麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

4、北関東・新潟・会津周遊の旅<その2:新潟県>


2日目:6月9日(火)

群馬県内で体験の旅を楽しんだ後は、いよいよ新潟県に向かいます。越後の国への旅と言えば、昔は難所で名高かった三国峠を超えての行程だった訳ですが、今は関越トンネルを超えてしまえば簡単に新潟県に行けるので、本当に便利な世の中になったものです。とは言え、関越トンネルは10キロを超える日本でも有数の長~いトンネルですから、そのトンネルを抜けるまではドライバーとしてはいつも以上に緊張を強いられます。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」列車でも車でも、ここのトンネルを抜けるたびにこの有名な小説の書き出しをいつも思い出しますが、6月のこの時期に雪景色が見られる訳もなく、この日は群馬も新潟も曇天・雨が続いています。

さて、食事が楽しみな新潟の旅なので、早速お昼をいただくことにします。個人的に新潟と言えば大好きな(ランチの)メニューは、何といっても「へぎそば」。今では新潟全県の名物なので、新潟市内などで(実は、地元埼玉の大宮にもへぎそばのお店はあるのです!)いつも美味しくいただいているのですが、折角の日本一周なので「へぎそば本場の、十日町で食べたい!」という個人的な強いワガママから、十日町の有名店「小嶋屋総本店」に車を走らせます。

有名店&人気店なので行列しているかも… と危惧しましたが、今に始まった有名店でもなく古くからの人気店なので、お昼時とは言えすぐに店内に入ることが出来ました。
久し振りの「へぎそば」は、独特ののど越しで本当に「まいう~!」です。今の自分たちをわきまえずに、調子に乗って3人前+天ぷら2人前をオーダーしてしまい、妻からは「こんなにたくさん、食べられない!」と言われてしまいましたが、確かに最後はちょっとしんどかったものの、何よりも美味しいそば&天ぷらのお陰で無事に完食することが出来ました!
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相変わらず外には細かい雨が降っていて、山並みを眺めるような観光は楽しめなさそうな天気ですが、予定を大胆に変えるほどの事前調査が出来ていたわけではないので、とりあえず予定通りに先に進むことにします。
4月に日本一周を始めてからは、今までのように「何度も何度も行程を仔細に検討して、綿密にプランニングした上で、旅に出る。」ことが出来なくなってきています。一つの旅が終わったら、すぐに次の旅行計画を始めるのですが、その計画検討期間は半月もないので、どうしても中途半端な計画&知識のままで旅立ってしまわざるを得ない状況です。
「元プロなんだから、下調べなんかしなくったって大丈夫でしょ?」と妻にも知人にも言われますが、元プロとは言え「専門は海外旅行」と数十年にわたって公言していましたし、個人的には「事前情報は、多ければ多いほど良い」という「下調べ推進派」なので、やっぱり出来るだけの調査をしてから旅行に臨みたいというのが本音です。それでも昔から好きで何度となく訪れている北海道や東北ならば、今までの知識だけでも何とかなる場合もあるのですが、それ以外の地域と言えば、元プロとしてはいささか恥ずかしい知識レベルです。

次に向かった見どころは「星峠の棚田」。「棚田」に関しては、今までは興味はあったもののじっくりと訪ねたことは殆どなく、今回の日本一周を機にできるだけ訪ねるようにしているのですが、この棚田の紹介で書かれている「日本一の棚田」というフレーズが大いに気になっての訪問です。
「棚田」は観光地ではありません。実際に人々が普通に生活している場所で、棚田の名前も地名ではなくあくまで”通称”ですから、ナビでもその場所を指定しにくいので、たどり着くのは他の棚田同様結構大変でしたが、さすがに「日本一の棚田」と名乗るだけあり、案内も結構しっかりしていて、無事にたどり着くことが出来ました。
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確かに、スケールの大きい素晴らしい棚田ではありますが、「日本一」かどうかはまだ日本一周の途中ですので、コメントは控えさせていただきます。個人的には、今まで見た棚田との比較でいうと、「スケール等では、三重県の丸山千枚田と甲乙つけ難い。」といった感想です。
ただ、この日に見た星峠の棚田は、雨が激しく十分に景色が満喫できなかったというハンデはありましたが…

この後、長岡を経由して新潟市内に向かうのですが、長岡と言えばこれも私の大好物の食材の本場なので、観光はともかく是非とも味わいたいと思い、その本場にナビをセットして向かうことにします。
その場所とは、「長岡」といっても全然ピンと来ないのですが… 「栃尾」と云ったらご存知の方も多いと思います。そう、「栃尾あぶらあげ」の本場です!

以前から、主に「酒のつまみ」としてはこの「栃尾あぶらあげ」がとにかく大好きで、居酒屋でもこの名前を見ると必ずと言っていいほど注文してしまうほどの大好物です。その「栃尾」地区の道の駅には、「注文してから油で揚げてくれる油揚げ屋さんがある!」という情報を見てからは、新潟の観光の中では絶対にはずせない場所になりましたので、観光ルートを考えると結構な遠回りにはなるのですが、ハンドルを握る自分の中に躊躇はありません。妻は、「油揚げなら、別に家でも食べられるのに…!?」と半ばあきれ顔です。

たどり着いた道の駅では、早速屋台のようなお店「揚げ処さとう」に向かいます。噂通りに注文が来てから油揚げを1つ1つ揚げているので、早速私も1つ注文して、期待に胸を膨らませながら、出来上がりを待ちます。
揚げたての油揚げにはねぎと鰹節がかかっていて、6つぐらいに切ってくれています。その上に自分の好みで一味唐辛子をたっぷりとかけて、熱々のうちにほおばります。
「やっぱり揚げたてなので、今まで食べた栃尾あぶらあげの中でも、最高の味!」
早くもこの旅のグルメMVPが決定してしまいました!
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もう1つ食べようかとも悩んだのですが、いくら油揚げでもこれ以上食べると今晩の晩御飯にも影響しそうなので、泣く泣く断念しましたが、「次に新潟に来る時には、ランチ時間に来て少なくとも3つは食べるぞぉ~!」と固く心に誓いました!

