麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

(足の)装具を新しくしました


金曜日に休暇を取った関係もあり、今週は4連休となり休みを満喫しています。
通常の日曜日はブログを打ちながら、「明日から出勤かぁ…」とちょっとブルーな気分になるときもあるのですが、今日はブログを打ちながらでも「明日も休みだぁ~!」とちょっとだけ嬉しい気分になります。
憂鬱な月曜日と言えば40年以上前のカーペンターズの名曲「Rainy Days and Mondays」を思い出します。確かに雨の日も月曜日もテンションが下がりますよね…

ところで一昨日、相変わらず麻痺が好転しない右足の装具を新しくしました。今日はその顛末をレポートしたいと思います。
前回、「装具の修理」をレポートしたブログを昨年10月にアップしたのですが、その回のアクセス回数は千アクセスを超えており、私のブログとしてはかなりのアクセス数です。
これは同病というか同じ悩みを持つ人に読んでいただいた証拠であり、ブログを書く私にとっても大いに励みにもなっています。
なので今回の書き込みも同じく装具に頼らざるを得ない病状の方にも、少しは参考になればと思っています。

2010年6月に脳卒中で右半身麻痺になった私は、最初のうちは歩くことどころか立つこともままなりませんでしたが、リハビリのお蔭で1か月少し立つと、正にちょうど1歳前後の赤ちゃんの様に、なんとかつかまり立ちができるようになってきます。ただ赤ちゃんと大きく違うのは、赤ちゃんは何も装具なんぞ使わずに立てるようになるのに対し、私は右の足首に殆ど力が入らずにダランとなってしまっているので、ただ立つだけのためだけでも装具で右足を固定する必要があることです。
リハビリセンター入院当初は、リハビリのたびにセンターにある装具を借りて使っていますが、その後自分に合った自分専用の装具を作ることになります。
私専用の装具ができたのは、忘れもしない8月末。できたその日が2か月半ぶりにようやく「一時帰宅」で自宅に帰ることが認められたその日だったため、新品の装具に不安を覚えながら娘の車で自宅に帰ったことは、忘れることができない思い出です。

その後、その装具は私の体の一部となりました。朝起きたらメガネに続いて足に装着し、後は風呂に入る時以外には外すことはありません。装具を使わない歩きも練習しなければとは思いますが、これに関しては医者も理学療法士も殆ど薦めてはくれません。「リスク高いので急いで練習しなくていいよ。」という感じです。お陰で風呂の前後や寝ている時トイレに起きる時ぐらいしか装具なしで歩くことは無く、不便に感じるのは大浴場に入るときぐらいです。(こう言えるのも前回の九州旅行のお蔭です!)

右足に装具をつけている関係上、右と左で同じサイズの靴は履けません。左右のサイズが違う靴なんぞは今の日本ではABCマートなどの靴屋さんにはどこにも売っていませんが、「介護用品専門のネットショップ」には左右バラバラ販売の靴があり、この靴は探せば楽天でも買うことができます。なので買う靴のデザインもほぼ決まってしまいますので、「靴でオシャレ」は絶対にできませんが、それさえ我慢すれば靴に苦労をすることはあまりありません。
因みに私は左足のサイズが27cmで、装具をつけている右足には28cmの靴を履いています。サイズ違いの同じデザインの靴は現在4足目になり、毎回、最安値のネットショップを探して購入しています。

今の装具は、上述の通り2010年の8月に作ったので、愛用を始めてから丸二年が経過しています。その間足の先を止めるテープがダメになったりしたことはありましたが、それ以外は特に問題は無く順調ではありました。
でも装具だって「いつかは壊れる」モノですし、今装具なしで電車に乗って会社に行くのは現状絶対に不可能なのは間違いないので、「もし、壊れてしまったら直る(新しいのができる)まで、会社には行けない?」という漠然とした不安はずっと持っていました。

過日訪問リハビリの時、そんな漠然とした不安を理学療法士さんに相談してみました。
ベテランの理学療法士さん曰く
・この手の装具の耐用年数(寿命)は3~5年。でもこれは普段あんまり歩かない人の耐用年数なので、毎日1万歩以上歩く私の場合、もう少し短いかもしれない。
・通常装具を作るのには最低でも2週間は必要。つまり壊れてから新しいのを作ると最短でも2週間は装具なしで過ごさなければならない。(つまり私の場合、2週間は会社を休まなくてはならない。)
・通常7~8万かかる装具。健康保険では3割負担で作れるが、毎回作れるわけではない。
(私もいったん7万以上支払って、後で5万程度戻ってきた記憶があります。)
でも身障者手帳があれば手帳で作ることが出来、自己負担は1割程度。でも自治体に申請が必要だったり手続きは煩雑?(この件は、あまり良くご存知ないようでした。)
・私の件で手帳による許可が下りるかどうかははっきりは言えないが、「壊れる前に作っておく」という方針は大賛成。(私の装具は、それなりにガタも来ているので…)
いずれにしてもリハビリセンターに相談してみることを薦めます。

とのことで、やっぱり相談してみる価値はありそうです。そこで8月下旬のリハビリセンターの診察日に担当の先生に「万が一のためもあり、装具を新しくしたいのですが…」と相談をしてみます。担当の先生もいくらリハビリセンターの常勤の医師とは言え専門は神経内科なので、装具に関するコメントは多くを言わずに、「それなら金曜日午後の補装具外来に行って専門の先生に相談してください。」と言って、補装具外来の予約を取ってくれました。

しょっちゅう会社を抜けるのは非常に厳しいのですが、病院の場所がさいたま市の田舎で予約時間が2時半(これしか取れなかった!)となれば半年休でも対応できず、貴重な有給休暇を利用する以外に方法はありません。ついては予約が取れた9月上旬の金曜日に会社を休み、リハビリセンターの補装具外来を受診します。
金曜日の補装具外来は大混雑、同じように装具を作るのか直すのかのニーズが高いらしく、待合室には待ち人が溢れています。中々予約が取れなかったのもむべなるかなという感じです。

