麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

2019年夏の旅Ⅱ<京都・大阪>最終回:太陽の塔と仁徳天皇陵


4日目:8月17日(土)

今日からはいよいよ2泊3日で大阪。今日はいきなりの大阪のメインイベントである"太陽の塔内部見学。"
昨日、強引に銀閣寺の観光を追加してしまったため、昨日夕に今朝の朝食を仕入れることができなかったので、朝は2日連続の志津屋さんのパンなどを部屋でいただきます。朝食後は出発まで部屋でのんびり。

行きと帰りには大きな荷物(今回は、2人で1つのスーツケース)は宅急便で送れるからいいけれど、都市の移動にはスーツケースを持っていかなければいけません。3泊お世話になったAPAホテルを出ると目の前にタクシーが停まっていて、スーツケースを持った我々を見ると、すぐに運転手さんが出て来て荷物をトランクに入れてくれます。でも、実は今回だけはタクシーに乗るのは余りに近すぎてちょっと躊躇していて、バスで行こうかと考えていたのです… 我々の鉄道乗車駅は、すぐ近くの阪急河原町駅。京都のタクシーの初乗りは東京と同じ400円台(正確な金額は、たった2ヶ月前のことだというのに、もう思い出せないという痴呆性の進み具合!)で、歩いても行ける河原町駅までは、どう考えても基本料金なので、あまりにも運転手さんに悪いかなぁ~… という遠慮が働いたため。その点、女性にはそのあたりの遠慮はないようで、予想通り基本料金の会計をワンコインで支払った妻は、しっかりお釣りとレシートを受け取っています。

大阪梅田までは、JRと違って外国人が殆んどいない阪急の特急で40分ほど。大阪に入り、阪急の十三から梅田までは、同じ阪急の3路線が並走するとてもドラマチックな区間複々線よりまだ多い”複複複線”、初めて乗った時、あの茶色の阪急電車3車輌が並走する姿を見て、とても感動したことを昨日のことのように覚えています。
終点梅田駅で降り、すぐ駅前の今回の大阪の宿である新阪急ホテルにスーツケースを預けて、いよいよ大阪の観光スタート。
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まずはすぐ近くの大型複合ビル”グランフロント大阪”で早速昼食。
今日のお昼は、このビルの人気店、” 近大水産研究所”の近大マグロを予約しています。予約時間は11時の開店時間と同じなのですが、11時5分頃に行ったら、もうすでに満席で行列ができています。勿論我々は予約なので、すぐに奥の個室感のある席にご案内いただき、まずはビールで喉を潤します。
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近大マグロ養殖場紀伊半島の串本辺りだと思うのですが、前回の"紀伊半島グルメ旅"の時には、近大マグロを食べる日程を組み入れられなかったため、16日遅れの"紀伊半島グルメ:番外編"。
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マグロと紀州の旨いもんを満喫しました。
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いよいよ太陽の塔へ。また阪急電車に乗り、伊丹空港に行くときによく乗った懐かしの大阪モノレールに乗り継ぎ、万博記念公園駅まで。ここに降りるのは1970年以来49年振り!
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まずはすぐ近くで見るのは間違いなく49年振りの、太陽の塔にご挨拶。
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あの頃は、この辺りに大きな屋根が掛かっていて、万博のシンボル太陽の塔だけが屋根を突き抜けて聳えていたっけ!

太陽の塔内部見学の予約時間は3時なので、その前にEXPO70の記念館を訪ねます。
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万博が開かれた1970年には私は10歳の小学四年生、私は両親と記憶に残る最後の家族旅行で万博に来ているのですが、当時仙台にいた妻は連れて行ってもらえなかったのだとか。なので私は、様々な当時の写真を「懐かしい~!」とか「これ、覚えてる!」と言っていたものの、妻は常に無言。 ちょっと、申し訳ない観光でした。
万博で特に懐かしいかったのは、「ダイダラザウルス」という5本のジェットコースター。怖い順に1~5のコースターがあり、どのジェットコースターに乗るかを、家にいる時から楽しみにしていました。勿論、私が乗ったのは4と5!
反面、各パビリオンはあんまり楽しめなかった記憶が… 最初にパリのイメージと香り(?)に釣られてフランス館に入ったことを覚えていますが、フランス館の展示は映画の展示ばっかりで、フランス映画なんてハイソなものにはまるで縁のない我が貧乏一家には、全く楽しめなかったのが痛烈な印象。
それでもこの万博館、とっても楽しめました。でもあえて残念だったことを言えば、万博のテーマソングが聞けなかったこと。万博といってすぐに思い出すのは、あの三波春夫の”こんにちは~、こんにちは~”という”あの”テーマソング。(同世代以上の方ならわかっていただけますよね?)どっかでちょっとでもあの曲が掛かっていたら、懐かしさや感動が数倍いや数十倍になっていた気がします!

