6月22日(日) 11:00
太平洋フェリーの「きたかみ」はほとんど太平洋の荒波にも揺れることなく、無事に苫小牧港に時間通り接岸したようです。到着の少し前にフェリー内に駐車してある自分の車に誘導されて、到着をフェリーの中で車に乗って待っていた我々には、接岸の風景を見ることはできません。
マイカーで船を降りるのも、係員の手慣れた誘導によります。一番奥のエレベーター近くに駐車スペースを確保いただいた我々は、出る順番は当然後の方でしたが、思いの外早く太陽の光を目にすることができました。
苫小牧といえば海産物、中でも私の大好物であるホッキ貝が名物。苫小牧の港近くでホッキを食べるには、「マルトマ食堂」が超有名なのですが、このお店は「日曜定休」ということで訪問は叶わず、このお店の次くらいにネットで書き込みが多い店を北海道最初の昼食のターゲットにしていました。
早速、ナビにお店をセットしていざ出発!! したかったのですが、我がナビは船の中でエンジンをかけてからずっと、現在地が「仙台港フェリーターミナル」のままで、苫小牧の大地に着いてからも数分の間「あれ? ここはどこ?」って感じで、ナビの現在地は全く動きません。
「初めての体験」にナビ君も大いに戸惑っているようです。
計画時に散々地図を見てだいたいの場所は記憶していたので、とりあえずナビを見ずに記憶を頼りにお店を目指します。
5分もすると、おもむろにナビ君が「北海道に、入りました。」という北海道上陸宣言をして、ようやく初体験ながら苫小牧の現在地を特定してくれましたので、改めてナビに目的のお店をセットしました。
訪れたお店はこちらも苫小牧の港に近い食堂「弐七」(ニイナナ)。
11時半ぐらいでまだお昼には早い時にでしたが、さすがの人気店でカウンターはほぼ一杯でした。
3種類の好きな海産物が選べる「大好物丼」と迷ったのですが、私も妻と同じで定番の「弐七丼」(海鮮丼)をオーダー。しばらくするとネットではお馴染みのこの店では全メニューに付いてくる「5品の前菜」が出てきます。
美味しくいただいているうちにメインの海鮮がたっぷり乗っかった丼が出てきます。
北海道最初のごはんだったので、勿論美味しかったのですが、せっかくの苫小牧なのにホッキが乗ってなくて凄く後悔しました。やっぱり「大好物丼」でホッキをたらふく食べるべきだった!!
また、隣の人が食べていた焼き魚と刺身のW定食もとっても美味しそうだったなぁ~!! とはいえ、5品の前菜がついて千円の豪華ランチなので、旅行の第一歩としては上々です。
でも、苫小牧。また食いに来るぞぉ~!!
お腹も満腹になったので、いよいよ富良野へと向かいます。でも、実は苫小牧~富良野までどの道を通るか、たったそれだけのことに旅行前から随分悩み、実はこの時点でも情けないことに結論が出せていなかったのです!!
苫小牧からすぐに高速に乗るか。その場合、途中から道東へ行くかそのまま札幌経由で三笠ICまで行くか。苫小牧から室蘭本線に沿って下道を走り、追分町ICから道東道に乗るか。もしくは日高の平取を経由してずっと下道を行くか…(一見、遠回りに見えますが、意外と30分以内のロスで行けるらしいのです。)
大きく4つの選択肢があったのですが、優柔不断な私はこの段階でもまだ決めかねていました。「ままよ!」愛車をスタートさせます。ナビはしきりに高速の入り口にナビゲートしようとしますが、国道が思いの外快適だったので、結局そのまま室蘭本線に沿って国道を途中まで走って、道東道に乗る3番目のルートを選択します。
国道は快適なドライブだったのですが、道東道は結構嫌な道でした。有料高速道路とはいえ、片側一車線で遅い車の後ろに付くと追い越しレーンまではそのペースにあわせざるを得ません。それでも早く走りたい車は背後から容赦なくプレッシャーを掛けて来ます。 おまけに対抗車線との間に中央分離帯がない区間が多いし、おまけにJR石勝線同様結構長いトンネルが多いのです!!
