麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

倒れてから現在まで… その⑫ 退院に向けて<介護保険>


1月も休みなく毎日書き込みを達成するまで、後すところあと2日になりました。31日フルの書き込み… 「やった!」と言う感じで個人的には大きな達成感があります。

明日は医者に行くので今月最後のPCからの入力になります。
今日は病院退院までの回顧録を書きます。

8月最終週に一時帰宅の目標が達成出来たわけですが、その後は週末のたびに一時帰宅することができるようになりました。
毎週金曜日、3時頃にST(=言葉の)リハビリ終了にあわせて金曜日休みの娘が車で迎えに来ます。帰宅の間の薬を受け取り、娘の運転で車椅子を積み込んで自宅に帰ります。

それからゆっくりと週末を自宅で過ごし、日曜日の3時半にタクシーを呼んで病院まで戻ります。娘は日曜日は出勤なので、病院への送りは出来ません。片道5千円は痛いけれど、タクシーに車椅子を積んで豪勢に帰ります。
毎週毎週一時帰宅を繰り返しているうちに少しずつ自宅にも慣れてきて、少しずつ「家に帰ってきた感」も味わえるようになってきた訳です。

一時帰宅と言う当面の目標が達成されると、次の目標「退院」がいよいよ具体的な目標として意識されるようになります。リハビリセンターの入院の目安は通常3ヶ月、7月8日に入院した私は計算通りに行くと10月上旬に退院となります。

退院できることははいいけれど、その後の生活プランを考えいろいろと手を打っておかないと、「退院はしたけれど…」という状況になってしまうことは明らかです。

私も含めて、入院している人の大半は「退院=完治」ではありません。「完治はしないけれど、とりあえず入院するほどの症状からは脱したので、退院して引き続き治療する。」というイメージです。

私にも、発症直後はともかくこの時期になると「完全に治ってから退院する」ことが夢のまた夢であることがはっきりしてきます。病気のことをよく知らない頃は強がって「こんな病気1ヶ月で直してやる!」とか強気なことを言っていましたが、この時期になるとこの右手があと1ヶ月や2ヶ月で完治するわけがないことが否応なしに認識せざるを得ない状況になります。

リハビリ中、各訓練士と退院後の生活について話をすることが貴重な情報収集の機会になりました。ずっと入院しているわけにも行かずいつかは退院しなければいけないわけですが、退院してからもどこかでリハビリは続けた方がいい、また医療保険でリハビリが受けられるのは発症後半年に限定され、これを過ぎると介護保険でリハビリを受ける必要があることなどがだんだんわかってきます。

ついては、まず介護保険の認定を受けることが退院に向けた第一歩となります。介護保険では半年後以降のリハビリ以外にも住宅改修の経費なども補助されます。一時帰宅は出来たものの、まだ湯船に入れない私には、湯船に安全入るための「手すり」の設置は必須に思えています。

介護保険は住んでいる自治体(市町村)にて申請、認定されます。審査には通常1ヶ月ぐらいかかるらしいので、通常は退院の1ヶ月前頃に申請するようです。何事も早めに処理したい私は9月はじめに家族と役所に相談し、ちょっと早いと思いましたがこの時期に申請を行いました。

申請一週間後にはリハビリセンターに役所の職員が来てくれて、調査(ヒアリング)があります。別に嘘をつく必要もなく実際に身体が不自由なのですから、役所の人にありのままを話します。

約1ヶ月後に審査結果が郵送されてきました。介護度は「要介護1」でした。介護ランクは7ランクあり軽い方は要支援1・2で重くなると要介護1~5になりますので、私の要介護1は下から(軽い方から)3番目になります。
この介護度によって利用出来る介護サービスの種類に差が出てサービスの限度額が制限されるようですが、取りあえずリハビリセンター各位によると要支援ではなく要介護になったので、特に問題はないであろう…というコメントでした。

晴れて介護保険に認定されたので、次は介護について計画を立ててくれる「ケアマネージャー」を決めなければいけません。世間知らずの私はケアマネージャーは役所が選定して「私があなたのケアマネです!」って来るとばっかり思っていました。母が晩年人工透析を受けており要支援認定も受けていましたが、その時は役場の人がケアマネ役をしてくれていましたので…

認定書面にケアマネ一覧が同封されていましたが、「要介護患者」の場合は自分でケアマネを決めなければいけないそうです。勿論、住んで十数年になるものの地元に知人が極端に少ない私の場合、ケアマネリストを見ても全く知り合いはいません。入院しているセンターの人に相談をしても、さすが役所という対応で、「紹介」という行為は一切してくれません!

仕方がないのでリストの上の方の電話番号に電話してみます。応対良く話を聞いてくれて、後日回答という連絡をいただきましたが、翌日結局体よく断られた挙げ句、他のケアマネを紹介してくれました。
曰く「私は、手一杯で受けられない。他の方にもネットワークがあるので聞いてみたが、大半の方から断られた。この方のみ『受けてもいい』と言われたので、この方をお薦めします!」とのこと。つまり「田舎の私のエリアには、もうこの人ぐらいしか残っていないよ!」ということです。

私の住んでいるのがとってもローカルな地域だからなのか、ケアマネの顧客にも圧倒的に年寄りが多く、デイケアに通う老人の面倒を見ることは大変多いものの、私のように「職場復帰」を真剣に考えている人の面倒を見ることはあまり多くないのだそうです。ということは、慣れない私のような患者の面倒を見ることはあまりしたがらない人が多いのかも知れません。

今回「この人」と推薦された人は、最近独立されたばかりの方のようで、「とりあえず仕事が欲しい!」のでこの仕事も受けてもいいと回答したのではないかと推察します。
とはいえ、こちらも他に頼る方もいないので、とりあえずこの方にお願いしてみることにしました。

翌週の一時帰宅時にその人と面談、晴れて「私のケアマネージャー」がようやく決まりました。

さて、退院のタイミングですが医師との面接では「3ヶ月経過したので退院はいつでもいい。」と言われました。病院もそんなに混んでいる時期でもなかったので「リハビリをもう少しやりたいだろうから、1ヶ月ぐらい延長してもいいですよ。」と延長もできる優しい言葉もいただきました。
(後で入院した人に聞いたところ、12月ぐらいには満床状態で延長は一切できなかったそうです。)
確かに少しでも入院を延長して、一日でも長くリハビリを行う選択肢もありましたが、私的には「11月ぐらいから徐々に職場復帰」という目標を持っていましたので、この優しい言葉に甘える訳にはいきません。

ついては、半月延期をお願いし10月19日(火)に退院することに決めました。