いよいよ太陽の塔の内部見学の時間です。
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太陽の塔の裏側。さすがは岡本太郎、後ろにも顔があるのです!)
太陽の塔は、塔の中までもきちんと作りこまれていて、当時はVIPだけが観覧できたなんて、当時の小学校四年生には知る由もありません。やっぱり、さすがは岡本太郎
子供時代から芸術、特に美術にはとんと縁がなかった私ですが、何故か岡本太郎さんだけは不思議と大好きでした。「芸術は、爆発だぁ!」などのCMに影響を受けた故なのか何故か大好きでした。「グラスの底に顔があってもいいじゃないか!」というCMに触発されて、未成年なのにウイスキーグラスを集めたこともあったっけ… (さすがは…テレビっ子!) その岡本太郎さんとのご対面は、随分と前に行った川崎の岡本太郎美術館以来かも!?
入口を入ると、どうにも太郎さんらしいモニュメントが現れます。
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50年前に岡本太郎さんが作った世界を忠実に再現してリメイクしてるのだとか。
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見学は、塔の下部から作品を見ながら階段を使って昇って行くのですが、足の悪い人や子供用にエレベーターもあり、我々夫婦の予約は当然エレベーター。「エレベーターは見られる場所が限られているので、全部見たい方は階段でどうぞ」とのこと。左右にしっかり手すりもあるので私的には階段に惹かれましたが、妻のことを思うと「階段で行きたい」とは言い出せません。因みに、写真撮影が許されているのは下だけ。上に昇ると’’カメラを落とすリスクがある”ために写真撮影は禁止なのだとか。
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岡本太郎さんが表現する海中の世界から海の上の世界まで。確かに徐々に昇って風景が少しずつ変わっていく動きは、エレベーターでいきなり上に来てしまうとそのストーリーは味わえませんね。
今度はやっぱり階段で見に来ようと思います。その頃には、今ほどには混雑していないと思うので…
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この日の夕食は、前職時代の知人がその後転職して、今は芦屋のお店のシェフをやっているというので、その人との4年振りの再会。知人は料理を作る人ですからお店が混んでくると(4年振りの)昔話をしている余裕はなくなります。知人はシェフに転職するだけあって、どの料理も美味しく、その味を求めてお店も結構な混雑。
とりあえず4年振りに元気な姿が見られたことにお互いに満足し、また何年後かの再会を約束して大阪に戻りました。

5日目:8月18日(日)

この日は大阪府の南部を訪ねる日。大阪には、仕事を含めて恐らく30回以上は来ていますが、その殆んどが大阪市内中心部のそれも主に北半分。(大阪駅から本町までの間) 大阪府の南部と言えば、関空には仕事で来たことはあるけれど、その周囲を見たことはなく、ほぼ"はじめて"と言い切っていいと思います。

昨日は阪急電車ばっかり乗っていたような気がしますが、大阪南部と言えば、乗るのは何と言っても南海電車。南海の”なんば”の駅は、阪急の梅田に負けず劣らず巨大ターミナル駅の貫禄十分。
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そういえば、昔私は南海ホークスのファンでした。ノムさんあぶさん(??)、ガラガラだった大阪球場を見て、「いつか必ず、あのガラガラの大阪球場に行って、外野席で寝そべってやるぞぉ~.!!」と、固く誓っていたので、ホークスが大阪を離れて福岡に行くと聞いた時には、激しいショックを受けて、その場でホークスファンを辞めてしまったのです。

南海電車に乗って行く今日の最初の目的地は堺。堺駅ではなく、市役所などがある南海高野山線の堺東駅で下車し、まずは駅ビルのロッテリアで朝ごはん。
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堺東駅。 世界遺産決定を喜んでいますね!)
今日の午前中は、世界遺産になった仁徳天皇陵を始めとした堺のみどころを案内してくれるという堺市の定期観光バスに乗る予定。どうすればあの巨大な仁徳天皇陵の全貌を見られるかをネットで情報収集しているうちに、堺市博物館に仁徳天皇陵の全貌と歴史までもが見られるVR(バーチャルリアリティ)ツアーがあることを知り、そのVRをコースに含んだ半日の定期観光バスがたった@2500円だったので、すぐに予約した次第。でも、来たバスは小型で乗客は10人以下、それでも堺市のボランティアガイドさんと添乗員さんがつくサービスでは、どう考えてもこのツアーの赤字は間違いなし。

