麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

2022年北海道<その4:利尻島・礼文島>

9日目:8月16日(火)

 

この日は、今回の旅のメインイベントである最北の離島利尻・礼文のまず最初に利尻島に行く日。朝イチのフェリーは混むという情報を信じて、11時発のフェリーを予約しています。
そして稚内での楽しみはノシャップ岬近辺での朝食。どうしても行ってみたい有名な食堂が2軒あり、そのどちらにも決められなかったため、利尻・礼文の行き帰りに稚内に1泊ずつすることにして、今日はまずその1軒目。でも今日は終日の雨予報ということで、朝からフェリーの運航が心配になるくらいの激しい雨が降っています。
その雨の中、向かった1軒目のお店は、ライダー達には特に有名な「漁師の店」という食堂兼ライダーハウス。食堂の営業時間は8時からということで8時前にお店に向かうと、既に駐車場は満車で何とかギリギリのスペースを見つけて車を停めることができたので、早速受付開始。どうやらみんな受付して雨なので並ばずに車の中で待っているようです。

稚内の有名店その①:漁師の店

このお店のウニ丼は2000円と兎に角安くて旨いことで有名で、我々も当然ウニ丼を食べるつもりでここまで来たのですが、残念ながらウニ丼は今日はないとのことでやむなく@1,500円の海鮮丼を注文して、豪雨の中1時間ほど車中で待つことに。結局、席に案内されて海鮮丼とご対面出来たのは9時をかなり過ぎていました。

海鮮丼も、安い割には美味しかったですヨ!

このお店は、丼の他にも海鮮BBQなどを出しているようで、回転が悪かったのは先客が朝からガンガン海鮮系を焼いていたためだったようです。車で待っていたお陰で我々はそのことに気づくのが遅れたために我慢して待っていたのですが、もしこの朝からBBQで吞んでいる風景をいきなり目の当たりにしていたら、早々にここでの朝食を断念していたかもしれません。

でも、食べ終わった時間はフェリーには十分に間に合う時間。稚内に来たらいつも必ず立ち寄る氷雪の門には敬意を表して行ってみますが、雨なので車からは降りずに眺めるだけで昔の想い出に浸ります。

出航の50分前には予定通りフェリーターミナルに到着。車を置いて渡った天売・焼尻とは違い、利尻・礼文にはマイカーも一緒です。

このフェリーで利尻島

利尻島泊港到着は昼過ぎ、まずは利尻島でのランチ。利尻にも美味しいものはたくさんありそうですが、今日の我々の目的は「利尻ラーメン」。お目当てのラーメン屋さんは「(東京からは)日本でもっとも行きにくいラーメンの名店」と呼ばれ、何とここ利尻から新横浜ラーメン博物館にも出店しているという最北の名店、「利尻ラーメン味樂」。当然行列を覚悟していましたが、幸いにも駐車場にもすぐ車を停められ、行列も店内と外を合わせても10名以内という予想よりずっと少ない行列。

観光客に地元の方も並んでいるようです

ここはラーメン屋さんらしく回転は良いので、少し待っただけでテーブル席に案内され、悲願の「焼き醤油ラーメン」+利尻とろろ昆布のトッピングをオーダー。

これが、本場の「焼き醤油ラーメン」

利尻昆布で出汁を取っただけあり、とにかく抜群に旨いスープ。途中で味変に入れたとろろ昆布でも味はさらに深みを増し、とにかく最高のラーメン! 塩分を気にしだしてからは基本スープは飲み干さない方針の私ですが、この日だけはあまりの美味しさについつい飲み干してしまいました!

ラーメンのスープを飲み干したのって…10年以上振りかな??

