麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

倒れてから現在まで… その⑨ リハビリ生活<リハビリ編>


回顧録の続編です。今日は入院中のリハビリ訓練についてです。

入院した翌日から、早速リハビリがはじまりました。リハビリは毎週月~金の毎日で1日行うリハビリは3種目×1時間で合計一日約3時間です。

リハビリの項目は下記の3つで、これは脳卒中で入院していた人ほぼ全員に共通のようです。その訓練種目とは
①手=麻痺手の訓練(通称OT)
②足=歩行訓練(略称PT)
③言葉=話す訓練 (略称ST)※これのみ40分訓練
この3つで、それぞれに専門家の訓練士がつき、決められた時間にマンツーマンのリハビリが行われます。

入院日に早速私専用の時間割と担当訓練士が決められ、翌日から早速リハビリが開始されました。

(自身の記念のために)週間スケジュールをここに記録します。
月 11:05~OT 13:10~PT 14:30~ST
火 09:00~ST 10:00~OT 11:05~お風呂 13:10~PT
水 09:40~ST 11:05~OT 13:10~PT
木 09:00~お風呂 10:00~OT 13:10~PT 14:30~ST
金 10:00~OT 13:10~PT 15:15~ST

何となく覚えやすくていい時間割りだなぁ…と喜んでいましたが、この覚えやすい時間が後に一番厳しい地獄の時間割だということが発覚します…

なお、土日は基本的にはオフですが、私の場合は土曜日にもお風呂がありました。(なのでお風呂は週3回)また、土曜日病院に残る方には「土曜日訓練」という簡単なリハビリがあり、土曜出勤当番の訓練士が回ってきて自室で簡単なリハビリをしてくれます。日曜日はそれすらもなく、1日の予定は朝食・昼食・夕食の3つだけです。

リハビリは基本的に1階の訓練室で行われます。最初のうちは5階に迎えに来ていただき、終了後5階まで送ってもらいます。待遇がいいというより「5階以外に一人で行くのは禁止」だったのです。ひとりで訓練に行っていいという許可が出るまで1ヶ月かかりました。

それぞれの訓練の私の場合の簡単なリハビリ概要を書きます。なお、当然ながら同じ脳卒中といってもひとにより麻痺状況はマチマチです。従って、リハビリプログラムも人によってまったく内容が異なります。あくまで、私個人の場合です。

①手のリハビリ(OT)1時間 担当訓練士STさん(♀)
 基本的には麻痺手のマッサージが中心です。ベッドに横になり私の場合右手のマッサージが40分ぐらい。その後机に向かって右手を握る練習やモノを掴む練習をします。私の場合、手の回復速度が極めてゆっくりなものですから、なかなか次のステップには進めませんでした。
 入院中、右手は全く動かない状況から手を握れる状況にまでは1ヶ月くらいで回復しましたが、残念ながら未だに手を開くことは出来ていません。(実は無意識では開けるのですが、命令しても動かないのです。)ただ、入院当初は肘や手首に思いっきり力が入り(曲がったままで動かない状態)自分ではどうにもならない状況だったのですが、いまは緊張が徐々にですがほぐれてきています。こういったところが「手は一番回復が遅い」と言われる所以なのでしょう。ただ、本当に亀の歩みですが少しずつではありながら進歩しているとも実感しています。
このOTは退院後も継続、今後も治療を希望している内容です。

②足のリハビリ(PT)1時間 担当訓練士Nさん(♂)
 歩行訓練です。一番リハビリ状況が退院や社会復帰に直接影響するリハビリです。前の病院ではほぼ何のリハビリもしていなかったのに等しいので、まず「立つこと」からがスタートです。その後、杖を使って一歩づつ歩けるようになると、病院内250メートルの一周散歩です。最初は休憩しないと病院内も一周できず健常者の数倍(通常1分~2分で歩く⇒10分以上)で歩きますが、1ヶ月も経つと病院の外周600mを何とか歩けるようになります。但し、これも最初は1時間たっぷりとかかりました。(クタクタになりました)
2ヶ月目からは外周散歩、スロープ、階段と徐々に行動範囲が広がってゆきます。
8月後半からは病院外歩行の許可もでて、訓練士と近所を散歩です。徐々に杖を持たなくても歩けるようになり、杖なしでもある程度の距離を歩けるようになりました。
しかし、ここに時間割の落とし穴が潜んでいました。私のPTは月から金まで全て13:10~、そう一日で一番暑い時間帯です。訓練室や病院内は冷房がバッチリ効いているので何とも思わなかったのですが… 外に出るようになると、暑さがモロに響きます。特に去年の夏は記録的猛暑… 歩く速度は遅いのですが、体力は通常時より使います。外を歩きながら何度か「35℃を超えましたので、熱中症に注意!」という地域放送を聞きました。何度か熱中症になりそうな気がして、一度だけギブアップして戻った事があります。ただ、毎日ギブアップしていると上達しないし…暑さでふらふらになりながら「涼しいアサイチや夕方に変わりたい!」と時間割を恨んだものです。

この訓練は退院後も2ヶ月行いましたが、もうやらなくても大丈夫かなぁとも思っています。まだ完全ではありませんが、会社に行くことがリハビリですから。歩く速度はまだ遅いのですが、徐々にスピードは上がっていくでしょう!
そう、今でも杖をついて通勤しています。上述の通り杖なしでも実は歩けるのですが、周囲の人に「病人」と意識付けるためにも、杖は有効ですので、杖歩行は当分続けます。因みに、家の中では杖は使っていません。

③言葉のリハビリ(ST)40分 担当訓練士SNさん(♀)
 脳卒中失語症になる方も多く、そのための「話す」リハビリです。倒れた当日は家族とも殆どコミュニケーションが取れなかった私も例外ではありません。元々早口で言葉が聞き取りにくい私ですので、病気によりその聞き取りにくさも倍増しました。
 このリハビリでは、最初本を読んだりしているリハビリが中心でしたが、そのうち雑談タイムが中心になりました。
毎回、自分の趣味や生い立ちを訓練士(比較的若い女性です)に話すのです。自分の記憶を整理するにも有効なリハビリでした。個人的に色々なことを人生で初めてと言っていいくらいにカミングアウトしてしまいました。
最初は非常に聞き取りにくかった言語も、少しづつ回復と共に聞き取れるようになったようです。ただ、もともとせっかちで早口なのは性格なのでそう簡単には直りません。
このリハビリは退院と共に終了となりましたが、担当訓練士からは「あの戦場カメラマンのようにゆっくり話そう!」と最後まで言われ続けました。
個人的にもそうしたいのですが… やっぱり生まれ持った性格はそい簡単に変えられそうにはありません。

これについては…今後も努力します!