観光バスが最初に訪ねたのは、旧堺灯台。木造の灯台としては日本最古なのだとか。
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観光バスに乗らなければ見えない堺の海岸風景です。
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次は仁徳天皇陵ですが、予想通りとにかく巨大で、あの前方後円墳の雰囲気はすぐ近くからでは、微塵も感じられません。
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ここ仁徳天皇陵は、クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵と並ぶ世界三大墳墓だそうですが、横から見るだけではそのスケール・迫力は感じられません。
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次にVRを観に堺市博物館へ。堺といえば千利休ということで、まずは利休の像をパチリ。
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VRは、専用の部屋でヘッドセットと大きなメガネのような装置をつけられて観賞開始。結構大業な準備ですが、タイムマシンのように突如昔にタイムスリップしたり,まるでドローンに乗ったかのように仁徳天皇陵をいきなり上昇して上から見下ろしたりと、とても楽しい10分強の時間で、写真が撮れないのが、とても残念なほど。
その後は、博物館の展示を見ながら、ガイドさんが堺の歴史をたっぷりと解説してくれました。

最後は堺市役所の展望ロビーにご案内いただき、コスパ抜群の2500円のツアーは終了。21階の展望ロビーに上がっても、まだ仁徳天皇陵の全容は見えず、やっぱりVRで見たのは大正解でした!
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この日のお昼は堺高島屋にある鰻屋さんを予約しています。大阪の超人気店の鰻は食べられなかったけれど、旅行中一回は関西風の鰻が食べたいと考えていて、このお店はデパートの中にあるお店なのに、日曜日のお昼でも予約ができるので、ちょっと贅沢しようと予約しました。関西風の鰻はやっぱり美味で、いつもの関東風もいいけれど、たまには関西風の鰻もやっぱりいいですね!
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勿論、昼からビールと冷酒をいただき、すっかり夢見心地です。

午後は堺の観光をもう一つと、「さかい利晶の杜」までタクシーで。利晶の利は千利休で、利晶の晶は与謝野晶子、つまり堺が生んだ2人の偉人の記念館です。
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中の展示をゆっくり見て、その後利休なのでお茶をいただきます。堺がいかに古くから栄えていて、いかに偉人を数多く輩出しているかは、午前中のガイドさんから詳しく聞いていますので、それを確認するかのような午後のひととき。

意外にもタクシーが捕まらずに、路線バスで今度は堺駅に出て、今度は南海本線を更に南下。次の目的地は岸和田です。
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(南海のカッコイイ空港特急ラピード)
私の岸和田のイメージと言えば、”だんじり”と”清原和博”、そしてその両者に共通する先入観としては、”喧嘩っ早くて、強そう”。でも、一回だけ会ったことがある清原さんは、意外にも優しそうでした。巨人ファンではないけれど、早く復活して欲しいと密かに応援しているのです。

岸和田駅からは、まずはタクシーで岸和田城へ。今では宴会やウエディングなどでも使われているそうなのですが、我々は中には入らず外観と庭だけで満足します。
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すぐ近くにある「岸和田だんじり会館」が、岸和田観光のメインイベント。
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大きなスクリーンで、大迫力のだんじり祭が見られて我々も大満足。確かに、日本全国の全てのお祭りが見られるに越したことはないけれど、日本全国の全ての祭を見るなんて、寅さんでも無理なのですから…
こうやって、大きなスクリーンで見られるだけでも幸せだと考えなければいけませんね。

