麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

日暮里舎人ライナーでの都内散歩


今週の木曜日の午前中は、2カ月ぶりに慶應病院の診察日でした。
朝10時の予約でしたが、列車の乗り継ぎ等がスムーズにいき病院に着いたのが9時半で、何と到着の10分後には診察室に呼ばれるという超スピーディーな診察でした。
初めて紹介状を持って行った時2年前には、3時間以上待たされたことを考えると、本当に予約さまさまです。リハビリの世界では超有名(らしい)F先生直々の診察なのに…

診察はというと、手の状況を見て予想通り来月には手の緊張をやわらげるボトックス注射を打つことになりました。前回は昨年6月に打ったので、約9カ月ぶりの注射になります。
また治療費5万円近い高額の注射です。身障者手帳の医療費補助で半年後には戻ってくるとは言え、それなりに痛い金額です。でも慶應病院はクレジットカードで支払いができるので、医療費を払うたびにマイルが貯まるのです!
なので、今回もしっかり来たるべき旅行に向けてマイルを貯めさせていただきます。
勿論、ボトックスの注射はマイルを貯めるためにだけ打つ訳ではありません。手の緊張をほぐしてリハビリの効果がより上がるための治療なのです…
なので、注射を久しぶりに打ったら… また更にリハビリ、頑張ります!!

慶應病院ですが、その後相変わらずスムーズに会計までが進行し、10時半過ぎには終了してしまいました。
この日は1時から天王洲の本社ビルにて打ち合わせがあるため、終日会社にはいかず慶應病院から直接本社ビルに向かう予定にしていましたが、普段より1時間近く早く診察が終了したお陰で、中途半端に時間が余ってしまいました。会社に戻っても良いけれど、戻っても会社にいられるのは10分程度しかありませんので、会社に戻るのは非効率です。
とは言え、中途半端な1時間と少し。「どうしようかなぁ~」とさまざま思いを巡らせます。本屋に行っても仕方がないので、久しぶりの秋葉原散策でもするか… ととりあえず電車に乗って秋葉原を目指しながら、「次のプチ旅行はどこ行こう?」とぼんやりと電車の路線図を眺めています。

路線図を何気なく見ていて目に飛び込んできた地名は、従来仕事も私生活でもほとんど縁のない駅名の「日暮里」。ここで、倒れる前にオープンして「そのうちに乗りに行くぞ!」と思っていながら、結局病気になってまだ未訪問だった新交通システム「日暮里舎人ライナー」の存在を思い出しました。
駅は間もなく秋葉原で、乗り換えれば日暮里はすぐそこ。1時間ちょっとの時間はこの短い路線を往復するのにちょうど良い時間のようです。
「よし、秋葉原をやめて日暮里舎人ライナーに乗りに行こう!」と決意を固め、秋葉原では電気街口には向かわずに山手線に乗り換えて日暮里を目指すことにしました!

あまり馴染みのない日暮里で下車。日暮里なんて京成に乗り換える時ぐらいしか降りる機会がないので、何年振りでしょうか? 新しい乗り換え口を歩きながら、日暮里舎人ライナーの乗り場を目指します。
オープン時のニュースなどでは、「日暮里舎人ライナー」は東京都が運営する新交通で、全線高架線を無人運転で走る、「ゆりかもめ」のような列車だったと記憶しています。「ゆりかもめ」と違い海沿いを走る訳ではないので、レインボーブリッジのような風景は期待できないけれど、都内でありながら馴染みの少ないエリアの高いところをさほど早くないスピードで走る訳ですから、それなりの眺めを期待できると思っています。天気はどんよりとした曇りではありますが、期待する風景が「街並み」なので天気にはあまり左右されそうにはありません。

