麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

春の北東北への旅<最終回:秋田県南部と鳥海山>

5日目:5月2日(月)

 

この旅の前半は「桜を追いかける旅」でしたが、今日からは後半戦。後半戦のメインテーマは、東北にはあれだけ何度も来ている(昭和の時代には、住んでいた)私なのに、何故かスポッとその足跡が抜けているのが秋田県南部、その秋田県南部の観光がこの旅後半戦のハイライトです。

朝、深浦の宿から見た日本海 今日は、いい天気‼

まずは五能線沿いを走り、秋田県へ入ります。能代では4年前に能代七夕の巨大な山車を偶然見た中心街(記事はこちら)から能代公園に向かいます。能代公園は桜祭りが終わり、今日からツツジ祭りが始まっているという情報なのですが、何やら公園全体が工事中の雰囲気で、駐車場すら開いていない状況。こうなるとめげやすい我々は見学を諦めて先を急ぐことにします。
次の目的は八郎潟大潟村
弘前で呑んだ二人が10日ほど前にここに来たらしく、その時は桜も菜の花も満開だったらしく、「明後日、行こうと思ってるのですが…」というと、「残念!!」と予告されていました。

でも桜はともかく菜の花は綺麗でしたよ!

この辺りは、6年前の夏にはひまわりを楽しんだ場所。日本一低い山には、今回も完全登頂です。

病気以来、同じ山に2度登頂(!?)したのはここだけ!

高速道路に乗り、秋田県南部の中心横手を目指します。今日のお昼は、勿論「横手やきそば」の予定。最初のプランでは郊外の観光施設「秋田ふるさと村」に行けば横手やきそば名店の支店もあり、一石二鳥だと思っていたのですが、昨日見たローカルニュースでその「秋田ふるさと村」で、昨日から「全国ラーメンフェスティバル」というイベントが開催されているらしく、どうやらこのGWには大混雑の感じで行くのがためらわれます。そもそも、横手やきそばが食べられればお店はどこでもよかった我々は、急遽一番大きい横手やきそばの最有名店に目標を切り替えます。ところがそのお店、田舎の割には(失礼!)あまり大きくない駐車場が満車で、ちょっと待っていても&第二駐車場も空きそうにもありません。15分程度周辺で駐車場を探して待ちましたが、近くに有料駐車場もなく諦めて市役所の駐車場に車を停め、観光協会に行って横手やきそばマップを改めて確認して、一番近くの店にチェックイン。どうやらごく普通の定食屋さんらしく定食も美味しそうでしたが、我々は初志貫徹して勿論横手やきそば

横手やきそばに満足した我々は再び市役所に戻り、横手といえばやきそばと並んで有名な“かまくら”を見に。

小学生時代、東京では珍しく大雪が降り、近所の友人と協力してかまくらを作って、夜になるまで数時間滞在した記憶が鮮やかに蘇りました!

その後、横手城にも行ってみますが、お城の上に登るのは無理そうで、とは言えいくら高台にあるお城でも、上に登らないと横手市街の景色は見えません。

次には、横手市内からはちょっと離れた「増田の町並み」へ。私の大好きな昔風の町並みが並んでいます。

片道10分も歩けば見終えてしまう程度の小さな町並みで、昔風の家に入るとそこのおばさんはみんな「ここの家には、このあいだ吉永小百合さんが来たよ!」と、声を揃えて宣伝。どうやら「大人の休日倶楽部」のCMをこの辺りで撮ったらしいのです。

確かに、あのCMで見たら行きたくなりそうな場所ではありました。

今日の宿泊は横手市内のビジネスホテル。ホテルには日帰り温泉が併設されていて、宿泊客は無料で入れるらしいのですが、どうやら人気の日帰り温泉らしくかなり混雑しているようなので、とりあえずこの時間の入浴は断念しました。
今日の夕食は食べログで評価が高かったおでん居酒屋を予約していましたが、評価が高い割にがっかりな内容。つまみが乏しく、看板のおでんも今日はなぜか「盛り合わせしかできません。」とのこと。その盛り合わせも散々待たされた挙句、食べてみると冷たいおでん! 3.5を超える食べログの高評価が全く信じられません!「間違えて、違うお店に来ちゃったんじゃない!?」と、疑いたくなるほどでした。
そんなお店なので腹一杯には食べずに、早々に退散。お店の場所は今日昼間にやきそばを探してウロウロした市役所のそばだったので、その時熟読(??)した「横手やきそばマップ」の記憶を辿って近くのスナックへ。近所のおじさんがカラオケしているスナックのお姉さんに「焼きそば、出来ますか?」と聞いてビールを飲みながら横手焼きそばを待ちます。

