麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

7、九州一周の旅<その1:九州上陸まで>


昨日投稿したブログにも書きましたが、本日11月1日より再び会社員に戻りましたので、7か月のニート生活は無事に終了しています。でも、今日11月1日は日曜日で、明日1日働くと明後日はまた祝日で休みになりますので、まだまだ会社員に戻った実感は沸いていません。
とりあえず明日以降に向けて、久し振りにスーツを新調したので、心機一転明日から新しいスーツを着て頑張りたいと思います。

ということで、今日は明日からの久し振りの仕事に向けて完全休養するつもりだったのですが… やっぱり何となくパソコンに向かってしまっています。日本一周のレポートだけはとりあえず早くに書き上げてしまいたいので、最長&一番お金が掛かった旅行になった、「九州一周の旅」を書き始めることにします。

1日目:8月31日(月)

先週の月曜日に、信州~北陸の12日間の旅から帰って来たばかりですが、ちょうど一週間だけ埼玉で過ごしただけで、すぐに今回の旅行に出発しています。
この間の1週間も、何だかんだ結構忙しくしていて
火曜日=病院通院
水曜日=失業認定日なのでハローワーク
木曜日=会社の適性検査(という名前の筆記試験=私はWEBでしたが)
などがあり、次に行く旅の下調べなども十分に出来たとは言い難い状況です。
とは言え、「9月には九州に行くぞ!」というのは、3月に(前の)会社を辞める前から固く決意していたところなので、準備は万端と言えば万端です。

この旅の計画をするにあたり、「どうやって、九州まで行くか?」という最初の課題に、大いに悩んでいました。埼玉から九州まで高速道路を走ってもいいのですが、流石に片道1000キロを超える高速道路を1日で走るなんて考えたくもないし、2日に分けて走ることも激しく気が進みません。東京から門司までのフェリーもあるにはあるのですが、2泊3日の長すぎる船旅になりますし、この船には5月に途中の徳島から東京まで乗っているのですが、その時不覚にも数十年振りに”船酔いした”経験があるので、途中までだとしても気が進みません。

ということで、関西まで走って関西エリアからフェリーに乗る折衷案を中心に検討するうちに、関西圏からいくつか就航しているフェリーのうち、阪九フェリーの大阪~門司の便が2015年4月に就航の新しい船だということを知り、2人用の個室でも料金はそんなに高くはなかった(競合区間だからの効果でしょうか…)ので、、”よし、とりあえず行きはこのルートに乗ってみよう!”と決めました。とは言え大阪の泉大津港の出航は17:30なので、埼玉の自宅を朝に出てひたすら高速を走れば十分に間に合う時間ではあるのですが、高速に通行止めや予期せぬ渋滞などがあったらアウトだし、ドキドキしながら1日中運転するのはやっぱり嫌です。
ということで、贅沢ですが大阪までの間に1泊して、途中のどっかの県を観光してから九州に向かう計画を立て、この旅で未訪問県である滋賀に宿泊・観光してから泉大津に向かうことで、彦根のホテルの予約も済ませていました。

ところが、その前の旅行(NO6の長野・岐阜~北陸旅行)で、楽しみにしていた岐阜の「長良川の鵜飼」が、当日の豪雨による長良川の増水で中止になるという事件が発生しました。その晩、長良川温泉岐阜グランドホテルの快適な温泉に入りながら、「でもやっぱり、鵜飼にはリベンジしたいなぁ~…  そうだ! 九州の行きに滋賀に泊まるのを止めてここに泊まれば、鵜飼にリベンジできるじゃん!」と思い立ち、部屋に戻ってPCを立ち上げて、今泊まっている岐阜グランドホテルの空室状況を見ると、2週間後にもほぼ同料金で空室があります。このホテルの温泉と部屋がとっても気に行った妻も、鵜飼はともかく(??)「このホテルに、もう1度泊まるのは大賛成!」との賛同もいただけましたので、彦根のホテルをキャンセルして、「今泊まっているホテルを、泊まっている部屋から予約する。」という自分史上初めての体験をしました。

