2016年初めての投稿になります。
今年は、正月早々に残っている県である神奈川県の3回目と千葉県を一周する3泊4日の旅を敢行して、「今年中に、一周目は終らせるぞ!」という強い意思を自ら示した年の始めになりました。
さて、しばし3ヶ月前の愛媛県にタイムトリップするとしましょうか…
5日目:10月7日(水)
温泉街を散歩することもないので、名も知らない一軒宿の温泉であってもお風呂さえ満足ならそれで良いのですが、この日は”温泉3連泊”の中日だったこともあり、前後の温泉がそれなりに有名な温泉だという影響でしょうか、この”湯ノ浦温泉”は残念なことに殆ど印象には残っていません。悪いことはなかったとは思うのですが、”良かった”というイメージもないので、”極めて普通”だったのかも知れません。
今日はまず、目の前に架かる橋である”しまなみ海道”を満喫することにします。5月の"山陰山陽の旅"では、広島県の呉から"とびしま海道"をドライブして、終点の岡村島からフェリーで”しまなみ海道”の大三島に出て、それからしまなみ海道を尾道まで戻ったので、今回はとりあえずその時に行った大三島まで行けば、今回の日本一周シリーズでもしまなみ海道はめでたく制覇となります。
まずはしまなみ海道最初の島である大島で途中下車です。この島の亀老山展望台には、まだ元気だった時に広島での仕事のついでにレンタカーを借りて、尾道としまなみ海道を満喫した時の到達最南端地点で、「次は必ず、四国まで行こう!」と絶景を見ながら誓ったことを思い出しました。
相変わらずこの風景は絶景で、本当にため息の出るとても美しい景色です。本四3橋の中でも、この絶景はこの展望台が随一だと個人的には認定です。
(前回の投稿でご紹介した2016年の年賀状にも、この写真を使っています。)
8年振りぐらいの亀老山展望台をたっぷりと満喫した後には、同じ大島の遊覧船に乗ることにします。
この”来島海峡観潮船”は、鳴門の次に流れが早いという急流のエリアをめぐる船で、しまなみの美しい島々や下から橋を見上げるダイナミックな景観が見られるのに加えて、うまくすれば鳴門のような渦潮までが船のすぐそばで見られるという、宣伝文句だけですっかり魅せられてしまったくらいの、魅力たっぷりの遊覧船です。
この日は渦潮が見られる可能性が高いオススメ日ではありませんでしたが、一応それでも一番可能性が高い干潮の時間にあわせて船の時間を選んだ積もりでしたが、渦潮ができそうな高い波は見えたものの、ラーメンのなるとのような(古っ!)渦潮は残念ながら見られませんでした。
でも、瀬戸内海の島々はやはりとっても魅力的で、下から見上げるしまなみ海道の橋は迫力満点でした。
意外と楽しかったのは、今治の船の造船ドックをゆっくりと見られたこと。建造中の巨大な外国船籍の船は、完成した後には海中に沈んでしまう部分まで見えていて、かなり凄い迫力です。船の海に沈んでしまう下部の形は、知識として知ってはいたものの、実際に知識と同じ形の底を初めて見て、思わず感動してしまいました。
今日の目的地は大山祗(おおやまずみ)神社。大三島では温泉なども含め、かなりの観光箇所に行ったことがあるので、未訪の神社を訪問箇所に選択したのです。
少し戻った隣の島は伯方島。以前、大三島にある「伯方の塩」の工場見学に行った時に、「実は、”伯方の塩”は伯方島では作ってない!」という事実を知ったので、今回も伯方島では特に観光の予定はありません。じゃあ、何しに伯方島に立ち寄ったのかというと、”塩ソフト”を食べるための途中下車です。実は最初に来た7~8年前にここの塩ソフトを食べ、かなりがっかりした記憶を忘れてはいないのですが、妻の希望と味の進歩に期待したのです。
お店の風景などには何となく記憶があり、「懐かし~い!」と思わず呟いてしまいました。
嬉しいことに、味はかなり進歩しているようで、思わず”ハ・カ・タの塩!”と感動の雄叫びをあげてしまいました。
今治というと、私の世代的には甲子園で何度か活躍した今治西高を何故か強烈に思い出すのですが、ただ学校を見に行って不審者と間違えられるのも癪だし、とは言え他に見るべきところも思い付かないので、やむなく今治を後にします。
六大学でも活躍した三谷投手、今はどこで何をしているのでしょう?
とは言え、漱石の時代からあるここ本館の浴槽には、当然の如く手すりはありませんので、私がここ本館のお風呂に入ることは出来ません。勿論、この本館には昔から何度か来ているので、私は本館には入らずに、道後温泉がはじめての妻に本館のお風呂を満喫してもらおうと、受付で待ち合わせ時間を決めます。
ミニSLの坊っちゃん列車は定員制らしく、明日朝の乗車前にチケットをGET出来ればいいのですが、とりあえず窓口の女性に聞いてみます。
「明日の朝9時の坊っちゃん列車の切符は、今買えますか?」
「明日の朝の販売で、今は売れません。でも、明日の朝の便には団体の予約が入っていて、明日の当日券は立ち席のみで、販売は4枚だけですよ!」
と、貴重なプラチナチケットをひらひらとさせています。
4枚だけとは競争が激しそうで、我々のホテルは道後温泉駅から遠いので、近くの宿に鉄ちゃんが複数人いたらもうアウトです。元々、「10分ちょっとの乗車(松山城近くの途中駅で下車予定だったので)で、@500円はちょっと高いなぁ~!?」とも思っていたので、明日のスケジュールを考えると、残り4枚に掛ける気持ちも萎えてきます。
「間もなく、本日の終電がこの駅に到着しますよ!」とのことなので、これは待たない訳にはいきません。妻との待ち合わせ時間には完全に遅刻なのですが、「ゴメン、ちょっと待ってて」とメールをした上で坊っちゃん列車の到着を待ちます。
予定時刻より2分遅れで、坊っちゃん列車はその可愛い姿を現してくれました。
小さな客車は今日も満席で立っている人もいます。この可愛い列車は外から見るにはいいけれど、乗っていた人達にはとっても窮屈そうです。やはり明日乗らないのは正解なのかも知れません。
終点なので、客車の切り離しやSLの専用車庫兼展示場への回送などを、本館の前で待たせている妻が気になりながらも、鉄ちゃんの本性剥き出しでじっくりと眺めてしまいました。
ここが坊ちゃん列車の寝室で、明日の朝まで鉄道ファンに写真を撮られながら、しばしの休息を取るようです。