麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

【じじい散歩】<その1>


この文を書き始めた日は、2020年5月3日です。本来ならば、今年の今頃は「2020年桜紀行その②」として、弘前をはじめとした北東北の桜と遅い春を満喫している筈でした… (この日の晩は、4年前に大満足した青森県深浦の民宿を再訪する予定でした。)
ところが、思いもかけずの新型コロナ禍の「緊急事態宣言」で、当然のことながら半年以上かけて綿密に計画していた旅行は中止です。折角人気の弘前の「東横INN」を半年前の”深夜の激闘”を勝ち抜いて確保したり、自分的には選りすぐりの宿と美味しいであろう料理を準備していたのに…

”STAY HOME”の暇つぶしで、このところあのTVドラマ「仁-JIN」の再放送を見ているのですが、この”仁”に限らず人類の歴史は、「まさに人類と疫病との闘いの歴史である」ことは昔歴史の授業で習った記憶があるのですが、まさか今の時代に私たちがその疫病との闘いにここまで巻き込まれるとは想像していませんでした。我々は、「まさに人類の歴史の中に生きている」のですね!

緊急事態宣言が出てから、私が勤める大学は入構禁止になりましたので、個人的には東日本大震災の翌週以来の「在宅勤務」に突入しました。今の仕事内容では会議等も多いわけではなく、学内のデータが見られてメールのやり取りができれば業務には影響は少ないので、時折メールだけではうまく意思が伝わらず、”電話した方が早い!”などのもどかしさはあるものの、在宅勤務は以前に比べてきわめて快適です。(ITの進歩は凄い!)

ところが、8時半から17時まで家のPCに向かって座っているだけなので、どうにも運動不足というか体のペースが狂いがちです。3日ほど雨が続いた週などは、4日間全く家の外に出なかったので、冗談ではなく本当に「あれ、歩き方忘れた? こうだったっけ??」と思うぐらいに歩行が不自然になってしまったことすらあったほどです。家にいるだけなので間食は取らないように注意していたものの、やはり徐々にではありますが体重は増えてゆき、”これはマズイ!”と危機感を募らせます。
ということで、朝の業務開始前(または夕方の在宅勤務終了後)には1時間程度の散歩に行くことを心掛けるようにしました。勿論、雨の日には散歩には行きませんが、それ以外の日には家の近所の、出来るだけ”通ったことがない道”を歩く事にしています。ここ白岡市に住むようになってから20年以上になりますが、ずっと毎日会社への往復だけで、歩くのは駅までの往復のみ… 休日も車で買い物に出かけたりするだけなので、実は”マイホームタウン(自宅の周り)は、知らないことだらけ”状態なのです。間もなく来る(もう来ている?)”老後”のためにも近所の道ぐらいは全て通っておき、せめて「知らない道はない」ぐらいにはしておこうと、せっせと散歩に励みはじめました。
”3つの蜜”を避けて感染予防に努めなければならない在宅勤務なのですから、「家から出るなんてとんでもない!」というご意見もおありでしょうが、我が街白岡市は田舎町なので、どこを歩いても人とすれ違うことは少なく、”蜜状態”が発生する事は殆どありません。散歩をしていて人とすれ違う時は、どちらかが道の反対側に移動してすれ違うので、他人と2m以内に接近することも稀。それでも勿論マスク着用の重装備で、帰宅後には”うがい、手洗い”はちゃんと励行してます。コロナが怖いというよりも、感染したら周囲の皆様に多大なる迷惑を掛けるためです。

