麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

紀伊半島グルメ&温泉の旅<その3:奈良県 大和二寺と吉野川>


4日目:7月28日(日)

どうやら台風は無事に通りすぎてくれたようです。これで中部地方と関東地方は今日には梅雨明けになるのでしょう(事実、梅雨がようやく明けました!)が、我々は今日からは既に梅雨が明けている近畿地方に行くので、これからは”4年前には雨ばっかりだった”紀伊半島観光のリベンジ=好天が続くことに期待しましょう。
昨日の宿で三重県のイメージはかなり下がってしまいましたが、三重県にはこの旅のメインイベント、最後にとっておきのお楽しみがあるので、そちらに期待することにします。

今日からは奈良県を楽しみます。今日の奈良県の観光のメインは、最近JRの奈良のキャンペーンでも力を入れて宣伝している「大和四寺」。奈良県の南の方にある、室生寺長谷寺、岡寺、安倍文殊院の4つを指すのだとか。このうち、室生寺には4年前に行っています(4年前の奈良旅行記こちら)が、4年前には「大和四寺」なんて言い方は誰もしていなかったような気がします。改めて4年前の旅用に買った電子ガイドブックを見直してみましたが、やっぱりこの表現は一言もありませんでした。恐らくはJR東海が需要喚起用に作った言葉か、もしくは昔からひそかに言われていた表記をこれ幸いと大きく取り上げたのでしょうが、こう並び称されるようになった以上、室生寺以外の3つの寺にも行っておく必要がありそうです。ちなみに、現在は「大和四寺」の立派なホームページもできています。
まずは長谷寺長谷寺と言えば非常に険しい地形の上に建っていて、とにかく階段がたくさんあるお寺というのが私の予備知識ですが、「足の悪い人は、車で上まで連れて行ってくれる」という情報を得たので、行くことにしたのです。寺の下の駐車場から見上げると、確かに上の方はかなり高そうで、この坂は我々夫婦にはかなりしんどそう!
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受付で上までの送りをお願いすると、まだ午前中で他の希望者もいなかったため、我々二人だけを軽自動車でかなりの急な坂を送ってくれるという待遇の良さ! かなりの高さを一瞬で上り、この本堂まで来ることができました。
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本堂で参拝を済ませ、高い本堂から周囲を見渡します。
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本堂から一歩も動きたくなさそうな妻を残して、私は遠くに見える五重の塔まで階段を降りて散策。でも、階段は想像以上にきつくって、途中でめげて戻る羽目に。
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帰りは歩いて階段を降りようかとも思っていたのですが、妻は帰りも送迎車を頼む気満々。確かに、よく見るとやっぱりこの坂、下りが苦手の私にも辛そうです!
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今回の旅は妻の足が最優先ですから、私も大人しく妻に従い、帰りも車を呼ぶというVIP待遇を享受します。長谷寺は普通に観光したら1時間半は最低でもかかるのでしょうが、お急ぎコースの我々は40分程度で観光が済んでしまいました!

次も大和四寺の「安倍文殊院」。今度は平地にお寺があり、ありがたいことにド真ん中に駐車場があります。
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安倍総理が多額の寄付をされているのらしくまるで選挙のように大きく名前が書かれている安倍文殊院、中に入ってありがたい法話を聞かせてくれます。
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この、法話の中でも"'大和四寺"の話がたくさん出て来て、「機会があれば、是非他の三寺にも!」と和尚さん必死のPR。
いよいよ我々は、あと1つ。
由緒あるお寺らしく、敷地内にはちゃんと”仏教界のスーパースター”弘法大師様もいらっしゃいます。
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「三人寄れば文殊の知恵」の文殊院、日本三大文殊というものがあるらしく、ここを制覇すれば知恵者になるとか頭が良くなるとか… 我々夫婦は既に京都の天橋立文殊院は行っている(その時の旅行記こちら)ので、残すもう一つは山形県にあるとのこと。次には、ここにも行って賢くならなきゃですね!?

この日も12時前ですが早めのお昼にします。今日の昼食「グルメその⑧」は、このあたりの地名がヒント。奈良県桜井市の三輪地区と言えば、そう「三輪そうめん」の本場なのです! 目指す三輪そうめんの有名店「三輪山本」までは安部文殊院からたったの15分程度。まだ12時前なのに日曜日だからか人も車もかなりの混雑です。
お食事処で名前を呼ばれるのを待つ間に、 友人に送るそうめんを物色。「よし、これ買おう!」と決めた瞬間に、名前を呼ばれます。私は高級で驚く程に細いそうめん「白髪」を注文。お店はセットメニューが充実しているのですが、我々はこの日は後でもう一つグルメの楽しみがあるので、セットメニューは頼まずにそうめんだけのランチ。
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でも、この白髪そうめん、本当に旨かった!あんまり旨かったので、ついつい友人にも予定を変更して白髪を送り、予算をオーバーしてしまいました。