それに加えて、占冠ICで降りる前には、旅行出発のちょっと前に埼玉県で満タンにしたガソリンが心もとなくなって、こちらも心理的なプレッシャーを与えるのですが、勿論そう簡単にスタンドが見つかるはずはありません。
その意味でも、あまり快適なドライブとは言えませんでした。
占冠ICで高速を降り、占冠村内中心部の唯一(2軒あるスタンドのうち、1軒は何故かクローズでした)のスタンドでガソリンを満タンにして、占冠の道の駅で休憩、雨もあがって少しは暖かくなってきたので、半袖に着替えます。妻は早速ソフトクリームを食べたがっていましたが、富良野のラベンダーソフトまでは我慢していただきました。
(数十年振りに訪ねた占冠村)
富良野の観光は、当初7月のラベンダー最盛期の観光を意識して計画していたので、どうしても「まだ咲いていないラベンダー観光」の要素が濃くなってしまいます。
「6月なんでもしかしたら少しは咲いているかも?」とか「ガーデンなのだから別の花が咲いているかも?」と考え、あえて富良野の観光箇所は変更しませんでした。
7月にはラベンダー大渋滞を引き起こすらしいファーム富田ですが、さすがに6月なのでそこまでのことはありません。日曜日なので駐車場は結構一杯ですが、何とか空きスペースを見つけて車を停め、ガーデンの観光の開始です。
このファーム富田はラベンダーがメインではありますが、ラベンダー以外の色とりどりのいろいろな花が咲いており、満開のものもありこれからのものもありますが、バラエティ豊かな色に咲き誇っています。
写真で見るより花と花が離れているのが少々イメージとは違いましたが、それでもさまざまなエリアを楽しむことは出来ます。
(この紫色の花は、ラベンダーではありません。)
肝心なラベンダーは、「何となく、これがラベンダー!?」ということがわかるくらいに、少しだけ色づいています。香りをかぎ分けられる敏感な鼻も持ち合わせていないので何とも表現出来ないのですが、それなりに風情があるラベンダー畑で、やっぱりいつかは7月にもう一回来なければいけないと思わせるには十分な6月のファーム富田でした。
妻は念願のラベンダーソフトにありついた後は、早速おみやげの物色です。まだ、北海道に着いたばかりだというのに、これからおみやげを買う時間は山ほどあると思うのですが、女性にはその理屈はいつものことながら通用しないようです。
その後、「ラベンダーが咲いている」という温室にて、本物のラベンダーの姿と香りを楽しみ、ファーム富田を後にしました。
(温室のラベンダー)
この後のこの日の観光予定ですが、特に「ここ」というみどころは決めておらず、ラベンダーの穴場として紹介されている2つの施設に、早咲きのラベンダーやその他の花、もしくはそこら眺める風景など「何かあるかなぁ~?」と考え、行って見ました。
最初は「北星山町営ラベンダー園」。冬はスキー場になるところで、この時期でもリフトが営業しています。富田のすぐ近いところにあり、リフトで小高い丘まで登れましたが、丘の中腹のラベンダー畑はまだまだ全然色づいてはいませんでした。
ここはラベンダー以外の花はなく、頂上にも(山並みは綺麗でしたが)特に見どころはありません。
でも病気以来、初めて一人でリフトに乗れたことが、最大の収穫でした。
次に行ったのは「彩香の里 佐々木ファーム」。ここを訪れた時点でもう5時近くなっており、まだまだ明るいのですが売店などは全てもう店じまいをしています。
ここも、北星山と同じでほぼラベンダーのみのようですが、肝心のラベンダーが、北星山以上富田以下の開花状況ですので、お土産も売っていないとなれば、長居は無用です。
これで「花が中心のこの日の観光」を終えますが、この日の夕食は富良野ワイン工場のそばにあるレストランで取る予定にしていましたので、まだまだちょっと時間が早いので、ふらのワインの工場に行き工場見学をします。
お酒の工場見学といえば「試飲」がつきもので最大の楽しみなのですが、ドライバーの私は試飲は出来ませんので、妻に試飲役をお願いし「おいしかったらワインを買って、車に積んで帰ろう!」と言っていましたが、妻のテイスティングの点数は思いの外厳しく、購入のGOサインは出なかったので、おいしくなるためにぐっすりと眠っているワインを遠くから眺めただけで終わりました。
さて、いよいよ北海道最初のディナーです。この日の夕食はふらのワイン工場のすぐ上にある(同系列かな?)「ふらのワインハウス」でいただきます。ここの「ふらの風チーズフォンデュ」がとにかく絶品だという口コミを信じて、ここでの夕食を決めたのです。
この旅行、「夕食はどこで食べるか」はすべて事前の計画で決めていましたが、この日の夕食だけは唯一座席の予約はしていませんでした。理由は、「それなりに広いレストランらしく、我々が行くのは恐らく6時過ぎだろうから、満席で断られることはあり得ないはず!」という判断によるものでしたが、予想通り6時前にレストランに入った時には、広いレストランの先客はたった2組だけでした。
我々がオーダーしたのは、サラダのほかオードブルの「自家製ベーコンステーキ」や「ソーセージ盛り合わせ」とメインの「ふらの風チーズフォンデュ」。
妻は熱くない(鍋でやる普通のフォンデュと違って、パンの中なので最初は熱かったチーズも少しづつ冷めていきます。)ことが少々お気に召さなかったようですが、チーズ大好き中年の私としては、温度を超越したチーズの旨さに本当に感動してしまいました。
恥ずかしながら、食器のパンもその残ったチーズと一緒に完食しました。
またそれ以外の食事も全体的にクオリティが高く、大満足のディナーになりました。特に、「自家製ベーコンステーキ」は期待を大きく上回る味で、次にも必ず食べたいとい思います!
ようやく本日の全ての予定を終え、ホテルに向かいます。本日のホテルは、「富良野といえばここ!」という富良野を代表するホテルである「新富良野プリンスホテル」。計画では、8時までやっているホテル内観光施設「風のガーデン」を見に行く選択肢もあったのですが、今日一日頑張って観光&運転した我々には、その元気はもうありませんでした。
ホテル内にある温泉「紫彩の湯」の入場券が含まれている宿泊プランでしたので、チェックイン後はすぐに温泉に向かいます。
温泉自体は可もなく不可もないごく普通の温泉です。勿論手すりや身障者用の配慮もあり、私でも問題なく楽しむことが出来たことは本当にありがたい限りです。
でも、部屋から温泉がとっても遠く、何回も階段を上り下りする構造にちょっと辟易してしまいました。「温泉は、この入浴券で何度でも入れます」とは言われていましたが、二人とも「もういいや」という感じでした。
明日の朝は早起きして、このホテルでのメインイベントが控えていますので、早めに休みました。