麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

6、長野・岐阜から北陸へ<その2:長野県(後篇)~感動の上高地~>


3日目:8月15日(土)

今日は待望の上高地に行く日です。旅行日程等の全てをこの”上高地の日”に合わせてきたのですから、3日目にしていきなりこの旅のハイライトを迎えます。
”日本人全員の心理の裏をかく”というギャンブルに出たのですが、その日が近づくにつれて、私のチキンハートはもうバクバクです。十分に検討して予定を決めたのだから、もう情報収集なんてしなくてもいいのですが、やっぱり気になって、前日の夜も寝る間を惜しんで塩尻のホテルでネットの書き込みを改めて見てしまいます。

ネットでは当然のように夏の上高地の混雑振りが山ほど投稿されています。
「松本から上高地に向かう道は、松本市街を出る頃(上高地のずっと前)から渋滞して全く動かない。」
シャトルバスに乗り換える沢渡(さわんど)の、たくさんある駐車場の空きが全然見つからない!」
シャトルバスも満員で乗れなくて、何本か待たないと乗れない!」
「夏休みに上高地に行くのなら、沢渡の駐車場には6時前に行かなきゃダメですよ!」
etc…

上高地のホテルのキャパは限られているので、夏休みの間に上高地に宿泊できる人の数は限られています。ホテルが取れなかったり、予算的に上高地の宿泊を諦めた方は、朝早く上高地に行き終日上高地を楽しんで夕方のバスで戻るのだそうです。上高地の大混雑は、どうもこれら”日帰り族”の方々が引き起こすことが多いようなので、”駐車場や(上高地に行く)シャトルバスは、朝や午前中の方が混雑するに違いない!”というのが、私の推理でした。ですから”当日はいきなり上高地には行かずに、昼頃に上高地に行こう!”というのが、迷いに迷った挙句の私のプランだったのですが…
とはいえ、前の晩12時過ぎまでネットを見ながらまだグダグダと悩んでいたのです!!

朝、ホテルの窓を開けると、天気予報以上の真っ青な青空が広がっています。勿論、山の天気は麓とは違うし、”山の天気は女心のように変わりやすい”ので安心はできませんが、まずは”第一段階クリア”のようです。

上述したようにこの日は直接上高地には行かずに、まずは近くの奈良井宿を観光してから上高地に向かうことにして、絶好の天気の下エンジンをスタートさせます。
中山道最大の宿場町奈良井宿中山道には奈良井宿以外にも魅力的な宿場町がたくさんあり、個人的には19歳の時に行って以来の妻籠・馬籠宿にも行きたい気持ちもあったのですが、そこまで行ってしまうと肝心な上高地に着くのが夕方になってしまいます。なので今回は諦めて木曽路を代表して奈良井宿だけで満足することにします。

7時過ぎに塩尻を出たので、1時間後の8時頃には奈良井宿に到着します。早く着いたお陰で、奈良井駅前の無料駐車場にスムーズに車を停めることが出来ましたが、当然のようにお店はまだ営業していないので、まだ開いていない宿場町を散歩して、その雰囲気を味わうことにします。
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見て下さい! この青い空。”雲一つない”というのはこの天気のことを云うのですね!!
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奈良井宿は結構長く続く宿場町なので、端から端まで歩くと私の足では40分ぐらいは掛かります。9時を回るとボチボチお店も開きはじめるので、帰りはお店を覗いたり喫茶店で休憩しながら、奈良井宿を満喫しました!

いよいよ上高地に向かいます。奈良井からは山越えの道を選択し、結構快適なドライブで上高地がどんどん近づいて来ます。奈良井からの山道は、梓湖で松本から来る上高地へのメインルートと合流しますので、「そろそろ、渋滞来るか?」と身構えながら運転していたのですが、合流しても渋滞はなく全く道路はスムースに流れています。その後も、前の車がブレーキを踏むたびに、「すわ、渋滞か??」「遂に、来たか!」などと毎回覚悟しますが、前の車はそんな私をあざ笑うようにすぐに速度を上げます。

結局、噂の渋滞には一度も嵌らずに、上高地への松本側の乗り換え口である沢渡に到着します。「沢渡に駐車場はたくさんあるけれど、バスに乗ることを考えてバスターミナルに近い駐車場がいい!」というネットのアドバイス通りの駐車場に、すぐに空きスペースを見つけることが出来ました!
ここから1泊2日は愛車とはお別れなので、リュックに2日分の荷物を詰めて、意外と距離があるバスターミナルまで徒歩で向かいます。
ここがバスターミナルですが、本当に、人少ないですよね!? これが本当に”上高地行き沢渡バスターミナルの、8月15日土曜日の12時頃の風景??”と疑いたくなりますが、紛れもなく本当です!!
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バスターミナルにレストランはないので、お昼のお弁当を買ってターミナルのベンチでいただきます。「折角だから、上高地に持って行ってハイキングしながら食べようか!?」とも話したのですが、「上高地は、ゴミを持ち帰るルール」ですから、「ごみを持ち歩くのが面倒!」という現実的な理由から、その場でいただくことにしました。

