発見されたという顛末をその後もずっと母親から何度も聞かされ続けたので、間違いはない筈です。私の微かな記憶でも、お城の下でビービー泣いていたことを覚えています。そのほろ苦い記憶が私を小田原城から遠ざけており、その後何度も小田原市内には来ても小田原城は遠望するだけで行く気にはならなかったのです。でも今回、折角の機会なのでその呪縛から解放されてみようと思います。

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ホテルそばのいわば裏口のような門から小田原城に入るとすぐに天守閣の広場に出ます。

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天守閣を眺めながら54年前の迷子の記憶を必死に呼び覚まそうとしますが、号泣している6歳児の姿がフラッシュバックするだけで、このどこで迷子になったのかは全く思い出せませんし、当時のことを鮮明に覚えていた母親にはもう聞くことはできません。やっぱり記憶を辿ることは出来ずに、ストレスが溜まった小田原城の再訪でした。

夕食は魚が美味しい小田原の人気居酒屋を予約しています。18時前にも関わらず、店の前には椅子に座った"待ち"が一組。店内はガラガラでしたが、この後予約客で席が埋まります。go to eatキャンペーン効果は絶大なようです。

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お酒と刺身を少しだけ楽しみ,地魚丼で締めます。

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さすがは高級店で美味しかったけれど、値段も都内並みでした。

帰り道からはライトアップされた小田原城が見えます。記憶は辿れなかったけれど、何となく少し嬉しい時間でした。

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2日目:11月15日(日)

 

この日はこの旅のメインイベント、箱根の紅葉と超高級ホテルを楽しむ一日。早起きして部屋で東横インが無料提供してくれたサンドイッチのお弁当を食べてから、予定より少し早めに小田原駅のバス停に向かいます。
箱根の観光ルートと言えば、定番は登山鉄道~ケーブルカー~ロープウェイを乗り継いで芦ノ湖の湖畔まで行くのがお約束のゴールデンルートなのですが、箱根中の宿が全部満館の今日は大混雑必至と考え、少しでも混雑を避けるべく通常とは逆のルートを行くことにします。
小田原駅始発のバスに乗って、一路芦ノ湖畔を目指します。このルート、分かりやすくいえば箱根駅伝の山登りの5区とほぼ同じルートを走るバスと言えばイメージしやすいでしょうか??小田原駅を出てすぐに国道1号線に入り、歴代の山の神たちの勇姿が目に浮かぶ風景が続きます。

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バスはロマンスカーと並走⁉(すぐ、追い抜かれます)

バスですらウンウン唸りながら急坂を登って行くのに、あの山の神達は軽快に走り抜けて行くのが私には信じられない!

箱根の山の紅葉は始まっています。

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途中、小涌園バス停でバスを降ります。この近くに今日の高級宿があるので、結構重いリュックを宿に預けて身軽になって箱根を満喫しようという魂胆。バス停から坂を下ること2~3分で宿に着き荷物を預けると、丁寧にもさっき降りたバス停まで高級車で送ってくれるという高級旅館ならではのサービス! お陰で20分後の次のバスに無事に間に合い、再び山登り5区に無事に戻ります。
芦ノ湖到着は9時過ぎ。まずは芦ノ湖と富士山にご挨拶。

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続いて箱根駅伝に敬意を表して箱根駅伝のゴール地点へ。

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毎年のお正月にTVで観ているこのゴール&復路のスタートの道路、意外に狭い道だったことに少々驚き。

ゴールすぐ横にある「箱根駅伝ミュージアム」は9時半オープンなのですが、我々は10時発の海賊船の始発便に乗る予定なので駆け足で見学。

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母校が箱根駅伝に出る人たちが、今更ながらに羨ましい!

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我が母校は大昔は箱根駅伝の優勝経験すらあるというのに、最近は全くその名前も聞きません。また、現在の勤務先の大学は、予選会に出るのが精一杯で毎回予選会の最後の方にちょっとだけその名前が出て来ます。
ミュージアムといってもパネル展示が主で、襷とユニフォームくらいしか展示物がないだろうという予想通りだったので、15分程度の見学で箱根海賊船へ。

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この海賊船で芦ノ湖を半周する予定。小田原の箱根フリーパスは、バスやロープウェイ・ケーブルカーだけではなくこの海賊船にも乗れるので、いちいち切符売場に並ばなくていいので大変便利。でも我々は「混雑期には@400円払って特別船室に行くべし!」という口コミのアドバイスに素直に従って、約40分の快適なクルージング。

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TVによく出るパワースポットの神社と海賊船とは会社が違う遊覧船

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海賊船同士のすれちがい

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芦ノ湖と富士山

桃源台港で海賊船を降り、いよいよ混雑覚悟でロープウェイへ。でも逆コース効果なのか1分毎に出ているロープウェイに5分程度の短い行列で乗ることができました。

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大涌谷でロープウェイを下車。大涌谷には昔まだ子供達が小さかった頃に連れてきて以来。しばらく立入禁止だったようですが、今は復旧していて何よりです。

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大涌谷名物黒たまごのモニュメントには記念写真を撮る行列が出来ています。

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正面は行列のため、横からパチリ

まだ11時過ぎですが、この先にはレストランが少なそうなのと混雑が読めないので、ここでまだ空いていた食堂に入り、地獄黒ラーメン(だったかな?)を食べました。名物の黒たまごがこのラーメンの中に入っていたので、7年は長生きできるかな?

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その後大涌谷を散策しようと思いましたが、昔歩いたルートは通行止めになっていました。大昔(約20年前)に比べて何となく硫黄臭が少ない気がしたのは、私の錯覚??

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ここからは富士山がこの日一番きれいに見えました。

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再び箱根ロープウェイへ。予想通り芦ノ湖行きは大混雑でしたが、我々が乗る早雲山行きはさほどでもありません。すぐにロープウェイに乗れて白煙を上げる景色が堪能できます。

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早雲山からはケーブルカー。ここでは満員電車を覚悟していましたが、臨時便まで運行して混雑緩和をはかってくれています。密にならなくて一安心。

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今日のメインイベントは公園上駅で降りてすぐの箱根美術館。チケットに並ぶ大行列を予想していましたが、意外にも数分の待ち時間で切符が手に入り、いざ中へ。箱根一番の紅葉スポットである箱根美術館の見学順路はまずは庭から。我々というより訪問者全員がこの紅葉に圧倒されます!

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ベストタイミングで箱根に来られた僥倖に大感謝しながら広い庭園を散策。

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途中、私的には結構危ない階段もありましたが、京都の苔寺を思い出しながら慎重に歩けば何とかなるものです!

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今朝、バスを途中下車して宿にあの重いリュックを預けて本当に大正解!今日は30分早起きしてリュックを預けたことや、混雑を避けたルート選択など本当に全てが上手く行き過ぎていささか怖いくらいです。

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庭園を見終えた後の美術館はまるでついでのような様相。何を見たのかもあまり記憶に残っていません。
とにかく最高の紅葉でした。

箱根美術館のすぐ横にある強羅公園。ここは小田原フリーパスで無料で入れる坂を利用して作られた公園で、箱根美術館横の入口が最上部なので、公園を散策しながら坂を下って行きます。ここが公園中央部の見事な噴水。

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歩き疲れたので、公園内のカフェでティータイム。

コーヒー党の私には珍しく紅茶と美味しいケーキセットで大満足。

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今日は折角の高級宿なので、早めに宿に入るのがマスト。間もなくチェックイン時間の3時になるので、強羅から満員の箱根登山電車に2駅乗り小涌谷駅へ。駅にはまた高級車にお出迎えいただき、宿に向かいます。高級宿の名前は箱根翠松園。

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go to travelキャンペーンの上限は一人4万円ですが、この日の宿泊はそれを大きく上回っています。フロントを素通りして部屋棟へそのまま高級車で。

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宿入口。この奥がフロント

フロントからは結構な坂で「大浴場はフロントのすぐ下です。」とのことなのですが、「皆さん大浴場に入る人は少なく、殆んどの方がお部屋のお風呂を楽しまれますよ!」とのこと。

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宿の中。食事処の前にも紅葉が

案内された部屋の中でチェックイン。部屋の使い方も詳しく教えていただきます。
露天風呂は勿論源泉かけ流しで、風呂には何とTVも付いているし洗い場のシャワーブースも立派なので、確かに遠い大浴場に行く気は失せてしまいます。おまけに部屋に最初から4つあるバスタオルは、使用済みを部屋の玄関近くの場所に置いておくと、新品に取り替えてくれるとのこと!今回、私だけで部屋のお風呂に4回入りましたが、そのお陰で常にキレイなバスタオルが使えたのです!
早速、快適な部屋の露天風呂を満喫して、風呂上がりには部屋にあるサービスのビールで乾杯!(おかわりが欲しかった!)

