麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

九州旅行日記 その8 鹿児島と桜島


4日目:9月2日(日)

今朝はホテルで二つの楽しみを味わってから出発をする予定です。

最初の楽しみは「ホテルでのビュッフェの朝食」。この城山観光ホテルは、朝食の美味しいホテルとして有名なようで、「日本の朝食の美味しいホテル第3位」に選ばれているのだそうです。(と、6月頃にTVで紹介されているのを観て、このホテル宿泊を決めたのです。)
「第3位」と言うのが、何となくリアリティがあって納得してしまいます。後でネットで調べるとどうも出所はネットサイト「トリップアドバイザー」のランキングのようで、このランキングによると
1位:ラピスタ函館ベイ
2位:ホテル日航アリビラ ヨミタンリゾート沖縄
で、第3位がここ城山観光ホテルです。
城山観光ホテルのウリは「日本一の朝食バイキング」。和洋中何でもアリで200種類を超えるバイキングの品数(と味)が自慢なのだそうです。

朝食は6時半から。通常ならば7時過ぎに食事に出かけるのですが、昨日チェックインの時のフロントの方の一言、「今日は満室ですので、明日の朝食は混雑が予想されます。ピーク時間は避けたほうが良いと思います。」が気になり、早く目も覚めたので、オープンと同時に6時半にはテーブルについていました。
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一応、旅行業界にいましたので、ホテルの朝食にはいささかうるさいつもりです。個人的には特に海外の朝食で好きなのは、ゲストが席についてからコーヒーのドリップを始め、お客の要望を聞いて卵・肉料理を調理するホテルです。
その意味でも一番好きなのは特にアメリ東海岸のRitz Carltonの(一部のホテルの)朝食です。本当に心を豊かにしてくれる朝食なのです。

勿論海外旅行については、分不相応に(自腹では絶対に泊まれない)高級ホテルに宿泊経験もかなりありますので、「日本3位」のホテルには過剰な期待をしてしまっていました。Ritz Carltonの上位ホテル(Ritzでもホテルによってかなり違うのです!)の素晴らしい朝食までは望めないものの、それなりの朝食は食べられるんだろうなぁ… と考えていました。
海外(特に朝食が良いのはヨーロッパでは絶対になくてアメリカです)のBuffetの朝食には必ずいる卵焼き専門の”Egg Chief”には、何を作ってもらおうかワクワクしていました。
(自分の好みをオーダーするためにも、英語を必死に覚えたものです…)

ところが、ビュッフェのラインは長いものの、単に料理が並べられているだけで、料理を作ってくれる(切ってくれる)シェフがラインに見当たりません。「Egg Chiefは??」と探してしまいますが、残念ながらそれらしい人はおらず目玉焼きやオムレツはバイキングの料理の中に当たり前のように大量に作られて並んでいます。
確かにここは日本、和食を食べる人も半分はいるところなので、そんなところにお金をかけることはできませんね。

考え方を切り替えて品数の多い朝食をエンジョイすることにしました。メインは洋食派の私ですのでパンやら卵料理などは忘れずに取りますが、普段のビュッフェでは立ち寄らない和食のコーナーにも出張、さつま揚げやきびなごなど昨日の続きのように鹿児島名物料理を朝から満喫しました。
また、この朝食特にパンの美味しさは秀逸でした。すべてのパンを毎朝ホテルで焼いているとのことでしたが、「さすが日本3位!」と思えるだけの味でした。
今度鹿児島に行く時にも、もう一度味わってみたいと思いました。

ゆっくりコーヒーをおかわりし、部屋に戻ったのは7時半過ぎ、次は8時に予約していた温泉の家族風呂に向かいます。
家族風呂は露天風呂こそありませんがそれなりに広く、ゆっくり温泉を満喫してのんびりと入ることができました。大浴場と違い変なプレッシャーもないので、洗い場でも浴槽でも自分のペースで過ごせるのです。50分2000円の貸切価格ですが、その価値は十分あったと思います。昨日の予約が取れなかった人気ぶりが少しは理解できたような気がします。

たっぷり50分の温泉を満喫した後は、ホテルをチェックアウトして鹿児島の観光に出かけます。鹿児島の観光は、妻の「桜島」という要望を叶えるために桜島の観光をメインにしようと考えていました。
いろいろと調べるうちに、定期観光バスで「桜島に行く観光コースがあり」「おまけにここ城山観光ホテルで乗車できる」半日コースがあることが判明しました。なので早速その観光バスをネットで予約しました。バス代金をいつ・どこで支払うのか判らなかったので、出発前に鹿児島のバス会社に電話を掛けますが、「途中乗車」なのに代金はガイドさんに払ってもらえればいいとのことでしたので、2人分の代金5400円也を袋に入れて、バスの到着を待ちます。

定刻10時前にやってきたのは、赤いJR九州の中型バス。城山観光ホテルで乗車した我々を含めた4名を入れて乗客は全部で20名でした。早速黒酢のドリンクとかつおせんべいのおやつが配られて、サービスも良いようです。