ということで、滋賀の宿泊は次の機会にして、長良川鵜飼のリベンジを決めたのですが、出発の前日に天気予報を見ると岐阜県地方は当日もかなり雨が降っているようで、明日の天気もあんまり良くはないみたいです。「長良川の鵜飼いは、雨天決行で滅多に中止にはならないけれど、ごくたまに長良川が増水すると中止になる。」ということだったので、念のため鵜飼事務局に電話して聞いてみたところ、「本日(日曜日)も中止になっている。」とのこと。 明日(月曜日)のことは勿論わからないのでしょうが、川は増水しているでしょうから、明日も雨が降れば中止になる確率は高そうです。とは言え、ここで諦めて計画を変える気にもなれずに、「もし、中止になっても長良川温泉を楽しめばいいや!」と、気持ちを切り替えることにしました。


出発当日は、夜の鵜飼までは特に何の予定もないのでゆっくり出発してもいいのですが、やっぱり年寄りらしく早く起きてしまい、準備も万端だったので7時過ぎには家を出てしまいます。特に行くルートなども決めていなかったのですが、何となく東名に乗らずに、今回も中央高速に乗っています。
順調にドライブが続き、このままならホテルにチェックインが出来る3時前に岐阜市内に着いてしまいそうなので、2時間程度ちょっと寄り道をすることにしました。
寄り道先として考えていたのは、中山道の「馬籠宿」。前の旅行で中山道の「奈良井宿」を訪ねており、「この先に有名な妻籠・馬籠宿もあるけれど、今回は時間の都合で断念します!」と自分で宣言しながらもやっぱり未練があったのでしょう。
でも、本日のメインは「長良川の鵜飼」ですから、妻籠・馬籠の両方に行くまでの時間はなさそうです。もし鵜飼が中止なら前回は今頃の時間に中止の電話連絡が入っていたのですが、念のため鵜飼事務局に電話したところ「実施します!」との嬉しい返事があり、予定通りに岐阜に着く必要があるので、やはり妻籠と馬籠のどっちかをチョイスしなくてはなりません。
実は妻籠と馬籠には大学1年生の夏に行ったことがあるのですが、正直「どっちが良かった」などの細かいことは悲しいくらい全く覚えていません。そんな中で「馬籠に行こう!」と即決した理由は、やっぱり前の旅行で訪ねた小諸の藤村記念館。小諸の藤村と言えば、”千曲川のスケッチ”などなのでしょうが、その時に思ったのは、「私の藤村と言えば、やっぱり”馬籠の、夜明け前”だよね!」というイメージが強くなり、そのイメージだけで馬籠に行くことを決めたのです!

36年振りに訪ねた馬籠は、”馬籠宿って、こんなに急な坂だったっけ?”というくらいの急な坂に面した宿場町でした。
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宿場町そのものは”坂がキツイ”ということ以外は、他で何度も見た宿場町と大きな差はないようでしたが… かなり坂を上ってお目当ての「藤村記念館」に小諸に続いて行ってみます。小諸の時は”千曲川のスケッチ”が好きな妻のテンションが圧倒的に上回っていましたが、この日は、”夜明け前”好きの私のテンションが上回ったようです。

岐阜のホテルには予定通り4時過ぎに到着。チェックインの際、妻は「2週間前にも泊まったんですよ!」と自慢げに言いますが、私は「2週間前の601号室に、これと同じ万歩計の忘れ物がありませんでしたか?」と確認してみたところ、すぐに「これですね??」と懐かしの万歩計を出してくれて、2週間ぶりの再会です!これで今回の日本一周のただ1つの忘れ物が、再びゼロになりました!
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(上の水色が新しく買った万歩計で、下の白が戻ってきた万歩計です!)