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夕食は部屋近くの料亭にて。この宿の人気は”鉄板焼きディナー”だそうですが、我々が予約した数ヶ月前でも、もう鉄板焼きは満席とのことで通常の懐石料理。

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前菜(2人分)

料理は勿論美味しかったけれど、宿泊代も一定額を越えると料理にはあまり差がなくなるように感じてしまいます。勿論食材などもそれなりに高級化しているのでしょうが、もともとが貧乏育ちの我々にはその違いがわからないのでしょうね。
部屋に戻って、TVドラマを見ながらまた長風呂を満喫しました!

 

3日目:11月16日(月)

 

鳥のさえずりで目が覚め、朝風呂で覚醒。あっという間の3日間の最終日のスタートです。朝食もゆっくり約1時間を掛けてサービスされます。

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朝食もコースの感じで、これもその一部!

残された箱根滞在時間はあと半日あまりで、早く観光に行きたい気もしますが、ゆっくりと朝ごはんを楽しんだ後にはまたお風呂に入り、結局10時近くまで高級宿を満喫しました。
午前中は宿の周りを観光して、最後の箱根を楽しむ積もり。宿にまた荷物を預け、高級車ですぐ近くまで送ってもらいます。
今日最初の見学はここも紅葉の名所らしい小涌園蓬莱園。

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確かに紅葉が盛りではありますが、昨日の箱根美術館ほどでは…

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でも、周囲の紅葉もとてもいいです。

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次は歩いて岡田美術館へ。

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カメラもスマホもロッカーに預けて見学する岡田美術館なので、写真は玄関のみ

ホテルでのんびりしたせいで見学時間が少なくなったのに1階からじっくり見たため、上階は駆け足に。庭園も工事中で見られなかったので、岡田美術館にはいつかまた来ようと思います。
昼食は小涌園の高級蕎麦を予約しています。箱根と言えば"そば"というのは、小田急沿線で育った私の刷り込み。当時、小田急線の各駅には必ず「箱根そば」という立ち食いそばのスタンドがあり、当時小学生の割には頻繁にその「箱根そば」を食べていたので、箱根と言えば私の胃袋は"パブロフの犬"の如く"そばモード"になるのです!
小学生時代の私の大好物は「コロッケそば」。中学生になって箱根そば以外の他の立ち食いそば店を知り、そこにコロッケそばがないことに愕然とした記憶すらあるのです。
でも今回の高級店は小涌園の中の由緒ある建物にある「蕎麦貴賓館」。入口から風情があり、さすがにコロッケそばは無さそう!?

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高級店おすすめのランチセットは、ざる蕎麦に天ぷらなどにドリンクが付いた"go toセット"。go toの地域クーポン3枚分と高価ですが、昨日貰ったクーポンが丁度6枚残っていたので、ドリンクにワインを選んでこの旅最後の贅沢。

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昼食後には歩いて高級宿に戻り、最後にまた小涌谷駅まで送ってもらいます。今回、この宿翠松園のサービスを使い倒した感じです。

この日は平日なのに箱根登山鉄道は朝のラッシュ並みの混雑! 3ヵ所あるスイッチバックを楽しむ余裕はありませんでした。

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観光客が多いときも少ない時もニュースによく出て来る箱根湯本駅前の商店街で僅かにお土産を仕入れ、再びロマンスカーの人になります。

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帰りは呑み鉄をしたので、あっという間にうとうと。目が覚めたら懐かしの経堂辺りを走っていて、記憶に浸る暇はありませんでした。

2020年みちのく鉄ちゃん旅<その2:ローカル線を満喫!>

2日目:10月4日(土)

 この日は三鉄の残りの北リアス線部分に乗り、私の第二の故郷野田村も楽しんでから、大湊線に乗るという盛りだくさんな日程。朝6時前の三鉄に乗る前に朝食は宮古駅前のコンビニで仕入れますが、400円以下なのでお釣が出ない地域クーポンは使いません。でも後から考えれば、この日このクーポンが使えるお店はここだけだったので、贅沢して1000円の朝食を食べときゃよかった!

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6時前の三鉄はほぼ貸切状態で宮古駅を出発。

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朝早いので、ほぼ貸し切り状態

昔、「この駅をモチーフにして小説を書きたい。」という先輩の夢に妙に感動して降り立った「佐羽根」駅。降りた駅には、小説のモチーフどころか本当に何もない風景に愕然として、やはり「駅名だけでは小説は書けない」ことを思い知った40年前。今では何かあるかなぁ?と外を凝視していたら、今ではこんな立て看板がありました。

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19歳の時に東北地方で初めて駅寝(無人駅で勝手に野宿)をした記念の地である田老駅

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田老を過ぎると、すぐに「しんたろう~」。思わず、「石原か!次は裕次郎か!?」と突っ込みたい気分でしたが、そこは地図にもまだ載っていなかった最新の新駅「新田老」。

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私的には乗り慣れた北リアス線ですが、やはり三鉄を盛からずっと乗り通すと、このあたりはトンネルが多くて景色は三鉄の中では一番楽しめないというのが正直なところ。陸中海岸としては"海のアルプス"とも呼ばれるように、このあたりが北山崎・鵜の巣断崖など断崖絶壁が続く三陸のハイライトなのですが、鉄道はあれらの見事な断崖絶壁はトンネルで通過するしかないのでしょう。

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でも、トンネルとトンネルの合間には、海が見えます。

カンパネルラ田野畑、カルボナード島越(昔、私はずっとカルボナーラだと思っていた!)など宮沢賢治ゆかりの駅名を過ぎると、間もなく第二の故郷野田村が近付いてきます。

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朝7時過ぎに大人の休日パスを見せて野田玉川駅で降りる私を見て、ワンマン列車の運転手さんが異常に驚いたのが印象的。でも、この村との関わりやここで降りる理由を説明する時間はありません。思い出の駅と駅舎をパチリと撮ってから、約2時間の散策のスタート。

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駅から坂を降りて、まずは玉川漁港を目指します。向こうから犬の散歩らしいご婦人が近づきます。「不審者だと警戒されるかな?」と思っていたのですが、にっこり微笑んで「こんにちは!」と挨拶されちょっといい気分に。思わず「昔、ここにあったユースホステルに、延べ半年間居候していたのですよ!」と、叫んでみたくなりました。
今日は漁が休み(?)の玉川漁港。

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この先にユースホステルのプライベートビーチ"(通称)うみねこ海岸"があり、朝まで呑んだ後によく朝日を見に海岸に降りたものです。

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下から見上げる線路。昔線路を歩いてユースまで行った時には、あの高い線路をいつも歩いていたのです。高所恐怖症の私としては、今更ながら少々驚き。

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元ユースまでの道の途中にある人家の窓から外を見ている人は、私を見て不審者だと訝しがってる感じですが、弁解もせずトボトボと坂を上り、ユースホステル跡地まで。今ではここにいるに違いないペアレントのNさんと数年振りに会話。

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ここが、正真正銘「野田ユースホステル跡」

ここからは国道45号線を散歩して、数年前に出来た新駅十府ヶ浦海岸駅に行ってみようと思います。昔からあった国道入口の案内看板。昔は下に「野田ユースホステル」と書かれていたのですが、ずっと前に消されています。

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下の不自然な空白は「野田ユースホステル

走っていた列車が国鉄久慈線だった40年前には、国鉄が1日5本と不便だったため、その分45号線には国鉄バスが走っていたのですが、今はそのバス停もありません。三鉄が便利になった影響でしょうね。
野田玉川部落唯一の商店街。昔、我々は「玉川銀座」と呼んでいましたが、あったお店は酒屋と何でも屋のような小さなお店。我々はいつもそこで酒とつまみを仕入れていましたが、何でも屋のおばあちゃんはいつも居間に寝転がって接客していて、そんな風景も野田村での懐かしい思い出。今は酒屋だけがコンビニのようなお店になって残っています。

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部落を抜け、上り坂に。三陸ではよく見るようになった看板。

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三陸地方、4年前に比べてやや工事が減った気もしますが、まだまだあちこちが工事中。復興はまだまだですね。

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数年前に出来た新駅十府ヶ浦海岸駅が、今日の散歩のゴール。

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「2時間あるので余裕」と感傷に浸りながらのんびり歩いていたら、いつの間にか発車時刻が迫っています。何とか駅にたどり着くとすぐに列車がやって来ます。

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そして、何と三鉄は一両であるとはいえ、全座席が埋まってかなりの数の乗客が立っています。このお客さんの多くは大人の休日パスを持ったじじ鉄&ばば鉄の雰囲気。驚いたことに、次の野田村の中心駅陸中野田で何人かの観光客が下車します。昔は観光客に見向きもされなかった野田村の変貌に、思わず涙が出るほど嬉しくなった瞬間です!
列車は久慈に無事到着し、今回の三鉄の旅も無事終了。

