麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

7、九州一周の旅<その7:霧島~都井岬~鹿児島>


 先週1週間で、4回の往復通勤中(1日は祝日なので)に、2つもブログを書くことが出来ました。 片道45分の宇都宮線乗車中に、旅の記憶を思い出し、あっちこっちに脱線しながらのブログを書くことは本当に楽しくて、通勤中には他のことを全く考えずにブログに熱中できています。通勤中、仕事のことをあれこれ考えたり、他の乗客のウザい行為などに憤ったりすることも普段ならあるのですが、今はずっと立っているとはいえ電車に乗ったら45分間の密室にいる感じです。
旅行から2か月以上経ち、旅の記憶をかなり忘れてきていることは事実なのですが、ブログを書く前に、対象日の写真と日程(行動予定)を見て記憶中枢を刺激することにより、すっかり忘れていた記憶を少しずつ思い出すことが出来るのです。
今週も、今日の投稿以外に2回投稿が出来るように頑張ります!

8日目:9月7日(月)

霧島温泉の朝は快適です。朝には混浴に戻った大浴場を妻には申し訳ないと思いながら、もう一度私だけで満喫します。
朝食後に部屋に戻り少し高いところにある霧島温泉郷の部屋から眺めると、下には見事な雲海が広がっています。この下に住んでいるたくさんの人たちの生活にしばし想いを馳せました。
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近くには温泉ならではの噴煙が朝からたなびいています。九州には、阿蘇桜島の活発な火山もあるし、この旅で訪ねた別府やこの霧島やこの後に行く雲仙などの温泉の噴煙も本当に多くあります。大自然様がお怒りになられずに、このまま観光地として静かに噴煙を上げてだけいてくれることを祈るばかりです。
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ちょっとのんびりして9時前にホテルを出発します。ここ霧島温泉郷は鹿児島県ではありますが、実はまだ宮崎県の観光が終わっておらず、昨日訪ねた飫肥近くまで戻ってから、宮崎県の観光を再開する予定なので、早く宮崎県に戻らなければ…と、運転しながら少なからず焦っていましたので、ホテル近くにあるという”丸尾滝”をすっかり見忘れてしまいました。 大好きな霧島ホテルの3度目の時には行きたいと思います。
中通り過ぎた都城は、子供時代からその地名を何度となく見ていて、ずっと憧れていた地です。時間があれば、中心地や駅ぐらいには行ってみたいのですが、ニートになって最長の旅に出ているというのに、そんな時間さえないというのは本当に情けない限りです。やっぱりこの貧乏性では、寅さんのように「足の向くまま、気の向くまま」というぶらり旅は叶わないのでしょうか?

昨日も訪ねた日南市方面まで来た道を戻るドライブですが、少しくらいは寄り道をしたいと思い、向かった先は「坂元棚田」。結構細い道をくねくねと登り、着いた展望台からの眺めは絶景でした。
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でも、棚田に近づいたり散策をする時間はありません。昨日見た飫肥近くを過ぎ、突然妻が「このへん、来たことあるかも…?」とデジャヴのような不思議さ全開でつぶやきます。当然ですよね、昨日通ったばかりの道なのですから…

宮崎の観光に戻り、見どころは海沿いの南郷町の遊覧船「マリンビューワーなんごう」。島めぐりと水中観光が楽しめるという遊覧船ですが、11時発の船に間に合わないと次の船は13時発までないので、次を待つまでの時間の余裕はありません。でも、ナビの到着予定時間は11時ちょっと過ぎをずっと示していて、かなり微妙です。到着20分ぐらい前に、藁をもすがるつもりで運転しながら電話してみます。
念のために弁解しておきますが、片手運転の私が運転しながらスマホを持って電話できる筈はなく、スマホをナビに接続したハンズフリーなので通話ができるのです。この状況での通話は、車に同乗している人は誰でも聞くことも話すこともできる状況なので、通話中に妻が我慢できずに口を挟むと、通話相手には何が起こったか理解出来ないようで、大抵は大いに驚かれてしまいます。
電話で、「ギリギリで着きそうなのですが、待っててくれませんか??」とお願いしてはみますが、「出航は時間通り。」とつれない返答です。

でも何とかギリギリで乗船場に着き、妻が先に受付に走ります。素っ気ない電話の対応とはちょっと違い、どうやら我々を待っていてくれたみたいで、「じゃあ、行きますか」とばかりに、出航準備が始まります。乗客は、我々2人の他には地元の人らしく、誰がスタッフで誰が乗客なのかわからないような状況ですから、「乗客は我々だけ!?」といっても過言ではないみたいです。

この遊覧船、本当に素晴らしい遊覧船でした。最初は遊覧船として宮崎南部の美しい海岸線のその景色を、存分に楽しむことが出来ます。
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我々のすぐ隣に座った地元の方が、景色や歴史などについてすごく丁寧にあれこれと教えてくれます。「この人、この町(南郷町)の前の町長さんですよ!」とスタッフさんから教えられましたが、地元の地理にも詳しい上に、地方行政のことまであれこれ話してくれて、こんな贅沢なプライベートガイドさんは、初めてです!。
前町長に、宮崎県の観光についても聞いてみました。我々の宮崎県で今まで訪ねたルートを話し、「高千穂をはじめ、観光地はかなり”どげんかなっとる”のでは?」と聞いてみましたが、前町長さん曰く、「どげかなっとるのは高千穂だけ。特にこのへんの南部はどげんかなる前に東国原さんが辞められたので、いまだに”どげんかせんといかん!”ですよ。」とのこと。確かに、いくら平日とは言え、11時の船がこんな淋しい状態なことや、後で行った都井岬の状況を見ると前町長の話は大いに頷けました。
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”水中観光も楽しめる遊覧船”がウリのこの船。しばらくすると、”下へ降りて下さい”のご案内があり、水中の展望が楽しめます。水中の展望をしているのは我々夫婦だけなので、貸し切りで宮﨑の豊かな海を堪能させて貰いました。
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水中展望の後は、「とんびの餌付け」です。とんびという鳥については、昔からことわざや数年前の内野聖陽さん主役のドラマなどでその名前はよく知っていましたが、これだけいっぺんに大量に見た経験ははじめてです。
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この遊覧船、前町長さんのプライベート案内はともかく、素晴らしい景色と水中の眺め、そしてとんびと1回のクルーズで3つは楽しめる、本当にお薦めの船です。でも、この客数では経営が心配です… 皆さん、是非訪ねてみて下さい! おススメです!