いよいよ鵜飼が始まります。団体などで鵜飼を鑑賞する時には、弁当や飲み物などを持ち込んで、宴会舟のようになり、船内で食べるようにお弁当も売っているのですが、我々は乗船前に近くのバーミヤンで夕食を食べて、船に向かいます。2週間の悲願だった乗船券も無事に購入します。2週間前にも見た懐かしの”ザ・ベスト10”の長良川艶歌の記念碑です。2週間前は、悔しくて写真を撮る気にもなりませんでした! 
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でも、やっぱりこの2週間で、日が暮れるのは大分早くなった気がします。

鵜飼観覧船と鵜匠の船が併走しながら川を下り、鵜が鮎を捕らえる様子を見るのが本来の鵜飼のパターンなのだそうですが、この日は相変わらず川の水が多いため、安全面から我々の船は止まったままで、その目の前を鵜匠の船が往復するというちょっと迫力に欠ける(?)鵜飼になっているようですが、まぁ鵜飼が見られるだけでも良しとしなければいけません。 長良川の鵜匠は6人しかいなくて、全員宮内庁に認定された先祖代々の世襲の人たちなのだそうです。鵜飼そのものはそんなに長時間ではないとは言え、勿論、定休日や交代勤務もないのだそうですから、鵜匠の家系に生まれた方は、普段は休日もなく”日本一周”なんて旅行にも行けないだろうし… 鵜匠の6人の方々は、幸せなのでしょうか…? なんて余計なことを考えてしまいます。(大きなお世話なのでしょうが)

我々の目の前を一艘づつ計6艘、鵜匠の船が往復します。鵜匠が巧みに鵜を操っているさまが見え、「あっ、今の鵜が鮎くわえてる!!」なんて瞬間も見えたのですが、やっぱり暗いし写真に撮るのは難しく、片手カメラマンの能力の限界を思い知らされました。
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最後は”総がらみ”というメインイベントで、6艘の船が並んで鮎を追い込みます。迫力はありますが、写真は撮れませんでした。

初めて見た長良川の鵜飼。見た後の感想で言えば、”まぁ、こんなもんでしょう…”ですが、世界遺産登録を目指すイベントを見られて幸せでした。
2週間後のリベンジをFacebookに投稿すると、「その、鵜飼への情熱は何?」と思いっきり不思議がられました。確かに、埼玉に住む人が、たった2週間で岐阜に2回もわざわざ見に行くとしたら、かなり異常な情熱なのかもしれませんが、上述の通りタイミングがあったという要素も大いにあるのです。

2日目:9月1日(火)

この日は大阪の泉大津港17:30発のフェリーに乗るので、16時過ぎには泉大津港に着いている必要があります。ホテルのすぐ目の前には、見事に聳える岐阜城が見えますが、岐阜市内については2週間前に観光を済ませていますので、未練なく岐阜市内を後にすることにします。

本日、最初に向かったのは滋賀県彦根城、そう、2週間前に鵜飼がちゃんと見られていたなならば、このあたりに宿泊して滋賀県観光をゆっくりと楽しむ積もりにしていた、メイン観光地の一つです。

彦根城は、江戸時代からの天守閣が現存する12城のうちの一つです。天守閣が残っている12城は、5月に訪れた松江城世界遺産の姫路城などで、実は12のうち4城が四国に残っているので、10月に実施予定の四国旅行のメインにしようと考えています。でも12城のうちに国宝に指定されているのは、世界遺産の姫路城の他に松本城犬山城と5月に国宝指定された松江城とたったの5つしかなく、他の城は国宝ではないのだというので、逆にびっくりしてしまいます。でも、国宝5つのうち1つの彦根城はそれだけ価値が高いお城なのだということですから、心して見なければなりません。私も、最初はゆるキャラの”ひこにゃん”を知っている程度の知識で彦根城に行こうと思ったのですから、自分の不勉強ぶりを大いに反省し、真摯に見させていただくこととしました。
山城ではないので、天守閣にまでたどり着くには、上り坂はあるもののそんなにキツイ登りではありません。
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貴重な天守閣をゆっくりと眺めましたが、階段がしんどそうな天守閣には入場せずに、下にある彦根城博物館を見学することにします。でも、生”ひこにゃん”の博物館登場時間までには博物館に戻れるつもりで観光をスタートさせたのに、自分の足の遅さは自分の想像以上だったため、結局ひこにゃんには逢えず仕舞いでした。
仕方がないので、この写真はお城とひこにゃんのパネルの記念写真用のセットです。
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彦根と言えば井伊家で、井伊家と言えば井伊直弼です。井伊直弼と言えば安政の大獄を仕掛けた悪役で、多くのドラマなどではその扱いはやっぱりヒールとして扱っているのですが、幕府の家臣NO1の”大老”にまでなった人なのですから、そんなに悪い側面ばっかりではないのかも知れません。地元の彦根では当然の如く良い面にスポットを当てていて、私も少し見直さなければ…と思いました。

