麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

【2020年夏の旅】信州・北陸「高いところ」への旅<その①:信州へ>


2020年の旅は、年末にカレンダーを貼り替えた頃には、”ゴールデンウィークには弘前と東北地方の桜を満喫”し、”夏休みには北海道の離島を中心に道北を楽しむ!” という方針を早くから決めていて、2月までにはほぼ全ての予約を完了していました。ところが、当初は「今年の桜前線は例年よりかなり早く、GWの休暇スケジュールでは弘前の桜には間に合わないかも?」なんて危惧で一喜一憂していたものの、2月あたりから徐々にコロナが拡散する傾向が始まり、2月中旬に計画されていた30年前の職場のOB会が中止になった頃には、「そんなぁ~、いくら何でもちょっと大袈裟すぎるよねぇ~!?」なんてメンバーとは話し合っていたのもつかの間、瞬く間に「緊急事態宣言」が発出され、職場も「在宅勤務」に突入するなど我々を取り巻く状況も一気に変わってしまいました。

緊急事態宣言が発令されたら旅行どころではありません。弘前の桜祭りも早々に中止が発表されましたので、いくら「旅が人生最大の楽しみ」である私といえども、このGWに緊急事態宣言を無視してまで旅行に行く選択肢はありません。もし旅行に行ったとしても、他県(大宮)ナンバーの車に乗っていたら、地元の方から石を投げられる状況だったと思います。
その後”go to トラベルキャンペーン”の開始も発表され、徐々に風向きが変わったように感じられたので「これは、夏の北海道にはなんとか行けそうかな?」と思ったのもつかの間、7月からは感染の再拡大が始まったので、「夏の旅行実施は7月後半までに最終判断しよう」と様子を見守っていましたが、相変わらず感染拡大は収束を見せそうにはありません。今年の夏の北海道の旅行計画は”道北の離島”である利尻・礼文・天売・焼尻の4島訪問がメインイベントでしたので、医療施設が少ない離島に万が一コロナを持ち込むことは絶対に避けなければいけないので、状況が好転しないうちは旅行に行くべきではないという判断のもと、断腸の思いで「道北・離島の旅」を諦めてホテル・フェリー等の全ての予約を諦めてキャンセルしたのが7月中旬でした。

とはいえ、勤務先には夏休みもあるし旅行がお得に行ける”go to トラベルキャンペーン”も始まっています。 キャンペーンの実施には賛否両論あるものの、私が人生の半分以上である32年間お世話になった旅行会社も売り上げが「対前年97%減」という未曽有の惨状が続いており、早々に冬のボーナスの不支給も発表され、まだ会社にいる友人などによると、「間もなく、賃金カットや人員整理が始まる」という噂もあるようです。やはり旅行業界やこの会社に愛着がある私としては、せめてgo toキャンペーンには参加して、少しでも苦しんでいる会社や地域を応援したいという思いもありました。
ただ、一緒に旅行に行く妻がやはりかなり迷っています。罹患のリスクは減らしたいし、ましてや万一人には移したくないし… でも、折角安く旅行に行ける今のチャンスを逃したくないという気持ちもあるようです。散々迷って二人で何度も議論をした挙句、最終的に旅行出発の1週間前に旅行に行くことを決断しました。

ただ、今回は周囲の方にいろいろな考え方をする人がいる可能性があることから、出来るだけ周囲の方には何も言わずに旅に出ることにしました。いつものようにFacebookなどに旅行の様子を投稿することはせず、旅に出ることは家族と一部の知人のみにしか伝えていません。(従って、お土産も何も買っていません。)このブログへの投稿にも躊躇する部分もあるにはあるのですが、読者数が少ないであろうことと、自分の旅行記を残すことが目的であるため投稿に踏み切ります。)

肝心な旅行先ですが、検討の末信州と北陸にしました。”日本二周目”の未訪問県を中心に計画を立てたのですが、今回のテーマはズバリ「高いところ」。
高いところの一つ目は”標高の高いところ”。猛暑予想のお盆のピーク時にその暑さを避けられる標高の高い場所を目指そうと思います。二つ目の高いところはgo toキャンペーンの恩恵を最大限享受できる”宿泊料金の高い宿”に泊まって、補助金を最大限有効活用させていただきました。結果今回8泊の旅の宿泊代金(グロス額)はかなりの金額でしたが、35%の補助金として15万を超える額が差し引かれ、驚くぐらいの金額で済んだという結果となりました。
旅としては、天候にも恵まれ&高級宿も満喫出来たとても素晴らしい旅になりました。半年間、旅行に行けなくて悶々としていましたが、「やっぱり、旅っていい!」という素晴らしい結果になりました。
その結果を、いつものように少しずつレポートしてゆきます!
旅行に行けない方及び(キャンペーンの対象から外れた)東京都民の方には、本当に申し訳ないと思っています。

