麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

10.南関東周遊(神奈川~千葉)の旅(その2:千葉県前篇<人生で一番悲しいホテルでの夕食>)


2日目:1月4日(月)

この日は日本全国の多く会社が、”仕事始め”の日です。昨年3月まで務めた前職でも、この日が1年の始まりの日(といいながら、会社から初詣に行ってそのまま昼間から酔いつぶれたことも何度もありましたが…)だったのですが、今の勤務先の学校では、ありがたいことに正月休みというか冬休みがもう少し続きますので、有給休暇を1日も使わずにまだ旅を続けることが出来ます。

いつも通り前日夜にコンビニで仕入れた菓子パンをホテルの部屋で食べる簡単な朝食を済ませ、7時過ぎにはチェックアウトをして車のエンジンをスタートさせます。今日は千葉県に向かうので、横須賀市郊外の久里浜港のフェリー乗り場に向かいます。東京湾を横断するこの久里浜~金谷のフェリーは、少年時代からその存在は知っていて憧れの存在だったのですが、乗船するのは初めてでした。昨晩会った横須賀在住の友人にとっては「ゴルフに行く時などにもよく利用する」馴染み深い身近なフェリーのようで、”海なし県”の埼玉県人とすると羨ましい限りです。初めて見るフェリー、”意外と、大きいね…”というのが偽らざる第一印象です。
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東京湾横断の船旅、”馴染みのある風景が何かしら見えないかしら…?”と意味のない期待をしてみましたが、馴染みのある風景が見える筈もありません。確かに東京湾沿いには見たことのある風景がいくつかある筈ですが、ここは東京湾の出口近くですから、東京都内やディズニーランドの景色が見える筈もありませんよね。そんな思いで風景をぼーっと眺めている私を、あざ笑うかのようなカモメがたくさん船を取り囲んで飛んでいます。
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余談ですが、この年になっていまだに「カモメ」と「ウミネコ」を見分けることが出来ません。元々目と動体視力が良くないので、飛ぶ鳥の細かいところまでが見られない… という致命的な欠陥もあるのですが、たとえはっきりと見えたとしても、生物学的なカモメとウミネコの違いが分かっていないのですから、救いようがありませんね。若い頃、東北地方でよく見たのが「ウミネコ」で、東北・北海道以外では、「あっ、カモメだ!」という声をよく聞いたので、それ以来自分勝手に「東北以北で見られるのがウミネコ」で、「それ以外で見たらカモメ」と思うようにしています。ですから、これは私的には「カモメ…じゃない?」と解釈することにしています。そういえば、昔”カモメーが飛んだ”と唄っていた渡辺真知子さんは横須賀出身でしたから、これはやっぱりカモメなのでしょう!?

予想以上に家族連れ客が多く、「今日もまだ休みの人って、意外と多いんだ!?」と驚きながら過ごした東京湾横断の船旅は、約40分程度で千葉の金谷港に到着です。これから3日間の房総半島4分の3周のドライブのスタートです。
まずは、少しだけ房総半島を戻り、東京湾の眺望を眺められる富津岬公園を目指します。この富津岬からは、冬の晴れた日には富士山が綺麗に見えるという謳い文句だったので訪問先に選んだのですが、この日は天気はいいものの昨日以上に暖かい1月にしては異常気象ともいえる日で、昨日神奈川県の三浦半島からでさえ富士山が微かにしか見えていなかったのですから、もっと暖かいこの日に千葉県からの富士山が見えるというのは考えづらかったのですが、とりあえず着いた展望台は子供向けのジャングルジムみたいな展望台と言っては変ですが、こんな形の展望台です。
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勿論エレベーターやエスカレーターの文明の利器はありませんが、とりあえず両方に手すりはあるので焦らずに登ってみます。肝心の富士山ですが、対岸(の神奈川県)がやっとぼんやりと見える程度の眺望だったので、予想通り富士山が見えるどころではありません。
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結局、この旅でも富士山には(微かにしか)縁がありませんでした。

次に向かったのは鋸山。鋸山の絶景である「地獄のぞき」は是非訪ねてみたい場所ではあったのですが、写真などで見ると、見るからにいかにも階段がきつく手すりなどもなさそうな嫌な予感がしていましたので、この旅の計画段階から地元の観光協会などに問い合わせをしていました。質問をしたどこに聞いても、この「地獄のぞき」まで障害者のこの私がたどり着くことは”ほぼ無理”というのが全員のご意見で、そうなると”私のような障がい者は、どのような交通手段でどこまで行くのがいいか”をさまざまな方のご意見とアドバイスを参考に検討すると、結局鋸山ロープウェイで山頂駅まで行き、山頂駅周辺の景色を楽しむぐらいしか出来ることはなさそうな感じです。「だったら、鋸山に行くこと自体辞めようか?」という捨て鉢な気持ちにすらなったこともありましたが、寅さんではありませんが「それを言っちゃあ、おしまいよ!」とぐっと我慢して、とりあえずロープウェイだけには乗ることにして駅を目指します。
ところが、国道を左折して細い駅のアクセス道路に入ったとたんに前が全く動かなくなります。どうも駐車場待ちの車がずらっと並んでいるらしく、ピタッと停まったまま、全く動かないのです。「やっぱり、来なきゃよかったじゃん…」と完全に気持ちも萎えますが、細い道なのでUターンすることすら出来ません。
ほぼ30分近く待っても、10メートルも進まない状況が続きましたが、ようやく渋滞に気づいたのか平日は閉めているらしい第2駐車場を開けて、やっと駐車場に入ることが出来ました。本当にオペレーションが最悪の鋸山ロープウェイです。
気を取り直してロープウェイにて山頂駅まで行きましたが、案内通りその先にバリアフリー的な配慮は皆無で、富士山も見えないので、結局房総半島の景色だけを何となく眺めるだけになりました。
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気を取り直して昼食です。富津の名物と言えばアナゴで、このあたりでは「はかりめ丼」と言われているアナゴ丼が名物なのだそうです。アナゴ以外の海産物も食べられるように巨大な海産物ドライブインに入りますが、アナゴ好きな私は勿論「はかりめ丼」をオーダー。
「ここ10年来、本当に美味しいアナゴに出会ってないなぁ~!?」というのが食後の偽らざる心境です。昔は本当に旨いアナゴが多かったのに…
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午後最初に向かったのは、ちょっと房総半島内陸部に入る「をくづれ水仙郷」。1月の旅なので花の観光は期待していなかったのですが、とりあえず水仙は咲き誇っているということで向かってみます。ここも駐車場には車が溢れている状態で、確かに水仙は満開だったのでしょうが… 正直写真で見る以上の景色ではなく何も感じません。さっきの鋸山のマイナスイメージが全体的な千葉のイメージを悪くしているのでしょうか??
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気分転換がすぐに出来ないところが、私の悪いところですね…

