麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

8.四国一周の旅<その3:香川県(後篇)~愛媛県>


4日目:10月6日(火)

この日は、もう少し香川県を観光してから愛媛県に入る予定です。旅館の朝食には、いくら”うどん県”であっても、さすがに朝からうどんは出ませんでした!

再び海沿いに戻り、今日最初の観光は瀬戸大橋記念公園。この公園、瀬戸大橋開通時にはかなりの人が訪れた”瀬戸大橋博覧会”の跡地の公園なのですが、我々はとりあえずいつもの通り”バカと煙り”の習性として、とにかく高いところである「瀬戸大橋タワー」を目指します。
でも、駐車場から目指すタワーを見て、「あれぇ? 随分細いタワーだな~…」と思います。私の常識でタワーというと、”エレベーターで上に上がって、最上部にはやや広い展望台がある…”というイメージなのですが、それにしては上に展望スペースなどがかなり狭そうです。
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入場口に行ってようやくその理由が判りました。このタワーは中にエレベーターなどがあるわけではなく、外に丸い観覧スペースがあり、運転時間になるとその円形の展望台が上まで上昇してくれて、上で眺望を楽しめるという遊園地の乗り物のような施設なのです。椅子は外向きに円形に配置されているので、”瀬戸大橋目の前の席に座ろう!”と激しい席取り合戦になりそうな感じですが、上に昇ると同時に円盤も回転を始めますので、どこに座っても平等に瀬戸大橋が見えるということになっています。
今日も天気は最高で、瀬戸大橋がすごくきれいに見えます。
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ゆっくり回転する円盤は、最上部だけでも三回転して、我々に周囲の眺望を楽しませてくれます。瀬戸内海の島々は、何度見ても本当に最高です!
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朝9時のオープンに合わせてこのタワーを訪れていたので、他の観光客はおらずに我々の貸切状態でした。この円形の観客席が上昇した時の写真を撮りたかったのですが、その後も平日の朝なのでまだお客さんは誰も来ないらしく、ちょっと待ってみたのですが、円盤が再び上昇することはありませんでした。

歩いて行けるエリアに、東山魁夷画伯の美術館があるというのでこちらも訪ねてみます。”東山画伯って、香川県の出身なのかしら?”と思っていましたが、長野県小布施の北斎美術館などと同様に、画伯も香川のご出身ではないのだそうです。とは言え、この美術館には画伯の作品は結構多く、それなりに見応えのある美術館でしたが、東山魁夷の作品として私でも知っているクラスの有名な代表作は、残念ながらここにはありません。
とは言え、風景画が好きな私としては、ゆっくりとさまざまな風景を堪能させていただきました。さすがに”昭和を代表する日本画家”だけのことはありますね…

車は丸亀市に入ります。丸亀と言えば、最近我々がしょっちゅうお世話になっているうどん屋チェーンの”丸亀製麺”のお陰で、私にも妻にもすっかり馴染みのある地名のひとつになりました。
「”丸亀製麺”、ないかなぁ~?」と妻も車の中からキョロキョロと町中を探していますが、「丸亀製麺の本社は確か神戸で、丸亀にお店はない。」と教えてあげると、何となく残念そうな妻でした。
でも、丸亀には日本で12ヵ所しかない「現存する天守閣のあるお城」の一つである丸亀城があります。この丸亀城は、現存する12城の中では最も小さい城なのだそうですが、全国12城のうち4つがここ四国にあるということなので、今回の旅でその4城は全制覇したいと考えていて、この丸亀城がそのスタート地点です。

案内文等には、”小さいお城だが、立派な石垣が城を大きく見せている。”と書いてあるのですが、確かに天守閣への道は坂がきつく、階段ではないのに私は登るのにかなり苦労しました。そして石垣はかなり高く積み上げられた石垣です。有名なお城の石垣のように、1個1個の石が大きい石垣ではないのですが、小さい石段がかなり高く積み上げられていて、その高さには結構圧倒されます。
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とは言え、石垣だけの写真では、迫力は伝わらないですよね… ”素人の悲しさ”ですね。

苦労して坂を上って、ようやく、天守閣に辿り着きましたが、確かに”可愛い”サイズの天守閣です… とは言え、広い日本列島の残り12城の一つなので、心してご挨拶させていただきました。
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展望台から眺めると小さな山が見えています。あの山が”讃岐富士”と言われる”飯野山”なのでしょう。この山の存在を知り、名前を覚えたのも”丸亀製麺”の店内です。店内に貼られているポスターで、この小さくて可愛い”讃岐富士”を覚えたのです!
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次に、誰がどうやって作ったのかは謎という”銭型砂絵”を見に行きます。ここに行く理由は、「”銭形を見たものはお金に不自由しない”という言い伝えがある。」というのをとにかく信じたいと思ったためです。一方通行の坂道を車で登って行くと、本当に写真と同じ見事な風景が現れます!すぐにも壊れそうな&消えそうな砂絵なのに、1600年代(一説には1800年代)から続いているということが少々信じられない眺めです。
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「台風などで、この砂流されないのかしら?」と心配になりますが、やはりある程度のメンテナンスは当然必要になるようで、年2回の”お化粧直し”の時や、台風などで被害を受けた時には、市民総出でメンテナンスされているそうです。そう考えると、(これで一生お金に困らないのであれば)入場料ぐらい払ってもいいような気がしますが、ここは遠望ポイントなので、勿論入場料は掛かりません。募金箱でもあれば、いくばくかの浄財を置いてきてもいいと思ったのですが、そんな箱などは見つけられませんでした。

