麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

【2020年桜紀行① 稲取温泉と河津桜】

 正月明け、不満たらたらで湯西川温泉から自宅に帰りついた時に、伊豆のお気に入りの旅館から季節の便りと豪華宿泊プランの案内DMが届いていました。基本DMなどには釣られない私なのですが、この時は湯西川で受けたあまりに酷い対応に、半日以上経っても夫婦共々怒りが収まらなかったため、妻は「やっぱり、このレベルの宿に泊まらないとダメだよね! 早速、行こうよ!」と、しきりに湯西川のリベンジに行きたがります。でも、これからはGWの旅行に向けて資金を貯めないといけないので妻を説得にかかりますが、「じゃぁ、この宿の宿泊代は、私が払ってあげる!」とまで仰るので、妻のへそくりにお世話になることを決め、喜んでお言葉に甘えることとしました。その日のうちに休めそうな月曜日に当たりをつけ、2月16日(日)の予約を完了。
2月の伊豆と言えば何と言っても河津桜、我々は5年前前の会社退職寸前に河津桜と今回と同じ稲取温泉を訪ねていますが、あの頃は無職になる恐怖が徐々に始まっていたので、旅館は某有名旅館の姉妹館にリーズナブルに泊まっています。

また、3月のJRダイヤ改正で何回もお世話になった特急「スーパービュー踊り子」が廃止になることが発表されていたので、"スーパービューラスト乗車の旅"も楽しむことにします。ラスト乗車ならば、まだ乗ったことがない大宮始発のスーパービューに乗り、日曜日なので混むことは覚悟の上でこの日のうちに河津桜を楽しんでからお気に入りの宿に向かうプランを立て、列車も予約。昨年に続きグリーン車で行くことも考えましたが、JR代は家計負担と妻とは交渉妥結しており、GWの旅行に向けて我慢です。
河津桜祭りは2月10日から約1ヶ月の開催。さすがに2/16では桜は少し早いかな? と危惧していましたが、桜の開花状況をネットでチェックすると、今年の河津桜はお祭りが始まる前から既に満開のようで、桜の開花よりも日曜日の混雑の方が気になります。
ところが、出発日が近づくに連れて日曜日の天気予報が徐々に悪化し、前日には”終日、ずっと雨” の予報に変わったので、大宮からのスーパービュー乗車を諦め、日曜日は行くだけにして、河津桜の見学は天気予報は曇りの翌月曜日にしようと、JRの予約を何とか変更することができました。スーパービュー乗り納めの旅なので、前日の変更でもちゃんと往復共スーパービュー踊り子を確保します。

1日目:2月16日(日)

以前、世間では"金正日の誕生日"で認識されていた2月16日。でも私にとっては10年前に天国に召された母の誕生日でもありました。昭和2年生まれの母は生きていれば93歳かな? なんてことを考えながら、墓参りよりも伊豆の温泉を優先する親不孝な息子を詫びます。(さすがに、こんな親不孝にももう慣れたかも?)
雨の中、最寄り駅から東京駅まではいつも通りグリーン車を奮発。でも、来た電車は雨のせいか珍しくガラガラで、普通車でも余裕で座れた感じ。この旅最初の無駄遣い?
東京駅で駅弁を仕入れ、1時発のスーパービュー踊り子に乗り込みます。

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今日の宿はとにかく料理がメインで、ホームページにも"昼食は軽めにして、来て下さい。"と堂々と謳っています。確かに自信がなければあそこまで書けないと思いますが、その言葉に嘘偽りがないことは、過去2回の訪問で証明済みなので、見た目はさほど多くない弁当を選んだつもりでしたが、いざ相棒のビールと共に食べると、意外なほどボリューミーなお弁当だったのでいささかびっくり。
最後の伊豆までのスーパービュー踊り子、前日の乗車変更でもしっかりと海側のA席を確保していましたが、生憎の雨で景色は全く楽しめません。淋しいラスト乗車ではありますが、伊豆への列車がなくなる訳ではないので我慢です…
伊豆稲取駅で下車し、今日のお宿のお迎えのバスに乗車。バスに乗るやいなや早速暖かいおしぼりが供されます。さすがはサービスも一流の高級旅館!

今日泊まる宿の名は、「食べるお宿 浜の湯」。2018年の正月の静岡県の旅で泊まって(記事はこちら)以降、すっかり気にいって今回が3回目の宿泊です。

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(写真は雨が上がった翌日朝の写真です!)

名だたる名旅館がある伊豆半島において、この旅館を知った後には他の温泉旅館に行く気がしなくなったくらいに気に入った宿なのです。(自分的には最大限の賛辞のつもりです。)
この宿の素晴らしさはいくつもありますが、何より夕食と朝食が最高!大型旅館ではありますが、我々が毎回選ぶプランは夕食も朝食も部屋食なので、他のお客さんとはお風呂でしか顔を会わせません。そのお風呂も露天風呂も広いので、さほど混み合うこともなく、雄大な海と伊豆大島が見渡せる露天風呂はとにかく快適なのです!(写真をお見せできないのが、本当に残念!)