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三鉄の駅からJRの駅に移り(とはいえ、すぐ隣)、八戸線に乗り継ぎます。
満員の三鉄の乗客の約半分は久慈で降ります。おそらく"じぇじぇじぇ"の久慈観光なのでしょう。

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残り半分は同じ八戸線に乗り継ぎですが、ここでもじじ鉄同士の席取り合戦に破れて海側のボックスは確保できず、仕方なくロングシートに斜め座りで海を眺めることに。

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八戸線、学生時代には上野発の夜行列車(急行)を八戸で降り、野田村に向かう時にはいつも乗った列車なので思い入れもひとしお。八戸駅から程近いうみねこで有名な蕪島あたりに来ると、「あぁ、また東北に来られたんだ!」との感動を味わえる見慣れた風景なのです。

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久し振りの八戸線も満喫しました!
今日の泊まりは八戸なので、コインロッカーにリュックを預けて大湊線へ。
ここにはじじ鉄たちはあまり来ないようで、大湊線海側のボックス席を無事に確保。「やっと、呑み鉄ができる!」と思いましたが、ホームに売店や自販機はなく、徐々に地元民で混雑してきた大湊線で改札外までお酒を買いに行くのばもう無理そうです。ここでも六角さんの真似は出来ず仕舞い。
列車は、最初は旧東北本線青い森鉄道を野辺地まで走ります。野辺地で思い出すのは、学生時代の憧れだった南部縦貫鉄道レールバス。三十数年前廃止になる前に、憧れのレールバスに乗った時の興奮を今でも昨日のように思い出します。その頃の記憶を辿りながら沿線を眺めていると、青い森鉄道(旧東北本線)の線路に合流するような廃線跡が現れます。「これって、南部縦貫鉄道廃線跡?」と異常にエキサイトした瞬間。この話をこの晩呑んだ地元の友人に聞いてみたところ、「確かに、南部縦貫鉄道廃線跡はある!」とのこと。本当に感動の瞬間でした(と信じたい)。
直通列車はいよいよ大湊線に入ります。

大湊線は、マサカリ形の下北半島の付け根から取っ手の部分を北上してマサカリの刃の下部大湊まで行くローカル線。陸奥湾の海辺を通るので、列車からは海が見えます。

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でもこのマサカリの取っ手部分には観光的な要素はあまりなく、あるのは横浜町の菜の花ぐらいなので、いつもこの間の観光はスルーしています。でも、いつかはこの横浜町にも来てみたいと思っています。何といっても「横浜」は、6年以上住んだ&働いた思い出の場所ですから!?
陸奥湾の先に津軽半島らしき陸地が見えます。「ごらんあれが竜飛岬北のはずれと~」と、「今では連絡船では口ずさめない"津軽海峡冬景色"が、似合うのはここだけ?」なんて考えながら大湊線を満喫。

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すぐ左側にも陸地と山が見えてくるということは、マサカリの刃の部分に入ったので、間もなく終点大湊。

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この列車で引き返してもいいのですが、私はこの2時間後のリゾートトレインの指定券を持っています。でも大湊駅の回りは食堂すら無さそうなので、駅の写真だけ撮って、むつで市の中心駅だという隣の下北駅まで一駅戻ります。

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八戸駅で写真を撮り忘れた大湊線

下北駅には2時過ぎに到着。朝からパン1個しか食べていないので、さすがに空腹。狙いをつけていた駅前の「駅前食堂」にチェックイン。

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むつ市と言えば「自衛隊カレー」。複数のお店が各船のカレーを提供しているとのことで、ここ駅前食堂も「護衛艦ちくまカレー」を供しているとのこと。数量限定なので恐らく売り切れだろうと念のため聞いたら、あるとの返事なので嬉々としてオーダー。

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私の持論では、「カレーには大外れもないけど大当たりもない」。ちくまカレーも話のタネにはいいけれど、他のメニューも美味しそうだったこのお店にもう一度来る時には恐らく別のメニューを頼むでしょう。このお店でも地域クーポンは使えませんでした。

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むつ市の繁華街と言っても、何があるわけではありません。駅前にあるお店はお土産専門店なのに地域クーポンが使えないとのことで早々に退却したお店と、ラーメン屋さんぐらい。近所を散策しても全国チェーンの家電量販店とコンビニがある程度。仕方なくぶらぶらと駅まで戻り、同じように暇そうだった駅前の観光案内所に入り、いつかは満開の時期に来てみたい「来さまい大畑桜ロード」の情報収集。

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リゾートトレイン「リゾートあすなろ下北」は定刻通り大湊駅からやって来ます。

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指定券料金@500円でグリーン車以上の快適なシートを味わえるので、リゾートトレインは大好き。でも、下北駅にも売店がなかったのでここでも呑み鉄は出来ず、景色も今回も海側座席とはいえ、3時間前に見た景色が夕景に変わっただけ。リゾートしらかみなどでは地元の演奏などのアトラクションがありますが、このリゾートトレインでは観光案内すらありません。
でも2時間の旅を満喫しました!

再び八戸に戻って定宿チェーンの東横インにチェックイン。この晩は、台風で予定変更したわがままな私に合わせて予定を変更してくれた八戸在住の旅仲間と一献。飲み屋でも地域クーポンは使えず、有効期限が翌日限りの宮古で貰った地域クーポンは結局使えませんでした!
八戸の泊まりはいつも八戸の中心本八戸で、いつもあのあたりの繁華街で呑むのですが、今回は明日の列車の都合もあり八戸駅前の宿泊にしたのですが、やはり"八戸で呑むなら本八戸周辺がいい!"と再認識した一夜でした。

 

3日目:10月5日(日)

 

昨晩、飲み過ぎたわけではないのですが、なんとなくお腹が空かず東横インの無料朝食を食べる気分ではなかったので、少し早めにチェックアウト。八戸駅の中をぶらぶらします。
新幹線のホームには、「下からホームに上がる」というのが古今東西の常識だと思っていたのですが、八戸駅では「新幹線ホームに降りる」。何とも新鮮な体験。

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この風景、とても新鮮でした!

始発の下り列車、全席指定席の「はやて」で新青森を目指します。

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全席指定席ですが指定席は持っていなくても空いている座席に座っていいというのが盛岡以北のローカルルール。まさか混んではいないだろう… とは思っていましたが、私が乗った二号車の先客はたった二人だけでした!

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これだけガラガラだと、ちょっと心配になってしまいます。

この日は天気予報通り結構雨が降っています。新幹線の車窓も雨だと楽しめないとはいえ、トンネルの多いこの区間なのでもとより車窓風景には期待はしていません。
新青森駅で待ってても次の奥羽本線には乗れるのですが、乗る予定の列車まで時間もあるので奥羽本線の始発駅青森まで行きます。青森駅に来るのは、2018年にねぶたを見に来て以来です。

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青森駅ドトールで朝食を取り、少し早めにホームに向かい、次に乗る「特急つがる」をお出迎え。

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ここでは呑み鉄をしようと思えば出来たのですが、さすがにまだ朝9時だし次がこの旅最後のメインイベントの秋田内陸線だし… ということで今回もお酒のお供はありません。
特急つがる奥羽本線を快走。2年前(&過去には何度も)に行った弘前や大鰐では楽しかった記憶を辿り、今年のGWには秋田犬に会いに来るはずだった大館では、「来年には、必ずまた来ます!」と、駅と街に無言のご挨拶。
間もなく秋田内陸線との乗り換え駅鷹ノ巣、今回秋田内陸線との乗り継ぎ時間がたった4分しかないので、私の足でモタモタしていると乗り遅れると思い、車掌に事前に情報収集。この列車の一番前から降りると、秋田内陸線は目の前との情報を得て、降車5分前には最後尾の4号車から先頭の1号車に移動。
車掌さんの言葉通り、鷹ノ巣駅で列車を降りると目の前に秋田内陸線の駅舎があります。秋田内陸線には大人の休日パスでは乗れないので、あらかじめ乗車券代1700円を握りしめて「角館まで」というと、「1500円」と言われます。HPなどの情報とも違うようですが、1500円で貰った切符には何故か2000円と書かれています。

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この料金は、いまだに謎?

