麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

【2018年最初の旅】静岡・伊豆<その3:西伊豆と伊豆の高級旅館>


3日目:1月5日(金)

バリアフリー完璧な畑毛温泉大仙家の温泉は大満足。私は温泉宿では毎回夕食前と朝イチの2回大浴場を楽しむのですが、今回も同じ2回の入浴とは言えその入浴時間と満足度は普段とは大きく異なり、本当に至福のお風呂でした。今晩泊まる高級旅館に向けて昨日の宿は伊豆の温泉宿にしてはややコストを下げ節約したことなどすっかり忘れる程の満足度でした。加えて、朝食に洋食が選べる配慮も嬉しい限り 。朝、ヨーグルトが食べられると、初老のこの体は本当に喜ぶのです。

今日は、伊豆半島の中で私がずっと未訪だった西伊豆エリアを塗りつぶす予定。元旅行会社社員として西伊豆に関わった(販売した)経験はそれなり数多くあるのですが、不思議と仕事でもプライベートでも西伊豆には行く機会がなく、私の心の中にある伊豆半島白地図の東伊豆・中伊豆&南伊豆エリアはそれなりに黒く塗りつぶされているのに、西伊豆エリアは真っ白。なのでこの日は私の伊豆半島の地図をちゃんとした形に塗る1日の予定。それならば当然宿も西伊豆に設定するべきなのですが、今年から、「他の宿泊ホテルのレベルを下げてでも、1回の旅行中に、せめて1泊はいい宿に泊まる」ことに方針を転換したのですが、その候補となるべき「泊まりたい!」宿が西伊豆ではなかったため、今回は単に西伊豆を走り、観光することで満足することにします。

今日の天気は天気予報の段階からこの4日間唯一の雨予報。前日の予報で雨⇒曇りに変わったものの、「傘の出番」というコメントに変りはありません。予報通り泣き出しそうな空を見上げながらのドライブスタートです。
伊豆半島付け根の畑毛温泉から、駿河湾沿い西側に出て、海沿いを伊豆半島の地図の通りにドライブするプラン。この辺りの観光施設、散々その名前を日程表に書き込んだ経験はあるのに、実はその場所を見ることすらはじめてなのです。(昔のお客様、大変申し訳ありません!)
道が海沿いになるとまず、”あわしまマリンパーク”が現れます。この施設にご満足いただけなかった昔のお客様だった社長の顔が突然クローズアップされます。すぐ次にもっとたくさん送客した”伊豆・三津シーパラダイス”の入口が見え、思わず車のブレーキを踏みたくなります。ここを含む旅行に大変ご満足いただいた企業の課長の顔がまた突如浮かびます。40歳過ぎだったその課長は当時としては我々より大先輩だったのですが、考えてみれば今の私より15歳は年下なのですから、なんかちょっと変な感じ。そんな事をあれこれ考え、ニヤニヤと思い出し笑いしながらハンドルを器用に操っている私が余程奇妙に見えたようで、妻は運転席を不思議そうに眺めては訝しがっています。この思い出し笑いを説明するのも大変なので、しばらくは"不思議な夫"のままでいることにします。

ずっと海沿いを走っていた道が左にカーブしたので、いよいよ伊豆半島西海岸の地図通りの南下が始まります。伊豆西海岸は崖が多く、海沿いの平坦な道はあまりないことは以前から知識としては知っていて、その分時折絶景が見える展望スポットがあるらしいことも知っていたのですが、今日の曇天ではその絶景の主役である富士山のお出ましは期待できません。

最初の絶景スポットは"煌めきの丘"。
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富士山は見えないだろうけれど、一応来た記念として1枚くらいは写真を撮っておこうと車を停めて外に出てみたところ、何とこの悪天候なのに富士山はその頂上辺りだけその姿を見せてくれています!まるで天気が悪いのに運転してここまで来た我々へのスペシャルサービスのよう。だとしたら、富士山なかなか粋ですよね!?
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とは言え、全体的に景色を楽しめる日ではなく、この後もいくつかの展望スポットで車を停めてみたものの、やがて富士の秀峰も見えなくなり、どんよりとした海の景色も同じようだったので、その他の展望スポットのレポートは割愛させていただきます。

車はやがて戸田(へだ)の街へ。戸田と言えば巨大な足を持つ”タカアシガニ”で有名で、昔から食いしん坊な私の憧れの地でしたが、今は正直そこまでの関心はなく、まだ10時なのでスルーします。お店の看板には巨大なカニのイラストが描かれていて、それなりに興味はそそられるのですが…
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(戸田の町の遠望です)

戸田の次の街は土肥。昔から何度も仕事で関わって来た土肥は、少し観光しようと思います。まずはある意味西伊豆のシンボルとも言える花時計。想像通りと言えばきわめて想像通りの花時計でした。
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土肥と言えば何と言っても土肥金山。名所に敬意を表して入場。
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入口で記念写真を撮られ、すぐにプリントして表紙も付けられたその鮮やかな手順に、妻は”いらない”と断るタイミングを完全に逸してしまい仕方なく財布を取り出しています。
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金山の見学ルートもおおよそ想像通りでした。
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子供連れファミリーには、砂金採り体験が人気のようでかなり賑わっていましたが、初老夫婦が砂金採りに参加する筈もなく、お土産屋さんがメインの博物館では、世界最大とか言う金塊に触れらるので、ここでお金の神様にお祈りするのが我々の初詣になってしまいました!
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そういえば、ここでたくさん売っている金塊チョコ、昔はお土産として何回もいただいたことを懐かしく思い出しました!

