麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

8.四国一周の旅<その1:小豆島>


11月初めから書き始めた九州旅行記、18日に及ぶ長い旅行記をダラダラと14回に渡り綴りました。
書き始めた頃は、週1の日曜だけ投稿するペースだったので、「これは年内中の完成は無理で、2月ぐらいまでかかりそう!?」という状態でしたが、途中から「これではイカン!」と毎日の往復の通勤電車の中で脇目も振らずに書き初めてからは、思いの外筆が進み(筆ではありませんが…)、12月の半ばで何とか書き終えることができました。
この調子で10月中の残り2つの旅行記も、少しでも早く書き終えてしまおうと思っています。

九州の次に行った旅行は四国一周。この旅も14日間という長旅だったので、今度は1月中の完成を目標にしようと思っています。四国旅行記に取りかかる前に、この頃のことを少しだけレポートさせていただきます。

九州から帰ってきた翌日、応募していた会社の最終面接に臨みました。結果として33年振りに「内定」をいただけた訳ですが、実はこの半年間のニート期間に面接に行った会社はここ1社だけだったので、「たった一社だけ受けて、たまたま内定を貰えたからといって、そこだけで決めていいのか?」と、正直迷いました。でも、就職斡旋会社から貰った各社の求人表を改めて見直しても、どう考えてもここの条件はそんなに悪くはなく、自分の希望とも近かったことも事実ですし、「もっと、旅行した~い!」という自分の我儘以外に、この内定を断る理由はありません。

ということで、ここに再就職することを決意したのですが、前職の退職を決意してからさまざま相談に乗ってくれたり、かなり社交辞令の部分はあるだろうとは思いますが、「ウチに来ないか?」と誘ってくれた方も何人かいたので、会社に応諾の意思を伝える前に、ご配慮いただいたその何人かの方々にだけは、仁義を通すのが先と思い、シルバーウイーク~9月中に掛けては、毎晩その先輩の皆様方と会っていたのです。

先輩方からは、全員諸手を挙げて祝福していただきました。「それより、やっぱりウチに来いよ!なんて言われたらどうしよう? 」 と考えたこともあったのですが、そんなに自分は「使える」人間ではやっぱりないようで、そんな心配は全くの杞憂でした。

9月末に今の会社にお世話になる意思を伝え、11月からの入社が決まりました。日本一周的には、12月入社がベストだったのですが、会社からは「10月から」ともいわれていたので、11月からの仕事は、妥当な結果です。

そうすると、ニートで日本一周を出来るのも残り1ヶ月だけとなりますので、この1ヶ月をどうしようかは大いに悩むところでした。当初の日本一周の計画では、10月は東北六県の紅葉を目一杯楽しみ、11月に四国を制覇した後、11月終盤に「そうだ、京都行こう!」で、華麗に日本一周を京都の紅葉と共にコンプリートする予定だったのですが、さすがに1ヶ月でそれらの全部を回るのは無理なので、とりあえずニート残りの1ヶ月で、サラリーマンに復帰した後では中々行けないであろう、遠方の四国をとにかく片付けることにしました。

四国の旅行経験が殆どない妻に、「今度は、四国!」と言うととても喜んでくれたのですが、とりあえず今年の日本一周も残り僅かとなったので、「今回だけは、出来るだけ温泉に泊まりたい。」という最後の要望です。我が家の財政難は相変わらずではありますが、今までケチケチ旅行に文句も言わずに付き合ってくれた妻の意向を出来るだけ尊重する方向で予約を進めました。一応就職も決まったので、「もう、大丈夫だろう?」という安堵感が、財布の紐を10センチは緩めたのかも知れません。

「どうやって四国まで行こうか?」というのが、四国旅行プランニングの最初の関門でした。船酔いの経験がある徳島行きのフェリー利用にはどうにも気が進まないし、瀬戸大橋は5月に渡ってるし… 色々と悩んだのですが、「やっぱり、橋が通じていない瀬戸内海の島にも、1つくらいは行かなくちゃ。」と思い立ちます。そうとなれば島の候補はいくつかあったものの、私の中ではまだ見ぬ小豆島の島陰が鮮烈に浮かぶのです。小豆島であれば本州からのフェリーもあり、観光後はすぐに四国にも渡れそうなので、願ったり叶ったりですし、加えて小豆島は香川県… 四国最初の観光地としては、最高の条件だと思われます!