2回食べた横手焼きそば。「どっちが美味しかったか」は妻と評価が分かれました

さすがは焼きそばの街横手、スナックでも本格的な横手やきそばが食べられて大満足。
「お会計は? いくら?」
「1500円」。
「エッ、俺ビールも飲んだよ!?」
「ウチはみんな500円。ビールも焼きそばも500円だから1500円!」
なのだそうです。妻が飲んだウーロン茶はカウントされていないようですが、「兎に角1500円です!」と言われた通りに支払ったのですが…
でも、不快だった居酒屋1次会の記憶を上回る2次会は、気分爽快でした!

 

6日目:5月3日(火)

 

結局昨日は風呂に入らなかったので、朝6時の口明けからホテル併設の日帰り温泉に行ったのですが、朝から地元の方々は団体で来ていて、結構な混雑振り。結局、宿泊客無料の日帰り温泉ではのんびりとお風呂は楽しめませんでした。
今日は、秋田県南部の未訪問都市大曲と湯沢を楽しんでから、秋田県山形県の県境に聳える鳥海山麓のホテルまでの旅。朝食はホテルでは取らずに、横手市内にあるコメダコーヒーへ。全国どこへ行っても安定した同じ味が食べられて安心感はあるものの、その地方らしさが減ってしまったという一抹の寂しさはあります。
お昼に湯沢に行く前に、この付近のもう一つの著名な街大曲にも足跡を残したいと向かいます。大曲といえば何と言っても花火なのですが、その花火は簡単に見られるものではないので、「花火は、TV で見るもの」と諦めています。とは言え、どこか1箇所は観光しないと大曲に行ったことにはならないので、ネットで見つけた旧池田氏庭園という観光スポットへ向かいます。
横手から大曲へは、秋田市方面に少し戻る感じのドライブ。この道の少し先には、数日前というか自分的にはかなり前に来たというくらい遠い記憶になった街「角館」があり、この行ったり来たりは旅のプラン的には(元旅行会社社員としては)出来の悪いプランなのですが、角館の桜が見たいがための無理矢理のプランだったのでこれは仕方がないところ。ところが、大曲に近づくに連れて大粒の雨が! 今日の天気予報は雨は降らない予報でしたが、そういえば晴天と雨天を繰り返すこのGW、順番的には今日は雨の番です。「この豪雨じゃぁ、庭園の観光なんて無理だな。」と考えながらとりあえず行くだけは行ってみましたが、 ラッキーなことに駐車場に着く頃には雨はあがってくれたのです!

10分前まで豪雨が降っていたのが信じられない!

庭園には、GW だというのに観光客は誰もおらずに貸切状態。雨上がりの朝の散歩を楽しみました。

再び横手市内に戻り、子供時代に何故か猛烈に興味があった”後三年の役”ゆかりの「後三年合戦金沢資料館」に、再び降り始めた雨宿りを兼ねての訪問。私的には、源八幡太郎義家というより奥州藤原氏に興味があったので、奥州藤原氏が台頭するきっかけになったこの後三年の役には特に少年時代にはかなり興味があったのです。

その後、「平安の風わたる公園」にも行ってみますが、雨は相変わらず降り続き、おまけに私にとって錦帯橋のような階段仕様の歩きにくい橋を渡る気にもなれずに、見学を断念しました。

晴れ間も見えますが、結構雨が降っていたのです

次はいよいよ湯沢に向かいます。私の湯沢のイメージといえば、”小野小町”と”稲庭うどん”なのですが、食いしん坊の我々は当然の如くまずは稲庭うどんへ。秋田県全体の名物のイメージが強い稲庭うどんですが、その本場は実は湯沢。湯沢市郊外に稲庭ロードとでも呼べるような稲庭うどんのお店が集まる場所があるようなので、その中でも東京にも支店がある有名店である「佐藤養助商店」の総本店を目指します。

今日は今までマイナーな観光地ばかりを巡って来たため、他の観光客には全く出会いませんでしたが、やはりさすがは5月3日、まだ11時半少し前なのに佐藤養助商店は大混雑で30分以上の順番待ち! 他の店に行けばすぐに入れたのかも知れませんが、我々はお土産を選びながら凡そ30分の待ち時間も楽しく過ごし、いざ入店。ついつい、宣伝につられてタイカレーのカレーうどんを頼んでしまいましたが、今考えると本場中の本場の総本店で味わうメニューではなかったかも知れませんね。