午後はまず、私のわがままを聞いてもらいました。私がどうしても行きたかったのは、「今井の町並み」。よくあると言えばそれまでなのですが、歴史的な町並みが見事に保存されている地区とのこと。特にここは歴史的建造物の観光振興等について早稲田大学とコラボしてユニークな取り組みをしているらしいので、大学に奉職する者としては何となく興味津々、是非行ってみたいところです。でも車では近くまで入れないらしく、町並みをぶらぶら歩くのは、今の妻には負担が大きそう。
そこで、向かった先は今井の町の裏手にあるコインランドリー。妻には、このコインランドリーで約1時間で洗濯・乾燥を頼み、その間、私はここから歩いて10分ほどで行ける今井の町並みを楽しむという、我ながら絶妙の計画。更にラッキーなことに、コインランドリーの向かいにはドラッグストアーがあり、妻には私の足の怪我に一番効きそうな薬・消毒液と包帯などを、洗濯を待つ間にじっくり選んで貰えるのです!
その間、私は早歩きで今井の町並みを散歩。
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日曜日なのに思ったより観光客はまばら。暇そうなお店の人は呼び込みに精を出していますが、どうにも「大学と町の観光コラボの成功例」というのには、ちょっと寂しすぎ。
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でも、昔風の佇まいに満足して、乾燥が終わるタイミングで妻の待つコインランドリーに帰りました。

この近辺には、4年前にも来ています。4年前に来た橿原神宮は今回はスルー。すぐ近くには、先日上皇陛下が退位の報告で訪れたことがニュースになった神武天皇陵があり、こちらには少し興味はあったものの、それらしい場所もわからず、おまけに駐車場も見当たらずに、断念。

次の目的地岡寺は、4年前に来た「石舞台古墳」のすぐそば。「また来ることが判っていたのなら、あの時もう一泊してでも周囲の寺社をじっくり見ておけばよかった!」と考えても後の祭りです。岡寺近くの民間駐車場に車を停めると、駐車料金集金係のおじいさんが私の足を見て、「ここ、階段急だよ!あんたには、無理じゃない?」と一言。ここが我々の大和四寺の最終地点ですからどうしても行きたかった私は、「とりあえず、行けるとこまで行ってみます!」と駐車料金500円也を払って歩き出しましたが、1分も歩かないうちに急坂が現れ、加えて何故か非常に滑りそうな危険な雰囲気。「えっ、どうしよう?」と怯んでいると、妻が「無理。戻ろう!」と強い口調で言うので、私も諦める決心をして戻ります。「ほら、無理だったでしょう!」と笑って、おじいさんは500円を返してくれました。
岡寺にはいくつかのルートがあるようなので、次回はもう少し詳しく調べた上で、リトライしようと思います。

その他の観光地としては、談山神社などもリストアップしていたのですが、更に山深そうで駐車場からいきなりの急階段だったので結局スルーして、今宵の宿のある奥吉野川上村に向かいます。

紀伊半島の奥地と言えば、奈良県天川村十津川村三重県和歌山県と県境が複雑に入りくみ、近くには私が経験したことがない”飛び地”までもがあるのだとか。観光地も山深いところばかりのようで、是非行ってみたいところではあるものの、今の我々夫婦にはいささかハードルが高そう。でも、奈良県の奥地には足跡を残したいし… というのと、ここでもちゃんとグルメアイテムを2つも探せたので、おんなじ奈良県の村でも、まだ奈良(都会)に近い川上村で今回は我慢することに。
まず、今日のおやつは「グルメその⑨:柿の葉ずし」。三輪そうめんをセットメニューにしなかった理由は、これなのです!
「でも、柿の葉ずしって奈良県全体の名物。奈良県内ならどこでも食べられるんじゃない?」というのも事実。確かに三輪そうめんのセットメニューの相棒も、殆んどが柿の葉ずしでした。でも今日我々が目指したのは、川上村の昔ながらの柿の葉ずしの専門店。「昔からの作り方を、頑なに守っている山あいの田舎のお店!」そう言われると、「是非、食わねば!」という気持ちになります。
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確かにおばさんたちが作っている本当に昔のままの柿の葉ずしは、初めて来たのにやっぱり少し懐かしい味でした。
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お店の席(イートイン?)から眺める清流吉野川です。
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今日の宿も温泉。川上村一の繁華街(!?)にある、道の駅とセットになった温泉宿です。私の足の怪我は病院に行かなくても何とか大丈夫そうな感じですが、残念ながらお風呂には当分入れそうにありません。私の分まで妻には温泉を満喫して貰って、足を少しでも早く治してもらいたいものです!
温泉が楽しめない分、グルメへの期待はいや増すばかり。川上村で選んだ「グルメその⑩」は、「天然鮎御膳:天然鮎の塩焼き&唐揚げ」。
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いやぁ~、天然鮎ってこんなに旨かったんですね!塩焼きも唐揚げも凄い天然鮎の香りと旨味が凄い!
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これを食べるためだけでも、川上村まで来る価値は十分ありますよ! 絶対!