私以外にも角館まで切符を買った数人も皆同じ対応なので間違いではないのでしょうが、みんな怪訝そうででした。たった4分の乗り継ぎ時間ですから、お酒を買う時間どころか列車の写真を撮る時間すらありませんでした。結局、この旅でローカル線の”呑み鉄”は最後までできませんでした。
2両編成の列車ですが、「後ろは回送」という事で乗れないとのこと。仕方なく地元のおばさんにボックスの相席をお願いして席を確保した直後に「混んできたので、特別に後ろの回送車輛を解放します。」という嬉しいアナウンス。当然、車輌を移ってボックス席の窓側を確保。
いよいよ秋田内陸線の旅。秋田内陸線といえば、「マタギの里」として熊狩りの地域として知られています。勿論、列車の走る場所に熊が出て、列車の中から熊が見られるなんてことはあり得ないのですが、せめて山深く、"いかにも熊が出そうな"風景が見られれば満足です。
田んぼアートのある駅を過ぎ、列車は徐々に山の中に入って行きます。

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列車からでも、深い森が見えれば満足するところなのですが、さすがに列車が開通してからもうずいぶん経っているので、そこまで山深いところは残っておらず、何となく人の手がすべて入っているように見えます。

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乗換駅の阿仁合が近づいてきたときに列車が突然止まります。「この先、線路に倒木がありましたので運転を見合わせます。」とのアナウンスがあったので、私を含め観光客には動揺が走ります。「線路に倒木」なんて首都圏では数時間列車が止まるクラスの大トラブルなので、「こりゃ、引き返さなければならないかな?」と大いに心配しましたが、数分後には「対向車の運転手さんが倒木を撤去しました。」とのアナウンスがあり、無事に運転再開。やはり、ローカル線は逞しい!
阿仁合で倒木を撤去した逞しい列車に乗り換え、角館を目指します。

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鷹巣から乗ってきた列車

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この列車で角館まで

懐かしい大昔のお相撲さんを思い出す駅名だったので、思わずパチリ。

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私の世代では、荒瀬といえば”がぶり寄り”

このあたりが、マタギの里の中心なのでしょうか?

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時間があれば下車したかった憧れの駅名!

いつの間にか遅れていたダイヤも正常に戻っていて、終着角館を目指します。

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秋田内陸線角館駅

角館といえば武家屋敷の観光が定番なのですが、武家屋敷には4年前に来ています。(その時の投稿)

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また、来年春こそ桜を見に武家屋敷を再訪したいと思っているので、今回はスルー。角館駅前周辺には食堂があまりないのですが、このJR東日本が経営するホテルで昼食をとることにします。

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これが角館駅前のJR東日本のホテル 実は1週間前はここに泊まる予定でした!

でも、JR東日本が経営するホテルなのに昨日八戸の東横インで貰った地域クーポンが使えないことにはびっくり! こんなにも地域クーポンの整備は遅れているのですね…!?

まだもう少し東北を楽しみたいところですが、明日も通常勤務なのでそろそろ老体を考えると無理をしない方がいいと考え、疲れを取るためにも早めに埼玉に帰ることにします。
角館エキナカのNEW DAYSではようやく地域クーポンが使えたので、昨日八戸で貰った地域クーポンで酒とつまみを仕入れて、実は初乗車だった秋田新幹線へ。

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今回、旅の最後の列車でようやくできた”呑み鉄”。風景を満喫するうちにすぐに酒もつまみも無くなってしまい、盛岡に着く前にあっという間に眠りに落ちてしまいました。
目が覚めたら”こまち”は仙台駅に停まっています。仙台の駅から駅前を眺めながら何故だか何となくちょっとだけ嫌な予感がしました。
”虫の知らせ”を信じているわけではないのですが、ほぼその12時間後に嫌な予感は現実のものとなります。
またすぐに仙台に来る羽目になってしまったのです。

2020年みちのく鉄ちゃん旅<その1:盛駅で友人と遭遇!>

夏に北陸から帰って来た後には、半年間の旅行自粛が明けた反動が一気に来たかのごとく、私の頭の中は今まで以上に旅行一色。「次はいつ、どこに行こうかなぁ?」と毎朝毎晩考えると夜も眠れないくらいの日々でした。
ある日、いつもの通勤途上で乗り換え駅を歩いていると、構内放送で「大人の休日倶楽部パスを臨時発売します。」という宣伝を耳にし、早速ホームページをチェックしたところ9月の4連休の後から10月の始めまでの約2週間の期間で臨時発売があるとのこと。この期間ならば金曜日か月曜日を休んで2泊3日の旅行ならば何とか行けそうな感じです。大人の休日パスの条件を細かく見ると、「JR東日本全線に加えて、三陸鉄道などの一部私鉄にも乗れる。」という条文を見つけて、「じゃあ、昨年10月に台風19号直撃で断念した"三陸鉄道全線完乗"の旅のまさに絶好の機会到来!
ということで、9月後半の金曜日に何とか休みを調整して、旅に出ることにしました。でも、期間を2泊3日とすると三鉄だけでは時間が余ってしまうので、他にも鉄ちゃんに戻って楽しむ行き先が欲しいところ。そう考えながら9月を迎え、我が家の2つ飾ってある鉄道カレンダーをめくると、トイレに飾られている鉄道カレンダーの魅力的な9月の鉄道写真は「大湊線」。大湊線には学生時代に乗ったことはあるものの、その時の記憶は、悲しいくらい全くありません。

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大湊線

もう一つ、居間の片隅に飾ってある鉄道カレンダーの9月の写真は「秋田内陸縦貫線」。昔国鉄の時代には盲腸線2本がつながっていなかった路線が、第三セクターになりつながって久しい、私的には未乗で憧れの 鉄道。

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秋田内陸縦貫鉄道(通称:秋田内陸線

「狭い家なのに、一体いくつ鉄道カレンダーを飾ってるの?」と突っ込まれそうなところですが、常に旅に出る気持ちを忘れないために、ここ数年家中のカレンダーを全て「日本国内の名所」にしています。カレンダーなんて以前は仕事での貰い物を適当に貼っていたのですが、近年はちゃんと本屋さんを巡ってそれなりに良さそうなカレンダーをじっくりと選び、ちゃんとお金を払って買っています。その2つのカレンダーが今回の旅のヒントをくれたとしたならば、昨年末の一本約1500円の投資は、正に効果があったのでしょう。早速、その3線を楽しむ3日間の日程ができあがり、予約も完了。いつもの鉄ちゃん旅と同様、妻は同行せず、一人旅です。

ところが、好事魔多し。9/25の出発を3日後に控えた日に、台風が発生します。昨年10月の3連休にも三鉄の旅を予定していたのに、超大型の台風19号で旅行を断念させられた記憶が鮮やかに甦ります。昨年の台風19号では旅行どころか各地に甚大な被害をもたらし、三鉄もかなりの被害を受けています。その台風から今年3月の全線運転再開までに、何と半年も掛かってしまっているのですから…
今年の台風はさすがにそこまでの規模ではないけれど、台風の二日前に降り始まった雨の影響で、既に三鉄の2区間が2日前から運転見合せになっています。天気予報ではこの先私が行くまで雨が止む予報はないので、動くか運休かをビクビクしながら旅行に行くのは嫌だし、いくら列車に乗るだけとはいえ、やはり豪雨では車窓風景は楽しめないし…
ということで、二年連続で台風のお陰で旅行を断念して、予約も全てキャンセル。休むつもりだった金曜日も出勤して土日共に悶々とした日々を過ごします。台風は予報よりやや逸れたので、私が乗る予定だった列車は何とか動いたようですが、そのすぐ後の列車は雨で運休になったらしく、行ったとしてもとにかく冷や冷やの連続だったのだろうと想像していました。 

でもやっぱり三鉄に乗りに行きたい気持ちは収まりません。大人の休日パスが使える期間はあと一週間、何とか火曜日に一仕事終えるとこの週の金曜日には休めるメドがつき、天気予報を見ると今週は良さそうなのでホテル等を急遽予約。大人の休日期間でも列車もホテルもちゃんと取れるのは嬉しい反面微妙な気分ですが、ちょうど一週間遅れの10/2(金)から、三陸鉄道をメインとした「東北鉄ちゃん旅」を実施することになったのです!
正に「三度目の正直」の旅のスタートです!

 

1日目:10月2日(金)

 

快晴の旅のスタートはいつもより約30分遅い朝7時。通勤時はいつも宇都宮線の後方に乗り込むのですが、鉄ちゃんになると決めている旅の時だけはいつも一番前に乗り、見慣れた景色でも満喫することに決めています。

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通勤列車のど真ん中にただ一人カメラを構えて前方を凝視する年配の鉄ちゃんは、完全な異邦人(エトランゼ)。

 

大宮駅に早く着いたので早めにホームに上り大宮を通るたくさんの新幹線を観察。宇都宮、郡山、福島に停まる昔のやまびこタイプの新幹線は結構な混雑で嬉しい限りですが、各駅停車タイプのやまびこと私が指定券を持っているはやぶさは悲しくなる程にガラガラ。いつも、"大人の休日パス"の期間は常にどの新幹線も満員なのが信じられない程!