昼食の前の腹ごなしとして、恋人岬まで散歩してみることにします。恋人岬の鐘は2つあるらしく、駐車場から500メートルと700メートルの距離とのこと。当然700メートルの方を目指して歩き始めますが、最悪のタイミングで雨が降り始めます。? 戻る訳にもいかず濡れるのを覚悟して歩き続けて、まずは500メートルの鐘を鳴らします。
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ところがこの先700メートルの鐘までは私の苦手な階段が続くようで、降り続く雨と共に私のモチベーションを急速に奪ってゆきます。
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結局、500メートルの鐘だけで満足することにして、引き返すことにしました。

今日のお昼は地元の友人から推薦されていた漁協直営の”沖あがり食堂”。「
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愛想はないけど、イカは新鮮!」という友人の講評通り、「イカ様丼」は安くてとっても美味でした!
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午後の観光は西伊豆観光のメインである堂ヶ島
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堂ヶ島と言えば洞窟めぐり遊覧船が名物アトラクションなのですが、今日の我々のプランは約20分の短い洞窟めぐり遊覧船ではなく、約1時間の長い「千貫門クルーズ」への乗船。ところが、いくつかある洞窟めぐり遊覧船駐車場に駐車しようとすると、「会社が違う!」と追い帰されてしまい、ちょっと面倒でした。

遊覧船の時間までまだ少しあるので、このクルーズ船でも最後に立ち寄る堂ヶ島最大で名所である洞窟を上から眺めることに。丁度他社の船が洞窟めぐりをするところを眺めることができたのです。
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千貫門クルーズは思っていたより小型の船。本来ならこの後西伊豆をずっと下の方まで走りたいところなのですが、今日は早めに宿に入りたいのでこの後は今日の宿泊地まで直行するため、西伊豆の周遊はこの船に任せることに。ところが雨は益々激しくなり、船の窓ガラスには大量の水滴が付いて写真どころではありません。
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でも西伊豆の海岸線もそれなりに十分美しく遊覧船を楽しむことができました!
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そして、遊覧船の最後はあの洞窟めぐり。水滴と暗い洞窟内での写真は、片手フォトグラファーの私にはやはり難敵でした。
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遊覧船を楽しんだ後は本日の宿がある稲取温泉に向かいます。伊豆東海岸稲取温泉には何度も行っていて、日本一周初期の河津桜を見に来た3年前にも同じ稲取温泉に泊まっています。今回の宿に稲取温泉を選んだのは、温泉地で宿を選んだのではなく、温泉地にこだわらずに泊まりたい宿を先に選んだため。上にも書いた通り、今年の旅行から宿泊施設にメリハリをつけ、”1回の旅の何泊かのうち、1回だけ分不相応な高級な宿に泊まる”ことに方針転換した第1回目として、”伊豆らしい食事が食べられる高級旅館”を探し、私のイメージにジャストフィットしそうな宿があったためです。
その宿の名前は「食べるお宿 浜の湯」。旅行会社にいた頃の私の情報網には全く引っかからなかった宿で、2日前に会った旅行会社でまだ現役としてカウンターにいる方もご存知ではなかった宿ですが、HPを見る限り食事は本当に美味しそうです。この宿の宿泊プランには一人一泊10万円近いものまでありますが、いくら”1旅1回”と言えども我々の予算では精一杯の1泊一人3万円超のプランを予約したのです。”3万円の旅館なら、出来るだけ早く着いて、その旅館のサービスを目一杯味わわなきゃ損!”との貧乏人根性丸出しの我々は、西伊豆からの道を急ぎ、早めに宿にチェックイン。

稲取の海が目の前の”展望露天風呂”も絶景。外の露天風呂に入るには階段を昇らなければいけないのですが、私はこの景色のためならと右側の手すりを左手で持ち、カニのようなスタイルでゆっくり慎重に階段を上がり、8階にある大露天風呂から太平洋が見渡せる絶景を満喫します。高級旅館にしては人が(特に子連れも!)多いのですが、浴槽もとっても広いので、太平洋に向かって両手両足を存分に広げても他のお客様とは全く異なる別世界にいることが出来るのです。露天風呂で1時間以上のんびりさせていただきました!(写真が無いのが、本当に残念。)

お待ちかねの夕食は部屋でいただきます。宿のHPに、「お昼は出来るだけ軽く済ませて来てください。」」と書いてある宿ですから期待しない筈がありません。上品な前菜たちから始まって、最初の主役はアワビの踊り焼き。予想より大きくて元気に動き回るアワビは柔らかくて絶品でした。
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第2の主役は舟盛り。
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そして3番目の主役が、私が一番期待していたキンメの煮付け。私の大好物であるキンメ、信じられないくらい大きなキンメが一人一匹提供され、 思わず空腹の熊になったかのようにキンメにしゃぶりつくのです。
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その後にもキンメのしゃぶしゃぶなどが出て、2時間食べ続けた老夫婦の胃袋は破裂寸前!半年前に瀬戸内海真鍋島で食べた拷問のようなボリュームの海産物オンパレードまではいかないものの、ここ数年で2番目に食べ過ぎた夜でした!

