麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

【2020年最初の旅】湯西川温泉への旅


2010年代の私にとっての10年間といえば、いきなり2010年の6月に脳卒中片麻痺になり、リハビリの日々。そして2015年には長年勤めた会社を辞めて日本一周への取組を始め、その後は旅行三昧という今までの自分の人生の中でも、最も激動のディケード(10年)でした。
2020年からの10年間がどんな10年になるのかは全く想像ができませんが、できることなら引き続いて旅行三昧の日々が送れる10年になることが理想です。最近、「いったい、私はいつまで元気でいられるのだろうか?」と時折考えるようになりましたが 、せめて最低でもあと10年(=60歳代)は妻共々旅行を楽しめるほど元気でいたいと考えています。

ということで、今年もお金と時間が許す限り、寅さんに負けないくらいに旅をしたいと思い、勤務先の正月休みが世間より1日ほど長かったため、連休の最後にまたまた1泊2日で出掛けました。


2020年の最初の旅行先は栃木県の湯西川温泉。栃木県の温泉には昔から結構あちこち訪れていますが、ちょっと遠い湯西川温泉には仕事・プライベート含めて行くチャンスがなかったのと、暖冬のこの冬には、まだ雪景色というか雪すら全くみていないので、とりあえず冬らしさを感じたいと考えたためです。雪があるのは確実と思われたので、車で行くという発想は全くなく、列車の旅です。

奥日光エリアの湯西川温泉に行くには、列車で鬼怒川温泉まで行くルートが一般的。鬼怒川温泉に行くには東武特急スペーシアなのですが、スペーシアに乗れる春日部駅までは車で行けばすぐなのに、列車だと大回りの必要がありメチャ不便。なので大宮から乗れる数少ないJR・東武相互乗り入れの特急を利用することにすると、便数が少ないのでもう行きも帰りも時間が決まってしまいます。
この、「大宮駅から乗り換えなしで鬼怒川や東武日光に行ける!」という特急の運行は確か2005年頃に始まった筈。当時旅行会社の大宮のオフィスにいたので、JRさんとタイアップして様々な販促をした記憶がありますが、その当事者だった私は、今でこそ言えますが、実は一度もこの特急に乗ったことがなかったのです!(JRさん、申し訳ございませんでした!)

11時に大宮を出る鬼怒川温泉行きの特急は、東武特急車輌のスペーシアで運行。(元)鉄ちゃんにとっては、「東武スペーシアがJRの大宮駅に停まるということは、とんでもなくエキサイティングなことなのだよ!」と、興奮ぎみに妻に訴えたところで、妻には全く興味はなさそう。

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一人で興奮してスペーシアに乗車します。”あのスペーシアが”私の通勤ルートを通り、我が家の最寄り駅白岡を通過、この普段の通勤ルートをビールを飲みながら通過するのがささやかな夢だった私は、お昼前から2020年最初のプチ贅沢を早速実行。
JRから東武への切り替えは栗橋駅にて。栗橋駅を通過してJRから東武の線路に乗り移ることも初体験で、"鉄爺"としてはとても楽しみにしていたのですが、ダイヤ上通過の栗橋駅運転停車して、乗務員がJRの人から東武の人に交代するのだとか… 切り替えポイントを高速で通過するというスリルは味わえませんでした。

東武線内に入ると、朝からのビールが回り、ほろ酔いでうとうと状態が続き、寝たり起きたりの気持ちいい状態が続きます。母親の実家があった新鹿沼には停車、子供時代にはよく遊びに来たけど、最近は本当にご無沙汰なのでつい降りたくなりましたが、今では母親の実家はどうなっているのかすら不詳です。
下今市で日光方面の路線と分岐すると、にわかに雪が降り始めます。今シーズン、雪を見るのもはじめてです!

鬼怒川温泉駅での乗り継ぎ時間は1時間強。本当なら美味しいレストランで落ち着いて高級ランチと洒落こみたいところですが、鬼怒川温泉駅周辺は観光用食堂ばっかりで、グルメを気取ることは出来そうにありません。それでも食べログで見つけたピザ屋さんに行くと、10人以上は待っていてとっても1時間では席に座るまでが精一杯の感じ。結局昼食を食べ損ねるのが恐くて、まさに「観光食堂」と呼ぶに相応しい観光地駅前にしかなさそうな超平凡な食堂でのカツ丼の(妻はそばの)ランチ。早く出てくることだけが取り柄かな? 食べ終えたら早く出るのがこのような食堂の暗黙のルール。表は結構雪が激しくなってきたので、とりあえず駅に戻ります。

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駅で列車を待っていると、駅前に多くの人が集まり出します。野次馬根性丸出しで見に行くと、駅のすぐ横にはSL用の転車台ができており、その上には最近走り出した東武のSL(C11)が!

はてなブログでもyou tube貼り付けできました!)