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はやぶさなのになぜかこまち型列車も連結しています

仙台からは各駅停車になるはやぶさを一ノ関で降り、短い乗り継ぎ時間を大船渡線へ急ぎます。

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我田引鉄大船渡線

この乗り換え時間には何となく記憶があります。どうやら2011年に病気後初の温泉復帰の旅で猊鼻渓に行った時と、列車名は変われど同じダイヤのようです。

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ここからはのんびりローカル線に揺られてお酒を片手に六角さんよろしく"呑み鉄"ができると楽しみにしていたのですが、2輌の列車のボックス席は全て誰かが乗っている状況。乗客のかなりの数はどうやら私と同じはやぶさからの乗り継ぎ客らしいのですが、年齢層はかなり高くどうやら皆大人の休日倶楽部パスを持った"じじ鉄とばば鉄"が殆んど。男一人旅はじじ鉄で、年配夫婦はどうやら”ばば鉄”に引きずられた"乗り鉄夫妻"という感じ。私の歩くスピードがかなり遅い分、同じ列車から次の列車に行くのが遅れるため、このじじ鉄・ばば鉄との"いい席の争奪戦"では、ずっと負け続きでした。

仕方なく最後部のロングシートに腰掛け、後ろの景色でも眺めようとしますが、最後部の窓にもじじ鉄が張り付いて写真を撮っています。でも、じじ鉄は体力が続かないことは共通なので、若い鉄ちゃんのようにずっと張り付いたままではなく、暫くすると疲れて座ってしまいますので、すかさず同じじじ鉄の私が最後部に張り付き、パチリ。

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9年前に降りた猊鼻渓駅でボックス席が空くかと期待しましたが、降りる人たちは予想ほど多くはなく、席はそのまま。

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この先に猊鼻渓が…

なべつる線とか我田引鉄鉄道路線の代表とされる大船渡線、確かに直線距離で行けばすぐ近い宮城県気仙沼までを2時間近く掛けてのんびりと走ります。気仙沼、釜石、宮古と今日行く港町は、昭和の時代の森進一の大ヒット曲「港町ブルース」の2番そのまんまのルート。但し、北から南下する港町ブルースの歌詞では「宮古・釜石、気仙~沼ぁ」と今日の行程とは正反対。でも不思議なくらいにこの曲の歌詞を覚えているので、何十年か振りに口ずさみながら、我ながら感動してしまいました。

気仙沼からはバスBRTに乗り換え。バスなので改札を出て、乗り場わかるかなぁ?なんて心配は全く無用で、何と改札も通らないホームの先にBRTバスの乗り場があるのです!

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BRT… 私的には"鉄道不通区間代行バス"なのですが、噂によるともう鉄道を復活させる気はないらしく、その意味でも"代行バス"とは呼べない代物とのこと。でもこの部分の鉄道が復旧しないと、三陸縦断鉄道は永遠にできず、我々(?)の悲願であった仙台発八戸行きの「特急さんりく」または五能線に負けない「リゾートさんりく」は、永遠に夢物語で終わってしまうのか?? ?こんな気分でBRTになんか乗りたくはありませんが、乗らなければ三鉄の始発駅盛には行けないので敵情視察も兼ねてと自分を無理矢理納得させます。
BRTはJR東日本が運行するので大人の休日パスでも乗れますが、やはりただのバス。

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線路のないホームから出発するBRT

定刻通り駅の中のバス停を出発してすぐに走るのは専用軌道。「これ、どう考えても単線の線路を取ってBRT専用軌道にしたやつじゃん!」と、思いっきり悲しくなります。でも専用軌道はすぐに終わり、そこからは普通の道路を普通に走る単なるバス。「ということは、列車の線路はどっかに残っているよね!?」と希望が持てるバス旅に早変わり、鉄道路線を探してあちこちをキョロキョロ。

でも、さすがに三陸。すぐに海が見えてきます。

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大船渡線から一緒にこのBRTに乗り継いだじじ鉄たちは、陸前高田の「奇跡の一本松」バス停で全員が下車。私はここには5年前に来ているので下車はしません。普通のバスとは違ってバス停はあまり多くはありません。でも大きな病院にはわざわざ回って行くし、学校前にも停まるのでバスと列車の「いいとこ取り」な感じ。鉄ちゃん的な感傷はともかく、地元にとってはいい交通機関なのでしょうね??
大船渡市内に入ると旧単線の専用軌道が続き、我々の夢を無残にも打ち砕いてくれます。

 

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バス専用軌道。どう見ても元単線の線路です。

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専用軌道がこれだけ長いと、もう列車の復活は無理だといくら私が贔屓目に見ても明らか。「特急さんりく」はやっぱり夢の夢で終わるようですね。

懐かしいトリコロールの三陸鉄道が見えてきたら、間もなく終点、盛駅

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BRTは盛駅でも専用ホームに到着。

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線路のない駅。悲しくなる景色です。

盛と言えば私が若い頃に熱中した”乗り鉄のバイブル”とも言うべき鉄道旅行ルポをたくさん旅してたくさん執筆された、レールウェイライター種村直樹さんが国鉄の全線を完乗した駅で、その意味でも私の40年越しの憧れの駅。今ではJRの盛駅こそあるものの線路はなく、在りし日の盛駅と種村さんを偲んで合掌。

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JR盛駅。でも、そこには線路はもうありません。

今日唯一の空き時間が2時間あるので昼食場所を探します。三鉄の駅で次のダイヤを確認しながら食事場所を聞くと、「サンリオのショッピングセンターにフードコートがある」というので5分程歩くと、さすがにサンリオではなくサンリアという名のショッピングセンター(というより中型スーパー)の中に、フードコートというより誰もいないラーメンコーナーがひっそりと。

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盛のフードコート??

味はそれなりでした。
ここでさすが長袖1枚では寒くなって、持参してきた上着を着ます。以降、この上着をずっと手放せませんでした。さすがはみちのく。

いよいよ三鉄の始発盛駅から三陸鉄道の旅のスタート。

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JR駅の横にある三陸鉄道駅。線路があるのはこっちだけ

まずは三鉄サイダーを飲んで、ようやく悲願が叶って待望の三鉄全線に乗れるんだ!と、気分をアゲアゲに盛り上げます。

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駅を俯瞰すべく鉄ちゃんたちが既に陣取っている陸橋に上がり、盛駅をパチリ。

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今度こそいい席を取ろうと折り返し列車が来る前からホームで待ち構えていると、突然後ろから声を掛けられます。振り向くとそこには何と大学時代のサークルの後輩が!!
本当に驚きました。旅行のクラブ(サークル)だったので、学生時代には大学の休み期間中にメンバーと旅先でばったり会うことは珍しくはなかったのですが、40年近く経ってまさか岩手県の盛で会うなんて!?
彼も大人の休日パスを使って友人と鉄ちゃんになりにきているということで、釜石まで嬉しい旅の同行者が出来ました!

三人で無事に海側のボックス席を確保していよいよ三陸鉄道の旅、出発進行!

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初対面の彼の友人とも”元鉄ちゃん”の共通話題で盛り上がりながら、初乗車の「南リアス線」の絶景にもカメラを構えるとても忙しい時間でしたが、お陰でとても楽しい時間を過ごせました。

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こういう偶然があるから、やっぱり鉄ちゃんの一人旅は死ぬまで止められないですね!

釜石で降りる彼らを見送った後はまるで”祭りの後”のよう。

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JRの匂いがする釜石駅。さすがは、元山田線!

国鉄山田線に乗るのは確か30年以上振り。
でも残念ながら徐々に日がが傾いて景色が夕景に。昔、井上ひさしの小説で有名になった吉里吉里駅。小説を読んだ頃の出来事がフラッシュバックします。

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列車は久慈行きですが、今日の宿がある宮古で下車し、駅前のビジネスホテルへ。go toの割引で3千円台のホテル代なのでカードで払うのも恥ずかしい程でしたが、たった3千円強を払っても千円の地域クーポンが貰えるのです!

夕食は近所の居酒屋のカウンターにて。値段も安いので「刺身三種盛り合わせ」のつもりで3つの刺身を頼んだら、とにかくすごい量。

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お店の人も「これ、一人で食べるの?」と訝しがるほどの量でしたが、さすがに三陸の魚介はみんな美味しいので東北の地酒を相棒にいつの間にか完食。お会計はこれだけ飲んで食べても4千円いかないという信じられない値段!

