麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

春の北東北への旅<その1:岩手山の桜と角館>


2020年よりコロナ禍で自粛していた春の北東北への旅、3年越しの念願をようやく叶えることができました!
メインイベントは各地の桜、近年桜前線の北上は年々早まっていて、ゴールデンウイークにはもう東北での桜は遅い!ということになっているようですが、いくら待ってもこの季節感が戻ることはもうないでしょうし、サラリーマンでいる限りは4月中旬~後半に休みを取って旅行するのは無理なので、とりあえず少しでも桜が残っていればいいなぁ~!と、割り切って旅をスタートさせることにします。

今回の旅の前に,9年間乗った愛車を乗り換えました。前の愛車は2013年、病気から3年後に運転への復帰の際に購入。片手片足でも運転できるように改造し、以降の旅では沖縄を除く46都道府県を快適に走ってくれた本当の愛車です。
勿論、たった9年で最近の車にガタが来るはずもなく、愛車は引き続き極めて快調だったのですが、「最近の最新の車の安全機能が、徐々に衰えが進む初老の私には必要」という見解と、「ロングドライブができるのも、あと約10年」と考えた時に「そろそろ、最後の一台(?)の買い時かな?」と、今買う決断をしました。
でも、どの車にするかは半年以上悩みに悩みました。過去トヨタ車しか乗っていない私は、当然トヨタで一番安全機能が満載の”ヤリス”にする積りでしたが、「最後の車選びだから、今回は他の会社も見てみよう」と、近所のディーラーをいくつか周り、とはいえ右手足が不自由な私はディーラーの車には試乗ができないので、パンフとYou Tubeで徹底的に各車を比較・検討しました。

最終的に、散々迷った挙句ホンダのフィットにしました。安全機能はヤリスとほぼ互角のイメージですが、フィットの半自動運転のACCと、電動パーキングブレーキが最終的な決め手になりました。安全性を高めるオプションはみんな付けたので、結局人生で2番目に高い買い物になってしまいましたが、後悔はありません。昨年11月に契約して納車されたのは2月の天皇誕生日。それからは週末のたびに練習と称して埼玉県内をプチドライブし、少しづつ新愛車にも慣れて、いよいよこの日を迎えます。

HONDAフィット20周年特別仕様車Maison

この写真は、今回の旅で田沢湖の桜スポットで撮ったものです。

 

1日目:4月28日(木)

 

朝のスタートはいつも通り早く6時半。今日は盛岡まで走って、その後に盛岡近辺の桜スポットを見る欲張りな一日です。今回のGW、全体的に天気は悪そうで、どこの桜もかなり終わっているとの情報でしたが、今日だけは晴天+今日行く桜スポットだけはまだ満開との情報を得ていたので、朝から元気ハツラツです。いつも通りのコンビニで飲み物を仕入れ、いつも通り久喜インターから東北道に乗ります。
東北道に乗ってすぐ、半自動運転ACCを100キロにセットして、レーンキープ(自動的に車線を走ってくれる機能)をオンにします。これで手も足も離しても、車は勝手に車線を100キロで走ってくれるのですが、やはり手はハンドルに添えたままで、足はすぐブレーキを踏めるポジションに置いてはいますが、それにしても夢のような半自動運転です! 時折、前に遅い車がいるときには車は自動的に減速してその車を追走しますが、この時だけウインカーとハンドルを動かし、追越車線へ。追い越す時だけは少しだけアクセルを踏み込み、無事に遅い車を追い越した後は元の車線に戻り、再び100キロで走り続けます。上り坂も下り坂も車が常に100キロをキープしてくれるので、本当に楽チン。
この日はまだGWではないので、道路もまだ混んではいません。途中、適当に休憩しながら、あっという間にみちのくに入り仙台を過ぎ、この旅最初の目的地である岩手県に突入!
この日のランチはサービスエリアで適当に食べようとノープランでしたが、12時前に盛岡付近に着けそうなので、盛岡南インターで東北道を降り、付近のレストランを探します。事前のリサーチもしていなかったので、知らない店にギャンブルで入る以外は無難なチェーン店しか選択肢はないかも? なんて話しながら盛岡市郊外をドライブしていると、チェーン店はチェーン店でも私の好きな仙台のチェーン店「かに政宗」を発見! 関東にはないチェーン店なので、喜々として車を停めます。

店名の如く”かに”中心のメニューなので、料金は決して安くはないけれど、旅の最初のランチとしては大満足でした。

この日最初の見学地は、小岩井農場小岩井農場にはいくつかの桜スポットがあるので、そこを訪ねようと思います。最初に小岩井農場に向かう道路沿いにある名所は”県道沿いの桜並木”。

車を近くに停め、岩手山と桜のコントラストを満喫。

次に向かったのは、小岩井農場(というより、岩手県)でも一番有名な桜スポットである「小岩井農場の一本桜」。混雑時にはアクセス道路まで大渋滞するらしいのですが、GW1日前は意外と混まずにこのスポットまで来ることができ、何とか駐車場もすぐに確保できました。

そして、岩手山と満開の一本桜の見事な絵のような風景!!