GWを前にした4月28日(火)の朝も、テレワーク前の7時過ぎから約1時間の散歩に出かけます。この日は、”幻のGW桜紀行の旅”の出発予定日だったため、頭の中は幻の旅行プランのことで一杯。「本当なら、今頃はもう東北道に乗っているんだろうなぁ~」など、朝からの好天が恨めしいばかりでした。いつもは仕事のことも含めて散歩中は様々なことに思いを巡らすことが多いのですが、この日ばかりは考えることは大好きな「旅」のことばかり。
散歩の後半、その存在は知っていたけれど一度も入ったことがなかった「白岡八幡神社」にお参り。
「そういえば、”日本2周目”で中断している”埼玉県全市町村巡り”の、『地元白岡市』はどうするんだっけ?」と全く決めていなかったルールに思いを馳せ、「そうだ!これからこの在宅勤務の間、できるだけ地元の様々なところを散歩すること」にして「コロナが終息して在宅勤務が終了したら、地元白岡市とすぐ近くの蓮田市(我が家から5分以内でもう蓮田市なのです!)は達成したことにしよう!」 とすることにしました。決めたマイルールは、「とにかく、1日1枚は地元の写真を撮る」ことだけを義務にすることとして、記念すべき1枚目の写真を「白岡八幡神社」でパチリ。

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これからGW中は、しばらくこの「じじい散歩」の毎日をレポートさせていただきます。
どうか3日坊主にはなりませんように!

◇4月29日(水・祝)

在宅勤務の時の散歩は主に朝。7時には家を出て8時には戻って業務につく準備につくという時間制限があるので、平日朝の散歩は”遅刻をするわけにはいかない”という真面目な性格(?)な故、遠出は避けて主に家の近所の”まだ歩いていない道”を歩くようにしています。
逆に休日は時間制限がないので、すこし足を伸ばしてちょっと遠くまで行ってみようと思っています。1時間以上歩いて隣の駅まで行けば、その後は電車で最寄駅白岡まで戻ってもいいのですから。
という訳で、この日は滅多に行くことがない隣駅新白岡までの散歩を決行。隣駅まで真っすぐ歩けば1時間はかからないのでしょうが、まわりを眺めながら寄り道・遠回りしてのんびりと歩くので、2時間程度の散歩です。

最初の写真は、家の近くでいつも気になっている、白岡市観光協会

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ここに白岡市観光協会があるのは車の中から見て知ってはいたのですが、「こんなに田舎で、観光地なんて何もないただの住宅地の市の観光協会って、一体毎日何してるの?」というのが、私的にはこの辺りでは最大の素朴な疑問。
勿論、組織として多くの市町村に観光協会があるのは理解しますが、その多くは役場の一角にあって担当職員は別の仕事を兼務している… ぐらいのイメージです。観光協会が役場と独立しているのは、みどころがそれなりにあって観光案内所がちゃんとあるような(観光がそれなりにその自治体の財政に貢献しているであろう)市町村ならわかるけれど、この白岡に観光が目的で訪れる人は皆無だと思うのですが、その観光協会が役場から独立したオフィスを構えているなんて… ここで働いている方は毎日何の仕事をしているのでしょうか?
一応、観光業界に30年以上携わってきた私なので、この建物の前を通るたびにこのことを真剣に考えてしまいます。これがこの辺りでは自分的には最大の謎です。

いつものスーパーを過ぎると、ここからは車でしか通ったことがないエリア。典型的な田舎風景が続き、すぐ横にはGWなのにガラガラであろう新幹線が見えます。

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今日、普段滅多に行かない新白岡方面へ散歩するにあたり、”行きたいところ候補”として下調べをしていた場所その①は、電車から見たことがあった小さな神社。滅多に乗らない白岡~新白岡間で随分前にこの神社を見つけて、疑問に思っていたのは恐らく10年以上前。その後はすっかり忘れていましたが、今回の散歩の下準備で地図を見ていてその朧げな記憶が蘇ったのです!
地図で見る限り、この神社には踏切を渡ってしか行く方法はなさそうです。

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神社の名前は”鷲神社”というらしい。(今回、地図を見て初めて知りました。)「わざわざ踏切を作っているくらいだから、さぞかし由緒正しい神社なのに違いない。」と思ってお賽銭を握りしめて参拝しましたが、残念ながらお賽銭箱もなく、その存在を知ってから10年越しの初訪問にしては、ちょっと拍子抜けでした。

