麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

5、北海道一周の旅<その1:出発~えりも岬>


ようやく6月後半~7月に行った「北海道一周の旅」の旅行記に取り掛かることが出来ます!
7月中旬~8月中旬までは(日本一周としては)ちょっと長い「夏休み」で、しばらくは埼玉の自宅に滞在しています。この「夏休み」の間には、日本一周の外出(=ブログに投稿する旅行)もあまりない予定ですので、この旅行記を書き上げるとようやく『実際の旅行にブログの旅行記が追いつく』ことになりそうです! 
8月中旬以降には、2つ連続で長期旅行に出る予定なので、また現実とブログとの間に大きな差が開いてしまいそうですが…

「日本一周」というイベントにおいては、「北海道旅行」は絶対に欠かせない主要パーツなのですが、昨年サラリーマンの身分としては恐らく最長旅行に近い7日間の北海道ドライブ旅行(旅行記こちらから)をしていますし、病気になる前年の2009年の10月にも、ほぼ同じような日数で道東の見どころを妻とレンタカーで巡っていますので、北海道大好きでいつでも何度でも行きたい場所ではあるのですが、「どう廻ろう?」と考えると、大いに悩んでしまいます。
でも道北のエリアなどは、大学生時代には冬にしか行っていないので、今回夏に行けるとしたら、高校2年生の夏休みの初北海道以来38年振りということになります。

今回の「日本一周」の”マイルール”は、『47都道府県全部に行って宿泊し、その都道府県の主な見どころを見る。』という漠然としたルールなので、ルールをその通りに解釈すれば、北海道と言えども2泊程度で「達成」が可能ということになりますが、それでは「北海道大好き中年」としては全く面白くありません。
ということで、「よし、北海道はその外周をほぼ1周してやろう!」と他の都府県とは違うマイルールを決めて、早速プランニングを開始しました。旅行実施は昨年同様本州は梅雨の真っ最中である6月後半~に決めました。昨年は6月21日から1週間の旅行でしたが、全く雨に降られず毎日最高の好天気で、「昨年にあやかろう!」と思って出発日を決めます。昨年の出発日だった6月21日は、今年は人生有数の大イベントである「娘の結婚式」なので、さすがにこの日に出発するわけにはいきません。結婚式が無事に終わり、ちょっと落ち着くであろう6月25日に旅立つことに決めました。

昨年は、富良野大雪山などの北海道の内部を中心に回ったので、出来るだけ昨年行った場所とは重複しないように日程を考えました。「北海道を一周する」のですから、本来なら函館から函館まで回ってこそ北海道一周と言えるのでしょうが、ニートとは言え日数というより予算には制限があるのと、あんまり長い運転もしたくないという思いもあるので、今回は北海道行のフェリーを昨年の自分の比較評価に従って仙台⇒苫小牧のフェリーにし、帰りはフェリー乗船時間最短の函館⇒大間のフェリーにしました。

今回の旅は全16日間で、5月の「山陰・山陽大周遊」と同じです。「本州の梅雨を避けて梅雨のない北海道へ…」の筈でしたが、「北海道の梅雨入り宣言は出ないのかしら?」というぐらいに雨に祟られた旅で、おまけに北海道だから当然と言えば当然なのですが、毎日本当に寒かった! 昨年の旅では、持って行った長袖の服を着る機会が殆どありませんでしたが、昨年の反省で少し多めに持った半袖の服を着るチャンスは皆無でした!

1日目:6月25日(木)

仙台から苫小牧へ行くフェリーは昨年同様仙台発が19時40分なので、昼過ぎに埼玉の自宅を出れば十分に間に合うのですが、せっかく仙台まで行くのですからただ昼過ぎに家を出るのは何となく勿体ないような気がします。仙台は妻の実家があるのですが、平日の昼間には実家には誰もいないので、無人の実家に行っても仕方がありません。
「朝少し早く出れば、途中の観光が出来る!」と考え、天候次第とは考えていたのですが、「曇り」の天気予報だったので決行を決め、いつも通り8時前に自宅をスタートします。

「途中下車」の目的地は、「磐梯吾妻スカイライン」と「浄土平」。前回の旅で福島県会津地方の資料を色々と眺めていて、懐かしいこの地名を見てむしょうに行きたくなっていた場所でした。前回の旅は福島と言っても「会津地方の旅」でしたし、日程的にも贅沢は出来なかったために断念しましたが、「数時間の時間つぶし」にはちょうど良いような気がしていたのです。