さて、お昼は今日も”うどんタイム”です。今いる場所は香川県でも最も西で愛媛県に隣接した観音寺という市なのですが、ここ観音寺市にもうどん屋さんは多く、道路を走っていると香川では”うどん屋さんが営業中のしるし”である黄色いライトがくるくる回っているのを相変わらずあちこちで見かけます。数えてはいないのですが、2分ぐらいドライブすると最低でも1軒はうどん屋さんがみつかる… というくらいのペースだと思います。(観光客なので、大きな道路中心に走っているからだろうとは思いますが…)

本日1軒目は、”将八うどん”。このうどん屋さん、香川県内に何店舗かお店があるようで、昨晩泊まったホテルの目の前にもこの将八うどんの琴平店があったのですが、この将八うどんはここ観音寺が本店のようなので、本店に敬意を表しての訪問です。
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本日の2軒目は、”食べログ”で観音寺のうどん屋さんの最高点を獲得しているお店「上戸」。海沿いの国道11号沿いの海の目の前にあるお店で、こういうロケーションのお店には日本全国で何度もお目に掛かっており、ここ香川以外では例外なく”海鮮のお店”なのですが、さすがにうどん県ではやっぱりうどん屋さんです。
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名物ポイントはここの”いりこのだし”だそうで、純粋にうどんと出汁だけを美味しく味わわせていただきました。大きいままの生姜とおろし金が客席に置いてあって、”生姜を入れたきゃ、自分でおろしな!”的な対応がいかにも香川らしいなぁ… と、思いました。
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このお店から1キロも走ると、もう愛媛県です。愛媛県に入ってからも、妻と今回うどん県で食べた6杯のうどんの中で、どのうどんが一番美味しかったかを言い合いましたが、今回の旅でのNO1は、今日の1杯目に食べた”将八うどん”ということでは、珍しく妻と意見が一致しました。勿論、他のお店が不味かったわけでは決してなく、どのお店も甲乙つけ難いという名店揃いの中で、”あえてNO1を選ぶとすると”という究極の選択を強いた結果、たまたま2人の意見が偶然にも一致しただけなので、次回のうどん県周遊の時には、また改めてその時のNO1を決めたいと思います。
でも、全体的に丸亀製麺をはじめとした関東にもある讃岐うどんのお店がかなりレベルアップしていて、地元のお店に堂々と伍していけるくらいのレベルになったことを改めて痛感しました。関東在住者としては嬉しい限りなのですが、反面昔のように旅先で地元の味に感動するサプライズが少なくなることに、一抹の淋しさを覚えました。

いよいよ四国2県目となる愛媛県です。今回、ここ愛媛と次の高知には各々3泊づつして、その魅力を満喫することにしています。
愛媛県最初の見どころは”マイントピア別子”と称する別子銅山跡。”東洋のマチュピチュ”という宣伝に釣られての訪問なのですが、その東洋のマチュピチュに行くには園内の観光バスに乗る必要があります。車ででも行けるらしいのですが、「道が狭くって、危険!」的な案内がとにかく多く、片手・片足運転で運転には自信がない私には、マイカーで行く選択肢はありません。とは言え、観光バスの出発時間は13時が最終で、観音寺で我々がうどんを楽しんでいる間に、容赦なく本日の最終バスは出発してしまっていますので、マチュピチュ的な風景が楽しめないのなら、行っても無駄かなぁ~? という考え方もあったのですが、ホームページにはSLも掲載されているので、鉄ちゃん魂を大いに刺激され、予定通りに訪問することにしました。
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SLは、予想通りというか予想よりもずっとがっかりでした。てっきり炭鉱の中をSLで走りながら炭鉱を見せてくれると(勝手に)思っていたのですが、実際には入場口と炭鉱入口の間の連絡だけで、シャトルバスでも十分な役割です。
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銅山の中も色々なところで何度となく見た炭鉱の歴史などの展示で、失礼ながらわざわざ愛媛まで来て見るものではないと感じました。
地元の小学生の学習用と断じてしまったら失礼かもしれませんが…

本日の宿泊は今治近郊ですが、ホテルに行く前に”今治と言えば…” という施設を覗いてみようと思います。それは、「今治タオル美術館」。
今治と言えばタオル。色々なところで、「今治のタオルはふわふわで最高!」という話をよく聞き、その余りの心地よさに頬ずりしている芸能人などを見るにつけ、「少し高くても、俺もそんな最高の1枚を探したい。」と思い、行ってみることにしたのです。
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予想通り、美術館が主役というより完全にタオルの売店が主役で、美術館そっちのけで、妻は早速知人に送るプレゼント探しです。私も、頬ずりしたくなるような最高の1枚を探して、広いショップ内を探しまくりましたが、残念ながら値段と触り心地を比較すると、どうしても欲しい1枚は見つかりません。というより、頬ずりしたくなるような最高の1枚は、値段に関わらず結局見つかりませんでした。

とは言え妻は知人へのプレゼントはしっかりと仕入れたらしく、これで当初の目的は達成して美術館なんて入らなくてもいいのでは? とも思いましたが、折角なので入場してみることにします。美術館の中には、タオルでおられたムーミンの作品などが展示されています。
この作品が、唯一撮影を許可された作品だったのでよっぽどの自信作なのでしょうか…?
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ムーミン、子供の頃よく見ていた記憶はあるのですが、ストーリー等今となっては全く思い出せません。唯一覚えているのは、”ねぇムーミン、こっち向いて”というあの主題歌だけなのです。

本日の宿泊は今治近郊の湯の浦温泉。”お遍路さん向け宿泊プラン”を利用しての宿泊ですが、「お遍路さんじゃありませんけど、このプラン利用できますか?」と確認してOKをいただいた上での宿泊です。

のんびりと温泉を満喫して、明日に備えて英気を養いました。