食後のデザートは、すぐ近くにあるお店の利尻島定番ソフトクリーム「愛す利尻山」。
見てわかる通り、ウニと利尻昆布が入っている利尻島ならではのソフトクリームです。「利尻昆布で、よ~くソフトクリームをかき混ぜてから食べてください。」と言われた通りに数分かき混ぜてからこの甘じょっぱい味のソフトクリームをゆっくりといただきました。

愛す利尻山

お店のママさんに、「折角、関東からこんな遠くまで来たのに、この雨は本当に可哀そうねぇ~!」としきりに同情されましたが、天気予報は「明日は晴れ」予報なので、予報を信じて落ち込むことはありません。

とはいえこの雨では今日は観光は出来ません。でも明日礼文島に行くフェリーは午後発なので明日が天気予報通り晴れならば午前中に利尻島の観光はできるはずなので、今日の午後は急遽「明日の下見」に気持ちを切り替えて利尻島を反時計回りにドライブすることにします。
晴れていれば”利尻富士がきれいに見えるであろうスポット”や、利尻の海を満喫できそうなルートをドライブ、加えて利尻の自然や歴史を知るための「利尻町立博物館」も見学。

北のいつくしま弁天宮

利尻富士がきれいに見えるはずのオタドマリ沼にも立ち寄ってみますが、景色は楽しめないので、妻はここぞとばかりにお土産漁りに余念がありません。

今日の宿は、その名前だけで3年間宿泊を夢見ていた宿「ホテル雲丹御殿」。利尻昆布で出汁を取った(お風呂に大きな昆布が浮かんでいました??)お風呂を楽しんだ後は、3年越しの悲願である「ウニ尽くし」の夕食です。

やっぱり、まずは生ウニ!

兎に角「エゾバフンウニ」は本当に最高!

最後にエゾバフンウニムラサキウニの両方がたっぷり載ったウニ丼は、本当に「宿名に偽りなし!」という感じでした。

この二色ウニ丼 最高でした!

「これで、利尻富士が見えれば最高なのになぁ~!」というのは、明日の楽しみにして早めに眠りにつきました。

 

10日目:8月17日(水)

 

天気予報通りの快晴の朝。残された半日で少しでも利尻島を満喫しようと、早めにホテルを出て観光をスタート。

ホテル雲丹御殿 快晴の朝

ホテルから見える利尻富士。まだ少しだけ雲がかかっているようですが、利尻富士に会うのは、恐らく1982年以来40年振りぐらいでしょうか?

ホテルから見る利尻富士

まずはホテルに一番近い観光地である姫沼。利尻を代表する観光地なので、記憶では45年前にも来ているようですが、詳しいことまではあまり記憶に残ってはいません。姫沼から見える利尻富士の山頂は雲に隠れているようでした。

1周数十分の姫沼の遊歩道を一周し、利尻島大自然を楽しみます。

今日は昨日の逆回りで、ほぼ円形の利尻島を時計回りにドライブ。まず最初は、北海道土産の定番である「白い恋人」のパッケージに描かれている画はここ… という「白い恋人の丘」へ。でも、快晴なのに残念ながらここから見る利尻山は雲を被っていて、あの「白い恋人」の画は見えません。

ここでプロポーズすると「プロポーズ証明証」が貰えるのだとか

昨日も来た「オタドマリ沼」。今日はお土産には目もくれずに景色を堪能するつもりでしたが、残念ながらここでも利尻富士は雲に隠れています。

「雲に隠れていても、反対側から見ると利尻富士はきれいに見えることも多い。」という言葉を信じて引き続き利尻富士を眺めながら雲が晴れてきれいに見える場所を探しながら走ります。

少しだけ雲がかかっていて見えそうで見えない状態が続き、ややイライラし始めますが、もう少しです!。

利尻と言えば名水。いくつかある名水スポットは利尻山から湧き出る水が飲めて、これが本当に旨いのなんの…!

昨日曇天の中で写真を撮った「北のいつくしま弁天宮」、今日はきれいに見えます。

ようやく、完全に雲が晴れ、待望の利尻富士がその全貌を見せてくれました!

富士野園地展望台は、吉永小百合さんが「北のカナリアたち」の映画でもロケした場所だとか…

利尻富士、最高!

利尻富士とぺシ岬の眺めも最高です!

半日ですっかり利尻富士利尻島を満喫。昨日雨でも今日これだけ利尻が楽しめたのですから、言うことはありません。

昼食は、事前にチェックしていた鴛泊の繁華街にあるお店「グランスポット」にて。ホタテカレーがこんなにたくさんのホタテフライが入っているとは全く想像していませんでした。観光地のカレーとは思えないくらいの「まいう~」でした!

