麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

13.日本一周達成!<その2:京都(後編)>

 
2日目:12月1日(木)

昨晩、早く寝た分いつものように早く目が覚めてしまうという、毎度の老人的な起床です。
昨日はホテルの部屋の窓を開けて外を見る余裕すらありませんでした。そういえば京都駅内のこのホテル、「運が良ければ部屋から新幹線のホームが見える。」と何かに書いてあったのを思い出してカーテンを開けてみると、確かにすぐそこには新幹線のホームが見え、鉄ちゃん魂を大いに揺さぶります。
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今日も引き続き、京都市内を楽しむことにしています。今日は人気の嵯峨野トロッコ列車保津川の舟下りを楽しめる定期観光バスを予約しており、その定期観光バスは京都駅発なので、その意味でも駅ナカのホテルはベストなのです。

トロッコ列車はその予約が取りにくいことでも有名で、予約を取るには1ヶ月前に旅行会社に行かなければなりません。埼玉や東京の旅行会社では、滅多にこのトロッコの個人予約をすることはないので、担当にあたった窓口の方にしてみれば、マニュアルを見ての慣れない予約も面倒だし、おまけにこの列車の単価はすごく安いので、手間ばっかりで儲からないし… と、招かれざる客になるのが昔の経験上100%確実なのですが、当日の予約では、立ち席になるか最悪乗れないこともあるので、何らかの手間のかからない手段で予約はしておきたいところです。
おまけに、トロッコ列車の終着駅と保津川下りの船の発着場所は近いとは言え歩くことはできません。馬車もあったりタクシーもいるようなのですが、何となく乗り継ぎも面倒そうです。

その点、この定期観光バスをポチっとネット予約すれば、トロッコ列車保津川下りも自動的に予約が完了するのです。観光バスのスケジュールでは、保津川下り後に嵐山で2時間のフリータイムがあり、渡月橋や今年のJR東海の紅葉CMの舞台になった天龍寺も見られるので、バスの値段は1人1万円近くと決して安くはないけれど、利用価値は高そうという判断です。(船下りとトロッコ列車だけでも、普通に買ったら@5000円はします。)

昨晩泊まった京都駅ナカのホテルでは、宿泊者には無料でコインロッカーを使わせてくれるので、バッグ+リュックまで預けてすっかり身軽になり観光バスに乗り込みます。

紅葉のピークは過ぎているとは言え、このトロッコのコースは大人気で、この日も平日なのに二台での運行です。満員のバスはまず市内を抜け、1時間後のトロッコ列車を目指します。
たった25分のトロッコ列車ではあるものの全席指定席で、バスの中で座席指定を配られます。
10時発のトロッコ列車、すでに前の列車の混雑でやや遅れているらしく、数分遅れでの到着です。
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トロッコ列車は予想通り満席で、立っている人も多くいます。「眺めはどっちでも見られますからご安心ください。」とバスガイドさんは言い、確かに最初は我々が指定された左側に保津川の流れとややシーズン終り感満載の紅葉が展開します。
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景色は途中から右側に移り、その後の左側の景色はずっと単調。次に来るとき座席が指定できるのであれば、絶対右側にしようと思った瞬間でした。
呆気なく25分でトロッコ列車を降りると、小雨が降っています。そう、今朝の天気予報では関西でも京都だけが”曇り時々雨”。でもこの旅で雨に降られたのはこの駅でバスに乗り換えるこのタイミングだけでしたので、やはり我々はラッキーでした。

意外と遠かった船下りの乗り場までは朝とは別の貸切バスで移動します。「トロッコ列車のお客様を、前のバスで追いかけるのは時間的に無理。」なのだそうで、そうするとこの定期観光には2台の貸切バスを手配する必要があるのですから、そのコストを考えても定期観光バスが暴利ではないことが頷けます。

2台口のバスの乗客は、5艘ぐらいの船に分かれ、いよいよ保津川下りのスタートです。
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この保津川下り、急流をこぎ手3人で二時間近く船を操るので、今までに乗った熊本の球磨川や埼玉の長瀞の急流下りに比べても随分とスリリングで、乗り応えはMaxです。
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時折、本当に急流のところではスリル満点で、右端に座っている私はその都度かなり水しぶきを浴びます。
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横を走るのは、さっき乗ってきたトロッコ列車の線路。トロッコ列車とすれ違う時には、お互いに手を振りあいます。
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紅葉はもう終りの季節でしたが、それでも時折、美しい紅葉を眺めることができます。
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三人のこぎ手は、前と後ろで漕ぐ人と、進む位置を修正する役割を何度か交代しながら進みます。案内も関西風にユーモア溢れた掛け合いもあり、"2時間は、ちょっと長いかな?"とも思っていましたが、全然そんなことはありませんでした。
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ようやく嵐山に着いてフリータイムが始まったのは1時頃。観光客で大混雑の嵐山では、ピーク期間中は2時間あっても食事ができない人が続出するらしく、バスガイドさんは行きのバスの中で「昼食難民にならないように」と必死に万一の時の非常手段を説明していましたが、ピーク過ぎのこの日は渡月橋に近いごく普通の洋食屋さんに並ばずに入ることができました。

