麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

7、九州一周の旅<その11:天草~島原~長崎~佐世保>


12日目:9月11日(金)

今日は天草四郎が率いた一揆軍のように、船ですぐ近くの島原半島に渡る予定ですが、船の時間まで少しだけ余裕があるので、民宿すぐ近くにあり、昨日の「島原の乱」観光で再三取り上げられていた激戦地である富岡城趾に行ってみようと思います。

お世話になった民宿をチェックアウトしながら、「富岡城趾にはどうやって行くのですか?」と聞いてみたところ、「説明するより早いから、連れてってあげる!」と民宿の車で先導してくれました。
普通は、お城の下にある駐車場に車を停めて、歩いて坂を登ってお城まで行くのですが、上に身障者用の駐車場が一台分だけあり、まさに一台だけしか通れない(すれ違えない)アクセス道路があるとのことで、「そのアクセス道路と駐車場の様子を見てきてあげる!」という民宿のおかみさんの親切がなければ、我々の富岡城の観光は絶対に出来なかっただろうと思います。
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富岡城幕府軍が立てこもり、一揆軍の激しい猛攻にも陥落しなかったお城とビデオでも何度も紹介されていましたが、確かに海に囲まれた高台にある要塞なので、四郎軍も簡単には落とせなかったのでしょう。
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帰り道、一台限定のアクセス道路を登ってくる業務用の軽があり大いに慌てましたが、相手はこんなことは日常茶飯事とばかりに、すぐに入口までバックで戻ってくれて事なきを得ています。

天草から島原半島まではすぐ近く。今でこそすぐではありますが、あの時の四郎の大軍は天草を出て島原に渡るのも大変だったんだろうと想像します。でも今は、このフェリーでたったの30分です 。
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海上ですれ違った反対行きの同じフェリー)

島原半島ですから、長崎県に入ったことになります。九州一周も残すはあと3県になりました!
 
島原半島を反時計回りに島原市内を目指します。途中、キリスト教関連の施設を発見したので、ピルグリムツアーとしては当然のように立ち寄ります。
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島原の乱」関連を締めくくる最後のみどころは「原城趾」。再三、抵抗した四郎一揆軍が遂に攻め滅ぼされた場所ですから、この二日間に蓄えたにわか知識と思い入れをたっぷり全身に纏いながら、近所のおじさん・おばさんたちが大勢で発掘なのか掃除なのか判らない作業をしている中、ただ一組の観光客は城跡を目指します。
海が見える天守跡で、しばし海を眺めながら四郎たちの気持ちを偲びました。
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ここで印象的だったのは、海に向かって佇む3体のお地蔵さん。宗教は違いますが、個人的にはあのお地蔵さんは四郎の生まれ変わりで、あれからずっとこの海を眺めて暮らしているような気になってしまいます。
私も、天国に行った後にはこの3人と並んで、ずっとこの海を見ていたいと思ってしまいました。
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ここ原城趾にも天草四郎の像はありましたが、個人的な感想でいうと、島原より天草の方が、天草四郎をより英雄視というか偶像化しているような気がしました。
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次は島原城に向かいます。富岡城原城など天守がない城跡ばかり見てきたので、再建された天守閣だとしても、やっぱり天守があるお城は何とも言えずいいものです。
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勢いに乗って、天守閣の上まで登って雲仙岳島原半島の絶景を眺めてしまいました。
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午前中は島原半島海沿いのドライブでしたが、午後は雲仙の山の方に向かってみます。雲仙スカイラインを通って、仁田峠から雲仙ロープウェイで半島がずっと見渡せる絶景ポイントを目指します。
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ロープウェイからは、二十年ぐらい前に大噴火して惨劇を引き起こした、雲仙普賢岳が見えます。
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遠くは昨日たっぷり楽しんだ天草諸島と、今日ドライブしてきたあたりがきれいに見えていて、とってもいい気分でした!
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雲仙温泉と言えば、ここも地獄めぐりが有名です。でも、この地獄の名前は、ここで拷問を受けた隠れキリシタンの人の名前がついていたりするので、別府や霧島の時のように、純粋に噴煙だけを楽しむ訳には行きません。
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久し振りに来た雲仙温泉でしたが、意外に地獄も大きくって、一周するにもかなりの時間が掛かってしまいました。
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ピルグリムツアーとしては、こんなところにあるキリスト教関連の遺跡も見逃しません。
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本当は、雲仙温泉で日帰り入浴を楽しんでから、今日の宿がある長崎市内に向かうつもりだったのですが、雲仙の景色や地獄をゆっくりと見すぎたため、時間切れになってしまったので、入浴を諦めて長崎に向かうことにしました。

