麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

9.南東北紅葉の旅<後篇:山形~宮城>

 
3日目:10月24日(土)

この前日、Facebookに投稿して「明日は山形です!」と書いたところ、日本海側とか鶴岡に行くとかの詳細は全く書いていないのにもかかわらず、2人の方から「鶴岡の加茂水族館がおススメ!」というような書き込みをいただき、当初は行くつもりは全くなかったのですが、気になって前日の夜にHPを覗いてみました。
「クラゲドリーム館」と銘打たれたその水族館、「ホームページを見ておおいに興味をそそられた」訳ではないのですが、”紅葉紀行”とは言えずっと紅葉ばっかり眺めていて3日目にもなると少々飽きも出てくるので、ここ湯野浜温泉とこの水族館は思った以上に近そうだったこともあり、行ってみる気になりました。

話は変わりますが、この”旅行中の口コミ”というテーマが、実はこの私の大学の卒業論文のテーマでした。33年前にはネットの口コミなんて勿論ありませんが、「ユースホステル・民宿や列車内での旅行者同士の口コミというか情報交換で、旅行者は行き先を変えることが、我々が思う以上に多い。」という仮説を立て、アンケートなどを含めてその仮説を検証することが卒論のテーマでした。大学生というより「1旅人」の私にとっては、「そんなことは、当たり前」だったことが、他の皆さんにとっては「大いに意外」だったことが強く記憶に残っています。確かに、昔は旅先の情報収集をするためにも列車内でもどこでもとにかく積極的に会話を仕掛けていったのですが、今はネットの口コミもあり情報は十分すぎるほどにあるので、旅先でそういう会話を仕掛けなくなったことも、旅先での見知らぬ人との会話が減った一つの要因なのかもしれませんね。

ホテルすぐ近くの水族館には開館時間の9時前には到着しますが、この日は土曜日なので開館前だというのにもう既にかなりの行列が出来ています。オープンと同時に水族館に入り、クラゲ以外の展示にはほとんど興味はないので、とにかくメインのクラゲを目指して、ひたすら奥へと進んでいきます。
そして、メインのクラゲは…
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いやぁ~、凄い! クラゲって子供の頃のイメージは、刺されるし嫌~なイメージだったのですが、改めて一つ一つのクラゲを見ると、こんな綺麗で可愛い(?)生き物だったのでしょうか? 本当に一つ一つの水槽にじっくりと魅入ってしまいました。
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単体のクラゲも迫力満点ですが、たくさん集まって光が当たったクラゲ群も本当に”美しい”という言葉を使いたくなってしまうほど(!?)です。
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イベントとして、「クラゲのお食事」という見せ物もありました。クラゲのお昼ごはんは、クラゲの水槽の中に小さなクラゲを投入し、その小さいクラゲを共喰い(?)するのです。その話だけ聞くとひどく残酷に感じますが、クラゲが小さいクラゲを捕獲して自分のものにする決定的瞬間を見ると、「生物が生きるための神聖なる行為」に厳粛なるな気持ちになってしまうから不思議です。
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いずれにせよ、この鶴岡市立加茂水族館は本当に凄く、本当にこの水族館に行くだけのためにでもわざわざ鶴岡に行く価値があるとさえ思いました。口コミを投稿してくれた友人に本当に感謝です!
クラゲ以外の展示やショーなどもいくつかありましたが、個人的には他の展示なんて吹き飛んでしまうほど、感動したクラゲ展示でした! 

次には酒田に行き、酒田の紅葉スポットして紹介されている「眺海の森」という場所に行ってみます。この眺海の森への道の途中には紅葉した木は確かにありましたが、最上部の駐車場があるところには紅葉はなく、どこが紅葉名所なのかはわからないままでした。頂上にはスキー場があり、この時期でもサマースキー場としてオープンしているようでした。
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酒田と言えば、2011年に病気後初の旅行をした時にも来ていて、その時にも妻の知人夫婦が経営している喫茶店を訪ねています。(その時の記事はこちら)その時は別の場所で海産物ランチを食べてから、コーヒーだけを味わいにお邪魔したのですが、他のお客さんが美味しそうなランチを食べているのを見て、「次は絶対にお昼を食べに来よう!」と思っていたので、今回は4年越しの宿願を叶えるべく12時前にそのお店”豆麦亭”を訪れます。
4年前にこのお店に初めて来たときに、「凄く繁盛していて、地方の喫茶店の見事な成功例です!」と絶賛した(本当にそう思った)記憶があるのですが、時の流れは早いものですから、このような大成功からいつの間にか閑古鳥が鳴いているお店になってしまうような例も何度か見てきているので、「あの喫茶店は、大丈夫だよね?」と少々心配しながら車を駐車場に入れました。まだ12時前だったので、駐車場にもお店にも他のお客さんはおらず、「まさか、あの心配が現実??」と俄かに不安がムクムクと私の中に持ち上がってしまいました。

でも、そんなことが全くの杞憂であることがすぐに判りました。我々が店に入った直後からお客さんはどんどん増えて、あっという間にほぼ満席になったのです! お元気そうなご夫婦と息子さんも忙しそうに接客されており、4年前と変わらずの素晴らしく嬉しくなる風景でした。
ランチもお魚のランチを中心に多彩で、これならこの人気があるのも頷けます。写真は撮り忘れましたが、ランチは勿論美味でしたよぉ~! この分なら「数年後とは言わず、20年後も大丈夫!」と安心させていただき、何年後かにまた酒田に来る時にも、必ず寄らせていただこうと思いました。

