麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

(足の)装具について


昨日、麻痺の右足を支える足の装具を修理しましたので、今日はその装具についてレポートします。

脳卒中で倒れて足に麻痺を負った人の多くは、歩きを支えるために麻痺側の足に装具を着けることになります。麻痺側の足首がしっかり固定できず上手く歩けないので、このまま歩き始めると、最初のうちは歩くどころかしっかりと立つこともできません。装具を付けて足首を固定することにより、少なくとも慣れれば真っ直ぐ立つことができるようになり、練習すれば徐々に歩くことができるようになります。

最初は足のサイズに合ったリハビリセンターにある出来合いの装具を使って練習を始めますが、そのうちに自分の症状や歩き方に合わせた装具を担当の理学療法士が考えてくれて、出入りの装具屋さんにオーダーして、自分オリジナルの装具を作ることになります。症状や歩き方によってその装具の機能やデザインはまちまちで、私の装具はひざ近くまであるちょっと大きめの装具で、その分足首が曲がるようなタイプを注文していただきました。勿論、考えるのはリハビリを担当する理学療法士さんで、我々は黙って従うだけというかお金を払うだけしかできません。装具を作ったのは倒れた2か月後の昨年8月、装具代は7万円強だった記憶があります。いったん全額を支払いますが、勿論7割ぐらいの金額が後日健康保険で戻ってきます。(私の分もちゃんと帰ってきました)

入院した他の人の装具と比べても、私の装具は大きくて足首で曲がるようになっている分、値段も高かったような気がします。他の方の装具は足首の先ぐらいまでしかない人も多く、勿論そんな装具では足は曲がる機能はありません。でもその分かなり安く作れるようで、同室だった方の装具代は3万円程度だったので私も作るときそのくらいの金額を予想していましたが、何故か大きく&高く(&高機能な)装具になって、吃驚した記憶があります。。

勿論、回復するにつれて徐々に装具を外すことが出来るようになりますが、私の場合はまだ装具なしで歩けるのは自宅内程度、それも寝ていてトイレに起きる時や風呂上がりの時程度です。正直まだ装具なしで(家の中はともかく)外を歩く練習すら始めていない状況です。装具ない場合は、右足が引っかかった場合に転倒のリスクがありますので、装具なしで外を歩く練習は来年ぐらいから始められれば… 程度に考えています。

勿論、装具を付ける右足は、その上に靴を履きますので左足と同じサイズの靴は履けません。従って、倒れてからの靴は介護用の専用靴で、私の場合は左足が27センチ(これが昔からのサイズ)で装具を付ける右足は28センチ。普通の靴はサイズ同じ左右がセットですが、介護用の靴はそういった患者のことを考慮し、左右バラバラで販売しています。これもネットで販売さてていますのでありがたい時代になったものです。
因みにこういったショップは介護専門のネット販売が中心ですが、ちゃんと楽天などの巨大モールにもしっかり入っていますので、介護用の靴は少々高いけど、ちゃんとポイントを稼ぐこともしっかりと出来るのです!! 
本当にいい時代になったものです。もし私が倒れたのが、パソコンが普及していない20年前だったら… 字も書けない私は、右手麻痺で即失業、買い物も苦労して探さなければいけなく、病気や看護の情報も集められず… 本当に想像もつきません。今の時代には感謝しなくてはいけません。

昨年8月に作った装具、その後はすっかり愛用していて朝起きたら足に装着し、風呂の時には外しますがそれ以外は夜寝る時までずっとつけっぱなしで愛用している、眼鏡と同じく手放せないアイテムになっています。勿論、数年後には装具なしで歩けて、普通の靴を履けるようにはなりたいと思っておりますが、焦って手放して転倒しては元も子もありません。

入院中は理学療法士さんも気を使ってくれ、いろいろと調整してくれますが、作ってくれた装具屋さんも毎週金曜日には定期的にリハビリセンターに来ているので、調子が悪いとすぐ理学療法士さん経由で修正をしてくれます。
退院後は、リハビリで通っているうちは理学療法士さんが何かと気にかけてくれていましたが、リハビリが終了するとリハビリセンターには月1回は行くものの、リハビリではなく主治医の診察が目的ですから、当然装具のメンテナンスまでは面倒見てくれなくなり、すべて自分の管理になります。利用開始1年にもなれば新品と同様という訳にはいかず、さまざまな支障が生じ始めます。

私の装具で最初に壊れたというか調子が悪くなったのは、足先を固定するマジックテープ。
装具を足に固定するベルトは3つあります。中心となるのは足首を固定するバンドで、このベルトがまさに生命線になりますが、私のは大きな装具なのであと2点、つま先を止めるマジックテープと、ふくらはぎを固定する上部のベルトとがあります。
このマジックテープ、ここだけベルトではなくマジックテープということを見ても、一番力が入らない部分であり、ここは固定しなくても問題はないのですが、やっぱりテープをぶらぶらさせたままで靴を履くのは何となくしっくりしません。
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マジックテープを交換するだけなので簡単に修理ができそうなのですが、とは言え素人には無理そうだし、近所に頼むとは言っても何屋さんに頼んだらいいのかも想像がつきません。
購入した時の領収書を探して電話してみましたが、店は加須(かぞ)にあるとのこと。電話で状況を話すと「来てくれればすぐに直してあげますよ」とのことですが、埼玉以外の方にはあまり馴染みのない地名「加須」は田舎の我が家より更に田舎で、おまけに会社の場所を地図で見ると、加須の駅と隣の駅のほぼ中間にあり駅から歩くのは結構大変そうです。
隣の駅には、息子が3年通った高校で最近甲子園にもたまに出場する「花咲徳栄高校」があります。以前なら車でスイスイと行けたのですが、車のない今は結構大事です。
「金曜日にリハビリセンターに来ていただいてもいいですよ」と言っていただきましたが、金曜日は主治医の診察がなく、わざわざ行くとなるとリハビリセンターも同様に面倒なロケーションです。

そんなことで数か月、有効な解決策がなく放置していたのですが、先日リハビリをしてくれている理学療法士さんと雑談をしていたところ、「加須? うちの病院に来ている装具屋も加須からだよ!」とのこと。装具を扱う会社が何社も加須にあるとは思いづらく、調べていただいたところやっぱり同じ会社で、しかもその病院に来ているのは土曜日の午後で、私が行くのにもスケジュールが合う日であることが判明しました。

ただその病院、訪問リハビリで来ていただくのはいいけど、駅からも遠く我が家から行くにはタクシーしか手段がないこと、また装具屋さんと合うために病院に行くのですが、勿論病院で診察を受けることが必要なことは当然です。それでも加須やリハビリセンターに行くことを考えると、簡単に修理してもらえることになり、好都合です。

という訳で昨日午後、半年間訪問リハビリでお世話になっている病院に初めて行くことになりました。
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無事に装具屋さんと会うことができ、1,000円でマジックテープを交換してもらいました。
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