9日目:8月16日(火)
この日は、今回の旅のメインイベントである最北の離島利尻・礼文のまず最初に利尻島に行く日。朝イチのフェリーは混むという情報を信じて、11時発のフェリーを予約しています。
そして稚内での楽しみはノシャップ岬近辺での朝食。どうしても行ってみたい有名な食堂が2軒あり、そのどちらにも決められなかったため、利尻・礼文の行き帰りに稚内に1泊ずつすることにして、今日はまずその1軒目。でも今日は終日の雨予報ということで、朝からフェリーの運航が心配になるくらいの激しい雨が降っています。
その雨の中、向かった1軒目のお店は、ライダー達には特に有名な「漁師の店」という食堂兼ライダーハウス。食堂の営業時間は8時からということで8時前にお店に向かうと、既に駐車場は満車で何とかギリギリのスペースを見つけて車を停めることができたので、早速受付開始。どうやらみんな受付して雨なので並ばずに車の中で待っているようです。
このお店のウニ丼は2000円と兎に角安くて旨いことで有名で、我々も当然ウニ丼を食べるつもりでここまで来たのですが、残念ながらウニ丼は今日はないとのことでやむなく@1,500円の海鮮丼を注文して、豪雨の中1時間ほど車中で待つことに。結局、席に案内されて海鮮丼とご対面出来たのは9時をかなり過ぎていました。
このお店は、丼の他にも海鮮BBQなどを出しているようで、回転が悪かったのは先客が朝からガンガン海鮮系を焼いていたためだったようです。車で待っていたお陰で我々はそのことに気づくのが遅れたために我慢して待っていたのですが、もしこの朝からBBQで吞んでいる風景をいきなり目の当たりにしていたら、早々にここでの朝食を断念していたかもしれません。
でも、食べ終わった時間はフェリーには十分に間に合う時間。稚内に来たらいつも必ず立ち寄る氷雪の門には敬意を表して行ってみますが、雨なので車からは降りずに眺めるだけで昔の想い出に浸ります。
出航の50分前には予定通りフェリーターミナルに到着。車を置いて渡った天売・焼尻とは違い、利尻・礼文にはマイカーも一緒です。
利尻島鴛泊港到着は昼過ぎ、まずは利尻島でのランチ。利尻にも美味しいものはたくさんありそうですが、今日の我々の目的は「利尻ラーメン」。お目当てのラーメン屋さんは「(東京からは)日本でもっとも行きにくいラーメンの名店」と呼ばれ、何とここ利尻から新横浜ラーメン博物館にも出店しているという最北の名店、「利尻ラーメン味樂」。当然行列を覚悟していましたが、幸いにも駐車場にもすぐ車を停められ、行列も店内と外を合わせても10名以内という予想よりずっと少ない行列。
ここはラーメン屋さんらしく回転は良いので、少し待っただけでテーブル席に案内され、悲願の「焼き醤油ラーメン」+利尻とろろ昆布のトッピングをオーダー。
利尻昆布で出汁を取っただけあり、とにかく抜群に旨いスープ。途中で味変に入れたとろろ昆布でも味はさらに深みを増し、とにかく最高のラーメン! 塩分を気にしだしてからは基本スープは飲み干さない方針の私ですが、この日だけはあまりの美味しさについつい飲み干してしまいました!
食後のデザートは、すぐ近くにあるお店の利尻島定番ソフトクリーム「愛す利尻山」。
見てわかる通り、ウニと利尻昆布が入っている利尻島ならではのソフトクリームです。「利尻昆布で、よ~くソフトクリームをかき混ぜてから食べてください。」と言われた通りに数分かき混ぜてからこの甘じょっぱい味のソフトクリームをゆっくりといただきました。
お店のママさんに、「折角、関東からこんな遠くまで来たのに、この雨は本当に可哀そうねぇ~!」としきりに同情されましたが、天気予報は「明日は晴れ」予報なので、予報を信じて落ち込むことはありません。
とはいえこの雨では今日は観光は出来ません。でも明日礼文島に行くフェリーは午後発なので明日が天気予報通り晴れならば午前中に利尻島の観光はできるはずなので、今日の午後は急遽「明日の下見」に気持ちを切り替えて利尻島を反時計回りにドライブすることにします。
晴れていれば”利尻富士がきれいに見えるであろうスポット”や、利尻の海を満喫できそうなルートをドライブ、加えて利尻の自然や歴史を知るための「利尻町立博物館」も見学。
利尻富士がきれいに見えるはずのオタドマリ沼にも立ち寄ってみますが、景色は楽しめないので、妻はここぞとばかりにお土産漁りに余念がありません。
今日の宿は、その名前だけで3年間宿泊を夢見ていた宿「ホテル雲丹御殿」。利尻昆布で出汁を取った(お風呂に大きな昆布が浮かんでいました??)お風呂を楽しんだ後は、3年越しの悲願である「ウニ尽くし」の夕食です。
兎に角「エゾバフンウニ」は本当に最高!
最後にエゾバフンウニとムラサキウニの両方がたっぷり載ったウニ丼は、本当に「宿名に偽りなし!」という感じでした。
「これで、利尻富士が見えれば最高なのになぁ~!」というのは、明日の楽しみにして早めに眠りにつきました。
10日目:8月17日(水)
天気予報通りの快晴の朝。残された半日で少しでも利尻島を満喫しようと、早めにホテルを出て観光をスタート。
ホテルから見える利尻富士。まだ少しだけ雲がかかっているようですが、利尻富士に会うのは、恐らく1982年以来40年振りぐらいでしょうか?