上高地へのシャトルバスはこのバスターミナルが始発です。バスは数か所の駐車場に停まって乗客をピックアップしていきますので、流石に最後のバス停の最後のお客さんだけはバスに乗れずに「次のバス」になりますが、これだけ回って最後の二人だけ… です。
上高地に向かうシャトルバスから眺める、梓川の渓谷の景観は見事です。上高地に向かう検問が見えてきますが、さすがに上高地のマイカー規制は広く知られているので、混乱はないようです。検問を過ぎて長いトンネルを抜けると、いよいよ憧れの上高地に入ります!

我々は、シャトルバスを大正池で降り、上高地ハイキングの初心者向けコースである「大正池河童橋ハイキング」を楽しむことにしています。
大正池の池畔で、憧れの上高地との念願の初体面です。
 ”これが憧れの上高地…”
感動で、いつもながら言葉を失ってしまいます。
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いつものように、無心にシャッターを切りまくってしまいます!
この晴天! 本当にありがたい限りです!! 日頃の行いのお陰でしょうか!?
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河童橋までは、梓川に沿った1時間程度のハイキングなのですが、私は無理をせずに、2時間ぐらいかけてゆっくりとハイキングを楽しみます。
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さまざまな生き物にも出会えるはずなのですが… ”知床でクマを見られなかった”双眼鏡であちこち眺めていますが、やはりこの手の才能はあまりないようです!
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ハイキングしながら、「ギャンブルに勝った!」充足感が全身を包み込みます。「やったぞぉ~!」と叫びたいぐらいの気持ちでした!
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河童橋が近づくとさすがに人が多くなりますが、流石にこれはやむを得ないでしょう。この時間、河童橋上には人が溢れていたので、河童橋のこの写真は翌朝に撮ったものです。
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このまま梓川の上流までハイキングしたいような気もしますが、足の悪い私に無理は禁物です。しばし河童橋周辺の景色を楽しんで、ホテルに入ることにしました。
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テルチェックイン直後、夕食後の「星空ウォッチング」の申込をしたところ、「既に満員です。」と断られたことが唯一の「混雑による影響」だったでしょうか。夕食を満喫し、星空を眺めることもなく、あっという間に眠りに落ちてしましました。


4日目:8月16日(日)

この日の朝の6時からの「上高地早朝ガイドツアー」に申し込んでいたので、6時前にホテルを出て朝の上高地の風景を眺めてみます。
この日も快晴で、周囲は本当に素晴らしい朝の風景です!
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河童橋周辺には、6時前からリュックを背負った人たちがたくさんいます。恐らく、この方々が朝5時前に沢渡に来て、始発のシャトルバスに乗ってきた”日帰り族”の方々なのでしょう。 口には出しませんが、ちょっぴり優越感を感じました。

ツアーのガイドさんが高性能の望遠鏡で周囲のいくつかの山頂を見せてくれます。高性能の望遠鏡からは、それらの山々をまさに登攀しているアルピニストさんたちの姿が見えます。周囲のどの山にも、結構な数のアルピニストが見えて、少々驚きです。真剣に登攀している生の姿をはじめて見ることが出来たので感激なのですが、残念ながら私の(安物の)双眼鏡からでは見ることは出来ませんでした。

ガイドさんは、10名ぐらいの参加者と1時間程度河童橋周辺のさまざまな場所を散歩しながら、上高地に関する色々な話をしてくれます。意外だったのは、この日はまだ8月中旬だったのにもかかわらず、上高地ではもう既に”秋の気配”がどんどん始まっているらしいこと。
一番驚いたのは、この水量がそこそこある川を、上流まで20分も歩いてゆくと、もう水源にたどり着くこと。たった1キロ程度で、これだけの川になるのですから、本当に驚きでした!
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ガイドツアーを楽しんだ後に朝食を取り、みたび河童橋周辺の大自然にのんびりと心を癒された後、心地よい満足感を感じながら、上高地を後にしました。

沢渡の駐車場から上高地方面へ走り、上高地の検問の前を左折すると、もうそこは岐阜県です!