この桜だけでも、”3年越しの念願”のこの旅に来て本当に良かったと、心から 感動した瞬間でした。

 

ちょっと戻って、農場の駐車場に車を停め、こちらも有名な桜スポットである上丸牛舎の桜を散策。

一本桜といい、このあたりの桜は正に満開!

小岩井農場は桜だけにして他の観光はしませんでしたが、妻は明後日会う予定の旧友へのお土産選びに夢中です。

牧場といえば、ソフトクリーム!

牧場に来ればお約束の濃厚なソフトクリームを味わい、小岩井農場を後にして付近の桜スポットを2つ観光。一つ目の七ツ田の弘法桜はそこそこ広い駐車場はあるものの、どれが主役の一本桜なのかは不明のまま。

もう、散ってしまったのかもしれませんね。

横の桜はまだ何とか咲いています!

次の目的地は雫石園地。数日前、TVのニュースで満開の桜の中を泳ぐたくさんの鯉のぼりの映像が出ていたので期待度は高かったのですが、歩き出してみると、かなり葉桜度合いが進行しています。

おまけに川沿いに広がる園地なので、鯉のぼりはなかなか見つかりません。反対側から散歩して来た方に、「鯉のぼり、どのへんでしたか?」と尋ねてみたところ、「まだ、結構先だよ!」とのこと。桜が満開なら歩くモチベーションも保てるのですが、葉桜化した風景では、駐車場への帰り道が遠くなることばかり気になり、妻は早く旅館に行きたそうです。ついては、鯉のぼりを諦めて愛車に戻る決断をします。
何と、軟弱なことか!

本日の宿は鶯宿温泉。昭和の時代から仕事での関わりは多かったものの、実は来るのは初めてなのです。想像していたような温泉街もなく、いくつかのホテルがパラパラと点在している温泉地でした。この日はまだGWではないので、ホテルは結構空いていて、私的には微妙。旅館が賑わっていてくれると嬉しいけれど、あんまり混んでると嫌気がさしてしまうという、何とも我儘な元旅行会社社員です。

今日の夕食は温泉旅館なのにイタリアン。施設内にイタリアンレストランでもあるのかなぁ~!?と想像していましたが、普通の個室会食場で出てくる料理がイタリアンといういささか予想外の展開。

前菜(この後、右上にスープが来ました)


でも味は結構本格的で、ピザとPastaだけで3種類も出てくるボリュームたっぷりなコース。

ついつい、先に一つ食べてしまいました。 まいう~!

 

メインの肉料理

デザートまで満足感高い!

久しぶりに赤ワインのフルボトルを2人で一本空けてしまいました!

 

2日目:4月29日(金)

 

この日からいよいよゴールデンウイーク。この日はまずは角館に行ってから田沢湖経由で八幡平あたりを楽しみ、秋田県に入って懐かしの湯瀬温泉に宿泊する予定。ところがこの日は天気予報が悪く、岩手も秋田も午後から激しい雨が降り、おまけに夕方以降は山間部では何と雪予報! そしてこの日の宿湯瀬温泉は、まさに山間部! もうすぐ5月になるというのに... です。
岩手県鶯宿温泉から角館までは峠を超えて約1時間、実は秋田県南部地区はこの旅の後半にゆっくりと来る予定にしているのですが、残り少ないであろう角館の桜を見るために、一日でも早く角館に行きたかったので、この日の訪問プランになりました。

角館に向かう峠道で、ガソリンを給油。新愛車はハイブリッドなので、旅行前から約800キロ走ってのガソリン給油です。新車をハイブリッドにすることについては、しっかり者の娘に大反対されました。「相当走らないと、ハイブリッド代(数十万)のもとは取れない。年1万キロ以下程度だと、結局ガソリン車の方がお得!」というのが反対の理由です。確かに(最近、ガソリン車を買い替えた)娘の言うことは正論ですが、私の場合こうやって旅先でスタンドを探すことも多く、そのスタンド探しが結構面倒なことから、「ハイブリッドにして、給油の回数が少しでも減るのならば、多少高くってもハイブリッドにしよう!」と考えたのですが、確かに前の車の時より給油は約半分になり、ストレスは大きく減りました。 因みに、今回の旅での総走行距離は約2000キロでしたが、旅行中の給油は2回だけで済みました

『桜の時期の角館の混雑振りは凄まじい』という話を何度も聞いているので、事前調査はバッチリ。意外と武家屋敷に近い桜の時期だけ開く臨時駐車場に狙いを定めて車を走らせますが、その臨時駐車場はGWなのに何故かクローズです。思いっきり嫌な予感の中、角館のメイン駐車場である桧木内川堤に行っても満車ということはなく、まだ余裕で車を停められます。とりあえず車を停めて早速角館のもう一つの桜名所である桧木内川堤に行ってみますが、昨日行った雫石園地よりもかなり早く、川沿いは完全な葉桜!

