麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

7、九州一周の旅<その5:高千穂~宮崎>


6日目:9月5日(土)

いよいよ念願の宮崎県の観光です。まずは神話の国の高千穂を楽しみます。

朝早めにホテルを出て、まずは近くに広がる高千穂峡の絶景に向かいます。朝一番にここに行った理由は、人気観光地のため駐車場がすぐに満車になるという情報を入手していたからで、ましてや今日は土曜日(4月にニートになってからは、土日に対する感謝の気持ちがなくなり、単純に「観光地が混む面倒くさい日」というだけの感覚になってしまっています。今考えれば情けない限りですね。)なので、少ないと言われている駐車場が、争奪戦になるだろうと思われたからです。

昨晩神楽を楽しんだ高千穂神社の横の坂を降りると、そこが高千穂峡の入口です。まだ8時なのですが、第一駐車場の空きはあと数台で、我々が車を停めて散策の準備をしている間に、もう満車の札が出されてしまいました。さすがに土曜日です。

高千穂峡の観光と言えば、峡谷の中をボートに乗ってゆったりと見るのが定番らしいのですが、昔ならいざ知らず今は片手の私なので、ボートでの観光はできません。ボートを羨ましがるであろう私に神様も配慮してくれたのでしょうか、駐車場満車の看板の隣には、「本日、増水のためボート運休」の案内が出ています。人の不幸を喜んではいけないのですが…

という訳で、高千穂峡の観光は遊歩道の散策しか選択肢はないのですが、私的には目玉である真名井の滝を含めた遊歩道の手すりの情報がどこにもなく少し気がかりでしたが、とりあえず川沿いの遊歩道を歩き始めてみます。
遊歩道を歩くこと一分、いきなり見えた景色がメインである真名井の滝と美しい渓谷なので、殆ど歩くことなく高千穂峡を代表する風景が目の前に現れます。
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ここだけで引き返す選択肢もあるのでしょうが、折角駐車料金を払っているので、予定通りに川沿いの遊歩道をしばし歩いてみることにします。
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遊歩道は予想通り階段状の場所も多く、手すりも完全ではないのですが、何とか何とか歩けるレベルでした。渓谷の風景はダイナミックに変化して、見る我々を飽きさせません。
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茶店のあるところまで歩き、オープンしたばかりの茶店で休憩しますが、ここまで来た遊歩道を戻るには流石に少し恐怖心があり、地図を見ると車道を戻っても少しの時間差で済みそうだったので、峡谷を離れて車道を歩きましたが、車道でもいい景色が眺められました。
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高千穂峡を後にして、再び市内中心部に戻ります。次の目的地は旧高千穂駅、ここから廃線になった高千穂線を走るトロッコ列車に乗車しようとやって来ましたが、トロッコ列車と言った瞬間から、どうも妻の心は穏やかではないようです。

トロッコ列車と言って思い出すのは北海道で乗った美幸線廃線トロッコ列車。自分たちで運転するタイプのトロッコだったのですが、思った以上に妻にはプレッシャーだったらしく、「もう、トロッコの運転は懲り懲り!」という気分が3ヶ月経っても抜けていなかったのだそうです。
でも、「高千穂のトロッコは自分で運転するのではなくただ乗っているだけでいいらしい。」というと、ようやく妻も安心して乗る気になってくれたみたいです。

10時の朝一便に間に合うべく9時半には駅に着いたのですが、まだ駅は閉まっていて、誰もいません。「まさか、運休じゃあないよね!?」と疑いながら少し待ってみると、数分後にようやく係員の人が現れて、「運行しますよ!」と言ってくれたので、ようやく安心。「あれ、ガラガラ?」と少しだけ心配にもなったのですが、その後はお客さんもどんどん来て、出発の5分前には満席になりましたので、経営的にも大丈夫だろうと、少しは安心しました。
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トロッコ列車は、十数人で満員の乗客乗せて、旧高千穂線の線路を疾走します。
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トンネル入る前の高揚感は、鉄ちゃんを自認する方なら判っていただけますよね!?
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隣駅の「天岩戸駅」を通過、トロッコで駅を通過するなんて不思議な感覚です。
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高千穂線&このトロッコのハイライトは、何と言っても高千穂橋梁。国鉄&JR時代には、「日本一高い鉄橋」として有名だった鉄橋なので、鉄ちゃんだった小学生時代からの憧れの橋だったのですから、その橋をトロッコとは言え45年越しの念願が叶って渡れるのですから、嬉しくない筈はありません!