豆麦亭で美味しいランチを頂きながら、山形県にもすっかり詳しくなったご主人からこの先の観光地をいくつかご紹介いただき、親切にもパンフレットまでたくさんいただいたのですが、今日の午後のメインは「最上川舟下り」で、その後は宮城県の鬼首リゾートまで移動しなければならないため、教えていただいた観光地はどこもとっても魅力がありそうだったのですが、ご主人には申し訳ないのですが結局どこも行けませんでした。この日の天気予報は午後から雨予報だったので、雨が降り出す前「豪雨を、集めて早し」にならないうちに最上川の舟下りをしてしまおうと考えた次第です。
最近は「最上川の舟下り」にもいくつかの会社の船が入り乱れていて、競争が激しくなっているようなのですが、私が入社した昭和58年頃には、最上川の舟下りと言えば「古口~草薙」の1ルートだけでしたので、今回も昔を懐かしんでその船に乗ることにします。
この昭和58年という年には、私が赴任した地仙台にも、ちょっとした「山形ブーム」が起きた年でした。その、山形ブームの火付け役は何といっても視聴率50%超えの超人気番組「おしん」。この年の旅行で、”ホテル出発8時半”とお客さんに言っても、8時半前には誰一人バスに来る人はいません。全員、部屋で8時半までは「おしん」に熱中していて、放送終了後にようやくみんな部屋を出てくるのです。おしんといえば銀山温泉と酒田ですから、その中間にあるこの「最上川舟下り」も楽しまない手はないので、この昭和58年だけでこの地には何度来たことでしょう? でもそれ以降は恐らく1回も来ていないはずなので、正に32年振りです。

32年振りに最上川を下ります。紅葉も丁度見頃のようで、この日のハイライトです。
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ゴール近くには昔と何ら変わっていない「白糸の滝」と鳥居があります。
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この舟下り、川幅もそれなりに広く特に景観が目まぐるしく変わるわけではないので、文章に書きずらいことに改めて気づきました。どんな場所でもそれなりの紀行文に仕上げるプロの作家はやっぱり凄いですね!? 改めて敬服してしまいます。

草薙で舟下りを降り、路線バスで乗船場所の古口まで戻る頃には天気予報通りのかなり激しい雨になっています。ここから、本日の宿である宮城県鬼首温泉峡までのドライブは、昔通りかなり時間が掛かりました。途中、昔仕事で何度か来た山形県のひなびた温泉(失礼!?)である赤倉温泉を通ります。この地の方々とは、約30年前に中国に10日以上ご一緒したことがあります。それ以外にも、生まれて1年以内の息子を連れての初めての旅行がこの赤倉温泉でしたが、初旅行の息子が初めて40度近い高熱を出して夜中に慌てて病院に連れて行ったことも、今では懐かしい想い出です。

鬼首温泉は、シーズンの土曜日なので鳴子温泉が取れなかったための代案でしたが、日もすっかり暮れた雨中のドライブで真っ暗の中を結構走ったので、スリルあるドライブでした。「今回の日本一周では、暗くなる前に宿に着こう。」という目標を、最後の最後で叶えられませんでしたが、とりあえず事故なく無事にホテルについて一安心です。
食事つきの温泉宿の土曜日にしては比較的料金もリーズナブルだったのですが、夕食は「焼肉屋さんの焼肉」という感じでした。まぁ、旅館の料理が続いた我々にはかえっていい感じでしたが。

4日目:10月25日(日)

この日は昼前に仙台の妻の実家に行き、のんびりする予定でしたが、「紅葉の旅」の最後に宮城県の紅葉を楽しもうと思います。昨晩、真っ暗だった道を戻りながら景色を楽しみ、「こんないい景色だったんだ…」と改めて思いました。やっぱり暗くなってから来るのは避けなければいけませんね。
最初の見どころは鳴子ダム。道端に車を停めてパチパチと写真を撮りますが、まだ8時過ぎなので当然観光客は他にはいません。
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この調子で混雑すると思われる紅葉の名所鳴子峡も早いうちに済ませてしまおうと向かいますが、8時半で既に駐車場には”満車”の表示が… 日曜日とは言え、”さすが鳴子峡、恐るべし”です。
何とか近隣の駐車場にスペースを見つけ、紅葉の時期以外にはガラガラのレストハウスに向かうと、そこにはカメラマン、家族連れ、外国人etc… その他もろもろの人たちで溢れていますが、確かにそれだけの価値のある眺めです!
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この写真、今年の年賀状にも使った1枚です。まさに宮城県を代表する景色です。
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この後は仙台の実家に行き、夜9時には石巻まで通勤している同期入社の友人と落ち合い、数年振りに旧交を温めて翌日埼玉に帰りました。


これで、7か月に渡るニート期間中の旅行三昧の旅行記をようやく書き終えることが出来ました。この後は、以前のように仕事の傍らたまの休みに旅行に出る生活に戻るわけですが、この時期は自分史上でも本当に楽しい、恐らく人生最高の7か月でした!
このブログも、自分の思い出として何年後何十年後にも何回でも読み返したいと思っています。

とは言え、日本一周の未訪問(達成)府県は、この時点であと9府県。
2016年中には、この9府県は、必ず達成します!