長崎市内も鹿児島、熊本同様3年振りです。夕食はお決まりの中華街で毎度同じのチャンポンと皿うどんをいただきます。
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長崎市内では山車が車道を行進していました。”これってお祭りかなぁ?”とも思いましたが、そういえば39年前に見た”精霊流し”もこんな船だったような記憶があるので、もしかしたら亡くなった方を見送っているのかも知れません。
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そういえば、お祭り特有の派手さは全くないし、曳いている人たちに嬉しそうな人は一人もいませんでした。

13日目:9月12日(土)

長崎市内は3年前、親切な個人タクシーにお世話になってたっぷりと見学しているので、今回観光はスルーさせていただくことにしました。
個人的には世界遺産になった軍艦島に行って見たかったのですが、妻が興味を全く示さなかったのと、長崎県内には見たい場所が本当にたくさんあるので、時間的にも見学を断念せざるを得なかったためです。。

本日の観光のメインは「ハウステンボス」。私は15年ほど前に来ているのですが、妻は初めてです。15年前の印象は、「これだけ?意外とつまらないなぁ…」でしたが、経営が厳しい時にHISの澤田社長が経営再建に乗り込んできて、見事に建て直して黒字化したということだったので、「どんなに良くなったんだろう?」と、楽しみにしていました。

結果から申し上げると、15年前と同様、今回も楽しむことができずに、安くはない入場料を払ったにもかかわらず、早々に退散してしまいました。
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(景色は悪くはなかったのですが…)

ガッカリだった理由はいくつかあるのですが、まずはその複雑な入場料体系です。ディズニーランドのパスポートのような乗り放題のチケットはあるのですが、「アトラクションには乗る気がない我々に、乗り放題は不要!」と思い、それでもいくつか特典の付いた「ハウステンボス満喫チケット」@4400円を買ったのですが、これが全く使えません。
例えばハウステンボスで一番高いタワーに昇りたくても、常識で考えれば「入場料または差額を払えば」昇れると考えるのですが、ここでは「改めて乗り放題チケットを買わないと、タワーには昇れない!」とのことで、開いた口が塞がりません。
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(このタワーです!) 
でもその乗り放題チケットですら楽しめなかったり追加料金が必要なものもあるようで、ここは「システムに精通していないと、ストレスだけが溜まる!」テーマパークのような気がして、入場早々大いに白けてしまいました。
老若男女ともストレスなく楽しめるディズニーランドとは対極をなすような気がしました。
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とりあえず満喫チケットで見られるところをいくつか見ましたが、美術舘にしても何となく中途半端な気がして、おまけに多くの場所では景観そっちのけで工事をしています。

それにしても、この日は土曜日なのにこのガラガラ具合は一体どうしたことでしょう? ”黒字化した”というのが信じられないくらい、”ほとんど人がいない”状況で、この日が土曜日だというのがとっても信じられません!
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これら二枚の写真が9月の土曜日のお昼頃だっていうの、信じられますか?
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(唯一、差額を払えて乗れた観覧車から見た淋しい限りの園内)
たまに人がいても、ほぼ間違いなくアジアの方々で、日本人だけでいえば入場者よりもスタッフの方が遥かに多そうなハウステンボスでした。

昼食時間を入れても三時間以内の滞在だけで、ハウステンボスを後にします。「こんなことなら世界遺産軍艦島に行っておけばよかった!」と、今更後悔しても仕方がありません。

本当はこの日はこのハウステンボスだけぐらいの予定だったのですが、まだまだ時間は早いので、翌日に行く予定だった九十九島のクルーズに行って見ることにしました。
ハウステンボスでの観光客の少なさで、「この辺、人少ないのかな?」と思っていましたが、決してそんな事はないようで、九十九島クルーズは駐車場も満車状態で、船を待つ行列にも凄まじいものがありました。
これらの人たちがハウステンボスに全く行かないと言うことは考えずらいので、今晩夜景でも見に行くのかも知れませんが、それにしてもこの客数の違いは何? と、大いに悩んでしまいます。
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九十九島のクルーズは、さすがに長崎県を代表する景観だけあって、見事な海と島のコラボレーションでした!
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今晩の宿泊は佐世保市内ですが、ホテルに行く前に佐世保駅に行ってみます。
「何で、佐世保駅?」と思われるでしょうが、実はこの佐世保駅が「JR最西端の駅」なので、これでJR駅の東南西北の4端はめでたく完全制覇となりました!
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でも、佐世保駅はさすがに大きな駅で、終着駅の風情はありません。それもその筈で、実は線路はまだ西に延びているのですが、この鉄道がJRから第三セクターになったために、ターミナルの佐世保駅がJRの最西端になったのですから、佐世保駅を見ても心境は複雑です。

佐世保での夕食と言えば、何をおいても「佐世保バーガー」。
駅の観光案内所で貰った「佐世保バーガーマップ」でお店を探し、石ちゃんが「まいう~!」と言ったお店で私も「まいう~!」を連発しました。
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