このフェリーにて、次は礼文島に向かいます。

礼文島に着いて、最初に向かった場所は「北のカナリアパーク」。吉永小百合さん主演の映画「北のカナリアたち」のロケ地で、3年前最初にこの旅行を計画した時にビデオを借りて映画を観たのですが、3年も経つと少しづつ記憶も薄れてくるのですが、礼文島のあの学校と、海越しに見える利尻富士の画は本当に忘れられない強烈な印象として残っているのですが… 

その、忘れられない風景が本当にそのまんまでありました!

学校も、

学校の中の映画の1シーンも、

そして利尻富士も!

本当にこの日の天気に感謝です!ここであの利尻富士が見えなかったら、本当にただの凡庸な観光地になっていたのでしょうね!? あの雨の日が前日であったことが本当に感謝です。この素晴らしい景色を見ながら食べたアイスも美味。恐らく、風景が最高の調味料なのでしょうね!?

スタンドがあればソフトクリームの写真が撮れるのですが...

続いて向かったのは、「桃台猫台展望台」。私にとって忘れられない懐かしい場所です。
これが、桃の形をした「桃岩」。

海にいる猫は「猫岩」。

そして、ここが「ポツンと一軒家」 …ではありません。熱狂的な「キチガイユース」と呼ばれた、「桃岩荘ユースホステル」です。

45年前、その評判(旅人の口コミ)に憧れて、他のユースホステルの予約をキャンセルしてまで向かった桃岩荘。「このトンネルを抜けたら、『羞恥心』を一切捨ててください!」と言われてチェックインしたたユースホステルでは、日本海に沈む夕陽を見ながら、みんなで吉田拓郎の「落陽」を何度も何度も声が続く限り唄った(叫んだ)り、夜のミーティングでは本当に羞恥心をかなぐり捨ててゲームやダンスに熱狂したり… と、高校二年生の北海道旅行である意味一番強烈で一番楽しかった思い出が今でも鮮やかに蘇ります。この、「桃岩荘」の外観を眺めるだけで、2時間ぐらいはあの時の思い出が蘇ってきて楽しめそうです。

今日の礼文島の宿は「花れぶん」。礼文島の宿の中ではピカ一と聞いていたので、ここも3年越しの予約なのです。

夕食はやはり「エゾバフンウニ」から。

桃岩荘に泊まる(騒ぐ)元気はもうないけれど、礼文の宿は45年振りでも楽しく快適な滞在でした!

 

11日目:8月18日(木)

 

今朝は朝食前に、礼文島らしいといえば一番礼文島らしいイベントである、ホテルの「早朝花のお散歩」に参加するため、6時前にはロビーに集います。20名程度のホテルゲストを乗せたミニバスは、昨日私がマイカーでも道が狭いので通行を避けた細い登り坂の道を、対向車が来ることも考えずに(!?)どんどん登ってもう一つの桃岩展望台の麓まで。

ガイドさんを先頭に、20人の縦行列集団は結構キツイ坂を登ります。

昨日、このコースの歩行の難易度をホテルのフロントで尋ねたところ、私を見て「大丈夫ですよ」と言ってくれたので安心して申し込みをしたことを、少し後悔しながら必死に行列について行きます。途中に咲く花をガイドさんが色々と説明しているようですが、最後尾の私にはその声も届かず、また坂を登るのが精一杯で花を愛でる余裕なんて全くありません。
何とか頂上に着くと、桃岩が昨日より更に近くに見えます。

礼文の花といえば、45年前に覚えたレブンアツモリソウとレブンウスユキソウぐらいしか知識がないのですが、これらの花はなく、ガイドさんに教えていただいた高山植物は、残念ながら老齢の脳では全く覚えられません。

ここが、一番桃っぽく見えるかな?
楽しい朝の散歩でした。
ホテルに戻ってからもう一度温泉に入リ、十分空腹になってから美味しい朝ごはんをいただきます。このホテル花れぶん、本当にいい宿でした。
 