浄土平の吾妻小富士にだけ行くのであれば、福島まで行き福島西ICから少し戻るように走ったほうが早いのですが、時間に余裕のある我々は、岳温泉などの温泉や秋には菊人形で賑わう馴染みの深い二本松のICで高速を降り、磐梯方面に向かいます。
天気予報は曇りだったのですが、標高が上がるにつれて徐々に視界に濃霧が広がっていきます。 今回の日本一周では「高いところからの眺望」には特に運がなく、「頂上に着いても何にも見えないので仕方なく引き返す。」という事態が連続していたので、「今回もそうなのかしら?」と危惧しながらドライブを続けます。「最悪でもないけれど、天気は相変わらず。」スカイライン途中の展望台はずっとそんな感じでしたが、何とか目的地の吾妻小富士に到着しました。
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天気が良いのか悪いのかよくわからない写真ですが、この上の頂上まで上がっても遠望は効きそうにもありません。でも、久し振りに火口だけでも見ようと登り始めたのですが、捉まるものも何もない道で私的には結構ギャップがあり厳しい道です。今から北海道に行くのに、もし万一転んで怪我でもしたら… と思うとどうもこれ以上足が前に進まず、結局途中で引き返して来てしましました!
ここが目的地だったら&晴れていて眺めが良さそうだったなら、絶対に登ったのでしょうが、どうも自分の軟弱さには呆れてしまいます。

順調にここまで来て観光を途中で引き返してしまったので、まだ時間はたっぷりあるのですが、福島市周辺で他の手頃な観光地も思いつきません。「どっか時間つぶし、ないかなぁ~?」とスマホとにらめっこしましたが、「この読み方わかる?」と妻との他愛無い会話から、福島市内の眺望が楽しめる「信夫山(しのぶやま)公園」に行ってみることにしました。
でも信夫山公園はかなり大規模な工事をしていて、見晴らしの良さそうなところに車を停めると工事担当者が来て、
「ここは工事中なので通行止めです。」
「じゃあ、どこへいけばいいの?」
「あっち側に第1展望台がありますから、あっちへ行ってください。」
苦労して教えられた方に向かいますが、それらしい場所は工事中で、ありません。近くにいる(工事関係者の)人に
「第一展望台ってどこですか?」
「えっ、今は工事中でありませんよ!」
「じゃぁ、どこ行きゃいいの?」
「(さっきこっちを教えられた)あっちかなぁ~!?」
これ以上言っても埒が明かないので、諦めて福島市を後にしました。

仙台へ行き、フェリーふ頭近くにある「日帰り温泉」でお風呂に入ります。昨年は予算に多少余裕があり、フェリーのデラックス個室を予約したので風呂つきの部屋だったのですが、今回は貧乏旅行なので個室とは言え部屋には風呂がついていないため、風呂に入ってからフェリーに乗り込むことにしていたためです。日帰り温泉はフェリー乗り場から車で5分程度と至近で、ちょうど良い時間つぶしにもなります。このパターン、仙台からフェリーを使う際には定番にしようと思います。

フェリーのチェックインは昨年1回経験しているので極めてスムーズでした。混んでいて入口の係員さんも忙しくしていたので、昨年案内された身障者用の待機場所に勝手に車を停めてチェックインに向かいます。手続きはあっという間に終わり、日帰り温泉で時間調整をしたお陰で、待ち時間も少なく退屈せずに済みました。
乗船する船は、昨年乗った船(きたかみ)よりちょっと新しい船(きそ)です。やっぱり、5月に乗った徳島からのフェリーと比べても、かなり大きい感じです。
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乗船後すぐに、昨年同様ビュッフェレストランに行き、昨年同様オリジナルワインのハーフボトルで乾杯します。この日のフェリーは完全満席で、出航前のレストランには大学生の大型団体が来ています。若者たちの胃袋力はさすがに強靭で、凄い勢いで料理がなくなっていきます。
でも去年と比べて、料理の数や質が少なからず貧弱になっているような気がしたのは、私の錯覚でしょうか??(例:去年は握り寿司があったのに、今年は(海産物のない)ちらししかない etc…)
昨年は夜のショーなどを楽しんだのですが、今年はショーにも行かずにとにかく部屋で翌日の到着までおとなしくしていました。徳島からのフェリーで不覚にも「船酔い」をした教訓から、酔い止め薬を飲むことだけは忘れませんでしたが…

2日目:6月26日(金)

