麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

11.(京都)・滋賀・愛知<その1:京都~比叡山>


日本一周というか47都道府県周遊も、残すところあと7府県になり、そろそろ一周目のゴールを自分なりに”決める”べく、フィニッシュを意識しなくてはいけません。残す7府県とは北東北の青森・秋田・岩手の3県と、今回の日本一周の旅では何度となく通ってはいるのですが、まだ”達成”とは位置付けていない、中部の愛知と、京阪神の滋賀・京都・大阪の7府県です。うち、北東北3県は今年の夏の勤務先(学校法人)の夏休みを利用して行くつもりなので、中部~京阪神の4府県を達成すれば見事日本一周の達成で、あと1回の旅で達成は十分可能なのですが、4府県の達成にはマイルールとしては最低でも4泊は必要であり、そんな長い旅はいくらGWと言えども行けそうにはありません。
そもそも昨年、会社を辞めて日本一周を昨年内に目指していた頃には、「11月の終わりに、『紅葉の京都』で、日本一周を完遂しよう!」と決めていました。思いのほか早く再就職が決まってしまい11月から再び勤務することになったので、2015年11月のフィニッシュは幻に終わっているのですが、紅葉の京都に行きたい気持ちは変わっておらず、”1年遅れの2016年11月のフィニッシュもいいなぁ~!”と思うようになりました。JR東海の有名な宣伝文句でいえば、「そうだ、京都、行こう」を今の気持ちで私流に言い直すと、「そうだ、京都で、終わろう。」と言ったところになるのでしょうか!?
ということで、今年晩秋にフィニッシュすることは決めたのですが、その旅で(休暇期間でもないのに)4泊以上するのはかなり辛そうです。ということで、京都と大阪は最後まで残しておくことにして、その前に滋賀と愛知だけは終わらせてしまおうと考え、比較的混雑が少ない(と勝手に信じている)GW前半のうちに済ませてしまおうと考えてプラン作りを始めました。

ところが、昨年6月にバージンロードを一緒に歩いた娘が嬉しいことに子供を授かり、ちょうどその頃が出産予定。私にとっては初孫になる男の子です。娘は”里帰り出産”で子供を産む気はないらしく、現在住んでいる千葉で産むつもりで、我々夫婦に頼ることは殆どないといういことで、「旅行、行って来たら? 産まれたら、ご祝儀持って見に来ればいいよ!」と言うので、正直行くかどうかについてはかなり悩みました。旦那も仕事が忙しいとは言いながら非常に協力的なので、何もしない(できない)のであれば、ただ漫然と我が家でモジモジしながら「まだか、まだか」と待っているより、旅行に出た方が精神衛生上もいいだろうということで、結局行くことにしました。妊娠がわかってからは、各地で散々、安産祈願をしてきましたが、「最後の安産祈願を、比叡山延暦寺で!」と無理矢理理由付けをして、自分で自分を納得させて旅立つことにしたのです。

1日目:4月28日(木)

ゴールデンウイークはこの翌日からですが、「一日前に旅立てば、混雑はしないだろう!?」という旅行会社勤務時代からのカンを信じて1日早く有給休暇を取り、出発を一日前にします。今回の旅はマイカーではなく、久しぶりの鉄道の旅にしました。GWの渋滞を恐れたというよりも、京都や名古屋などの大都会には、車で行くより公共交通機関利用がいいと考えた故です。
上野東京ラインが開通してからは、東京駅まで乗り換えなしで行けるようになり、本当に便利。その恩恵に充分に浴して快適に東京駅まで行き、東海道新幹線ホームへ。東海道新幹線には、3年前の3月に当時神戸に住んでいた娘を訪ねて行って以来丸3年振りです。
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この日の天気は雨。1週間前の週間予報は曇りだったのですが、天気予報は徐々に悪化の途を辿り、数日前から”全国的に雨”予報に変わりました。でも、明日以降の天気予報は”回復”と出ているので、しっかりした傘を持たずに途中で傘を捨てて旅を続けられるようにと安物のビニール傘を持って、久し振りのN700系に乗り込みます。”晴天なら、富士山が見えるように”と満を持してE席を予約したのですが、この雨では富士山は見える筈もありません。この日も、相変わらず富士山には縁がない”日本一周”です。