この半日観光は桜島観光がメインではありますが、最初に薩摩島津家の別邸であった仙巌園を観光します。バスを降りてガイドさんについて歩くのも2年以上振り、倒れて以来初めてです。
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仙巌園と言う名前にあまり記憶がなかったのですが、「別名を磯庭園と言います。」と言われて「鹿児島の観光では必ず来るところだなぁ~」とようやくピンときました。以前は通称磯庭園で通っていたのですが、最近は正式名仙巌園と呼ばれているのだそうです。
昨日乗った列車「はやとの風」でこの庭園のすぐ横を通った時に社内放送で案内があり、「島津」とか「篤姫」とかのキーワードに過敏に反応する篤姫ファンの妻が行きたそうな顔をしていましたので、思いがけず今日来ることができて、妻はとても嬉しそうでした。
「この門はNHK篤姫で、薩摩藩邸の門として撮影に使われました。」のだそうです。
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全体的に桜島を借景に使った綺麗な庭園と邸宅が並んでいます。
でも、この日の桜島は曇っていて眺めはイマイチでした。
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実はこの頃から、翌日の私の最大のメイン目的である「開聞岳」の天気が気になりだしています。妻はメインの桜島がちゃんと晴れなくてガッカリしていますが、妻には言えない私の本音としては、「明日、開聞岳がちゃんと見えるのならば、桜島ぐらいどうでもよい!」と勝手にも考えています。
「でも、桜島も見たいなぁ~」とちょっと贅沢な希望も持っていました。

仙巌園を観光し、ショッピングも少し楽しんだ後はいよいよ桜島へ向かいます。バスごとフェリーに乗り込み、フェリーでは客席に移動してたった15分の船の旅を楽しみます。
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桜島に上陸し、早速この半日観光のメインである標高300m強の湯之平展望所までバスは登ってゆきます。展望所到着時には、桜島は雲がかかっており、眺望は望めません。
でも地元のガイドさん曰く、「これは雲で、噴火ではない」のだそうです。今回も噴火の瞬間を見ることはできませんでした。
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でも施設に登って周囲を見渡すと、天気は晴天で海が見渡せます。もっと天気の良い日は、さまざまな島々も見渡すことができるのだそうですが…
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最後に再び展望台へ。妻の願いを神様が少しだけ叶えてくれて、ちょっと山頂が顔をのぞかせたようです。
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再びフェリーにて鹿児島を目指します。
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鹿児島中央駅到着は13時頃。駅ビルの地下でお昼をいただきます。駅ビルは日曜昼過ぎの定番で、どの店も行列ができています。しかし、2時の列車の指定券を持っている我々も決して時間がたっぷりある訳ではありません。
我々の昼食は「鹿児島ラーメン」ということで予定を決めていました。熊本・鹿児島とご当地ラーメンのある街でラーメンを一杯も食べないのはラーメン好きの私の沽券にかかわる…
という訳ではりませんが、簡単にラーメンぐらいで済ませたい… というニーズもあったからです。でもわざわざ遠くの名店に行って行列に並ぶほどの時間はありません。
なので目星をつけていた店は鹿児島ラーメンのチェーン店「ざぼん」。このざぼんも行列がありましたが、隣にあった熊本ラーメンのチェーン店「こむらさき」と似たような待ち時間のようです。であれば鹿児島で食べるラーメンなので鹿児島ラーメンのざぼんを選択します。(こむらさきは、東京にも支店ありますので)
10分ぐらいでテーブルに案内され、普通のラーメンを2つ注文します。
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鹿児島ラーメンは、九州ラーメンの代表格博多ラーメンに比べて、麺はやや太めで、野菜としてキャベツがかなり入っています。
このラーメンは、まぁまぁの味でした。

昼食後は「九州鉄道三昧」のいよいよ最後の列車。鹿児島から指宿まで1時間弱で走る観光特急列車「指宿のたまて箱」に乗車して今回の旅行の最終目的地である指宿を目指します。
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通称「いぶたま」と呼ばれるこの列車は、指定券を取るのが結構大変な人気列車だそうです。海側(白)と山側(黒)はペイントも分かれていますが、山側は普通の2列シートなのに対し、海側は外に向かったバーカウンターのような座席なのです。
我々はえきねっとで一か月前に予約を済ませておきましたが、当然特別なリクエスト等は特にしていなかった(というより、「えきねっと」では東日本以外はできない)ので、指定された座席は山側の2人席です。でも九州の列車は十分に満喫したので、大人しく指定された座席に座ります。
海側の座席からは、さっき行ってきたばかりの桜島が見えていますが、相変わらず雲がかかっています。

列車すれ違いで停車している駅「薩摩今和泉」。「篤姫の出身地はこのへん?」と行く前に地図を見て勝手に想像していましたが、観光バスのガイドさん曰く篤姫が生まれ育った場所は今日見た仙巌園のすぐ近くなのだそうです。
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間もなく、指宿に到着します。