まずはホテルに一番近い観光地である姫沼。利尻を代表する観光地なので、記憶では45年前にも来ているようですが、詳しいことまではあまり記憶に残ってはいません。姫沼から見える利尻富士の山頂は雲に隠れているようでした。
1周数十分の姫沼の遊歩道を一周し、利尻島の大自然を楽しみます。
今日は昨日の逆回りで、ほぼ円形の利尻島を時計回りにドライブ。まず最初は、北海道土産の定番である「白い恋人」のパッケージに描かれている画はここ… という「白い恋人の丘」へ。でも、快晴なのに残念ながらここから見る利尻山は雲を被っていて、あの「白い恋人」の画は見えません。
昨日も来た「オタドマリ沼」。今日はお土産には目もくれずに景色を堪能するつもりでしたが、残念ながらここでも利尻富士は雲に隠れています。
「雲に隠れていても、反対側から見ると利尻富士はきれいに見えることも多い。」という言葉を信じて引き続き利尻富士を眺めながら雲が晴れてきれいに見える場所を探しながら走ります。
少しだけ雲がかかっていて見えそうで見えない状態が続き、ややイライラし始めますが、もう少しです!。
利尻と言えば名水。いくつかある名水スポットは利尻山から湧き出る水が飲めて、これが本当に旨いのなんの…!
昨日曇天の中で写真を撮った「北のいつくしま弁天宮」、今日はきれいに見えます。
ようやく、完全に雲が晴れ、待望の利尻富士がその全貌を見せてくれました!
富士野園地展望台は、吉永小百合さんが「北のカナリアたち」の映画でもロケした場所だとか…
利尻富士とぺシ岬の眺めも最高です!
半日ですっかり利尻富士と利尻島を満喫。昨日雨でも今日これだけ利尻が楽しめたのですから、言うことはありません。
昼食は、事前にチェックしていた鴛泊の繁華街にあるお店「グランスポット」にて。ホタテカレーがこんなにたくさんのホタテフライが入っているとは全く想像していませんでした。観光地のカレーとは思えないくらいの「まいう~」でした!
このフェリーにて、次は礼文島に向かいます。
礼文島に着いて、最初に向かった場所は「北のカナリアパーク」。吉永小百合さん主演の映画「北のカナリアたち」のロケ地で、3年前最初にこの旅行を計画した時にビデオを借りて映画を観たのですが、3年も経つと少しづつ記憶も薄れてくるのですが、礼文島のあの学校と、海越しに見える利尻富士の画は本当に忘れられない強烈な印象として残っているのですが…
その、忘れられない風景が本当にそのまんまでありました!
学校も、
学校の中の映画の1シーンも、
そして利尻富士も!
本当にこの日の天気に感謝です!ここであの利尻富士が見えなかったら、本当にただの凡庸な観光地になっていたのでしょうね!? あの雨の日が前日であったことが本当に感謝です。この素晴らしい景色を見ながら食べたアイスも美味。恐らく、風景が最高の調味料なのでしょうね!?
続いて向かったのは、「桃台猫台展望台」。私にとって忘れられない懐かしい場所です。
これが、桃の形をした「桃岩」。
海にいる猫は「猫岩」。
そして、ここが「ポツンと一軒家」 …ではありません。熱狂的な「キチガイユース」と呼ばれた、「桃岩荘ユースホステル」です。
45年前、その評判(旅人の口コミ)に憧れて、他のユースホステルの予約をキャンセルしてまで向かった桃岩荘。「このトンネルを抜けたら、『羞恥心』を一切捨ててください!」と言われてチェックインしたたユースホステルでは、日本海に沈む夕陽を見ながら、みんなで吉田拓郎の「落陽」を何度も何度も声が続く限り唄った(叫んだ)り、夜のミーティングでは本当に羞恥心をかなぐり捨ててゲームやダンスに熱狂したり… と、高校二年生の北海道旅行である意味一番強烈で一番楽しかった思い出が今でも鮮やかに蘇ります。この、「桃岩荘」の外観を眺めるだけで、2時間ぐらいはあの時の思い出が蘇ってきて楽しめそうです。
今日の礼文島の宿は「花れぶん」。礼文島の宿の中ではピカ一と聞いていたので、ここも3年越しの予約なのです。
夕食はやはり「エゾバフンウニ」から。
桃岩荘に泊まる(騒ぐ)元気はもうないけれど、礼文の宿は45年振りでも楽しく快適な滞在でした!
11日目:8月18日(木)
スコトンの語源は勿論アイヌ語で、積丹と同じ言葉がその語源なのだとか。随分垢抜けた積丹とどうにも田舎臭いスコトン、逆だったらもっとイメージが良くなってお客さんももっと来たかもね!? と、45年前に地元の人が愚痴っていた事を突然思い出しました!
やや混んでいたので、ゆっくりと座れるスペースを何とか確保してすぐにFacebookの投稿を始めてしまったので、礼文島での最後の楽しみをついうっかり見逃してしまいました。それは、桃岩荘ユースホステルの見送り風景。フェリーの下で桃岩荘のスタッフが大きな旗を振って大声で歌を歌い、ホステラーを見送るのが桃岩荘の昔から変わらないルール。45年前には高校生の私も盛大なお見送りに感動し、「また、来るぞぉ〜!」と固く誓ったのに、何とその後45年もの歳月が流れてしまいました。今回、桃岩荘に泊まれなかったけれどせめてあのお見送りだけでもあの時の感動を思い出そう… なんて考えていたのに、この忘れっぽさといったら…