あの有名な桧木内川堤の桜... 満開から一週間後

武家屋敷へ行けば、少しは桜残っているかしらん? と、最後の望みをかけて向かいますが、「数日前の強風で、もうみんな散っちゃったよ!」とのことで、本当に見事なくらいあの桜は片鱗もありません。

とは言え、6年振りの角館武家屋敷ですから、6年前と同じように人力車に乗ることにしました。コースは以前と同じで、恐らく車夫さんの説明も前回と同じなのでしょうが、健忘症(痴呆症?)が入りつつある我々には楽しい30分でした。何より歩かなくていいのが妻のお気に入りです。

楽しい時間でしたが、あの圧倒的な桜を見ることができなかったので、角館には、もう一度来なくてはいけませんね!

ほんの少しだけ武家屋敷にも残っていた八重桜

次はとりあえず田沢湖に向かいます。湖畔をドライブして景色が良いところや桜の咲いているところを探します。

田沢湖畔の県民の森

当初のプランでは、ここから玉川温泉辺りをドライブし、八幡平アスピーテラインを走って岩手県側の桜の名所を楽しむ予定でしたが、アスピーテラインは開通しているものの、「今日は降雪で、路面凍結&通行止めもあり得る」と、地元のラジオではしきりに注意喚起しているので、雪道が怖い私はすっかり怖じ気づいて、山道を行かずに盛岡まで戻って東北道で北上する選択をします。

今朝走った国道46号線を盛岡方面に戻ります。この国道のエキサイティングなところは、速度を落として走る秋田新幹線と並走できること。時折、愛車のすぐ横を新幹線が同じような速度で走り、僅かの間同じ世界を共有できるのです! ハンドルを握っているので写真は撮れませんが、元鉄ちゃんの魂を激しく揺さぶる感動の瞬間です。

お昼を過ぎて盛岡近辺でランチのお店を探します。盛岡だから”じゃじゃ麺”とか”冷麺”が食べたいね!なんて話しをしていると「盛岡冷麺」の表示を見つけ、迷わず入店。

満員の地元民はみんな焼肉を食べている中、我々は久しぶりに盛岡冷麺だけを食べて大満足!

もう、焼肉と冷麺を両方食べられない老人の胃袋です

関東では全く知らないお店でしたが、お店の広告にサンドイッチマンが出ているので、ここも東北では有名なチェーン店なのかも知れませんね。

 

昼食後、再び東北道を北に進み、八幡平の麓に向かいますが、午前中は何とか持ってくれた空も、天気予報通りに雨が降り出し時間が経つにつれて雨は徐々に激しくなります。時折、名も知らない桜スポットに突然出会いますが、写真を撮りに車外に出ることも叶わずに、車を停めて車内からの撮影。

こんな風景との突然の出会いが感動的です!

それでも、予定していた桜スポットを2つだけ観光。一つ目は、「上坊牧野の一本桜」。

やや葉桜化はしていたものの見事な一本桜を見ることはできましたが、昨日は見事に見えた背後の岩手山が今日はお休みなので、景色としてはイマイチ。

バックのない風景画... ですね!

次は「赤坂田の桜並木」。晴れていれば川沿いの散歩も楽しいのでしょうが、雨はますます激しくなります。

晴れていればなぁ~..!

最近の優秀な天気予報通りに、雨は徐々にみぞれが混じり始めます。丁度流れてきた「雨は夜更けすぎに、雪へと変わるだろう~」という山下達郎の曲が本当にシャレにならなくなってきたので、この日の観光を切り上げて今宵の宿に向かいます。

 

今日の宿は再び秋田県に入った湯瀬温泉の温泉旅館。昭和の時代(仙台勤務時代)に何度か来た大型温泉旅館で、ネットで久しぶりに見たその名前があまりにも懐かしかったので、ついクリック(予約)してしまいました。チェックインは4時前でしたが、この日からGWということもあり、同じように豪雨で観光を諦めて早めにチェックインする多くの観光客でロビーは溢れかえっています。この活気、3年振りに見た風景で思わず心から嬉しくなってしまいます!
おまけに、「明日の朝ご飯は団体があり、早い時間は混むと思いますよ!」...
『団体客』、何と懐かしい言葉でしょう! 三十数年間、私の仕事のかなりの部分を占めていた本当に懐かしい言葉で、「やったぁ~!」と快哉を叫びたいくらいの気持ちになった2022年4月29日でした。
当然のことですが、大浴場は大混雑。洗い場も順番待ちの状況です。こうなるとさっきの嬉しい気持ちは薄れてくるのですから、本当に我儘な奴ですね!
三十数年ぶりの宿には殆ど記憶もなく、感動もありませんでしたが、活気が戻ってきたこの日の嬉しさだけは、忘れることはないでしょう。