1日目:10月3日(土)

出発の10月3日に特に意味があるわけではなく、先程までに書いた諸事が一段落したらすぐに出発するつもりでしたが、たまたまこの日がそうだったというだけのことです。

この日本一周を始めた最初の頃は、1日で高速の長い距離を走ることにも自信がなく、初回は静岡県での途中下車を選択していたのですが、日本一周の何回かのロングドライブですっかり自信も回復したので、今回初日から関西圏を超え、姫路までの自分史上最長のドライブです。
桶川北本インターから圏央道に乗り、長~い高速道路旅のスタートです。この圏央道、桶川北本インターから自宅近くの白岡菖蒲インターまでがこの時はまだ未開通だったのですが、10月31日に開業するらしく、自慢気な看板がデカデカと出ています。この区間が開通してくれると、我が家から中央・東名までは片道30分近い時間短縮になるため、私の悲願だったのですが、よりによってこの日本一周を中断する10月末に開通するなんて、何たる皮肉なのでしょう!?
恐らく最後になるであろう桶川北本インターまでのドライブでした。

今回、初日には全く予定はなく、ただひたすらに姫路を目指すだけです。夕方のフェリーでそのまま小豆島に渡ってしまう手もあったのですが、フェリーの時間を気にしながらのロングドライブが嫌だったので、あえてフェリー発地の姫路に宿を取ったのです。

浜松で妻はいきなり鰻を食べています。今回の旅でも四国ではないのですが、有名な鰻のサプライズを計画していた私には、いくらそんなに高くないとは言え、ここでの妻の鰻チョイスはいささか想定外でした。
新名神中国道山陽道と順調に走り、姫路で山陽道を降ります。姫路市内に向かうこの道は、5月に姫路城に行った時に通った道です。懐かしい気もしましたが、いくら素晴らしい白鷺城とは言え、たった5ヶ月でもう一度姫路城に行く気になる筈もなく、そのまま姫路郊外の結婚式場がメインのようなホテルにチェックインして、結局この日はこのままなにもせずにホテルでひたすら休息をしていました。

夕食もホテルを出ずに、併設の居酒屋へ。でも、味はイマイチでちょっと残念でした。何事も楽していいことはあんまりないのかも知れませんね!?

2日目:10月4日(日)

いよいよ四国に行くのですが、まずはフェリーで小豆島を目指します。姫路を7時代の始発のフェリーに乗れば、9時前には小豆島に上陸できるので、宿泊しなくても小豆島を満喫できるだろうと選んだ日程です。
今日は日曜なのでカップルやらファミリーなどさまざまなお客さんがこのフェリーには乗っています。シルバー層と外国人が殆どいないのが、今どきの日本としてはかなり珍しい風景です。

時間通りに小豆島に上陸。最初の数分のドライブで、もう感動的な景色に出会えました!
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空には雲ひとつない晴天。この四国旅行は、今までの旅の中でもとびっきりの好天に恵まれた最高の天気の2週間だったのですが、スタートからその素晴らしい前兆がたっぷりでした。

小豆島最初のみどころは寒霞渓。島らしからぬダイナミックな景観が見える渓谷とのことで、ロープウェイが通じているらしいのですが、途中分岐があり右に行くと頂上のように書かれていたのですが、事前の情報通りロープウェイ駅を目指します。

小さい島とは思えないダイナミックな景色を見ながら、ロープウェイはグングンと高度を上げて行きます。
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頂上に着くと、普通のマイカーがたくさん停まっています。どうも、やっぱりあの分岐を右に進むと、普通にこの頂上に着けたようで、我々はロープウェイ代を丸損したようです。
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でも、ロープウェイからの景色もそれなりに良かったし、少しは小豆島の観光経済にも貢献しなきゃ…という気もあったので、満足することにしました。晴れているのに、視界はイマイチでしたが、さすがに島らしく海までも見下ろせました。
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次のみどころは、小豆島観光のメインイベントとも言えるエンジェルロード。干潮時だけ島までの歩道が出現するという島で、カップルでその路を歩くと幸せになれるという言い伝えがあるとのこと。道ができて渡れるのは1日二回で、一回の時間は4時間程度とのことなので、当然我々はしっかり時間をチェックして道が一番広い時間に訪れます。
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でも、確かに結構広い道で、道そのものも海からかなり盛り上がっているので、「本当に、数時間後にはこの道、沈むの?」という印象は拭えませんでした。

さすがに小豆島観光の中心地らしく観光案内所があるので、今から行こうと思っている隣接している2つの施設である「オリーブ公園とオリーブ園の違いは、何?」と、ガイドブックには決して載っていない素朴な疑問をぶっちゃけてくれるよう聞いて見ました。模範解答をしようとあれこれ悩んでいる案内所の係員さんはこの質問に悪戦苦闘している感じです。「こっちにあるけど、あっちにも… ある。」などという苦心の解答を何度も繰り返しているので、私も係員さんが言いたくても言えないことが何となく判ってきて、「要は、経営が違う似たような施設なのですね?」と聞くと、バツが悪そうに頷きます。
 
