麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

北海道ドライブ紀行2014 <その②:フェリー乗り比べ>


さあ、いよいよ北海道への船旅です。

今回の旅行で利用したフェリーは、行きが仙台発苫小牧行きの太平洋フェリーの船「きたかみ」で、帰りは苫小牧発で茨城の大洗行きの商船三井の船「さんふらわあさっぽろ」です。
今回は往路の旅行記が中心ではありますが、この二つの船での体験を比較しながらお話したいと思います。
 
勿論、旅行に行く前の高揚感で乗船した「きたかみ」の方が、「あ~あ、もう終わりなんだ…」と落胆しながら乗った「さんふらわあ」よりも有利だったことは間違いなく、個人の感想と感情だけでの独断的旅行記なので、どっちにしようかの参考にはあまりならないのはいつものことですのでご了解下さい。
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行きの「きたかみ」
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帰りの「さんふらわあさっぽろ」

・チェックイン
仙台港でのチェックインは極めてスムーズでした。身障者であることを告げると、チェックイン前の駐車スペースまで親切に誘導してくれました。
ネットで事前に乗船名簿を登録していたので、手続きも極めて簡単。本来、同乗者は車とは別に徒歩で船に乗船するのが各社とものルールなのですが、身障者の私を気遣って妻にも同乗の特別許可を発行してくれました。
車での乗船を待つ間もV.I.P.並みの待遇で、オフィス裏の駐車場で待っているとさっき案内してくれた人が再び登場して車を誘導してくれました。
仙台港太平洋フェリーの対応は文句なく◎でした。

一方、帰りの苫小牧では商船三井の誘導担当者を捕まえ、調子に乗って「身障者用の駐車場は?」とネットには「ある」と書いてある駐車場の場所を聞きましたが、 全く要領を得ず「先にチェックインしてこい!!」の一点張りです。
仕方がないので勝手に判断した場所に車を停めて(後で聞いたら駐禁のとこだったらしい)、チェックインに向かいました。
こちらもチェックイン自体は割とスムーズだったものの、納得出来ないことが2つ。
1、事前に、ネットで乗船名簿を提出していたが、三井は当日コピーを2通要求します。太平洋フェリーはいらないのに…
2、既にカード会社から代金は請求されているのに、「クレジットカードを提示せよ」。正直、ちょっとムッとなりましたが、我慢して提示しました。

商船三井では駐車の身障者V.I.P.待遇はないらしく、普通の駐車場に並びます。これは当然なのでしょう。太平洋フェリーの待遇が良すぎですよね。
勿論、帰りの商船三井でも船への妻の同乗は認めてくれました。
また、2社共船内での駐車スペースには配慮いただき、両方とも船内エレベーターのすぐ横に駐車させてくれました。

・部屋
今回、往路で予約した部屋は「特等(ツイン)」。船ではスイートに次ぐ客室です。
キーを受け取り、実際に部屋に入って見ると、中級ホテルのツインルームと同じような感じです。
勿論、バストイレも部屋に付いていて、文句はありません。部屋の中には湯沸し器もあり、お茶やコーヒー(自宅から持参です!)も楽しめます。
フォーシーズンズやリッツ・カールトンなどの高級ホテルとは比べられませんが、普通に一晩過ごすだけなら全く快適です。
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「きたかみ」のツインルーム

帰りのさんふらわあでも、利用した部屋は「デラックスルーム(洋室)」で、ほぼ同じ作りのツインルームでした。アメニティも似たり寄ったりでどっちかに軍配をあげるのは難しいのですが、気持ちだけ「さんふらわあ」の方が広かったような気がします。
部屋のお風呂も似たり寄ったり。私は往復とも部屋の風呂に入りましたが、ビジネスホテルのお風呂とほぼ同じで、優劣もつけられませんし文句もありません。
妻は往復とも大浴場に行きましたが、両方ともお気に召さなかったみたいです。

TVは電波の関係でBS放送のみとのことでしたが、行きの「きたかみ」では途切れる場面もあったものの、地デジも何とか見られました。
帰りの「さんふらわあ」では、本当にBSしかチャンネルの設定がありませんでした。
帰路、朝にヤンキースの試合を観ていたのですが、BS102に放送が切り変わったとたんに見られなくなりました。マー君が投げていた試合ではなかったので文句は言いませんでしたが、投げていたらフロントに文句を言っていたかもしれません。