彦根で早めのお昼を食べ、滋賀県を代表する風景である琵琶湖をゆっくりとドライブして、大津方面を目指します。途中の草津には4年前、娘が転勤で1年半ほど住んでいたところなので、その頃には何とか1度は行きたいと願っていた町ですが、娘がいない今は特に行っても仕方がないところです。やっぱり琵琶湖は思った以上に大きく、車でドライブするだけでもかなり時間が掛かります。琵琶湖から流れ出る瀬田川にかかる「瀬田の唐橋」を見たら、琵琶湖の観光を終えて大阪の泉大津に向かおうと思っていたのですが、情けないことに瀬田の唐橋に行く道を1本間違えて曲がってしまい、戻れなくなってしまったうちに時間もどんどん過ぎて時間切れになってしまったため、結局瀬田の唐橋には行けませんでした。いずれにせよ、滋賀県は宿泊もしていないし、もう1回は必ず来る必要がありますので、次回の楽しみにすることにします。

関西の高速道路は道も良く知らず、乗った経験も殆どないので、私的には大きな鬼門の一つでした。大阪の泉大津港は大阪中心部より南の方にあり、高速道路網が張りめぐらされている大阪圏ですから、琵琶湖付近からでもいくつか行き方があるようなのですが、阪神高速で大阪の中心街を通るルートだけは避けたいところです。ところが不安が的中し、ナビは当然のように大阪市内のど真ん中を通るルートを示すので、とりあえず途中のパーキングに車を停め、スマホでルートを何回も確認して、ナビの指示を無視して大阪中心街を迂回した道を走ります。
お陰で何とか大阪市内の中心街の複雑なルートは避けられたのですが、この時間帯に非常に強い豪雨が大阪を中心に降っていて、慣れない高速道路なのに数メートル先すら見えない状況になり本当に怖い思いをします。私はスピードを60キロ以下に落として慎重に走りますが、慣れたトラックはこんな視界でも100キロ以上のスピードでビュンビュンと追い抜いて行きます。
本当に、この半年間で最大の恐怖の30分でした!!

何とか泉大津港に着く頃には雨は止んでくれて、予定通り1時間ちょっと前には無事にチェックインが完了します。さすがに出来てまだ半年経っていない船”ひびき”は、何もかもが新しく期待通りの船でした。
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何より良かったのは駐車場と同じフロアに船室があるので、階段・エレベーターに乗らずマイカー⇒船室に行くことが出来ます。レストランはかなり安いメニューもたくさんある居酒屋のようなお店を想像していましたが、実際はカフェテリア式の食堂のような感じでしたが、他の船のバイキングよりは安くつくので贅沢は言えません。

船は瀬戸内海を航海するので、淡路島通過時間予定時間や瀬戸大橋通過時間などが掲示されていて、その時間まで起きて外を眺めていたらきっと良い景色が見られたのでしょうが、それをしてしまうと、門司に朝6時に到着した後の明日1日が大変なことになります。ということで、眺めを楽しむのは次の機会に回すことにして、いつものようにいち早く眠りに着くことにしました。
新しく大きな船でゆっくりと眠りに落ち、船酔いすることはありませんでした。