フェリーは昨年同様殆ど揺れることもなく、予定通り11時に苫小牧港に到着です。昨年の旅行でも、苫小牧の食堂で「北海道最初のランチ」を食べてから観光に向かったのですが、昨年は苫小牧到着が日曜日で、是非行きたいと思っていた有名店が「日曜定休」だったため行けず、今回1年越しの念願叶っての初訪問です。
まだお昼にはちょっと早い11時20分頃、お目当ての有名店「マルトマ食堂」に向かったのですが、驚いたことにお店にはこの時間なのに既に大行列が出来ています!! 
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並んでいる人たちは恐らくは殆どが観光客で、漁港の食堂なのですが、港で働いている人は誰も並んでいないようです。フェリーからの乗客は、一目散にこのお店を目指した私たちがどうやら一番乗りらしく、この後見覚えのある顔が何組か我々の後ろに並びました。忙しい旅なら「諦めようか?」とも思うような長い行列ですが、1年越しの悲願ですし、慌てることもありませんので待つことにしました。
この店、私もTVの旅番組で知ったのですが、マスメディアに出た回数は本当に多く、店内全ての壁が芸能人のサインで埋め尽くされています。ようやく狭いお店の相席に案内されたのは1時間以上後の12時半過ぎ。
妻は定番の「海鮮丼(マルトマ丼)」
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私はTVでいつも取り上げられる「ホッキカレー」をオーダー
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ホッキカレー、甘口でかなりホッキがたくさん入っていたカレーでした。「また食べてみたい」と思う味ではありましたが、「また、1時間並ぶ?」と聞かれると、大いに悩んでしまいそうです。

さて、今回の旅は苫小牧から北海道の外周を「反時計回り」で1周する予定なので、まずは海沿いに「えりも岬」を目指します。
日高本線に沿ったこのエリアは、「サラブレッドのふるさと」として有名で、本当は1つ1つの町を訪ねながらのんびりとドライブしたかったのですが、苫小牧の食堂でいきなり時間をロスしたことも響き、またえりもまでは思ったよりも距離があったので、とりあえず「サラブレッドの故郷」を代表して新冠の町を訪ね、牧場が集まるエリアをゆっくりドライブし、昨年の旅以降観光のバイブルとして大いに参考にさせていただいている「北海道 感動の瞬間100選」にも掲載されている、「お馬の親子」などの牧場風景をを楽しみました。
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競馬好きの方なら、「(引退した)名馬○×に会いたい!」という「名馬めぐり」が出来るエリアなのですが、競馬に全く興味も知識もない私なので、いくつかの牧場が遠望できて、お馬さんの親子が見られればそれだけで十分に満足してしまいます。
新冠の道の駅で貰ったパンフレットに「ハイセイコーの墓」の記載があり、同じく競馬のことを全く知らない妻もさすがにハイセイコーのことだけは知っているようなので行ってみようかとも思ったのですが、結構遠そうだとわかり止めることにします。

本日の宿泊地はえりも岬。えりも岬には、初北海道の高校2年の旅では最後の方に訪ねる予定にしていて、ユースホステルの予約も済ませていたのですが、初北海道で現地に来てから各地での誘惑に負けまくって、事前に組んできた日程がズタズタになってしまったため、このえりもにも来れなくなってしまってから、38年目にして初めての訪問です!

えりもと言えば「風が強い場所」という予備知識は十分に持っていたつもりですが、えりも岬が近づくにつれて、ドライブしていてもその強風を感じるようになり、ハンドルを強く握っていても車を持って行かれそうになります。

岬の駐車場に車を停め、岬の突端方向を目指しますが、本当に台風の時しか経験したことがないような強風に煽られ、80キロを超える巨体が本当に飛ばされそうになるのです!
岬に着き写真を撮りますが、人の写真は髪の毛が完全に爆発してしまうので、撮れませんでした!
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「風極の地」の碑があります。本当に風が強い!!
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こんなに強い風で、これ以上の観光は出来ません。なので岬にある屋内施設の「風の館」に逃げ入って、風のないえりもの観光を楽しみます。

岬の突端の岩場にはアザラシが結構います。「今回の旅行のためにamazonで新調した双眼鏡の出番がいきなり来た!」と小躍りしましたが、無料のもっと大きな望遠鏡でこの風が強いのに平気で遊んでいるアザラシを見せてもらいました。
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この「風の館」では風速25メートルなどを体験できるコーナーがあります。この旅出発の前週の土曜日に放送された「路線バス乗り継ぎ旅」で太川陽介さんたちがこの「風の館」を訪れ、蛭子さんがこの風速25メートルを体験していました。なので施設の担当の方に「先日、蛭子さんが体験されてましたよね!?」と言うと、担当者が顔を見合わせて「???」と、キョトンとしていました。
何故スタッフ全員がキョトンとされていたのかが我々夫婦には大きな謎でしたが、その謎は1週間後にようやく解けました。北海道内では、この放送は我々が訪ねた翌週に放映されて、我々が訪れた時には「北海道地区では未放送」だったので、この施設の人たちは、「こいつ、何で知ってるの??」というキョトンだったのでした!

本日の宿泊はえりも岬近くの旅館。一晩中強風がガタガタと旅館を揺らし、まるで台風のようで安眠できませんでした。こんな風は滅多にないのかと思い聞いてみましたが、
「毎晩のこと。昨日はまだましな方だった。」とのことでした。

森進一の「襟裳岬」の曲のイメージも吹き飛ばす強風に、えりものイメージもすっかり一変してしましました!