麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

自動車運転復帰への道<その①:免許再取得>


今年2013年最大の目的は、知人友人への年賀状にも、元旦のこのブログにも決意のほどを書きましたが、「車の運転に復帰する」ということです。

私が脳卒中で倒れた2010年6月16日には、朝から車で高速道路を飛ばし、6時半には茨城のゴルフ場に着いていました。その日のゴルフ休憩の昼食中に発症して救急車で病院に運ばれ、以降車は運転していない訳ですから、ほぼ2年と10カ月、車の運転からは離れていることになります。
脳卒中で右半身が麻痺となり(右手・右足が動かなくなり)、必死にリハビリは続けているもののやはり健常者と同じような生活をするのは非常に大変です。この2年と10カ月で何とか仕事には復帰できて、この1年間必死で頑張ったお陰で1年間有給休暇以内の休暇取得で、いわゆる普通の会社員生活を何とか送ることはできた訳ですが、だからと言って普通の人と同じように普通に働いて普通に遊んで… という生活にはまだまだ壁があります。
でも永遠のテーマである「絶対に諦めない」を胸に秘めて、何とか頑張ろうと常に前向きに考えております。
正直、今でも時々気持ちが折れそうになることもあります。今日も色々ありそんなブルーな気持ちでいるのですが、ここでメゲるわけにはいきません。今日も気持ちを入れ替えて綴りたいと思います。

右手右足が不自由な私にとっては、運転への復帰は決して簡単なことではないと思っています。利き手ではない左手だけでハンドルを扱い、左足でアクセルとブレーキを操作しなくてはいけないので、約28年間無事故(多違反)で安全運転を実践していた私にとっては、全く初めて運転をするようなものではないかと思っています。同じ脳卒中でも復帰してすぐに運転に復帰した方の話を聞くと、本当に羨ましくはなりますが、一人として同じ症状のないこの病気ですから「人と自分を比べて羨ましがる」ことだけはしないようにしようと、自分を律してはいるのですが…

でも倒れる前の自分の最大の趣味は「ドライブ&車での旅行」でしたし、車でしか行けない郊外店が多いこの家に住んだのも車での生活が基本だと考えていたためです。なので闘病3年目になる今年運転に復帰することは、自分的には絶対に必要なことだと考えていました。
(最初は昨年中に復帰したいと目論んだこともあったのですが、やはりハードルが高いため昨年早々に目標を1年先延ばしにしていました。)
今年こそは、もう先延ばしにするわけにはいきません。

私的には自動車運転の復帰には、3つのステップが必要だと考えています。
1、(期限が切れて)失効している運転免許を取り直す
2、自動車学校に行き、左片手・片足運転に慣れる
3、(レンタカーには乗れないので)自分用の車を購入する
まず、先週免許センターに行き何とか免許を取得、第一段階は何とかクリアすることができました。

本来、運転免許の更新は倒れて1年後でした。その頃はまだ会社近くに借りた池袋の家からの週4日勤務で、とても「車を運転する」気分でも状況でもなかったと記憶しています。「いつかは運転に復帰しよう!」という目標は持っていたものの、具体的なプランなどは描けていなかったのです。でも「免許を失効させるのはまずいのでは?」という気持ちも持っていたので、更新ハガキを見て埼玉県の免許センターに電話して相談してみました。
脳卒中で現在まだリハビリ中である」ことなどを正直に話したところ、「入院などの理由があれば、失効3年後までは医師の診断書があれば免許が再交付できる。」という情報を得ることができ、親切そうな係の方は「無理していま来なくても、治ってから診断書持ってくれば大丈夫ですよ。」と言っていただいたので、安心してそのまま失効させてしまいました。

今年になって、いよいよ本格的に免許の再取得をしようとHPなどでいろいろと調べ始めたのですが、HPをよくよく読むと1年半前に電話で聞いたように簡単に診断書1通で済む話ではどうもないようです。簡単に言えば、たとえば最近までずっと入院していたのであれば確かに診断書に入院期日を書いてもらえば済む話ですが、私の場合は入院も退院も2010年なので、この入院の記録だけでは免許失効の「やむを得ない理由」にはならないのでは?という疑念がふつふつと湧いてきます。