”のぞみ”号を京都で降り、京都市内へ。この日の目的地は比叡山なのですが、京都と滋賀の県境に聳える比叡山を、滋賀からだけ単純に往復したのでは面白味がないので、元”鉄ちゃん”としては単にバスで比叡山に行くのではなく、今日は京都市内から鉄道とケーブルを使って比叡山に登り、明日の観光後は別のケーブルカーで琵琶湖を見ながら滋賀に降りるプランを考えていました。
まずは今朝6時過ぎに簡単な朝食を食べただけですっかり空腹だったので、まだ11時過ぎではありますが京都市内で昼食に向かいます。今日のランチのプランは天気に応じて2つのオプションを考えていました。晴れていて暑いくらいの気候ならば、有名店「いづう」で鯖ずしを食べる案。寒いぐらいの気温ならば、こちらも有名店「南禅寺順正」で名物の湯豆腐を食べるプランです。どちらも有名店で行列必至と書かれてはいますが、今日はまだ平日であることと、行列が出来る11時半前には行けるのではないかと気軽に考えていました。雨のこの日ですから、湯豆腐で温まるには程よい日でしたので、京都駅からタクシーで南禅寺まで直行します。たまたま個人タクシーのベテラン運転手さんだったので、早速11月に来るために紅葉の季節について情報収集します。運転手さん曰く、「11月最後の連休(23日がらみ)には、絶対に来ちゃダメ! 混雑で、全く身動きが取れないよ!」とのこと。「でも、12月なったら、紅葉には遅いのでは?」と聞くと、「紅葉の時期は毎年違うのである意味ギャンブル。」で、「いずれにせよ、タクシーを貸し切って観光するにせよ、よく研究してから来てください。」とのこと。夏の旅が終わったら、アドバイス通りにしっかりと勉強しようと思いました。

南禅寺順正は、名前だけは憶えていてその他の記憶は全くないのですが添乗員時代には何度か来たことがある懐かしい場所。入り口には仕切り役の人がいて、「何食べるの?」「湯どうふ」と言うと、待たずにすぐレストランに案内されます。湯豆腐のメニューも3千円を超えるので、「個室は無理でも、ちょっとは雰囲気のある和風の場所で食べられるのではないか?」と秘かに期待していたのですが、入り口はともかく店内は風情も何にもない普通の食堂でした。

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湯豆腐は、勿論美味しく量もたっぷりあり、天ぷら等のその他の料理も美味でした。
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(これ以外に、後で揚げたての天ぷらなども出ました)

昼食後、タクシーがつかまらないので腹ごなしを兼ねて平安神宮まで散歩。まだ雨は止んでいないけれど、間もなく止んでくれそうな雰囲気です。数十年振りに、懐かしの大鳥居を見て、よく添乗員として京都に来た仙台勤務時代(昭和の時代)を懐かしく思い出しました!
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平安神宮に参拝したのって、いったいいつ以来でしょう? 否、もしかしたら、参拝するのははじめてだったのかも知れません。僅かなお賽銭でお願いしたのは、「2人(親子)とも無事で、元気な赤ちゃんが産まれますように!」。今回の旅では、全てこのお祈りでした。
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今日の京都観光のメインは、はじめて訪れる「京都御所」。京都御所の見学は予約制なので、数か月前にネットで予約していたのです。この日、本当は比叡山行きの電車駅により近く、同じく事前予約制の「修学院離宮」に行ってみたくて、こちらを先に事前予約していたのですが、ここはかなりアップダウンなどが多そうなので、予約した後に階段の手すり等についてメールで聞いてみたところ、「足の悪い人には、あんまりお薦めできません。」的な返答を貰っていたので、足が悪くても影響が少なそうな京都御所に方針転換をしていました。余談ですが、京都御所修学院離宮もその予約の窓口は昨年行った皇居と同じ宮内庁でした!
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皇居の時よりはかなり少ない人数規模で、バス1台分(約40人)ぐらいの事前参加者を1名の案内人が先導するスタイルで見学が始まります。案内の方は、プロでないとは言えばその通りなのですが、悪い人ではないのでしょうが、正直”全く、聞き手の我々の聞きやすさということを考えてくれない。”ので、折角貴重な昔の話をしていただいているようなのですが、殆どの人が全く聞き取れていません。
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最初のうちは、話を聞こうと必死にみんなついていこうとしていたのですが、そのうち皆も諦めて、それぞれが全く違う方向を見ていました。宮内庁さん、有料にしてもいいからちゃんと話せる人を雇うか、せめて「話し方」の研修をちゃんと受けた方をガイド役にしてほしいものです。折角日本の歴史に興味がある方相手の説明なのですから、それくらいはすべきではないでしょうか… と切に思います。
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中には入れない中庭と、本殿のような場所を臨みます。ここで明治天皇などが実際に暮らしたのかと思うと、感無量です。
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建礼門です。この名前からは、平家物語の悲劇のヒロイン建礼門院平徳子を思い出してしまいます。この京都御所が出来たのは南北朝統一後だそうですから、1400年の少し前ですから、建礼門院平徳子とは直接の関係はないようですが…
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御所内部には風流な庭もありました。明治天皇も、眺めたのでしょうね…
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雨がほぼ止んできていましたので、傘は御所の入口の傘立てにとりあえず置いてきたのですが、時折降ったり止んだりで忙しい天気でした。
後は、比叡山に乗り継ぎで行くだけと思ったので、結局この傘は御所に寄付してきました!