でも橋梁の上からの素晴らしい景色を見ながら、不思議なことに高揚も感動もあまりなく、その絶景を冷静に見ている自分がいることに少なからず驚いてしまいました。
乗務員さん達はシャボン玉を飛ばす演出をしてくれたりシャッターを押してくれたりのサービスをしてくれて、そのサービス精神はとっても嬉しいのですが…
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素晴らしい景色なのに妙に冷静な自分が不思議な感じでしたので、その不思議さを引きずりながら帰りのルートでした。

続いて「神話の国」高千穂ならではの神社巡りをします。まずは、昨晩神楽を楽しんだのに参拝をしていない高千穂神社
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参拝後、改めて昨日の舞台である神楽殿も見てみます。
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次に尋ねたらのは荒立神社。「芸能の神様が祭られている神社らしい」と妻に言うと、「じゃあ、芸能人いるかな?」
妻の期待がそう簡単に叶うわけはありません。
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次に向かった天岩戸神社は、駐車場横にある看板というかこのモニュメントが有名。
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岩窟が本殿という神社ですが、その岩窟はみることができないのでいささかフラストレーションが溜まります。
近くの川沿いにある聖地の天安河原に行ってみます。ここは天照大神が岩戸に隠れた時に、八百万の神様達が対策のために集まった場所ということを聞いただけで、何だかとってもご利益がありそうな気がします。
川沿いの道は高千穂峡の遊歩道よりもずっと歩きにくく、妻も途中で「危ない。もう、戻ろう。」と何度も言いますが、八百万の神様のご利益に与りたい私は、妻の静止を振り切って何とか聖地までたどり着きました。
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高千穂にはまだまだみどころはたくさんあるようですが、我々はこのあたりで観光を切り上げ、次に向かうことにしますが、高千穂の最後に道の駅で昼食をいただきます。宮崎と言えば私的には「チキン南蛮」なので、迷わずにオーダー。流石に本場のチキン南蛮はまいう~!でしたが、この日の晩懲りずに宮崎市内の居酒屋で食べたチキン南蛮は、もっとまいう~でした!
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午後は長距離を走って宮崎市内に向かいますが、勿論途中でいくつかの観光をすることは忘れてはいません。
高千穂を出て最初に向かったのは、石垣の村と呼ばれる日之影町の戸川地区。国道からもかなり遠い僻地に、7戸だけの集落があり、棚田を見事な石垣で囲んでいるというガイドブックの紹介文を読んでから、とにかく行きたくなったところです。
確かに細い道に入ってもなかなか目的地に着かず、「本当に大丈夫?」とナビさんを疑いましたが、信じてくねくねと走り続けた結果、何とかたどり着くことができました。
一軒だけのお店が部落の中心です。すぐ目の前に上に登る坂があり、お店の人が「ここを上がればいい」と教えてくれたので上がってみると、いきなり民家の裏口に出ます。これ以上は民家に不法侵入しないと先には進めそうにないのでどうしようか迷っていたところ、またまた親切な村の人が通りがかり、「民家を通って行け」とアドバイスをいただきます。教えられた通りに民家を突っ切っると、かなり急で勿論手すりなんか全くない石段が現れます。
この部落で出会った人は二人ともかなりのご年配の方なので、「あの方達が毎日通っているんだから、私でも大丈夫じゃない?」とも考えますが、無理は禁物です。片道40分も遠回りしてここまで来ましたが、石垣の絶景は結局見られずでした。
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ようやく日向の海岸線に出て、次のみどころは馬ヶ背断崖。高さ70メートルにも及ぶ断崖絶壁に挟まれた地形は予想以上に迫力十分です。
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馬ヶ背の突端まで行ってみましたが、突端の海の景色は綺麗ではあるものの、断崖絶壁のような強烈なインパクトはありません。
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そのすぐ近くにあるのは「クルスの海」。海の形が十字架に見えるのでクリスチャンの妻が喜んでくれるかと思っていたのですが、「ふ~ん」とだけで、ちょっと拍子抜けでした。
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本日の宿泊は宮崎市内。ホテルは県庁のすぐ近くらしいのですが、東国原知事時代は人気の県庁でも、今更行く気にはなれません。居酒屋で地鶏を食べて満足することにしました。