堺と岸和田が大阪府南部の全てではありませんが、丸一日でこの2つの街を見られた我々は、本当に満足してこの日三回目の南海電車で、大阪市内に戻りました。

この旅最後の夕食は、「鶴橋で焼肉」。"焼肉の聖地"鶴橋には、20年以上前に大阪の取引先に連れて行って貰ったことがあります。今ほどメジャーではなかったものの、カオスのような凄い世界で、「ここって、日本なの?」と思えるほどの異次元ワールドでした。その時のお店も場所ももう覚えてはいませんが、近年すっかりメジャーになった鶴橋の焼肉をもう一度食べたい&妻にも食べさせてあげたいと、予約ができるお店の中から、美味しそうなお店をチョイスして予約。
鶴橋の中心街は、まるでソウルの下町のようなところだった記憶がありますが、今回選んだお店は、ちょっとオフィス街っぽい鶴橋の雰囲気とはちょっと異質な場所。ところが、お店に着く直前、妻が「足が、痛い!」と言って、立ち止まります。今まで、妻の足には配慮してきたつもりでしたが、確かに今日は結構歩いたので… 最後の最後に大チョンボをやらかした気分です。
気を取り直して食べた焼肉は、「さすがは、鶴橋!」という味。
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久し振りに食べたとっても美味しい焼肉でした。
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調子に乗って肉をおかわりし、最後には久し振りに”〆の冷麺”まで、食べてしまいました。

夜景観光なども考えてはいたのですが、今日の観光はここまでとして、贅沢にも鶴橋から梅田のホテルまでタクシーを使って戻りました。

6日目:8月19日(月)

楽しかったこの夏2回の旅も、今日がついに最終日。午後のJALで帰る予定ですが、最後までコテコテの大阪をとことん味わおうと思います。宅急便でスーツケースを送って再び身軽になって向かったのは、「なんばグランド花月」。通常は、昼と夜の2回公演なのですが、夏休み期間中は午前の部も加わり3回公演。午前中から吉本で笑えるなんて、何と関西の人は贅沢なのでしょう!?
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勿論、チケットは事前にネットで予約してコンビニで発券済み。チケットを取るときに出演者を見ると、
ザぼんち
と、随分とオールドネームが並んでいましたので、大丈夫かな? と、ちょっとだけ心配になりましたが、この回で一番爆笑を取っていたのは、ロバートでもcowcowでもなく、誰あろう西川きよし師匠でした!
(年寄だから、朝が一番元気なのかも知れませんが…)
あの年にして、あのパワーは本当に凄い! 国会議員を12年も真面目に勤めていた人とはとっても思えずに、心から大爆笑してしまいました。おまけに、私が大好きだったやすし師匠もネタにして大いに笑わせ、そしてホロっとさせてくれます。 きよし師匠、やっさんの分まで長生きしてね!
吉本新喜劇を最初から最後までじっくりと見るのは初めてでした。やはり、”関西のお約束のギャグ”には一部ついていけませんでしたが、それでも十分に楽しめることがわかったことが、今回の収穫。

大笑いするとお腹も空きます。この旅最後の昼食は、やはりコテコテ大阪の定番「お好み焼き」。お店の候補は事前にネットで下調べしていましたが、行列だったり階段に手すりがなかったりとリストアップしていたお店は全滅。結局、近くのチェーン店に席を確保して、最後の午餐。
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チェーン店でも十分に美味しいのが、お好み焼きのいいところ!

なんばから伊丹空港まではバスで30分以内。ほろ酔いでうとうとするうちに、あっという間の到着です。伊丹空港からは、いつも通りにせっせとショッピングで貯めたJALのマイルで手にした無料航空券、大阪から羽田は、飛び立ってしまうともう到着って感じ。

家に帰ったら、二人で何もせずにグタ~っとして旅の疲れを取りたいところですが、今回ばかりはそうもいきません。というのは、この日から2泊の予定で娘が3歳とまもなく1歳になる二人の孫を連れて帰って来るのです!
ということで、この後の3日間は旅行以上に疲れた戦争のような日々でしたが、こんなに充実して楽しい日々が旅の後にもまだまだ続くなんて、自分たちの至高の幸福を心から実感することができました!

(後日談です)
実は、10月にもまた連休を利用して旅に出る予定でした。行き先はこの春に悲願の全線開通を果たした、三陸鉄道の全線完乗。全ての準備を整えて出発日を楽しみにしていたのですが、出発1週間前にまたもや台風発生のニュースが…
「2019年の3回目の旅で、3度目の台風??」と、今年のタイミングの悪さを恨みましたが、今回の台風19号はそれどころではなく、強さもルートも最悪の展開。ついては、3回目にして初めて旅行そのものを断念せざるを得なくなりました。でも日本全体に大きな被害をもたらした台風19号ですから、旅行の中止だけで済んだ我々はまだよかったと言えます。
東日本大震災から8年を経て、ようやく全線開通にこぎ着けた三陸鉄道は、この台風の影響でまたあちこちが不通になってしまったようなので、三鉄の乗りつぶしはまた来年以降に延期です。
2020年にも行きたいところがたくさんありすぎるのが、目下の最大の悩みなのです!!