栃尾への立ち寄りは結構遠回りにもなり、雨も激しくなってきたのでとりあえずその他の観光を諦めて本日の宿に向かうことにします。
今晩の宿泊は新潟市内。この日は、大宮勤務時代(7~10年前)の2人の同僚が、新潟に(共に)単身赴任しているので、その2名と新潟の美味しい地酒を酌み交わす約束をしていたのですが、八戸在住で私の35年来の友人が、たまたまこの時期に丁度関東をサイクリング旅行しており、この日偶然にも新潟に宿泊することが判明! 「埼玉と八戸在住の2名が、お互いの旅行中に新潟で偶然に邂逅する。」こんな偶然、人生でもそうそうあるものではありません!
当然のことながら、単身赴任中の2名の元同僚と八戸在住の友人とは面識がある筈もありませんが、「どちらかを選ぶ」ことも「飲み会をはしごする」こともできないので、双方に了解を取った上で、みんなで新潟の夜を楽しむことにしました!
(私のわがままをお聞き入れいただいた皆様に深く感謝申し上げます。)

でも、新潟のお酒と新鮮な海の幸はとにかく旨かった! 
しかも散々食べて飲んだ後の会計を聞いてまたビックリ!
「あれだけ食べて飲んで、こんなに安いの??」
本当に常識(金銭感覚)を覆されました!

この日は、景色はともかく「へぎそば」「栃尾あぶらあげ」「とびっきりの海産物」と「新潟の美味しい地酒」に、完全にノックアウトされた1日になりました!

3日目:6月10日(水)

前日の満足の余韻を引きずりながら、新潟の観光を続けることにします。
新潟の観光地と言えば、何といっても「佐渡」を外すことは出来ないのですが、今回の日本一周のマイルールでは、「離島は2周目に!」と決めています。個人的にも佐渡は19歳の時に初訪問して以来行けていないので大変行きたかったのですが、「次回、必ず!」と誓って遠望するだけにさせていただきました。

本日最初に訪問したのは、新潟のパワースポットとして名高い弥彦神社。神社に参拝する前に、神社の後ろに聳える弥彦山の上の展望台から越後平野の眺望を楽しもうと車で山頂を目指しましたが、この日は快晴とは言えないまでもそこそこ天気は回復してはいたのですが、山頂に上がるにつれて濃い霧がかかっていて、山頂はこんな状況で全く何も見えません!
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写真の真ん中、このすぐ先にあるパノラマタワーが写っている筈なのですが、目の前のタワーすら全く見えない状況なのですから、お金を払ってタワーに登ったところで、弥彦神社越後平野が見えるはずもありません。
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タワーを諦めて下に降り、弥彦神社に参拝しパワーいただきました。
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(下から見ると天気は悪くないのですが… 山頂のみ霧がかかっている状況のようです。)

この日本一周、高いところに上がるとガスで視界が遮られることが多く、ツイていません。「私の行いが悪いから?」と妻には疑われています。
「次、また来よう」というモチベーションのためでしょうか?

次に向かったのは、「魚のアメ横」で有名な大型海産物のお店が並ぶ寺泊。特に20年ぐらい前には、お正月前になると「正月用品(海産物)のお買いものツアー」などがよく企画された有名海産物調達スポットで、個人的には何度か企画はしたものの実際に来るのは初めてでした。
想像通り、道路沿いにたくさんの海産物屋さんが並びます。写真の真ん中にあるのは我が家近くにもある「角上魚類」の本店のようです。
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ここでは、お昼を食べるだけでお土産を買う予定はなかったのですが、やっぱり市場に来ると貧乏なくせにお買い物好きのムシが疼いて買いたくなってしまいます。10日後に結婚式を控えた娘の新居に、カニを衝動買いして送ってしまいました。
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ところで、寺泊の海鮮丼は… ちょっと期待外れでした。
山陰・山陽などで散々海鮮丼を食べて、我々の舌が(一時的に)肥えていたせいなのかもしれません。…

午後は新潟から会津に向けてドライブします。このルートは、2年前の10月に1人での日帰り旅行で乗車した、「SL ばんえつ物語」のルート(=磐越西線)にほぼ沿っていて、SLの車内から阿賀野川沿いの景観を満喫した記憶がありますので、今度は並走する国道から川沿いの景色を楽しみながらのんびりとドライブです。
途中の「道の駅阿賀の里」では阿賀野川の遊覧船「阿賀野川ライン舟下り」に乗船しましたが、何とこの時間帯の遊覧船は我々2人の貸切状態!
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見どころを案内してくれるガイドさんと、妻の掛け合い漫才状態が続く40分でした。遊覧船からも、磐越西線の線路が見えます。SLばんえつ物語号を舟の中から眺められたら最高なのでしょうね!?
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「いくら平日とは言え、この客数はちょっとヤバイんじゃ??」とおせっかいな危惧をしていましたが、船着き場に戻ると団体さんを含めた結構な数の乗客が我々の貸切船の帰りを待っていて、たった2人を下した船は乗客が入れ替わるとあっという間にほぼ満席になりました。
同じ料金で「貸切船」の雰囲気を楽しめた我々の運が良かっただけのようで、一安心でした。