この旅のお土産はここが最後と、稲庭うどんいぶりがっこをしっかりと購入します。

午後の見どころは、まずはすぐ近くの稲庭城。稲庭うどんはあれだけ大混雑だったのに、ややマイナーな稲庭城まで来る人はあまり多くないようです。下のお土産屋さんでスロープカーとお城の入場券を買って、小さなスロープカーで高台にあるお城へ。

鉄ちゃんにとっても嬉しいスロープカー

今回もお城に登るのは止めて、稲庭城周辺からの周囲の眺めで満足します。

次は、小野小町ゆかりの小町堂へ。

ここでのお祈りはただ一つ、「二人の孫娘が、小野小町のような絶世の美女になりますように!」我々の孫にはもう一人長男もいますが、この日のお祈りの主役は3歳と1歳の女の子。

今日は鳥海山が見える高原リゾートホテルなので、周辺のドライブと観光をしながら宿を目指します。まず目指したのは法体の滝。ところが、目的地に近づきナビの案内通りのやや細い道に入った1分後に、轍もない完全な雪道に。雪は道路にまだ5センチ以上は残っており、どう考えてもノーマルタイヤの愛車では絶対に無理です。Uターンも出来ない細い道から必死に抜け出すまで約5分強。この旅最大のピンチを何とか抜け出すことが出来ましたが、精神的に疲れ果ててもう法体の滝を目指す気も失せてしまいました。恐らく、ナビが変な道を案内したせいだと思いますが、あの時もう少し冷静になって周囲の地図を見直せばよかったのでしょうが、後の祭りです。
その後、鳥海山が見える牧場に行ってみます。さすがにGWなので3時過ぎでも牧場の駐車場は満車で、この時間でもみんなバーベキューを楽しんでいます。勿論、我々は夕食が食べられなくなるので、BBQは食べずにソフトクリームで我慢。

でも、今日はどこへ行っても鳥海山はその山頂を公開してはくれませんでした。

今宵の宿は奇しくも3年間毎年5月3日に予約をしていたフォレスタ鳥海。3年越しの予約でようやく泊まれたので、宿との出会いは感動的ですらありました!夕食は和洋折衷会席料理。どれも美味でしたが、一番感動的な料理がタラの芽の天ぷらなんですから、やっぱり貧乏性なんですね!

秋田といえばやっぱり日本酒!

7日目:5月4日(水)

 

朝目が覚めて部屋の窓を開ければ、そこには待望の鳥海山がその全貌を、我々にあたかもプライベート映像のように公開してくれています!

この景色が見たかったんです‼

今日は、その鳥海山の五合目まで行って、後は山形県を徐々に南下して、関東に帰る道すがら、この旅最後に置賜地方の温泉までの1日。
ゆっくりと朝食を楽しみ、3年後しのこのホテルの部屋も部屋から見える鳥海山も食事も温泉も全部堪能して、いよいよこの旅最後の観光の1日をスタート。

昨日も楽しんだ鳥海山の景色を堪能しながら、まずは秋田県南最後の観光地象潟へ。

象潟といえば、松尾芭蕉奥の細道で松島と並んで褒め称えた名勝の地。その後、この辺りの地形が地震で隆起し、そのお陰で松島のような海と小島は全て陸地となったらしいのですが、歴史に壮大なロマンを感じる私的には、前々からずっと訪れたかった憧れの場所。その象潟を眺めるのに絶好のポジションは、象潟のシンボルでもある道の駅の展望台。「5月には、水田に水が張られて、海だった頃の風景を彷彿とさせる景色が見られますよ!」とのことでしたが、5月とは言えまだ水はあまり張られておらず、200年以上前の風景は夢想するしかありません。

象潟はうらむがごとし(by松尾芭蕉

伊能忠敬がこの辺りを歩いたのは丁度地震で隆起した前後らしいのですが、忠敬はどっちの風景を眺めたのでしょうか?

反対側には雄大日本海

妻は昨日買い残した秋田県最後のお土産もここで存分に買えたので満足して、いよいよ鳥海山5合目までのドライブ。途中の奈曽の白滝は、滝までの階段が急で私には危ないという情報から行くのを早々に諦めており、その代わりに元滝伏流水という滝に行くことにしています。念の為、事前に観光協会にこのルートの階段の有無等を問い合わせていて、観光協会からの返信メールによると、「近所の老人ホームの散歩コースなので、大丈夫。」とのことなので、駐車場から滝まで片道10分の道を安心して歩き始めますが、滝に近づくに連れて道路の段差というかギャップが凄くなり、行きは何とか登れたものの「こりゃぁ、帰りはしんどいぞぉ?!」という場所の先には、手すりのない階段があり、この階段は私には無理です。
ついては、直前でUターンするという何とも最悪な展開。私の歩行能力は老人ホームの人にも劣るということを、改めて思い知りました。また、行きには何とか登った場所は上から見ると思ったより下りの難易度が高く、どうやって降りようか上で立ち止まって思案していたところ、後ろから来た親切な女性に介助をしていただく羽目になりました。正直助かりましたが、恥ずかしいやら情けないやらの複雑な心境でした。