ようやく名前を呼ばれ、リハビリセンターでも初めて面会する先生との面談が始まります。なのでこちらから「まだ2年だけど、今装具のない生活は考えられないので、万一の時のことを考えてもう一つ装具を作って、予備を持って置きたい。」という当方の希望を説明します。すると先生が今利用中の装具を見て…
「こりゃ、変えた方がいいね。ヒビも少し入っているし、時間の問題だよ。」と言われました。確かに気付いてはいたのですが、少しヒビが入っていたのは事実だったのです。
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(今のボロボロの装具 左側にちょっとヒビが入っているのが見えると思います。)
 
その後は早速リハビリセンターに来ている業者が呼ばれます。リハビリセンターに出入りの装具業者さんは、2年前に作ってくれた人をその後も何度か見かけたこともあり、この日も診察前に見かけましたので、てっきり同じ人かと思ていましたが、呼ばれてきた方は違う方です。名刺を見ると会社も違うようなので、「前に作った会社ではないのですか?」と聞いたところ、リハビリセンターには1社ではなく毎週(金曜日には)数社の業者が来ており、前に装具を作った会社も今回の会社もその一つなのだそうです。「ご希望があればその会社にしますが…」とは言われましたが、そこまで前の会社に拘るつもりもありません。なので、「いや、こちらにお願いします。」と改めてお願いしました。
石膏のようなもので足型を取る作業から始まり、慣れた手つきで順調に作成作業が進んでいきます。

でも不安は身障者手帳の申請手続き。装具の計測作業がほぼ終わった頃、リハビリセンターの主任さんが来て、今後の手続きの説明&アポイントを進めてくれます。この手続き、想像以上にメッチャ親切でした。

まず、身障者手帳の手続き上「身障者の更生相談」という3者面談(医師、役所、本人)を受けることが必要なのですが、まず私の地元白岡町(まだ9月だったので市になる前です)の福祉課に直接電話してくれて、希望のアポイント時間(10月5日の9時半)に面談ができるように役所側のスケジュールを調整して、OKを取りつけてくれました。
(面談で、毎回埼玉県の各地から役所の職員がリハビリセンターに来てくれる… というのもちょっとびっくりです。)
その他で必要な手続きは、事前に私から役所に行って事前申請のみが必要なようで、その件も教えていただけます。これ以上の休暇は極力使いたくないところでしたが、役所の申請は妻の代理が可能とのことで、これも大助かりです。費用も一旦全額立替を覚悟していましたが、自己負担額決定後までは立替は一切不要とのことで、本当に私の方で面倒な手続きが必要がないということが判り一安心です。
この日の全手続にちょっと時間はかかりましたが、すべての疑問が半日でクリアになりました。

翌週には妻が役所への申請を済ませてくれ、後は更生相談という3者面談を待つだけです。手帳の申請自体は特に面倒なことは無く「ただ行って書類に名前を書いただけ」という状況のようでした。こういう手続きをネットで済ませられるようにならないかなぁ~ とは思いますが… いろいろとハードルが高いのでしょうが、ネットで申請ができたらどれだけ楽になることでしょう!? こういう役所の手続きについては是非とも改革を望むばかりです。

更生相談は一昨日の9時半の予約、仕事もひと段落ついたこともあり、また装具の調整にもそれなりに時間がかかるとも言われていましたので、再び貴重な有給を使ってリハビリセンターに向かいます。
更生相談という業務はリハビリセンターの病院としての業務ではなく、埼玉県の外局機能としての業務のようで、この病院にかかっているかどうかなども全く関係なく、従って保険証も診察券も何にもいりません。受付で名を名乗ると部屋の前で待つように案内されます。

しばらくすると前回親切に手続きを説明してくれたリハビリセンターの主任さんが、今週から晴れて白岡市になった市役所職員を伴って登場、続いて装具屋さんが来てできかけの装具の最終調整を始めます。つま先の方の長いところを切ったり、ちょっと当たるような場所を微調整します。

やがて前回補装具外来を受けた先生に呼ばれますが、「これでいいね。」と言われるだけで3者面談と言われるような市役所側と医師の会話は殆どありません。「じゃぁ、あとは微調整してください。」と医者から装具屋さんに言われただけで、「一体何のために市役所の職員は、わざわざリハビリセンターまで来たのか?」という理由がさっぱり判らないまま、3者面談は無事終了しました。

最後に再度装具屋さんが装具の微調整をしてくれて、装具を引き渡していただいて11時過ぎには本日の予定は無事に終了です。言われていた通り、装具代の建て替えは0円、「自己負担額が決まったら、後日書面で連絡しますので、その後支払ってください。」と言われていて、まだいくらだか全然わかりません。
まぁ7~8万の装具の1割程度負担と言うことですので、1万程度だと思うことにします。
病院の支払いも勿論ゼロでした。

以上が思ったより非常にスムーズな装具の更新の顛末です。
新しい装具は、「足首の部分の固定がちょっと強い方がいいのでは?」という装具屋さんの意見で、装具を固定するテープを3本⇒4本に増強してちょっと装着が面倒になりました。
でも、意外とこの4本目のテープの効果が出ているような気がして、すごく良いような気がしています。
まだ全体的には違和感がありますので、昨日のリハビリでのスピードはいつもより少し遅かったのですが、慣れれば今まで以上に早く歩けそうな気がしています。

装具を変えるのにもちょっと度胸が入りますが、時には環境を変えることも必要かもしれませんね。
(新しい装具です。)
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