今日はフェリーの時間まで、礼文島の北部を観光します。まず向かったのは、「高山植物園」。

ここにはレブンアツモリソウがあると聞いていたのですが、受付前に「レブンアツモリソウはありません。」と、絶対に見逃さないような大きな字で書かれています。別に我々はレブンアツモリソウが見たかったわけではなく、ただ名前を知っていて何となく親近感があるのがレブンアツモリソウだったので、他の花が見られリャいいやと思い入場しましたが、全体的に期待したほど花は多くなかったようです。

次に向かったのはスコトン岬。礼文島の北の端ですが、日本最北端ではありません。宗谷岬のほうが、やや北なのだそうです。ここには観光バスが3台も停まっていて、すっかり観光地としての活気を取り戻していました。

スコトンの語源は勿論アイヌ語で、積丹と同じ言葉がその語源なのだとか。随分垢抜けた積丹とどうにも田舎臭いスコトン、逆だったらもっとイメージが良くなってお客さんももっと来たかもね!? と、45年前に地元の人が愚痴っていた事を突然思い出しました!

見える島はトド島(無人島)です
ようやく観光バスがいなくなったので、お約束のソフトクリームを食べてから45年ぶりのスコトン岬を後にします。そういえば、45年前はここから「愛とロマンの8時間コース」を歩いたっけ...

「愛とロマンの8時間コース」ここからスタートした記憶が…
次の見どころは澄海岬。これで”すかいみさき”と読む何ともロマンチックな名前です。

流石に、ここの海の色は本当に綺麗ですねぇ〜!

ここも8時間コースには入っている筈なので絶対に来ている筈なのですが、全く記憶がありません。そういえば愛とロマンの言葉に釣られて、景色より一緒に歩いた女子大生ばっかり見ていたからかもしれません。全く、ませた高校生でしたねぇ~!
 
香深のフェリーターミナルまで戻ると、丁度お昼時。香深の有名店「海鮮処かふか」は予想以上に大きなお店なので、何とか席を確保することができました。ウニを食べようかホッケのちゃんちゃん焼もいいなぁ~!なんて散々ここで食べるメニューを旅行前からあれこれ考えていたのですが、いざ席につくと何故か夫婦揃って「お寿司」。でも、さすがは礼文島の有名店、寿司も激旨でしたよ。

稚内に戻るフェリーは、今回乗った3つの中では一番古く唯一エレベーターがないフェリー。

利尻富士をバックに…

やや混んでいたので、ゆっくりと座れるスペースを何とか確保してすぐにFacebookの投稿を始めてしまったので、礼文島での最後の楽しみをついうっかり見逃してしまいました。それは、桃岩荘ユースホステルの見送り風景。フェリーの下で桃岩荘のスタッフが大きな旗を振って大声で歌を歌い、ホステラーを見送るのが桃岩荘の昔から変わらないルール。45年前には高校生の私も盛大なお見送りに感動し、「また、来るぞぉ〜!」と固く誓ったのに、何とその後45年もの歳月が流れてしまいました。今回、桃岩荘に泊まれなかったけれどせめてあのお見送りだけでもあの時の感動を思い出そう… なんて考えていたのに、この忘れっぽさといったら… 

それに気づいたのはFacebookの投稿を終え、香深港を出て10分程度経ってからなので、自分に悔しくって仕方がありません。
「もう一回礼文島においで」と言われているかのようですね。
 
この日の宿は南稚内のホテル。実は南稚内の居酒屋の評判を聞いていて、とにかく「一泊は南稚内に泊まって、近くの居酒屋に行こう!」というのが3年前からの継続課題でした。3軒あたりをつけていた食べログの点数の高い居酒屋に数日前から予約の電話を何度か掛けたのですが、お盆だからか3軒共に全く繋がりません。ようやく昨日通じたホテル目の前の居酒屋「えぞ番屋」に入店。

まだ、昼みたいに明るいけれど、もう6時なのです
本当に楽しかった利尻礼文の思い出と、美味しい稚内のお魚で、この晩もあっという間に過ぎて行きました。