麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

倒れてから現在まで… その⑪ 入院から一時帰宅


久しぶりの回顧録です。
この回顧録も10回を超え、そろそろ終わりになります。最初は「書くこと、無限にあるなぁ~!」と思っていましたが、書き始めてみると意外と書けないと言うか文書にならないことばかりでどうもそんなに残しておくことはいような気がしています。

7月8日にリハビリセンターに入院し、本格的なリハビリ生活がスタートしました。リハビリセンターの基本ポリシーは「基本ベッドに寝ないで車椅子で過ごす」ことです。

最初の1週間は瞬く間に過ぎました。OTではマッサージに慣れ、STでは言語不明瞭ながら少しずつ喋れるようになり、PTでは最初は平行棒の間を歩くのが精一杯だたものが、徐々に杖を使って周囲を歩けるようになり… ともかく、最初の二週間はあっという間でした。

リハビリセンターに転院した後、本当にたくさんの方にお見舞いいただきました。会社もリハビリ病院前は本当に病人だったのであまり見舞いを控えるようにご案内いただいたようですが、リハビリ病院に転院した後は推奨してくれたたわけではないのでしょうが、多くの方にご連絡してお見舞いをいただきました。
特に平日はリハビリがあるのでそれなりに時間が潰せるのですが、土日は本当に死ぬほど暇なので、土日の見舞いは心から嬉しい時間でした。

特に有り難かったのは、先輩諸氏の見舞いです。私の先輩ですから、すでに会社をリタイアしているような先輩が多いのですが、おそらく自分もしくは知人など周辺に病の方も多いのでしょう、兎に角噂を聞きつけるとすぐに見舞いに来てくれます。20年前の上司からお見舞いいただくのは、本当に嬉しい瞬間でした。本当にありがとうございました。

自分が4ヶ月入院してみて、初めてお見舞いに来ていただけるありがたさを痛感しました。
お見舞いの品なんてどうでも良いのです。入院している間は兎に角不安もあり「誰かと喋りたい!」という気持ちで一杯です。思いもかけず来ていただいた嬉しさ… 恐らく一生忘れないと思います!

最初の二週間、自分では普通に生活していたつもりなのですが、毎日朝から晩まで車椅子で起きていて、見舞いもたくさん来てくれて気が張っていたのでしょう、金曜日の夕方に3組来客が続いた後についに過労でダウンしてしまいました。
その週の土日は見舞客も断り静養に努め、何とかピンチを脱することが出来ましたが、これが入院中唯一の体調崩しでした。まぁ倒れてから一ヶ月ほぼ寝たきりの生活だったので、体が急に動いて悲鳴を上げたのでしょう。この後は無理せず適当に休むことで何とか体調を保つことが出来ましたが、この間は本当に不安な数日間でした。

8月に入ってからは順調なリハビリが続きました。順調というのは右手足が順調に回復している…と言うわけではありませんが、少しずつ歩けるようになり(勿論杖ついてですが)リハビリも訓練室→廊下一週→外周と少しずつその距離も伸びてきました。
この時期、日本全国は未曾有の猛暑に襲われていたようですが、冷房完備の病院にいた私はまだその被害を受けずにおりおりました。

8月最終週、ようやく週末に自宅に帰る「一時帰宅」の許可が出ました。約2ヶ月半ぶりの我が家です。一時帰宅の許可が出て以降、車に乗る練習や風呂に入る練習、布団に寝る練習など一時帰宅の訓練を繰り返しました。ただ、風呂は結局湯船に入るのが怖く、結局退院までシャワーのみとなり4ヶ月湯船なしの生活が続きました。
一時帰宅中は基本は歩きなのですが、万一のことを考えて車椅子を持って帰宅します。

一時帰宅当日は娘が来るまで迎えに来て自宅に向かいます。二ヶ月ぶりの外の道路を満喫しつつ家に戻ります。自宅に戻った後は兎に角転倒しないようにゆっくりと歩きました。自宅に戻ってもくつろぐことは出来ず、立つにも座るにも兎に角一挙手一投足が必死でした。

食事も、「あぁ~、うちのメシだ!」という感動はあまりありませんでした。まぁ妻も栄養指導を受けて徹底的に減塩食を作っているので仕方がないでしょうね。ただ、帰りに私のたっての希望で買ったケーキだけは本当に美味しかった!
病院では「病院で出された3食以外は一切口にしない!」と言う堅い誓いを遵守していましたので、倒れて以来のスイーツです。お見舞いにはたくさん美味しそうなお菓子などを頂戴しましたが、私の口に入ることは一切ありませんでした。
なお今年は本当に猛暑だったので、いただいたものは水ようかんなどの冷やしていただくものが多かったようです。おかげさまですべて妻と娘の胃袋の中に消えました。

一時帰宅では二つの大きな目標がありました。一つは倒れて以降どうも度が合わなくなった眼鏡を変えることです。
最近眼鏡を買うのは価格の安い均一価格の眼鏡市場などで買っていましたが、今回はそこまで行く余裕がありません。ついては、駅前のメガネ屋まで歩きます。
駅前までは普通で10分弱、今は15分強ですが、その日は片道30分ぐらいかかったでしょうか… 無事に検眼をして翌週に眼鏡を無事に手に入れました。度が強い私は、即日渡しの眼鏡はないのでまぁ一週間は仕方のないことでしょう。

翌日には床屋です。倒れて以来伸び放題の髪の毛を切りにこれも駅向こうの床屋に行きました。往復歩くのが辛く、帰りは車椅子になってしまいました。
退院まで毎回車椅子を持って帰りましたが、結局自宅付近で車椅子に乗ったのはこれ一回だけでしたが…

これ以降は毎週一時帰宅でした。毎週家に帰りようやく少しずつ「自宅で寛ぐ」ことが出来るようになっていきました。