ところでこの日の小豆島は、イベント盛りだくさんの1日らしく、エンジェルロード近くの交通規制&警備は結構厳しいものでしたが、夜に高松のホテルでニュースを見ていると、あの小豆島の中心街にイベントの来賓として石破大臣が来ていました。
島内のあちこちには、ゼッケンをつけたサイクリストたちが景色を楽しみながらのんびりとサイクリングしています。どう考えてもレースではなさそうなので、休憩しているサイクリストさんに聞いたところ、「タイム関係ないサイクリングイベント。」この絶好の天気でののんびりサイクリングなんて、本当に羨ましい!
 
結局、オリーブ公園の方に行ってみることにしました。
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園内を散歩しますが、あちこちにオリーブが実をつけている見事な木がたくさんあります。
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しばらく散歩すると、これも"This is 小豆島"のような、よく写真などに登場するギリシャ風の風車です。
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このあたりが、本当に小豆島らしい風景なのでしょう。

オリーブ公園の昼食で、私は”名物”というひとことに釣られて”ひしお丼”を注文。オーダーした後に、「ところで、”ひしお”って何?」って店員さんに聞く体たらくなのは、相変わらずのおっちょこちょいです。
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ちょっと話は脱線しますが、この旅の前にスマホを機種変していて、これまで料理の写真をスマホで撮ると、結構ピンぼけした写真が多かったのですが、約4年振りのxperiaでは、ありがたいことにそんな心配は無用のようです。
この新しいスマホで、四国の旨いものを撮り尽くそうと思っています!
(ところで、ひしおとは、醤油になる前のもろみのことなのだそうです。)

午後も船の時間まで、小豆島を満喫します。小豆島と言えば何と言っても「二十四の瞳」なので、リバイバルで作られた田中裕子さん主演映画のセットを見に行きます。私も妻も、本を読んだことはあっても、二人共この映画は見ていないため、実際に映画で使われたセットを見ても、何となくビミョ~でした。
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ところで、作者の壺井栄さんって、女性だったのですね!?情けないことに、50年近く知らずにいて、写真を見て驚いているのを、妻に大笑いされてしまいました!

近くには醤油の工場も多く、一番人が多く集まっている工場の玄関には、お約束の「醤油ソフトクリーム」があります。塩ソフトにはいいイメージがあったのですが、醤油のソフトにはあまりいい印象はなかったのですが、ここのは塩に負けずとっても美味で、休憩中のサイクリストさん達にも、大人気でした!

その後、小豆島の大観音にも行って見ました。上に登れるようなのですが、何となくその気にはなれずに下から眺めて手を合わせるだけにしておきました。
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ところで、午前中に行ったエンジェルロードは、あれからもう4時間以上経っているので、話通りならあの道はもうすっかり水没している筈です。疑り深い私は小豆島最後の観光として再び同じ場所に立ってみると、噂通り見事に水没しています!
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beforeとafterのこの2枚の写真をFacebookに投稿したところ、すぐに「モンサンミッシェルみたい!」というコメントをいただき、何となく懐かしくて嬉しくなっていたのですが、しばらくして、別の方からは、「珍島?」とも言われました。

小豆島を満喫して、いよいよフェリーで高松に向かいます。瀬戸内海には島が本当にたくさんあり、1つ1つの島全部に途中下車したいくらいです。日本一周の二周目では、島めぐりもメインテーマの予定なのですが、瀬戸内海はとてつもなく見甲斐がありそうで、まだ一周目の途中だというのに、今からとっても楽しみなのです!
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高松港はJRの高松駅すぐ近くで、市内中心部のすぐそばです。市内のこんな近くに港があるなんて、海(船)と市民の日常生活が密接な関連があるようで、少々羨ましかったりします。

今日は日曜なので、さすがのうどん県でも大半のうどん屋さんは休業日とのことです。うどん三昧は明日からと決めていたので、今日は近くの居酒屋で満足することをにしていたのですが、「食べログ」では開いている筈の居酒屋も、何故かシャッターが降りたままです。頼みの綱がダメとなると、日曜夜に高松の繁華街で開いてるお店を探すのには、本当に苦労します。ようやく、海産物居酒屋のネオンを見つけるまでには、30分は歩かされることになりました。