懐かしい岩手訛りをシャワーのようにたっぷりと浴びて、幸せな気分で初日の床に着きました。

【2020年夏の旅】信州・北陸「高いところ」への旅<最終回:加賀屋+高級旅館泊まり歩き>


6日目:8月19日(水)

金沢のホテルは朝食付きプラン。一番混みそうな7時半にレストランに入りますが、どうやらお客さんは我々だけのようです。結局、30分以上我々が食べ終わる最後まで他のお客さんは一人も現れず、これには妻もちょっと不安そう。そういえば、昨日から他のお客さんの姿を全く見ておらず、「実は、この巨大ホテル我々の貸切だったりして!?」なんて冗談も満更冗談でもないかも!?
でも、朝食はオーダーを細かく聞いてから調理する本格的アメリカンブレックファストで、独り占めするにはちょっと勿体無い味でした。

 

今日は2つ目の"高いところ"のハイライト、「日本一の名旅館」と言われるあの和倉温泉の加賀屋を予約しています。高級宿加賀屋を満喫すべく3時にはチェックインしようと考えていますので、それまでは少し観光を。
ホテルに車を置いてまず向かったのは金沢城公園の鼠多門。修復されたばっかりの施設で、「是非行くべし!」と、昨晩呑んだ地元の友人の強烈な推薦に押しきられた感じ。
鼠多門には 尾山神社の敷地から入ります。

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芸術、特に美術に疎い私には、鼠多門のどこが凄いのかはイマイチ解りませんが…

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修復された鼠多門の入り口

とりあえず写真に納めてから金沢城公園を散策 。

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金沢城公園から見た鼠多門

5年前には見なかった公園の中にも入場し、散策。

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鼠多門そばの庭園。朝なのにもう暑い!

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公園の出口は5年前と同じく兼六園の入口なのですが、今回は兼六園はスルーして「金沢21世紀美術館」へ。

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美術に疎い私が美術館に行くのは珍しいことですが、お目当てはよく写真などで紹介されている「見学者が入れるプール。」昨晩呑んだ友人の情報によると、「凄い人気で大行列らしい」とのことですが、とりあえず行くことにします。

受付で話を聞くと、「まもなく整理券の配布が始まる」らしく、もうかなりの行列です。ここで幸運にも整理券がGET出来たとしても、入場はすぐではなく数時間後(?)とのことなので、どうやら我々にはプールの下に入るチャンスは無さそうです。諦めて折角来たのだからと美術館に入場。一番の楽しみは「幸運にも整理券をGETできてプールに入れた見知らぬ人たちを、ただただ上から眺める」だけ。

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中がどうなっているのか、本当に不思議⁉

その他の前衛芸術作品は、我々には全く理解できませんでした!

 

ホテルに戻って再びマイカーに乗り、"金沢と言えば"という回転寿司のランチへ。今や金沢の回転寿司は関東にもいくつか支店がありますので、どうせならば「金沢まいもん寿司」の本店に行ってみることに。

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まずは、金沢と言えば何と言っても大好物の"ノドグロ"。

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その後も、金沢や富山の旨いもん!

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”金箔”も金沢ならでは⁉

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会計は、いくら地元とはいえやっぱり”それなり”でした!

 

午後は能登半島を目指しますが、能登半島は5年前に観光しているので、今回は5年前のリベンジを1箇所だけ。その場所とは、5年前立山連峰の遠望ができなかった富山県の雨晴海岸。

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富山県を代表する風景なので、一昨日のアルペンルートのスライド映写会にも登場しましたが、我々がよく見る立山が雪を被った写真は11月頃の風景とのことですが、とりあえず日本海の風景の向こうに立山連峰がちゃんと見られたので、リベンジは成功。鉄ちゃんとしては列車が来てくれれば言うことなしですが、これは高望み。

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今度は、雪を被った立山連峰を見るぞぉ~!

加賀屋にチェックインする前に、すぐ近くの能登島大橋をドライブ。

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今回、離島は一つも行けなかったので、せめてほんの少しだけ離島気分を満喫。

さぁ、憧れの加賀屋です!3時にチェックインして加賀屋をたっぷり満喫しようと思っていましたが、同じようなことを考えている人たちが続々と押し寄せています。go toキャンペーンのお陰か、コロナの影響なんて微塵も感じられません。

結果的には、加賀屋は本当によかった。さすがに一人一人の従業員教育がしっかりしていて、皆さりげなく快適なサービスが出来るのです!さすがは伊達に"日本一の温泉旅館"と言われるだけはあります。

驚いたのは大浴場。男湯は中が3階建てになっていて、「え~っ、お風呂の中に階段?」とビビっていたら、脱衣場にいるスタッフがすかさず男湯の中の(裸で乗る)エレベーターを案内してくれます。私がエレベーターで下の階に降りると、階段を下りたスタッフが先回りしていて私に障害者用の椅子を準備してくれるのです。こういった配慮ができるのが、やはり加賀屋の凄いところですね⁉ 加賀屋の中にある「お土産屋さん街」。妻はすっかり買い物に夢中で大満足の様子。

夕食もさすがに加賀屋で、どれも美味しいものばかり。何より仲居さんの気配りのお陰で、快適な食事でした。

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美味しくって写真撮るのも忘れるほど…

加賀屋ですっかり我々のハードルが上がってしまったため、翌日以降の宿のサービスが超ショボく思えてしまった程です!


7日目:8月20日(木)

 

今日は福井県に行ってまた”高い”温泉を楽しむ日。連続して高級宿に泊まるなんて、本当に go to キャンペーンのお陰です。

加賀屋を満喫し、福井県の方に向かいます。今回は、本当に全く能登半島は観光をしないで加賀屋だけで脱出とは、何だか勿体ない気もしますが、今日は「海」より自分の中では「苔」がメインテーマの1日。

このあたりの地理には決して詳しくないのですが、石川県のドライブは意外と時間がかかります。能登半島には高速もたくさんあるのに、和倉温泉から金沢までも結構距離があり、そこから小松・加賀温泉郷あたりまでも結構長いドライブ。ナビは何故か北陸道(高速)をナビせずにずっと国道8号線をナビするので、結構運転のし甲斐があった約3時間。

昼前にようやく石川県最後の目的地である那谷寺に到着。

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真言宗好きな私としては石川県ではどうしても行きたいスポットでした。一昨日呑んだ友人にはこの近くの「苔の里」も推薦されていたのですが、苔は那谷寺でも次に行く予定の白山平泉寺でもたっぷりと見られると思い、時間の関係でスルーさせていただきました。

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那谷寺をのんびりと散策。猛暑からか、苔は何となく元気がなさそう。

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流石に由緒ある寺なので見どころはたくさん。

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本殿は階段の上にあるのですが、頑張って上ります。

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その後も階段がたくさんあり、足の悪い私を見て寺の方にもご心配いただきましたが、京都の苔寺のような危ない場所も少なく、何とか楽しむことができました。散策の途中の三重の塔も素敵。

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那谷寺、大変満足しましたが、今度は苔が元気な季節に「苔の里」とセットでまた来たいと思いました。

次は福井県に入り、白山平泉寺へ。平泉寺の山門にある蕎麦屋さんで、福井名物の「越前おろしそば」でちょっと遅めのランチ。福井県でのランチといえば、そういえば5年前にもこのすぐ近くの永平寺の山門で同じく「越前おろしそば」を食べた記憶が鮮やかに蘇ります。

昼食後、白山平泉寺をゆっくりと上りながら散策。

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「福井の苔寺」という別名を聞き、大いに楽しみにしていた白山平泉寺ですが、那谷寺同様このところの猛暑で苔は全く元気がなさそう。

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雨が降れば降ったで文句を言い、晴れれば晴れたで「苔に元気がない…」とは、なんて勝手なことばかり言う観光客なのでしょう?

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有名観光地なのに、人も少なく静かにのんびりと散策ができました。

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次の観光は丸岡城。この丸岡城にどうしても行きたかった理由は、この丸岡城が江戸時代からの天守閣が残っている12のお城「現存天守12城」の1つであり、実は我々夫婦にとっては、「現存天守12城」の最後の1つだったからです!つまり、これで江戸時代から残っているお城は全て見られたということになります。、実は12城のうち2つのお城(弘前城松本城)は、2015年に日本一周を始める前に訪問したお城ですし、その地理的な条件からすぐ近くからは見られず、”遠望”だけで我慢したお城もありました。(宇和島城備中松山城) 江戸時代から立っているお城ですからバリアフリーが望むべくもありませんので、私の体で上まで登れたのはあの姫路城ぐらいであとのお城は下から見上げる程度が精一杯ですが、それでも江戸時代の”兵どもの夢の跡”を見られて、この12城の制覇は歴史好きとしては大満足です。

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この丸岡城も「階段は急なのであなたには無理」と言われ、ギラギラとした炎天下の中なので下からの遠望だけで満足しますが、「柴田勝家の甥」が建てたという史実だけで何となく親近感が沸き、ずっと眺めていました。
お市の方、会ってみたかったな~!」