4日目:1月6日(土)

温泉旅館での朝はいつも通りに目覚めてすぐに温泉大浴場に向かいます。まだ5時で当然のように外は真っ暗な中でも外の露天風呂に入るのです。伊豆の東海岸ですから展望露天風呂からはあと1時間もすると感動的なサンライズが眺められる筈なのですが、昨夕の大浴場の混雑状況からすると浴槽からの朝日見学者で露天風呂は混み合うこと必至と考えて、朝日よりも空いているお風呂を選択した結果の早朝入浴です。

朝日を眺めるには、気持ち良くガラガラの大浴場を満喫した後の部屋のバルコニーが特等席。
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朝日のすぐ横には19歳の時以来約40年行っていない伊豆大島が。「近々、行きますからヨロシク!」と三原山にも挨拶を忘れません。
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昨日の夕食の続きのような雰囲気で朝食も部屋で。本当に夕食の続きと錯覚してお酒を飲みたくなりますが、今日中に埼玉県に帰らなくてはいけないドライバーなので我慢、我慢。
朝食にも主役がしっかりいます。朝から好物のキンメの刺身が(朝から出る!)舟盛りの主人公で、キンメ好きの私には何とも嬉しい限り。
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伊豆朝食の超定番であるアジの開きも抜群の味で、おまけに最後デザートとしてヨーグルトも出て来るという、本当に私の大好物オンパレードで、すっかり高級旅館を満喫しました。平日でも3万円超の価値は、十分にあったと思います。

旅館を早めに出発できれば、下田まで戻ってこの時期ならではの水仙でも見ようと考えていましたが、朝から旅館のサービスに圧倒され、部屋ですっかり寛いでしまったので、下田の水仙は次回に回すことにします。伊東市内在住の友人と道の駅で久しぶりにお茶を飲む約束をして、その前に少しだけ伊豆高原付近を観光します。
名前は知っていたのですが、一度も見たことがない湖である一碧湖。ナビ通り駐車場に車を停めて湖岸を目指して歩き始めたのですが、湖は見えるものの湖岸への道は一向に見つかりません。まあ今回の目的が塗りつぶしなので、遠くから一碧湖の写真を撮ればここも塗りつぶしたということにして、立ち去りました。
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次に「ステンドグラス博物館」なる施設を訪ねてみます。チケットを買うとすぐに、「まもなくパイプオルガンの演奏が始まります!」という案内があり、とりあえず順路を無視して一番奥にある教会風の建物へ行き、馴染みのある曲を何曲か拝聴。美術館、教会の中は全て写真撮影禁止なので、唯一写真が許されているバルコニーからパチリ。
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私の認識からすると、ステンドグラスといえばフランス・イタリアやスペインの教会のイメージが強いのですが、この美術館は何故か大半がイギリスのもの。正直イギリスとステンドグラスが私的には結びつきませんが、それは私の中途半端な知識の故なのでしょう!?

伊東市内にある道の駅の駐車場は大混雑。道の駅に車を停めるのに約15分のタイムロスをしたので、友人との待ち合わせには10分遅刻。元同じ会社の同僚だった彼は、私より少し前の5年くらい前に会社を辞めて、今は故郷の伊東で伊豆の情報発信をする会社を立ち上げています。そう、今回の”地元の情報”は殆ど彼からの情報だったのです!前の会社のOB同士の会話は、やっぱり前の会社の人たちの噂話。懐かしい名前がたくさん出て来た楽しい数十分でした。

最後には伊東で回転寿司を食べるというのが私(&友人のオススメ)のプランでしたが、おススメのお店はみんな伊東中心部から遠く、方向的には下田方面に戻らなければなりません。でも、今日からは今年最初の3連休で下田方面に行く道路は交通渋滞の可能性がありますし、人気のお店は大混雑していそうです。まだまだ日が短い1月のはじめなのですが、暗くなる前に家に帰りたいという我儘な運転手の思いも強かったので、「下田方面の回転寿司は諦めよう。でも、何か海産物が食べられるお店はないかしら?」と考えながら市内を走っていたら、大きな「はま寿司」の看板が… 埼玉にもたくさんある100円寿司のチェーンですが、伊東店なら鮮度も違うかしら? とささやかな期待をして入ってみましたが、「はま寿司」はやっぱり「はま寿司」でした…

帰りは伊豆半島内では若干渋滞しましたが、その先は極めて順調。でも反対側車線は伊東から熱海を経由して西湘バイパスあたりまで、ずっと渋滞していました。さすがは3連休ですね!

これで正月の旅の投稿を終わります。次の旅はまたゴールデンウィークを予定しています。行先は、3年振りに津軽海峡を渡る予定です!