5日目:7月29日(月)

せっかく紀伊半島の奥地(?)の川上村まで来たのですから、この日の午前中は川上村の観光にあてるつもりでした。奈良のガイドブック等には川上村の観光情報はほぼ皆無なので、観光情報はこっちに来てから仕入れる予定でしたが、期待した観光案内所は道の駅にもなく、ホテルのフロントで聞き込むしか策はありません。ところが、期待した答は引き出せず。村の詳細地図では滝のマークが結構たくさんあるのですが、「どれもみな、車道からは見えずにかなりきつい道(階段)などがあり、見に行くのは結構大変!」なのだとか。
ついては、この日の観光の方針を改めることにします。ここは吉野川が流れる川上村ですが、吉野川をもう少し上流まで遡って、そこから吉野川の成長を楽しみながら下流に向かってドライブ。吉野川は、和歌山県に入るとその名前を紀ノ川に変えて大河になります。今日の我々の宿はその大河がそそぐ和歌山市内の海辺の宿なので、吉野川の成長を楽しむにはもってこいの1日になりそうです! 今日のテーマは、急遽これに変更!

川上村最初の観光は、宿からすぐ坂を上がったところにある丹生川上神社上社。ここは昨日観光相談をしたホテルの方のイチオシの場所。
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何となくご利益がありそうで、意外と見ごたえもあり、まだ9時前でしたが宮司さん(?)を呼び出しベルでたたき起こして、お守りを買わせていただきました。とりあえず、川上村の観光地にも足跡残せて何より。
このまま、吉野川を少し上流までドライブ。昨日食べたあんな美味しい天然鮎が泳いでいた川ですから、清流じゃない筈がありません。時折、車を降りて清流の眺めをパチリ。
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車で30分ほどドライブした上流にまたダムがあったので、今回の吉野川の上流への旅はここいらまでにしておきます。
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次回、天川村十津川村を含めた紀伊半島奥地紀行(この時、何年後かの次の旅の名前が決まりました!)にて、この先に行くのが楽しみになりました。 いつの日か、必ず!
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次は吉野山に行ってみます。桜の時期の吉野山は、車では上れず4年前にはバスで中腹(中千本)まで行き、そこから凄い人並み&雨の中を徒歩で降りた忘れられない記憶が… 今回は、観光客が殆んどいない同じ道を車で行きます。道が狭く、坂も急なのでスピードも出せず、その分車で走りながらでも十分に観光を満喫できます。
「あの店で、吉野葛買ったよね!」とか
「あそこで、アイス食べた~!」などの記憶合戦でドライブが大いに盛り上がりました。
でも吉野は坂がきついのでどっかの駐車場に車を停めてもその後の観光に苦労しそう。妻は「降りたくない!」オーラをギンギンに発しているので、観光は車の中からだけ。後醍醐天皇墓所とそのお寺には行きたかったのですが、駐車場からいきなり急階段があり妻が激しい拒否反応を示したため、この観光も叶わず。結局、下の近鉄奈良吉野駅でアイスを食べて休憩するまで、写真も撮れませんでした。
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そのまま吉野川の流れに沿って進み、今日の昼食は奈良でのグルメのメインイベントというぐらい私が期待していたところ。和歌山県との県境五條の街で、「グルメその⑪:とれとれの野菜のフルコース」をいただくことに。
数ヶ月前から予約していたお店には、予約より少し早く12時に到着。
お店側の準備があるので、少し待つことになる時間を使って、私は一人で近所の観光へ。妻は足のためというより、昨日からの急に夏が来たような酷暑にめげて、エアコンが効いているお店を一歩も出たくなさそうな雰囲気。お店があるここ五條の新町通りは、昨日の今井町のような、昔からの佇まいが残る私の大好きな古い町並みの散策スポット。
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(この右側のお店が、これからランチをいただくお店「五條源兵衛」)
今日は平日月曜日だし、奈良県の観光地群からは少し離れているし、おまけにこの暑さですから観光客なんていないと思いきや、意外に昨日の今井町ぐらいには観光客もいます。でも、全体的に静かな雰囲気は散策にぴったりでした。
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こんな病院、今でも営業しているのでしょうか? チョット素敵で、かかってみたくなります。
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散策のゴールは、「幻の五新鉄道の橋梁跡」。
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私が生まれる以前の大昔に、ここ五條から和歌山県の新宮までを列車で繋ごうなんて、あまりに壮大であまりに無謀な計画が… でも、こんな橋梁を作っていたなんて、みんな本気だったのですね!? 当時にタイムスリップして、開通する筈だったこの先を夢想して、ちょっとウルっとしてしまいました。
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鉄道遺産は、いつでも私に少なからず残っている「鉄ちゃん魂」をキュンキュンさせてくれます。

予約通り12時半から、野菜のランチがスタート。本来なら「野菜を楽しみながら、奈良の銘酒を楽しむ」のが私のたっての望みだったのですが、ランチでしかプランが組めなかったため、お酒とのコラボはお預け。まずは新鮮ジュースを味わいながら、まずは今日いただく野菜たちにご挨拶。
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その後、一品一品に味があり個性が強い野菜料理が続きます。
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肉や魚は出ないけれど、野菜づくしでいつの間にか満腹に。
野菜ってこんなに美味しかったのですね!?
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いよいよ次は和歌山県。かなり大きくなった吉野川は紀ノ川へと成長します。