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この日の宿は、福井の名湯「あわら温泉」。でも、この日の宿のチョイスは大失敗。普段、私のポリシーは「高い宿の一番安い部屋を、出来るだけ安く予約する」のですが、今回go to キャンペーンもあるため、「普通の宿の高い部屋」をついつい予約してしまったのですが、これが大失敗。いくら高い部屋でも、サービスクオリティはその部屋だけレベルが上がる筈もなく、前日が加賀屋だったとういう要素を差し引いても、超不満な滞在でした。
大浴場や露天風呂付きの部屋そのものは決して悪くはなかったのですが、サービス精神のかけらもない従業員と、料理内容はともかく夕食のサービスは美味しいとか美味しくないとかを語る以前の問題で、殆どほったらかしにされた我々は、徐々に怒りがこみあげてくる怒りで満腹になった夕食でした。これで、昨日の加賀屋より宿泊代が(少しだけ)高いのですから、今回の旅での唯一の宿選びの大失敗でした!
「冷蔵庫飲み放題!」なんて心地よい広告を謳っているのですが、冷蔵庫に入っていたのはほんの僅か数本だけ… 「詐欺だ!」と訴えたいぐらいでした。
旅館の名前は秘しますが、皆様もご注意ください。


8日目:8月21日(金)

 

当初今回の旅行は、あわら温泉を最後にこれで家に帰るつもりだったのですが、「福井県から埼玉の自宅までは、結構遠いなぁ~。帰る途中、どっかにもう一泊しようかなぁ?」と思いたち、途中の新潟で私的には未宿泊ですが以前から「新潟県NO1の宿」との噂も(一部では)ある宿が、go to キャンペーンに参画しているので、ついつい予約してしまいました。まぁ、このあわら温泉の最低の宿が今回の旅の最後の晩になっていたとしたら、ストレスが溜まりまくって「いい旅だった!」とは決して言えなくなってしまうので、最後にもう一泊したことは結果的には大成功でした。
でも、「越前から加賀を挟んで越中~越後で、同じ”越の国”の中なのだから、そんなに遠くはないだろう」と高をくくって地図すらよく見ずに自分の感覚だけで予約した結果、実際に計画を始めてみると「高速をずっと走っても5時間以上は掛かる!」と、最終日の宿が下手をすれば真っすぐ埼玉に帰るのと同じくらい遠いことが判明します。”越後の国”の新潟県がとにかく横に長く、今回宿泊に選んだ月岡温泉新潟県でもかなり北の方にある温泉だったためです。でも、「go to キャンペーンの恩恵で、”高いところ(宿)”に泊まる」という初志を貫き、時間は掛かっても「新潟県NO1という噂を信じて」みることにします。

5時間以上かかるとなれば、この日は移動日になってしまう可能性もあるのですが、この日を完全に移動日にしてしまうのも嫌なので、少しだけでも観光をしたいと思います。向かったのはあわら温泉すぐ近くにある東尋坊

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5年前に東尋坊に来た時には夕方の慌ただしい時間での訪問という記憶があり、時間的な問題で遊覧船に乗れなかったと思っていたので、「今回は、遊覧船にでも乗ろうか?」と考えていましたが、改めて遊覧船のチケット販売所に向かうと、そこからはかなり急な階段があり手すりもなく私的には無理な感じ。

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結局諦めて、前回と同じく「2時間ドラマのラストシーン」の船越英一郎さんを思い出しながらの散策で満足することにします。

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遊覧船に乗れなかった代わりに、最後に東尋坊タワーに上って周囲の風景を眺めますが、正直期待したような眺めは見えませんでした。

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タワーの中にあった「東尋坊」の伝説によると、「白山平泉寺の暴れん坊の僧侶”東尋坊”を海に沈めたという伝説から、この地を東尋坊と言うようになった。」という伝説を見て、昨日の白山平泉寺から今日ここ東尋坊に来たことが、福井県を制覇したような気になり、何となく嬉しくなりました。

新潟までは5時間以上のドライブ。昨日まで楽しんだ加賀の旅を反芻しながら石川県を超え、5年後のアルペンルート再訪を誓った富山県のサービスエリアでは、白エビ天丼とホタルイカの最後まで富山県らしいランチ。

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富山県新潟県の県境付近はやたらトンネルが多かったという記憶があったのですが、何と合計26個ものトンネルがあります。26個一つづつを数えながらのドライブは退屈な中での貴重なアクセント。(でも、トンネルは決して好きではありません。)
新潟県に入り、関越道との合流へ。これを右折するともう埼玉県はあと3時間程度なのですが、この日目指す月岡温泉は左折して新潟市内を通り越し、新発田市ササニシキの穀倉地帯のど真ん中にあります。

この旅最後の宿「白玉の湯 華鳳」は加賀屋に負けず劣らずの大型高級旅館。部屋も大浴場も食事もよく、昨日とは大違い。
「ここ、加賀屋ぐらい、いいね!」と昨日は不機嫌だった妻も、たった1日で機嫌がすっかり直った感じでした。

 

9日目:8月22日(土)

 

最終日の朝、「加賀屋並みの高評価だった、華鳳」の我々二人の高評価が、一瞬にして崩れ去ります。それは、「このクラスの旅館なのに、朝食がバイキング」だったから。大型旅館だから仕方がないことなのでしょうが、バイキング嫌いの私も妻も、「百年の恋が一挙に冷めた瞬間」を味わいました。いくら夕食などがすべて良くても、(普段ならば)一人3万円以上を払って朝食がバイキングならば、恐らくもう来ることはないでしょう。(前日のあの宿ですら、朝食はちゃんと提供してくれました。)

朝食以外には満足した華鳳を出て、真っすぐに埼玉に向かいます。まだまだ暑い関東を目指してひたすら走り、自宅到着はお昼過ぎ。
本当に素晴らしい天気に恵まれた、最高の旅(1820キロの快適なドライブ)でした!

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これで今回の旅のレポートを終わります。
春から自粛期間が続き、ようやく旅が解禁できた感動をたっぷりと味わうことができました。「これでしばらくは旅に出なくても大丈夫かな?」と思っていたのですが、一度旅の麻薬に取りつかれた私はもう我慢が出来ない体になってしまっていて、9月の後半にはまた旅に出ることにしました!
そのレポートは近いうちに!

 

【2020年夏の旅】信州・北陸「高いところ」への旅<その③:立山黒部アルペンルート>


4日目:8月17日(月)

飛騨高山の朝といえば朝市。昨日の人力車の車夫さんは「日本三大朝市の一つですよ!」と自慢していましたが、私が調べたところでは、一般的な日本三大朝市とは輪島と勝浦に加え佐賀の呼子が入るようです。
ともあれ、日本でも有数な有名朝市であることに間違いはないのですが、5年前にここ高山に来た時には(夕方の長良川の鵜飼が中止になるほどの)豪雨だったので、朝市には行けなかったのです。でもまだ旅行日程が残っているため、妻は買い物もできない朝市には興味もなさそうなので朝飯前に一人で朝市をぶらぶら。
高山にはいくつか朝市があるようなのですが、まずは宿から歩いて10分ほどの、一番有名な「宮川朝市」へ。

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まだ朝市が始まるギリギリの7時半頃なので、皆準備に忙しそうでお客さんもまばらです。でも地元の人に根付いている朝市の割には、近所のおばさんが少ない気がしました。やはりまだ時間が早いせいでしょうね。

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宿近くにある朝市は「陣屋前朝市」。

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宮川朝市に比べてかなりこじんまりしていますが、8時前になったこともあるのか人出は増えています。ここでは売り子のおばあちゃんとの会話を楽しみ、ついつい釣られて"飯の友"の「山椒味噌」などの名物の味噌をいくつか購入。この炎天下に後5日もドライブすることを、ほんの一瞬だけすっかり失念してしまい、ついつい買ってしまったのです! これ以降、宿につくやいなや冷蔵庫にすぐにこの味噌を格納することを旅行中の日課にしたお陰で、帰宅後に飛騨の飯の友である味噌を美味しくいただくことができています!

高級宿での大好物の朴葉味噌の朝ごはんを楽しみ、飛騨高山を後にします。今日は、まずはすぐ近くの”飛騨古川”の町並み観光から。

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まずは風情ある川沿いの道を散策。

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鯉に餌をあげるのも旅の楽しみ。

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次は”古川まつり会館”で、飛騨古川の大迫力のお祭りを大型スクリーンで観賞。

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”日本二周目”のメインテーマの一つであるお祭りですが、なかなかお祭りに合わせて旅に出ることもできず、見られたお祭りも殆んど増えてはいません。また、もしお祭りの時期にその土地に行けたとしても、今度は「どこで見るか」が大きな問題になりそうです。もう若くない我々は雑踏に揉まれて立って見ることはとても辛いので、意外と現場で見るよりもこのように大型スクリーンで大迫力の映像で見た方がそのお祭りの魅力が存分に味わえるのかも知れませんね!?
ということで、「今後、お祭りの会館や展示があれば積極的に見に行かなきゃ!」と思った瞬間、「高山祭り」のミュージアムを見逃したことに今更気が付きました。飛騨高山にまた行く理由が、早くも出来てしまいました!