館山市内に向かい、館山城に向かいます。館山城に着いてみると、お城はかなり高いところに立っていて、駐車場からお城まではかなり歩いて登ることになりそうです。それでも車を停めて、スロープの道をゆっくりと歩き始めると係員の人が寄って来て、「車で登るのなら、”車進入禁止”の道を上がっていいですよ!」と親切に教えてくれたので、駐車場に戻って車でスロープの道を上がります。頂上のそばには身障者用の駐車場があるので、そこに車を停めるともうお城はすぐ目の前です。
少しだけ、今朝からの千葉のマイナスイメージが消えた瞬間でした。
館山城といえば、戦国大名などのイメージはなく、何といっても「南総里見八犬伝のお城」のイメージです。初めての訪問でしたが、相応しい規模のお城のような気がします。
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下からのスロープを登らずに済んだので、お城には登ってみようと思いましたが、入場口まで行くと「月曜定休」の文字が… この日が月曜だということを、すっかり忘れていました!

房総半島突端近くの西側にちょっと突き出ている岬にあるのが洲崎灯台。近づくと有料駐車場がいくつか見えてきますが、灯台の立地がよく判らないので、とりあえず駐車場には車を停めずに灯台への道を確かめに行くと、予想通り手すりのないちょっと私には危険な階段が続いているようです。この道も「登りは何とか行けるでしょうが、下りが危険」な感じなので、近所の商店の人に、「灯台へ行く道は、この階段だけですか?」と聞いてみると「そうだよ」とのことなので、灯台へ行くのを諦めて、駐車場も使わずに洲崎灯台を後にしました。
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本日の宿泊は、美味しい海産物を食べたいと思い、昔の同僚に推薦していただいた「たてやま温泉 千里の風」という宿。最近リニューアルしてリーズナブルな料理自慢の宿になったとのことで、温泉もあるので我々には嬉しい限りです。部屋も、温泉も、食事内容もそれなりに良く、満足できる宿泊… になる筈だったのですが、個人的には「55年生きてきて、最悪のホテルでの夕食になった」というのは大げさにしても、とにかく悔しい時間でした。

その理由は夕食時の座席です。指定された夕食会場に行くと、座席の案内だけは日本語が殆ど通じない外国人従業員に案内され、夫婦二人の夕食会場としては信じられない「カウンター席」に案内されます。案内した外国人は、クレームを恐れたのかすぐに逃げるように消えてしまいます。でも、この日は満席のようで全ての座席には顧客の名前らしき名札が張られていて、我々のようにカウンターに座らされた他の二人組も何組かはいるみたいで、文句を言ったところで席の交換は出来なさそうです。
それにしても、二人で3万円以上も払って、牛丼屋のようなカウンターに座らされるとは… いくら30年以上連れ添った夫婦で会話があまり無くなっていると言っても、だからといって「カウンターに座って、お互い違う方向を向いて、うまい筈の飯を食え!」というのは、あんまりと言えばあんまりです。
豪華な舟盛には丁寧に魚の名前が書かれていて、そういう心遣いは出来ている宿なのですが、肝心なところで、大きな勘違いをしている宿だと思います。
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(舟盛自体には文句はありません。恐らく、美味だったのだろうと思いますが、悔しくて味は全くわかりませんでした。)
隣のカウンターの夫婦も年齢の近い中年夫婦のようでしたが、二人とも心なしか淋しそうだったのは、私の気のせいでしょうか? この旅館、そういうことを全て検証した上での夫婦でもカウンター席での夕食なのでしょうか? 最近、回転寿司でもかなり対面座席が増えているのに… 正直、悔しくてクレームをつける気も失せてしまいました。以前の仕事にも関連しているので、温泉旅館だけでも100泊以上はしていると思う私ですが、2人以上で宿泊して夕食をカウンター席で食べさせられた経験は、生まれて初めてでとても悲しい晩になり、涙しそうになりました。従業員の気遣いもしっかりしていて、いいホテルになる要素を持っているホテルだけに、余計に残念です。

後日、「でも誰かが声を上げなければ、この淋しさには気づかれないかも…?」 と思い、利用した宿泊サイトに口コミをアップしましたが、見事に削除されてしまいました。こういう、ホテルにとって都合の悪いと思われることを一切掲載しないことが、このサイトの人気(信用)につながらないことが判らないのでしょうか… と、ちょっと悲しくなりました。少なくとも悪口ではなく事実として書いただけなのに、これが楽天じゃらんならばちゃんと掲載されるはずです。だから、いつまでたってもこのサイトが楽天じゃらんには敵わないことを、未だにわかっていないようです。

前の会社の関連のサイトですが、とっても残念です。