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更に散歩を続け、東北自動車道をくぐります。「早くコロナが終息して、東北道をドライブできますように!」と祈りながらこちらもガラガラに違いない道路の下を通過。

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”行きたいところ候補その②”は、古代蓮の群生地。古代蓮といえば、同じ埼玉県の行田が有名ですが、白岡にもあるのだとか。東北道を超えてすぐに「古代蓮」の観光看板らしきものがあります。恐らく白岡市内では唯一(?)の観光用の看板?

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実際の古代蓮は時期が悪いのか、蓮の花どころか草も見えないただの貯水池の感じ。こんな何もないところに私以外の人が来るわけないと思いきや、親子連れが来たことの方が驚きでした。(勿論、近所の人でしょうが…)

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古代蓮の花が咲くのは7~8月とのことで、今度はその時期に来てみようと思います。

この日の散歩のゴールは新白岡駅。2時間弱のぶらり旅でした。

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◇4月30日(木)

在宅勤務のこの日は、いつもの通り朝7時からの1時間のお散歩。
初めて歩く細い道のすぐ横に、小さな神社というか祠があります。由緒を見ると以前流行した疫病の治癒祈願のために建てられた祠なのだとか…

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まさに、今にぴったりの祠ではありませんか!
おまけに、小さいながらもお賽銭入れもあるので、コロナ治癒をお祈りしました。

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この日の目的地は正福院というお寺。地図だけでは宗派は判らなかったのですが、来てみると私の好きな「真言宗智山派」のお寺だったので、朝からちょっとラッキー。

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おまけに、お寺には室生犀星川端康成の文学碑があったりします。私が知らなかっただけで、「白岡、なかなかやるじゃん!」と、ちょっと嬉しくなったりします。

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◇5月1日(金)

この日はハンコを押しに、3週間ぶりに会社に行ったので、散歩はお休み。
3週間ぶりの会社はそれなりにやることがたくさんあり、結局7時近くまで会社にいてしましました。

◇5月2日(土)

この日は電車でちょっとだけ出かける予定があったので、白岡駅の周辺の歩いたところがない場所を1時間みっちり散歩。
歩いたことがないまたはゆっくり眺めたことがない白岡の町並みをじっくりと観察しながら歩きます。
「どの家にもそれぞれの人たちの人生があるんだなぁ~」と、考えながら歩くと、「散歩ってなんて深いんだろう!」という気になり、感慨深いものがあります。
ところが、この日の散歩の目的にしていた白岡駅附近の”日本初の獅子舞の博物館”だという「獅子博物館」を見つけることができないうちにタイムアップ。駅に向かいながら、「そうだ、写真撮るの忘れた!」
結局、GWなのに人がいない白岡駅をパチリ。

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それにしても、やっぱり田舎ですね…

◇5月3日(日)

この日、散歩に出かけようとした直前に、Facebookで友人から指令が入ります。暇を持て余している毎日なので、早速そのミッションに乗ることにして楽しい作業を始め、気づいたら昼近くまで熱中してしまったので、この日の散歩はお休み。

◇5月4日(月・祝)

この日は隣町”蓮田市”への散歩に出かけます。家を出て5分も歩けば、もう白岡市蓮田市の市境が見えてきます。(嘘です。実際は市境には何もありません。)
この両市は意外に仲が悪く、過去には2回の合併話が住民の反対によって潰れています。1回目は菖蒲町を加えた3市町の合併。(その当時、白岡と菖蒲は町でした。)新市名も彩野市(あやのし)と決まっていたのですが、新市庁舎を白岡の役所に決めたことが蓮田市民の反発を買い、蓮田で合併が否決されてご破算に。その後、菖蒲はこっちに見切りをつけ、さっさと久喜市に組み込まれてしまいました。
2回目はその数年後、今度は蓮田と白岡の2つだけの合併。新市名は白岡蓮田市と決まっていたものの、今度は市役所の場所は前回の失敗に懲りて未定としていました。ところが、今度は白岡の住民が大反発し、先に実施した住民アンケートで反対票が65%を上回った圧倒的な反対で、その結果蓮田市住民投票を実施する前に、白岡はさっさと合併協議会から脱退してしまった記憶があります。
そんな”黒歴史”はともかく、今日の午前中はずっと蓮田を散歩します。