なので今年最初のリハビリセンター主治医との面談の際、今年の目標としての免許の取得について相談してみました。車の運転については、前の主治医とも相談したこともあり、今の主治医とも雑談程度では話したことがあったのですが、失効に至る状況とその時免許センターに相談したことも正直に話したのです。
親切な今の主治医も親身に応じてくれ、翌3月に受け取った診断書には、「てんかん発作の可能性があるので今まで運転を禁じていたが、2年半発作は起きていない。」と非常にありがたい記載があり、この診断書なら今まで更新に来なかったことの正当性も問題なさそうです。
(勿論、作り話だけではありません。発症当初は「(てんかんの可能性があるので)運転はしないほうが良い。」と言われていたのは本当の話ですし、それに従っていたのも事実です。)

HPを見ると、「やむを得ない理由が終了してから1か月以内に手続きすること。」との記載があります。ということは私の場合診断書を貰ったのが3月初めなので、3月中には免許の更新に行く必要があります。なので3月の後半の平日に人形の街”鴻巣”にある埼玉県の免許センターに出かけました。
この免許センターに来るも久しぶりです。最後に来たのは2回続けて違反で捕まって、ゴールド免許を取り上げられてブルーの免許になった6年ぐらい前、また娘と息子が免許受験の時には、各々試験場まで送ってきたこともありました。勿論当時は全て車で来ており、電車とバスで来たのは初めての経験です。

失効者の申請は1時からと聞いていたのですが、ちょっと早めに12時過ぎには食事を済ませ、免許センターに到着します。でも私の場合単なる失効者ではなく運転に制限がつけられるのは間違いないので、同時に「適性検査」を受ける必要があります。
この適性検査、2年前に電話で聞いた時は「予約はいりませんので、とにかく1時までに来てください。」と言われたので事前に連絡せず、受付というか相談コーナーで内容を告げると、すぐに該当箇所に連絡してくれて適性検査に案内されます。

まず簡単なヒアリングがあり、正直に今の状況を説明します。診断書等の書類もチェックされましたが、お陰様で診断書はあっさり問題なくクリアされました。
その後、運転のテレビゲームのようなドライブシミュレーターを使ったテストが3種類ありました。
まずは左足でちゃんとアクセルが一定の強さで押せて、強さをキープできるかのテストがあり、次にアクセルとブレーキの切り替えがスムーズに出来るかどうかを調べられます。
次は左手でハンドルをちゃんと回せるかどうかのテストがありました。
最後のテストは記号が出たらボタンを押す眼のテストで、これが最長時間のテストでした。
テストの結果は… 以前に眼科でも言われていたので少々心配していたのですが、同じように「一番右下にちょっと見落としがありますね…」との結果。「認識していますか?」と訊かれたので、「実は眼科で言われたことがあります。」と正直に話しました。
「これは、免許ダメかなぁ~?」と心配したのですが、「この程度なら大丈夫です。寧ろ本人が見えないことを認識していることが大切です!」と言われて、とにかく何とか「適性OK」のハンコをいただき、ようやく普通の人と同じ列に並んで失効⇒再交付手続きをすることができました。

普通に手続きをして、視力検査(さすがに視力ですから簡単にクリアできます)をしてから2時間のとっても長~い講習を受けます。今回は形の上では「路上試験と学科試験免除の免許再取得」に該当するので、学科を2時間受けないと免許の更新資格は得られないのだそうです。そのせいか2時間の講習を受けた後に写真撮影があり、その後5時近くなってようやく免許を手にすることができたのです。

ちょっとヒヤっとしましたが、とりあえず第一段階は何とかクリアできました。
でも、油断禁物。ハードルはまだまだ高そうです。