 

今日の目的地は「立山黒部アルペンルート」。高山・古川とコンパクトに飛騨地区だけを楽しんだ岐阜県を出て、富山県立山までの約2時間のロングドライブです。
アルペンルートは5年毎に訪れており、今回が3回目の訪問。
2010年のGWは初めての訪問で、巨大な雪の壁「雪の大谷」を見るのがメインイベントでした。大迫力の雪の大谷は見えたけれど、天気はイマイチで室堂辺りの山並みは全く見えず。(ちなみに、この時はまだ元気だった私は、この1ヶ月後に脳卒中になったので、元気だった最後の旅。)
2015年には日本一周の富山県版として訪問。黒部ダムの観光放水も見て室堂辺りの天候にも恵まれた素晴らしいアルペンルートでした。2回目の山を降りるその時、「次来るときは、アルペンルートの中の宿に泊まるぞぉ~!」と、固く誓って立山を後にしたのです。

zettaikaifuku.hatenablog.com


そして今回2020年、その時の誓いを果たすべく5年振りに立山駅に向かいます。
いくらコロナ禍の時期とはいえ、アルペンルートの中の人気ホテルが簡単に取れた訳ではありません。アルペンルート内のホテルの第一希望は室堂ターミナルに隣接している「ホテル立山」。超人気ホテルなので、ネットでも旅行会社にも全く空きはありません。それでも普段の夏ならば絶対に取れない人気の弥陀ケ原の宿に空きがあったのですかさず予約し、とりあえず「アルペンルート内のホテルに泊まる」という大目的を前に、憧れのホテル立山は”絶対に手が届かない初恋のあの娘”のような存在として諦めていました。

出発の数日前、何気なく宿泊サイトを見ていると、何とあの憧れの君「ホテル立山」に空室が出てるではありませんか!! すぐに弥陀ケ原の宿にまだキャンセル料が掛からないことを確認して、慌ててホテル立山を予約したのです! 憧れのホテル立山は、料金はそれなりに高いのですが、何と嬉しいことにgo toキャンペーンの対象なのです!

ということで、今回の”高いところへの旅”の前半のメインイベントが決まりました。

立山駅の駐車場は、どうやら5年前に車を停めた同じ駐車場で、私の記憶が確かならば駐車位置もほぼ同じ。駅に向かうトンネルを通りながら妻も、「ここ、来たよね?」とようやく思い出した様子。
駐車場に停められている各車のナンバープレートを見ながら、「本当に、日本全国から来ているんだね!?」と感慨を新たにしますが、最後まで見ても、見慣れた「品川・練馬などの都内ナンバー」が一台も見当たりません。こんなところでgo toキャンペーンに東京が除外されたことを実感するとは思いませんでした。
立山駅前の食堂でカレーを食べ、いよいよアルペンルートです。今日は立山からケーブルカーで美女平へ行き、1時間も走る高原バスで最高地点で今日の宿がある室堂へ。立山に来る道では今回の旅で唯一小雨が降っていたのですが、高原バスから眺める景色はいつも以上に素敵。

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"滝好き"の私がいつも楽しみにしている称名滝も綺麗に見えています。

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”落差日本一”の称名滝

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3時過ぎに室堂ターミナルに着き、見慣れたターミナルの中にあるホテル立山にチェックイン。

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ホテル立山と万年雪

標高2400メートルの「最も高いところにある高級ホテル」は、値段も”高いところ”なのですが、「高いのは、場所代」だと考えてホテルそのものには全く期待していませんでしたが、意外にも”超快適なホテル”でした!この価格は”場所代”だけでは決してありませんでした!

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部屋に荷物を置き、長袖に着替えて早速室堂平の散策に出発。

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この有名観光スポットが宿の目の前!

私でも楽しめる山のハイキングを満喫します。

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室堂平で見たかったのは”みくりが池”。

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アルペンルートの景色を満喫した1時間でした。

 

大満足でホテル立山に戻ると残念なお知らせが… 楽しみにしていた明日朝のオプションの”ご来光バス”が、「天候により、中止」。
ここにも、また来なければならない理由が出来ました。

このホテル、夕食は和食と洋食が選べる筈なのですが、今年は和食のみ。’’懐石料理”と書かれていても全く期待していませんでしたが、「ここは富山県である」ことを全面的に主張した富山湾の海の幸を中心にした懐石料理は、とてもここが標高2450メートルの高いところのホテルであるとは信じられない豪華な食事内容! 今回の旅は、富山の海の幸が食べられないことは非常に残念なプランニングだと思っていたのですが、何とここアルペンルートの最高地点で、白エビやホタルイカなどの"富山湾の旨いもん"がたらふく食べられたことは未だに信じられないほど! しかも、さすがに富山、どれもとっても美味なのです。
アルペンルートの中のホテルの飯は、下手すれば山小屋のカレーみたいなものかも?」と、妻を(期待しないように)脅していたのですが、大恥をかきました!

夕食後は、ホテル主催のスライド映写会に参加。ホテルスタッフが面白おかしくこの辺りのことや自然などについて説明してくれて、とても楽しい数十分でした。
そしてここでアルペンルートの新しい情報に出会います。現在、アルペンルートの玄関は、富山県立山と長野県の信濃大町の2箇所だけですが、現在3つ目の玄関を宇奈月温泉からのトロッコ列車の終点に作っていて、何と2024年には開通するとのこと!
5年後の2025年、また5年のスパンでここアルペンルートに来ることが早くも決まりました。宇奈月温泉に泊まり、翌日トロッコ列車から新ルートでアルペンルートに入り、再びここホテル立山に宿泊。洋食のディナーを楽しんだ後に満点の星空を見て、翌日にはご来光バスでご来光を楽しむというプランが早くも出来上がりました!
スライド映写会の後には屋上に上がって満天の星空を見る筈なのですが、曇っていて全く見えないとのことでこの日は中止に。きっと5年後に楽しみを取っておくという神様の思し召しなのでしょうね。

 

5日目:8月18日(火)

 

この日はアルペンルートを観光してから、金沢に向かう予定。この旅前半の「標高の高いところ」は今日の午前中で終わり、午後からは日本全国と同じく”猛暑”の列島に戻ることになります。
今朝は”ご来光バス”が催行中止になったぐらいですから、天気はあまりよくないようで、部屋から見える3000メートル級の山も雲に隠れています。

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ホテル立山の朝食も最後まで快適。本当に何から何まで高級ホテルでした。今回、go to キャンペーンのお陰で安く泊まれたのですが、この内容なら5年後には割引がなくとも躊躇なくこのホテルを選びます。でも、観光客が戻れば予約取るの大変だろうなぁ~!?
それにしてもこの5日間、天然のクーラーの中にいたようで本当に快適でした。TVを見ると「今日も猛暑」という報道が出ていますが、我々は長袖の上着にブルゾンを着て、室堂ターミナルからアルペンルートの旅を再開します。

2450メートルの室堂ターミナルはアルペンルートの最高地点なので、これからは下り。まずは立山に掘られたトンネルをトロリーバスで走ります。大観峰でロープウェイに乗り換えて、黒部平まで。ここで乗り継ぎ時間があったので、屋上に上って展望を楽しみます。

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天気はかなり回復してきているようで、山並みがとっても素敵です。

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ケーブルカーで黒部湖まで。湖の景観は相変わらず素敵。

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観光放水している黒部ダムには5年前と同じく虹がかかっています。

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黒部湖の美しい景色を5年間分体中に貯め込んで、ここで折り返すことにします。

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室堂では小腹が空いたので、この旅で長野県にいた時には食べる機会がなかった「おやき」で空腹を満たし、立山に戻ります。ここ立山でブルゾンと長袖は終わりです。

 

午後は富山のお祭り「越中おわら風の盆」の舞台八尾に行くことや、10年ぶりに五箇山の合掌造り集落に行くことなども考えていたのですが、妻が「コインランドリー、行かなきゃ」というので富山県の見どころをスルーして金沢まで。事前に調べていたコインランドリーが金沢市内のイオンのショッピングセンターの中にあるようなので向かいますが、これが大正解。きれいなコインランドリーにはカフェが併設されており、洗濯しながらコーヒーとデニッシュを楽しんだ上に、ここで旅の会計などをパソコンで処理できて、とても有意義な1時間。

この日の宿はこの旅唯一のシティホテル「金沢東急ホテル」。繁華街香林坊のど真ん中にあるので便利なシティホテルですが、ここもgo to キャンペーンのお陰で格安に泊まれるのです。5年前に金沢に来た時は、北陸新幹線開業人気で街中がディズニーランドのように人が溢れていたのですが、今回ホテルのロビーには誰もいなくてガランとしていて、ちょっと心配。

夕食は、現在金沢に勤務中で今回の宿の手配をしてくれた前の会社の同期の友人と居酒屋へ。居酒屋に行くのも友人と呑むのも、恐らく半年振りくらいでしょう。
金沢の居酒屋の味をたっぷりと味わいました。