最初の目的地は「蓮田東照宮」。蓮田東照宮が出来たのは確か2年前ぐらい。地元のニュースでその完成を知り「一度は行かねば!」と思っていたのですが、西は桶川市と隣接するくらい広い蓮田市の中でも、我が家から歩いて30分以内で行けるとても近い場所にあると知って、とても嬉しかったことをよく覚えています。

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蓮田東照宮に来るのは3回目で、前回・前々回共に散歩で来ています。確か、蓮田市の旅行会社とバス会社を経営している人が建てた東照宮なので、日光にもちゃんと仁義を切って、分祀していただいているようです。

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ここでも祈ることは”コロナ撲滅”。このところ、お祈りはこれ一色です。

ここから、南にまっすぐ進むと蓮田駅の方に行くのですが、今日は時間があるので西に向かってぶらりと歩を進めます。東照宮の裏側に出ると、いつも車で走っている県道「さいたま栗橋線」に出ます。目の前にはいつも行くTSUTAYAがあり、向かいには時折行くファミレスがあります。さいたま栗橋線を西に折れて、すぐそばにあった西城沼バス停でバス路線図を確認します。歩き疲れたらこのバス路線に乗って帰ろうと思って何となく眺めたのですが、意外なところでそれが役に立つことになろうとは、この時点ではまだ知りません。。
この辺では大きな川である元荒川を渡ります。

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この元荒川、秩父あたりから熊谷付近を流れる荒川とは違う川なのですが、そのずっと下流(平井あたり)で荒川と合流する運命を辿るようです。

国道122号線(埼玉県での通称はワン・ツー・ツー)の旧道を曲がります。すぐそばに蓮田では有名な造り酒屋「清龍酒造」があるので立ち寄ってみます。

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「今日は車じゃないから、試飲があったらできるなぁ~」なんて考えていたのですが、残念ながら試飲コーナーはありませんでしたが、売店は年中無休で開いているようです。

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とは言え散歩中なので重い瓶は買えません。一番軽い300mlの一番高い大吟醸820円也を記念に買い求め、今晩のお楽しみに。

その後、ワンツーツー(の旧道)をとぼとぼと歩き、気づいたら蓮田駅はもうすぐ。家を出てから約2時間後の蓮田駅で今日の散歩はフィニッシュ!

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…の筈でした。
ところが、肝心の宇都宮線が止まっていて、あと1時間は動かないらしいとのこと。ここ蓮田駅であと1時間待つのも嫌だし、かといってまた歩いて帰るのはつらいし、タクシーで帰るのも嫌だし… そんな時に駅前のバス乗り場に止まっているバスの行き先を見ると、さっきのバス停「西城沼」を通りそうです。乗ろうかどうしようか逡巡していると、運ちゃんがいきなりエンジンをスタートさせるので、誰も乗っていないバスについ飛び乗ってしまいます。

1時間以上前に眺めた西城沼バス停で降り、朝とは反対に今度は我が家に向かって歩き始めますが、ちょうどお昼になり、このあたりにある有名店の鰻が食べたくなり、妻と2人分の鰻重をテイクアウト。
鰻2人前は重いので(と、自分を納得させて)タクシーを呼んで自宅に帰りました。
最後に思いがけない出費がありましたが、大満足の蓮田散歩でした。

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蓮田名物(?)の鰻せんべい

一旦、この辺りで投稿することにします。