・夕食
共に2000円程度で食べられるBuffetで、出港前から食べられるところは似たようなものでした。行きの太平洋フェリーの方が(たった3種類だけでしたが)お寿司があったり、ほんの気持ちバラエティに富んでいたような気もします。
でも、どちらの船も「グルメの大地」である北海道に向かう船としたら、ちょっと残念なレベルと言わざるを得ません。 もうちょっと奮起を期待したいところです。
往路では、オリジナルワインで乾杯して旅の無事を祈りました。ちょうど出航30分前の汽笛が鳴り、船旅気分を十分に盛り上げてくれました。
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太平洋フェリーのオリジナルワイン(ハーフボトルです)

・朝食
往路は前に書いた通りに、那須高原SAで買ったパンで済ませました。朝食Buffetが千円と高かったのと、下船後に早めのランチを取る予定だったので、朝ごはんをガッツリ取らないようにするため、Buffetは控える必要があったためです。
前に書いた通り、那須高原で買ったパンがとっても美味だったので、この選択は大正解でした。船の中で、幸せな朝ごはんのひとときでした。

帰りの「さんふらわあ」には夕食と朝食のセット券があり、実質500円程度で朝食をいただきました。
500円ならまた食べようと思いますが、千円なら売店カップラーメンで我慢すると思います。

・エンターテイメント
これは文句なく往路の太平洋フェリーの圧勝です。
夕食後に毎日変わるらしい出演者によるコンサートがあり、勿論無料で楽しめます。
我々が乗った日はピアノとエレクトーンのコンサートでしたが、1時間があっという間に過ぎた楽しいコンサートでした。エレクトーン奏者が「ピアニカ」も演奏してくれたのですが、「ピアニカ」なんて小学生の学習用の楽器だと馬鹿にしていたのですが、意外と心地よく響いてくれたのには新鮮な驚きでした。
クレームではありませんが、この日の選曲が「雨」にまつわる曲。誰よりも明日からの好天を願う我々には、ちょっと不吉な感じがする選曲でした。
でも、アンコールもあり、それなりに盛り上がった夜のひと時でした。

翌朝には船内放送があり、船内ロビーにて昨日の奏者が再びピアノの演奏をしてくれるというので、暇な我々は今度も聴きに行きました。今度は「北の国から」や「知床旅情」など間もなく到着する北海道の曲を演奏してくれて、我々の気分を盛り上げてくれました。
でも、この日も何の説明もなくカーペンターズの「Rainy Days And Mondays」を演奏していたので、「昨日の続き? 雨でもなく月曜でもないのに…」と奏者に聞いてみたかったのですが、タイミングを逃してしまいました。
いずれにせよ、走る距離も短く航海時間も少ないのに、無料で2回の生演奏を聞かせてくれた太平洋フェリーは、本当に退屈しないで済みました。

一方、「さんふらわあ」では夜・朝2回上映のミニシアター(太平洋フェリーにもあったようです)以外は特段のアトラクションもなく、結構退屈しました。
でも、「さんふらわあ」には部屋にビデオデッキがあり、フロントで400円でビデオをレンタルできます。暇だった我々はまだ見ていない「東京家族」をレンタルして楽しみました。ちょうど良い暇つぶしでした。

・乗り心地
船なので心配なのはやっぱり船酔い。妻は「大丈夫」と言っていたのですが、念のため薬屋さんで買った酔い止め薬を持ち込んでの乗船でしたが、どちらの船も特に揺れることはなく、持って行った薬を取り出す必要は全くありませんでした。
でも、足が悪い私はやっぱり時折少しでも揺れると少しばかり不安を感じます。なので大浴場は足が滑る(転ぶ)リスクがあると思ったので、入るのを断念しました。
全体的な乗り心地は両船とも「快適」で、差がつくことはありません。

以上が2つの船を「乗り比べた」感想です。北海道にもう一度行くとしたらどっちの船(ルート)を選ぶかですが、もし船のラインナップが今のままであれば、(仙台に用があるかどうかは別にしても)太平洋フェリーの仙台~苫小牧を選ぶと思います。
理由は
・これ以上良い2つの船(いしかり、きそ)に乗るチャンスがある
・「圧倒的に安い」のが魅力
・エンターテイメントが楽しめる
などが理由です。仙台までの距離が長いのが欠点ではありますが、大洗も意外と遠かったなぁ… というのが偽らざる印象です。
何より「特割」を使えば1万数千円は安くなるので、内容の割にこの料金が最大の魅力だと思います。
でも、何年後かに再びフェリーで北海道を目指す時には、新しい船やサービスが出ていて、「またあれこれ悩むのだろうなぁ~?」なんて勝手に考えています。

さて、行きの旅行記に戻ります。
2日目の6月22日(日)午前11時に、時間通り太平洋フェリーの「きたかみ」はきわめてスムーズに苫小牧港に着岸しました。
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いよいよ北海道ドライブ紀行の始まりです!