C11はD51やC62と並んで私が大好きだったSLだったのに、この東武のSLの存在を失念してしまうなんて、やはり健忘症は着実に進行しているようです。でも、久し振りにC11をゆっくり見られてラッキーでした。

東武線から野岩鉄道へ乗り継ぎ、湯西川温泉駅まで。一駅毎に周囲は徐々に雪深くなって行きますが、トンネルばっかりであまり楽しめない野岩鉄道の車窓は以前に体験済み。(記事はこちら)
トンネルの中の駅湯西川温泉は結構乗降客も多く、"平家の落人の秘境"とは、とても思えません。この駅で降りたたくさんの人たちは、駅前に停まっていた湯西川温泉行きの路線バスに吸い込まれて行きましたが、我々は今宵の宿の送迎車を予約していて、こちらも満員御礼のホテルバスにて、宿まで向かいます。

湯西川温泉は秘境だけあって全体的 にバリアフリー対応はイマイチの感じ。湯西川ナンバーワンの宿は、バリアフリーの点で私にはちょっと無理な感じだったので予約を諦め、以前から名前だけはよく知っていた大型旅館を予約していましたが、2020年最初の宿泊にして最悪と断言してもいいくらいに、散々な目に遇いました。
なので、2020年の初ブログには(最初の投稿としては極めて不謹慎ですが)名前及び写真を非公開にして悪口を書きます!

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ホテルの窓から見える雪景色です

その1 従業員
日本人はみな慇懃無礼で上から目線の従業員ばっかり。数多い外国人従業員は、日本人従業員がホスピタリティーを教育していない(というか、彼らも絶対知らない!)ので、日本の旅館のおもてなしには程遠い対応。実は私が夕方、お風呂で怪我をして血が止まらなくなり、ホテルの人を呼んでもらったのですが、ホテルの人は一目見て、「こりゃ~、酷い!」と私の血が付いた床のことばかり気にしています。目の前にまだ血をダラダラと流している客がいるのに無視され、ただの一度も「大丈夫ですか?」など気遣ってくれる素振りは皆無でした。なかなか血が止まらないので、予備のガーゼを分けて貰うお願いをしても、ほんの少ししかくれません。予想通り後でガーゼが足りなくなり、妻がフロントに貰いに行ってもやっぱりくれるのはほんの少しだけ… たかがガーゼとはいえ、そのあまりのケチ振りに、夫婦共々おおいに呆れてしまいました。

 

その2 大浴場
右手足が不自由な私は、浴槽に手すりがないとお風呂には入れません。今回も勿論事前にネットで風呂の手すりの写真を確認して予約したのですが、何と男性用大浴場には手すりがないのです! あれだけお風呂の写真の手すりを何枚もHPに掲載していながら、あれらは全て女性用と貸切風呂なのだそうです。(なんという酷い情報統制!)その貸切風呂に1回無料で入れるというプランを予約していたのですが、チェックインの時に、「本日、貸切風呂は故障で使用できません。その代わり、カラオケは如何ですか?」高齢の夫婦が温泉地でカラオケなんてすると思いますか?? 

ということで、結局手すりのある風呂には入れず、全く手すりのない風呂にトライしてみたところ、上述の通り全治1週間以上の大けがをしてしまいました。(損害賠償を請求したいくらい!?)

 

その3 夕食
夕食は「平家お狩場焼き」を選択、いろりで焼きながら食べるという夕食に期待していたのですが、いろりのある個室という場所はいろりが大きい反面、人が座るスペースが狭く、料理を置く場所が横という極めてヘンテコなレイアウト。座った横に料理を置く台があり、自分の左側に(貧弱な)料理が並び、自分の横の料理と、少しだけあるお狩場焼きを前のいろりで焼いて食べるのです。右半身が不自由な私がとてつもなく不便なだけではないようで、妻もしきりに「食べにくい、食べにくい」と愚痴っています。おまけに、このプラン、「2時間、飲み放題」なのだそうなのですが、お代わりを注文するには部屋の狭いところで立ち上がって酔うといろりに転びそうで危ない狭い場所を通って内線電話まで行き、お代わりをお願いしないといけない… という面倒さとスリルを味わわなければならないので、(酒飲みなのに)お代わりなんて1回が精一杯でした! (干からびた刺身など)料理が超貧弱だったので、飲む前に食べ終わっちゃったというのも、事実なのですが…

 

ということで、2020年度最初の旅は超不満だらけの2日間になり、妻にもたった2日でかなりのストレスが溜まってしまったようです。私にとっても、団体用大型旅館であることは判っていたので、あまり期待していなかったとはいえ、やっぱり利用には十分注意しなければ… と、大いに勉強になりました。(この年になっても勉強なんて… 相変わらず、修行が足りませんね!) 特に風呂場の手すりについては、少し高い授業料でした。妻は、「ネットの口コミに酷評して、他の方に知らせた方がいいよ!」と勧めますが、昔自分の会社がお世話になった旅館なので、武士の情けとして名前は非公開とし、旅館が写っている写真も掲載しませんのであしからずご了承ください。

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帰りの東武直通特急 帰りはJRの車両でした。

ストレスが溜まった妻は、「やっぱり、見知った”いい旅館”に行きたいね!」とさかんに言っていて、我々が今一番気に入っている伊豆の旅館からタイミング良く届いたDMはがきに見事に釣られてしまい、お金もないのに早速2月にその宿を予約してしまいました!
ということで、2020年代最初の満足温泉レポートは、来月になります!