 

1日目:8月14日(金)

 

今回もお盆からの勤務先の夏期休暇を目一杯利用した旅。この日は、いつもよりも更に早く朝6時前には愛車をスタートさせています。
いつもは、半年以上前に旅行計画を始め、全日程の詳細に渡るまで下調べを十分にした上で、その情報をまとめた分厚いメモを横においてドライブするのですが、何分今回だけは行き先を決めて全ての宿の予約を完了させたのがたったの1週間前でしたので、そんな余裕はなく前日の夜ギリギリまで毎日の大まかな日程を決めるだけで精一杯でしたが、それでも今回は初日から午前中と夜に素晴らしいイベントを準備していて、天気さえ良ければきっと素晴らしい旅になる筈です!
そう考えながら朝の圏央道から中央道を快適にドライブ。例年ならお盆休みのラッシュが始まり高速も大渋滞の筈ですが、今年はコロナで帰省自粛が叫ばれており、交通量はいつもの半分以下の感じです。
今年の旅に際しての我々の偽らざる心境としては、「やっぱりスムーズな旅のためには、ある程度は混まないで欲しいけど、日本経済と観光業界のことを考えると、go toの効果が出て、それなりに賑わっていて欲しい!」というのが正直なところ。勿論、他に観光客がいないと、我々が目立ち過ぎるのも嫌だという本音もあります。
甲府付近のサービスエリアで遅めの朝食を取り、更に中央道を走ると、正面には雲一つない八ヶ岳がその勇姿を見せてくれます。運転中なので、写真がないのが残念!

 

午前中のイベント、この旅最初のみどころは、中央.・南アルプスの絶景。駒ヶ岳ロープウェイに乗るため、中央道を駒ヶ根インターで降り、菅の台のバスターミナルに愛車を駐車。ここからはマイカー乗り入れ禁止区間なので、バスでロープウェイの乗り場まで約30分、更に駒ヶ根ロープウェイにて千畳敷カールの絶景を目指します。バス乗り場にはそれなりの行列ができています。

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コロナの時代なのでバスは座席の数しか乗客を乗せないらしく、最初のバスが来ても行列は殆んど動きません。ダイヤによると次のバスは30分後で、この状況では次のバスにも乗れそうにないのでやや焦りましたが、15分後には臨時バスが来て、何とかその次(つまり30分後)のバスには乗れたので、幸先の良いスタート。

このバスはめっちゃ細い道を登って行くので、バスのすれ違いは決められた場所と時間でルール通りに行わわなければならないようで、これではマイカーでの乗り入れは絶対に無理ですね。
しらび平でロープウェイに乗り換え。バスが定員通りで運行されているので、ロープウェイの乗り継ぎは混雑もなく極めてスムーズです。

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この旅最初の「高いところ」は、標高2612メートル の駒ヶ岳ロープウェイ山頂駅。気温は関東の半分?の18℃です、

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ここから見える千畳敷カールの絶景!
3千メートル級の山々がすぐそばに見える凄い景色なのです。

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いつもはたった一人で孤高の主役を務める富士山も、ここではちょっとだけ高い"お兄ちゃん"。みんなのちょっとだけ後ろから頭だけ出しています。

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後ろから顔を覗かせている富士山

この旅のために買っておいた双眼鏡(実は、北海道の動物を見るために大枚2万円をはたいて買っていた高級品!)で山の稜線を覗くと、アルピニストたちが岩場に取りついているのが見え、とても興奮する眺め。

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勿論、高級双眼鏡では見えても、安いカメラではその興奮は撮れません。

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雲一つない空に飛行機雲!

千畳敷カールには40分程度の遊歩道があるようなのですが、いきなりの岩場と階段が我々の前に立ちはだかります。今回はこの風景を満喫できたことにまずは感謝。

妻は感動のあまり、まだ旅行1日目の午前中なのに、もうお土産を物色しています。

他の人たちはまだまだこの風景を満喫しているようですが、我々は早々に下山したので、登りと違ってロープウェイにもバスにも混雑はありません。「行きに30分以上並んだバス停に大行列できてないかなぁ~!?」と願ったもののもう12時を過ぎていたのでバスを待つ人はまばらでした。

 

そろそろお腹も空いて来ました。今回の旅では昼食まで下調べをする余裕はなかったので、レストランのあてはありません。次の目的地までの高速に乗る前に駒ヶ根の市内で昼食を済まそうと、キョロキョロ探しながら運動していると、インターを越えてすぐに「あそこ!レストランある!」との妻の声。慌ててハンドルを切ると、駐車場には何とか空きがあり待ち人の列もありどうやら人気店の様子!
とりあえず順番待ちにエントリーして、すかさず食べログをチェックしてみると、我々が並んだ店は、何と食べログ百名店にも選ばれている「駒ヶ根名物ソースカツ丼」の名店"明治亭駒ヶ根本店"だったのです! 我々の幸運と妻の慧眼に感謝ですね!
ほどなくテーブルに案内され、当然の如く食べたかったソースカツ丼(ご飯少なめ)をオーダー。食べログによるとこのお店のソースカツ丼は凄いボリュームらしく、おまけに我々の今日の夕食は5時からと早いので、満腹にならないようにご飯少なめにしたのですが、少なめでも普通の丼くらいは十分ありました。

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これが”ご飯少な目”。でも正体はご飯の上に盛られている山盛りのキャベツ!