いよいよ、比叡山に向かいます。雨が止んだお陰か、すぐにタクシーがつかまり叡山電車の始発駅である出町柳に向かいます。この叡山電車は、比叡山口と鞍馬に行くほか、三千院などの観光にも使えるローカル線です。大昔、私の高校時代は確か1両のローカル線だったなぁ… なんて昔の記憶を辿って懐かしんでいたら、Suicaは使えるようにはなっていたものの、今でもたった1両でした!
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終点の八瀬比叡山口駅。写真等で見た駅舎の看板と変わっていました。昔のレトロ駅風に復元したのでしょうか?
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この後比叡山に行くには、ケーブルカー⇒ロープウェイと乗り継がなくてはいけません。「この時間に行っても、もう比叡山延暦寺には行けませんよ!」と何回も注意されましたが、我々の今晩の宿は比叡山の上にあるので、そのままどんどん進みます。
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ロープウェイの終点からはシャトルバスが出ていてホテルまで行けて、シャトルバスの接続も丁度良い筈だったのですが、ロープウェイで終点に着いてみると、シャトルバス乗り場までは「徒歩10分」の案内が… 普通の人なら次のバスまで十分間に合うだけの時間なのでしょうが、アップダウンの道ですから私の足ではかなり時間が掛かります。おまけにまたまた雨が降って来て、御所で傘と訣別したことを激しく後悔です。
結局、我々以外の数人はちゃんとバスに間に合ったようなのですが、我々だけ見事に乗り遅れて、次のバスまで待つこと30分。山頂の超寒くって雨がそぼ降る中、我々はブルブルと震えながら次のバスを待っていました。
ところが、次のバスはその頃からすぐ近くに停まっていて、運ちゃんは車内で暇そうに寝ているのです。我々が雨に濡れながらバス待っているのに、入れてくれたっていいじゃない?? と、思いますよね?? 京阪さん、風邪ひいたらどうするの??

本日の宿は星野リゾートの宿である「ロテルド比叡」。チェックイン直後、部屋にも入らずに5時から始まる「ワインテイスティング講座」に参加して、赤ワインのたしなみ方を教えていただきます。テイスティングした4つの赤ワイン、みんなは軽く口をつけた程度のようですが、酒飲みで貧乏性の私は、結局4杯全て飲み干してしまいました!
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夕食時、赤ワインはさっき4杯も飲んだので、今度は白ワインをということで、先ほど講座をしてくれたソムリエに、つい奮発して”シャブリ”のボトルをオーダーしてしまいました。
フレンチのディナーはとても美味しく演出もGOOD! でも、このホテルの一番のウリである「フランスと近江との鮮烈出会い」では、近江名物の鮒ずしの匂いは消えることはなく、私的にはちょっといただけませんでした。それ以外の食事は全て美味だったのですが…
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ショックだったことがもう一つ。このホテル、近江や琵琶湖を食材等に取り入れて大いにPRしていますが、実は住所が滋賀県ではなく「京都府」だったことを、チェックインして初めて知りました!「京都府には、5月に宮津にも泊まっているし… 2泊もしたんだから、もう達成じゃない?」と自問自答しましたが、まぁ厳密にルールを決めたわけでもなく自己満足の旅なのですから、京都は秋まで「未達」ということにして、「滋賀は明日、観光して&泊まって、それで達成と言うことにしよう!」と白ワインのほろ酔いの中で自分勝手に決めることにしました。