昼食後は、まず久し振りの渡月橋を往復。紅葉は終わっていたけれど、ここの風景は何回見てもいいものです。
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バスの乗客の皆さんの興味は天龍寺だったようですが、我々の興味はすぐ近くの宝巌院。もう紅葉が殆ど終りの天龍寺のすぐ近くでありながら、まだ紅葉が楽しめるという情報を得ていた故です。(今日のバスガイドさんは、一言もそんなことは言わなかったけど…)事実、宝巌院は美しかった! 昨日行った永観堂と甲乙つけがたいほどのギリギリ最後の紅葉で、散りもみじの風情とともに素晴らしい眺めでした。
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昼食にあまり時間を使わなかった分、天龍寺を見る時間もまだあります。いくら紅葉が終わっているとは言え、ツアー代金には天龍寺の入場料は含まれているし、何といっても世界遺産です。
JR東海のCMで散々見た紅葉の風景はありませんでしたが、世界遺産と池の風景は全くそのものでした。
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CMで使われた紅葉の風景は確かに終わってはいましたが、その周辺を散歩すると、あちこちにまだ紅葉はたくさん残っています。
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ちょっとだけ見るつもりの天龍寺でしたが、意外に見応えがありました。

天龍寺の奥には竹林もあり、周辺をゆっくりと観光したかったのですが、ぼちぼち3時20分のバスへの集合時間が迫っています。このバス、後は京都駅に帰るだけなので、別にこのバスに乗る必要もないので、「連絡さえしてくれれば、戻って来なくてもいいですよ。」とバスガイドさんからも戻って来ない人がいる想定で案内があります。我々も戻ろうかもう少し嵐山のお店やさんでのんびり見ようか少し迷ったのですが、途中、同じバスに乗っていたお年寄りから、「バス、こっちでしたっけ?」とまるで添乗員のように頼られたので、「こっちです。一緒に行きましょう。」と言わざるを得なくなってしまい、結局時間前に集合時間に戻ることになりました。でも、皆さん意外と真面目と言うか律儀で、結局集合時間前にはほぼ全員がバスに帰って来ていました。

京都駅で無料のホテルのロッカーから荷物を出して、今晩の宿である祇園にある料理旅館に向かいます。
京都を日本一周のゴールに考えていた時には、京都でも有名な純和風の名旅館に最後の宿泊をイメージしていたのですが、まだ最後の宿泊ではないので、一泊数万円までは出せません。とは言え、今回の旅ではまだ京都の美味しい料理を全く味わっていないのと、実はこの日12月1日は32回目の結婚記念日なので、ゴールの日ほどではないにせよ、少しは贅沢したいと思い、八坂神社そばの料理旅館の”記念日プラン”を数ヵ月前から予約していました。元気が良ければ夕食後にすぐ近くの高台寺のライトアップを見に行こうと目論んでもいました。
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料理旅館という名前に恥じずに、どの料理も京都らしい素晴らしい味でした。鍋のところで、”まる鍋”つまりすっぽんが出てきたことに妻は感激してくれたようです。最後のサプライズにホールケーキが出て来て、結婚記念日のセレモニーも無事終了。ケーキまでとっても美味でしたが、さすがに全部は食べられませんでした。

夕食に満足して、ほろ酔いの老夫婦にはもういくら近くでもライトアップ観光に行く元気はありません。早々に床についてしまいました。

3日目:12月2日(金)

旅館からほんの数分歩くと八坂神社、さらに少し歩くと円山公園があるのは地図を見て知っていましたので、早起きの老人は贅沢な朝の散歩で両方に行くことを考えていました。
私は5時半頃にはもうスタンバイ完了だったのですが、この時期の京都の日の出は6時45分頃なので、時間を潰してようやく6時半頃に散歩を始めます。
まだ朝が明けないうちに八坂神社で参拝を済ませます。
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朝の紅葉を眺めながら、八坂神社を隣の円山公園までぶらり。
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円山公園では地元の人たちがラジオ体操をやっていてます。いずこも同じ風景ではありますが、何をやっても絵になる場所(京都)には、そうでない場所(例えば、埼玉)はどうしても歯が立ちませんね!?円山公園の景色を愛でながら散歩を続け、至高のひとときです。
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公園の奥には坂本龍馬中岡慎太郎の像があり、もみじでおめかししています。
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そういえば、龍馬たちが暗殺された近江屋は確かこの近くだったような記憶が…

朝食を食べ、京都旅行の荷物を我が家に送り返して、大満足の料理旅館を後にします。京都の最後の観光として、昨晩ライトアップに行かなかった高台寺に向かいます。
高台寺ですが、昨晩行かなくて正解でした。予想以上に坂が多く、暗い中を歩くことは私にとってはかなり危険で、ほろ酔いで来ても恐らくは引き返していたであろうと思われるからです。
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秀吉の妻ねねゆかりの高台寺で、この旅最後の京都の紅葉を満喫しました。
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次はいよいよ日本一周最後の地、大阪です!