普段、ソースカツ丼系はあまり食べない私ですが、でもここのお店のそれはかなりの絶品!旅行初日から"大当たり"のランチでした!

 

次の目的地は本日の宿である昼神温泉昼神温泉に泊まる最大の目的は、夕食後に「日本一の星空」を近くの山頂(高いところその2)に見に行くための宿泊です。従って、今晩に限っては夕食時にお酒を飲んだりゆっくり夕食を楽しむことはできないので、夕食は私の大嫌いなバイキングだけど午後1時からチェックインできてすぐに温泉に入れる宿をチョイスしています。勿論、go toキャンペーンの割引対象施設です。

お陰で2時前にはチェックインができて、すぐに半年振りの温泉を満喫します。久し振りの温泉は、やっぱりサイコー!
5時過ぎからは期待していないバイキングの夕食。料理を取る時はビニール手袋を付け、勿論マスク着用なのでこれならバイキングでもコロナ感染は大丈夫かな? これからのイベントに備えて、アルコールを我慢した私には丁度良い腹ごしらえでした。

日本全国は今日も猛暑のようですが、午前中に登った駒ヶ岳は18℃と涼しかったものの長袖までは不要でしたが、”夜の山上は絶対に寒い!”という情報を得ていたので長袖の上にウインドブレーカーを着て完全装備でホテルが仕立てたバスに乗り、日本一の星空の会場の「ヘブンスそのはら」へ。本日2度目のロープウェイで山頂まで。

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まずは星を見るための場所取りです。イベントが始まる8時半には全ての明かりが消灯されるようなので、まだ1時間以上も前ですが、「密にならないように、距離をあけて!」というアナウンスに従って二人分の場所を確保し、埼玉からこの日のために持参したレジャーシートを広げ、いつでも寝転がれるように準備OK。その後もお客さんは増え続けます。アナウンスは「本当に今日はお客さんが多い!」と連呼しており、気づけば我々のレジャーシートの周りにも隙間なく後から来た人たちのシートがひかれて、すっかり密の状態に。

星を見るイベントですから、雨は勿論曇っているだけでもダメなのですが、今日は本当に雲一つない好天なので、この晴れ間を目掛けて本当にたくさんのお客さんで溢れかえります。完全予約制の筈なのに…
長袖にウインドブレーカーの格好は大袈裟ではなく丁度いい涼しさ。山頂から関東に住む娘にメールしたところ、返事は「暑い!死ぬ!」。今日の我々、最高に贅沢な避暑ですね!

 

いよいよイベントが始まる8時半。みんなで目をつぶってカウントダウンでその瞬間を待ちます。
目を開くと本当に満天の星!こんな星空を、私は果たして今までに見たことがあったでしょうか? このような景色を以前に見たのは、絶対にプラネタリウムだったような気がします。事前に妻と「天の川、わかるかなぁ?」なんて心配していましたが、全くの杞憂でした。

本物の満天の星を見ながらの解説なので、本当に説明がスゥ~っと頭の中に入って来ます。星座もその由来が腑に落ちるのは、やっぱり本物を見ている故でしょうか!? 双眼鏡もフル活用して、30分の間本当に星に熱中しますが、安いカメラで三脚もないので写真に残せなかったのがとても残念。
30分の間に、流れ星は少なくとも2つは見えたとのことですが、私がはっきり見えたのは一つだけ。でも、こんな明るい流れ星が満天の星の前で流れるなんて、人生初の感動です。願い事を考える余裕もありませんでしたが、この感動の前ではそんなことはもうどうでもいいです。

星を満喫するイベントは30分間で9時には終了。イベントは2部制らしく我々は早々に山頂から追い出されます。たくさんのお客さんがロープウェイに行列を作り、ここでもまた密が発生しますが、早くバスに戻らないと他のお客さんに迷惑が掛かります。何とかバスまでたどり着き、夢見心地で宿に戻り、ようやくありついたビールで更に夢想が広がります。
「次にあの星空が見られるのって、私が天国に召された時? でも、あの天の川に行けるのなら、悪くないかも??」
感動をお伝えするのはとってもむずかしいのですが、最近満天の星空を見ていない方は、行くことをオススメします。(写真がないのでリンクを貼ります。 こちら
勿論、天候により見えないリスクはありますが…