水中観光で美味しそうなお魚をたくさん見てお腹が空いたことは確かなのですが、とりあえず次の宮崎県最後の目的地である都井岬はすぐ近くなので、向かってみることにします。
ところが、地図では本当にすぐ近くなのですが、国道がこのところずっと通行止めになっていて、遠回りしなければ行けないことを、船の上で前町長さんから聞きました。ナビ君も通行止め情報はちゃんと入っているらしく、迷いなく迂回路を案内してくれます。
当日の大雨で国道が通行止めになった岐阜県の時といい今回といい、”このナビ、本当に優秀だなぁ~!”と、その信頼レベルがもう1ランクレベルアップした瞬間でした。
この翌日、その信頼が仇となってトラブルが起きるなどとは夢にも思わずに…

都井岬と言えば、宮崎県最南端の岬。馬が放牧されていることで有名ですが、馬を放牧するためかなり前にゲートがあり、車のままで入場料を払います。馬の放牧エリアに入ると、「馬優先!」とばかりに、お馬さんたちが完全に道路を占領していて、そのたびに車を停めてお馬様の通過を待たなければなりません。
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もう1時を過ぎていてかなり空腹状態だったので、「景色よりも食欲」とばかりにレストランを探したのですが、この都井岬にある大きな建物の多くが元ホテルで、そしてどのホテルもみんな既に廃墟と化していることに大きな衝撃を受けました。 観光業に身を置いた者としては、信じがたい風景です!

ようやくまだ営業中の民宿を見つけて昼食にありつきます。この民宿も「”営業しているの?”って感じでしたし、何となく活気がない気がしました。
この都井岬を見て、東国原さんのあの言葉「宮崎をどげんかせんといかん!」が、初めて信憑性を持った言葉として私の中に響きました。

でも、馬のいる都井岬と海の景観は本当に素晴らしいものです。
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天気もいいし、景色も最高でした!
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灯台から、宮崎の海を最後にもう一度満喫しました!
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次はいよいよ鹿児島に向かいます。予定ではこの後九州最南端の佐多岬に行ければ行きたいと思っていたのですが、ナビをセットすると到着予定時間は6時を回ってしまいます。今晩の宿泊は鹿児島市内の予定ですから、これで行くと何時に着けるのかすら想像が出来ません。
やっぱり、どう考えてもこの計画は無理で、私の読みが大甘だったようです。昨晩の霧島温泉立ち寄りを決めた段階で、大隅半島最南端の佐多岬は諦めるべきでした。
本州最南端の佐多岬に行く夢は、まだ明日鹿児島湾を横断するフェリーを使えば可能性があるかもしれませんので、とりあえず今日はこのまま桜島経由で鹿児島市内に向かうことにしました。

とは言え、ここ都井岬から桜島までも、結構時間が掛かります。勿論高速はなく、一般道を走るのですが、どこも交通量がそこそこにあり、渋滞こそしないものの信号や前の車のお陰で、警察には絶対につかまらない程度の速度でのドライブが続きます。
串間、志布志、鹿屋と地図で覚えた地名が続きます。どこににも立ち寄ることもなく鹿児島湾沿いに出て、垂水を過ぎるとようやく桜島です。

有村溶岩展望所に車を停め、桜島を見学します。ここ桜島も最近噴火警戒レベルが上がっていて、家の近所の方に「九州に行く」というと、「桜島には行かない方がいいよ!」と言われたのですが、”怖がり”なくせして止めるということはしない性格なので、桜島を遠望します。
桜島、いつ見ても怪しげな白い噴煙がその山頂にありますよね!
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桜島中腹にある湯の平展望所などは、3年前の九州旅行でたっぷり見ていますし、佐多岬に行くどころか、まっすぐここまで来ただけでまもなく日が暮れそうです。
「出来るだけ、夜は運転しない」というのがこの日本一周のポリシーです。日が暮れる前にフェリーに乗らなければと思い、3年前には観光バスごと乗ったフェリーに車ごと乗ります。
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今日の宿泊は鹿児島中央駅前の(元)東急イン。珍しく今日から2日間の連泊を予約しています。駅に向かう道は市電も走る道路なので、普段市電が走る道を運転していない私にとっては慣れない道なので、夜に到着しなくて本当によかったと思います。鹿児島の後も熊本、長崎と市電と並走する都市で、ホテルも市電通り沿いにあるので、夕方前にはホテルに入ろうと改めて思いました。

隣の屋台村で夕食を食べようと思っていましたが、月曜日は屋台村そのものが定休日のようです。市電に乗って鹿児島最大の繁華街天文館に行き、散々迷った挙句鹿児島ラーメンのお店でラーメン&餃子の夕食でした。
3年前の旅行の時に食べた料亭や、「このタリーズで、コーヒー飲んだよね!?」とか、3年前の自分たちの足跡を知らず知らずのうちに追いかけていました。