ホームに上がり、列車を後ろから眺めながら先頭まで4両をゆっくりと歩きます。
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車輛は通常の鉄道よりやはり小ぶりで、ゆりかもめと同じくらいの大きさです。でもホームドアがしっかりついており、列車の全景を撮影できるポイントはなさそうです。
先頭まで行きましたが、運転席の場所にある先頭の展望席には既に先客がしっかり乗車していますので、せっかくなので1本列車を見送り、7分後の次の列車に一人だけ並んで、しっかりと展望席を確保します。改めて見るとゆりかもめ同様にレールがなく、ゴムタイヤで走っているようです。
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ゆっくりと走り出した列車は、都会らしくビル街の中を走り始めます。思ったよりスピードを上げたと思ったら、すぐに減速し次の駅へ。
最初の駅は京浜東北・山手線と並走し、西日暮里です。
西日暮里の直前からJRの線路と別れを告げて、東北の方向に向かっていきます。
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単独路線になった次の駅は、「赤土(あかど)小学校前」。駅名もバス停のような名前です。でも、この小学校のOBだったら、密かに誇らしいだろうなぁ~!? と少し羨ましかったりします。
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車内放送では、駅名に続いて「○○病院へはこちらでお降り下さい。」と、バスのような放送が流れています。毎日乗っている都電荒川線と同じパターンですが、あっちは一両のチンチン電車で、こっちは無人運転とは言え4両… ちょっと不思議な気分です。

その都電の乗り継ぎ駅「熊野前」。都電との立体交差が味わえるので、「都電、来ないかなぁ~?」と願っていましたが、そうは問屋が卸してくれず、写真は撮れずじまいでした。

隅田川・荒川と東京の大河を2つ続けて超えるところあたりが、車窓のハイライトなのでしょうか? 荒川の先には、東北道に直結する首都高速6号線の懐かしい風景が見えます。駅名は「扇大橋」 昔このあたりは車で散々走った沿線で唯一土地勘のあるエリアです。
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次の駅は「江北」。大学生時代、都立江北高校出身の同級生がいたことを思い出しました。でも、その同級生が誰だったかが思い出せません。もう34年前のことなので…
何故か学校の名前だけを突然思い出した… そんな状況。 もう健忘症が始まっていますね!?

舎人公園」駅。その名前の通り大きな公園が見えています。陸上競技場が見え、2人だけでトラックでジョギングしています。まるでマラソン最後に競技場を1周する時のような雰囲気です。その先には、工場というか倉庫街が見えています。
ようやく、すれ違いの列車で列車の外観を撮影することができました。
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周囲は、マンション以外の高層ビルが殆どなくなって、完全な住宅街です。生まれて以来22年間東京都民で、その後も20年近く都内勤務していましたが、そんな私が初めて訪れた馴染みのない街並みが続きます。
遠方の高層マンションに見覚えが… よく見ると毎朝宇都宮線の車内から見ている川口の高層マンションです! もう少し行くと川口、埼玉県のようです。

終点の駅名も「見沼代親水公園」。「見沼」といえばさいたま市にも見沼区という区名があるように私的にはきわめて埼玉です。
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駅の先には終着駅に相応しい車止めがあり、終着駅らしい風情があります。
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そのまま折り返し駅で帰る人が多いのか、「折り返し禁止」の表示が見えます。勿論私は終着駅に敬意を表して改札口を出ます。
周辺の地図の写真を撮っていたら、ボランティアガイドのおじいさんが近寄ってきて、日暮里舎人ライナーのパンフレットと地図をくれました。

時間があればこのあたりを「ぶらり旅」でもしたいところですが、さすがに仕事中なのでそろそろ帰らなくてはなりません。終着駅の外観をパチリとカメラに収めた後は、折り返しの電車で日暮里に戻ることにします。
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今度も先頭の展望車に乗ろうとしましたが、既に先客により座席は占有されています。今度は一本待つほどの余裕もなかったので、一番後ろの展望座席に乗り、過ぎ去っていく風景を名残惜しく眺めてゆくことにしました。
行きはガラガラだった日暮里舎人ライナーですが、帰りは徐々に客席が埋まりかなりの立客も出ています。この分なら経営も順調だろうと、ちょっと嬉しくなりました。

今度は終点ひと駅前の西日暮里で下車しますが、西日暮里は同じ駅名とは言いながらJR駅からは結構遠く、歩くのにそれなりに時間がかかり、ちょうど良いリハビリになりました。

たった1時間の散歩でしたが、見慣れない風景を楽しむことができ、大満足の時間になりました。最近、少し「遠くへ行きたい」という気持ちが強まっていましたが、良い息抜きになりました。

宮脇俊三先生の名言通り、「旅情は近くでも味わえる。」ものですね…