この後に撮った道の途中の景色

いよいよ鳥海山ブルーラインを昇り、五合目を目指します。道路の周囲には残雪が結構残っていて、二合目、三合目と上に上がるにつれて、益々雪深くなります。

ようやく五合目に到着しますが、流石に寒くて風も強く、のんびりと景色を楽しむ余裕もなく、結局周囲の写真を慌てて撮っただけで、憧れの鳥海山とのランデブーはあっという間に終了。

鳥海ブルーラインの昇りはずっと秋田県でしたが、下りは山形県です。道路の周囲は雪が深い下り道ですが、私の気分的には一瞬にして「この旅行の、帰り道」という意識が猛烈に強くなり、気分的には泣きたいぐらいの心境。
あっという間に下まで降りてしまいました。
鳥海山を降りて向かった観光地は日本海側にある十六羅漢岩。ところが、ここも岩に向かう階段が急で私にはとても無理そうなので、結局岩を一つも見ずに、上から日本海の風景を眺めるだけで満足することに。

ここも、2時間ドラマのラストシーンの場所のようですね!

この日のお昼も特に決めていなかったので、この観光地にあるラーメン屋さんの「飛び魚ラーメン」の看板につられて入店。飛び魚の出汁は「あご出汁」なので、不味い筈はないと確信しての入店でしたが、ごく普通のラーメンでした。

今宵の宿は山形県と言っても米沢に近い赤湯温泉。明日が5月5日でGW の最終日なので、明日の午後は渋滞必至でその渋滞が嫌なために明日午前中には埼玉県まで帰り着けるよう、より関東に近い宿を予約していたため、同じ山形県内とは言え今いる所の秋田県境の日本海側から福島県に近い置賜地方までは急いでも3時間近くは掛かりそうです。ラーメンを食べ終わり、十六羅漢岩を出たのが2時少し前ですから、もう久しぶりの酒田などに立ち寄る余裕はありません。

日本海よ、また会おう!

以前にこの道を走った2016年には、まだ高速道路などは無かったと記憶していますが、今は、途中まで高速が開通しています。また、高速がない区間でも周囲の車はあたかも高速のように遠慮なくぶっ飛ばすので、早く目的地に着けるのは良いのですが、周囲を楽しむ余裕はなく、ただ走っただけというつまらないドライブ。今考えてももっとゆっくり走れば良かった!
この日の宿は、赤湯温泉。「上杉の御湯」という名前が付いた高級旅館でこの旅のフィナーレを飾ります。GW価格なので決して安くはありませんでしたが、お風呂も食事も合格点以上の内容で大満足。特にサービスが良く快適に過ごせてまた来たくなりました!

予算の関係で米沢牛ではなく山形牛でしたが、美味でした!

東北の最後の夜も満足して眠りにつきました。

 

8日目:5月5日(木)

 

この日はGW 最終日なので、人出がかなり戻ってきた今年は、2019年までと同じように、午後~夕方帰りの高速は大渋滞になるという予報が出ていましたので、明日金曜日には職場に行かなくてはいけない私は渋滞での疲労を残すことは避けたいので、どこにも寄らずに真っすぐ埼玉県を目指します。

赤湯温泉のすぐ近くから高速道路に乗り、東北道に合流して一路埼玉県へ… ところが、まだ午前中だというのに東北道の著名な渋滞スポットである上河内サービスエリア付近では早くも渋滞が始まっていて、20分程度のノロノロ運転が続きます。でも、こんな時に役に立つのが新愛車の半自動運転機能。アクセルもブレーキも全く触らずに、すぐ前の車を追従してくれるのですから! 結局、高速の渋滞も体験できたので、20分のタイムロスも苦にならずに、無事にお昼前には自宅に辿り着きました!

 

これで、2022年のゴールデンウイークの旅行記を終わります。次は8月の夏休み、これも3年越しの念願である北海道の離島に行きます。高2の夏休み以来45年振りの離島も4つ行くつもりで、既に予約も完了しています。
レポートは9月になると思いますが、3年間の鬱憤を晴らし、思いっ切り楽しんで来ようと思っています。