いよいよお楽しみの夕食。この宿に泊まるたびに食べ過ぎてしまうので、この日は夜も朝も胃腸薬を飲んでから美味しすぎる食事に挑みます。夕食と朝食は部屋でいただきますが、毎回、担当者がしっかりとついてくれて、絶妙なタイミングで一つ一つのメニューとお酒のお代わりを待たせることもなしに配膳してくれます。勿論、一品一品の説明も完璧。今、思い出すだけで改めてよだれが出てくる程。

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この、前菜からスタート

いつも伊豆らしい美味しいメニューが山ほど出るのですが、今回のメインを少しだけ紹介すると
・お頭付き伊勢エビのにぎり
・鮑のウニ焼き

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この2品が、今回選んだコースの一押しのメイン料理!

・舟盛り

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This is "浜の湯"その1

・キンメの煮付け

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This is "浜の湯" その2

味はどれも、期待を上回る旨さ。他の旅館の料理は確かに旨いものもあるけれど、そうでもないものもそれなりにあるので、そうでもないものを少しづつ残して量を調整するのですが、この宿には厄介なことに"そうでもないメニュー"が存在しないので、結局あの凄いボリュームの料理を妻共々完全完食してしまうので、胃腸は当然の如く音を上げます。今回も、最後の釜めしデザートも完食して、残したのは舟盛りの”刺身のつま”ぐらいでした!(自分でおろした伊豆名産のわさびすら、殆んど完食したぐらいですから…)
食事が終わったときには、我々はボディを打たれてノックアウトされたボクサーのよう。ただただ、お腹を押さえて幸せの余韻をいつまでも楽しんでいました。

2月17日(月)

宿の部屋と露天風呂からは、伊豆大島から昇る朝日が見えるのですが、日の出の時間の露天風呂はそれなりに混むので、私はいつも5時代のお風呂を殆んど貸切状態で楽しみます。朝から、アクティブに活動してお腹を空かせておかないと、美味しい朝食が入らなくという理由もあります。

お風呂から上がって、部屋のバルコニーから朝陽を待ちます。海の向こうには伊豆大島が見え、初めて来たときから「次は、伊豆大島行くぞぉ~!」と毎回誓っているにもかかわらず、まだ実現できていない自分の実行力のなさに情けない気分になってしまいます。

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大きく見える伊豆大島三原山

この日の伊豆は予報通り曇っていて、残念ながら朝日は見えませんでした!

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我々はこの宿では毎回バルコニー付きの部屋を予約しています。前回はGWだったので朝食は海を見ながらバルコニーでいただきましたが、さすがに2月にはまだ寒くってバルコニーでの朝食は無理です。次回は暖かい時に来たいものです。

再び胃薬を飲んだ後には、お楽しみの朝ごはん。

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朝からビール! の至福の瞬間

この宿の朝食には、なんと朝からまた舟盛が出るのです!

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これも、朝食なのです‼

朝の舟盛は、夜ほどの量ではないけれど、それでも普通の旅館で出る夕食時の刺身よりは多いくらいの種類と量は平気で出ます!初めて来た時には車で来たので、この至福の朝食の時にはビールが飲めずに悔しい思いをしたので、今回も勿論朝からビールが相棒です!

でも、夕食同様とにかくすべてのおかずが美味しいので、ビールの後でもご飯をお代わりして、朝食もやっぱり完食。特に、伊豆の朝ごはんの定番中の定番であるアジの開きと海苔の佃煮が絶品でした!

本当に満足して宿を後にします。今回の旅は、そもそも「あまりに悔しかった湯西川温泉のリベンジ」として計画したものでしたが、この段階で湯西川の事なんてすっかり忘れてしまいました!

さて、本日は河津桜を楽しんでから最後のスーパービュー踊り子に乗る行程。伊豆稲取駅に送っていただきましたが、各駅停車の下田行までは時間があるので、稲取の駅前をぶらり。駅前の”稲取名物のつるし雛”のお店に入りますが、つるし雛は意外と高価で、いいなぁ~と思うものは数万円もします。でも、間もなくひな人形の時期でもあるので、一番安いつるし雛を1歳の孫娘へのお土産に購入。やはり、”爺バカ”ですね!?

伊豆急下田行の各駅停車は、都内の朝のラッシュ時に近いくらいの大混雑。地元民らしい人は少なく、予想通り大半の観光客らしき人は当然のごとく伊豆稲取の2つ先の河津駅で下車します。階段の渋滞はこんな感じで、朝の都内の駅並み??

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コインロッカーに荷物を預け、河津桜鑑賞の開始です。河津川沿いの見事な桜は予想通り満開です!

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凄い数の観光客は予想以上、今日は平日の月曜日なのに… もし、昨日雨が降らずに日曜日予定通りに河津を見学していたら恐らく凄いことになっていたのでしょうね? 昨日雨でこの日程に変えて大正解だったのかもしれません。

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帰りは、3時間半後に河津駅を出るスーパービューを予約していましたが、桜を見ながらのんびりと歩いていると地元民向けのアナウンスがあり、「人身事故が発生し、伊豆急行は当面動きません!」とのこと。帰りの電車が心配になりますが、とりあえず予定通り上流に向かってのんびりと散策。上流に行くに連れ、人の数は徐々に少なくなってきます。

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桜と菜の花のコラボレーションも、本当に素敵です!

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2月中旬にして、桜は既に満開! というより、一部の桜ではもう葉桜が始まっているようです。長く楽しめるのがウリのはずの河津桜ですが、3月まで持つのかどうか、ちょっとだけ心配になってしまいます。

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のんびりと1時間ほど散策してから、今度はゆっくりと駅に向かって戻ります。食事の時間だったのですが、朝食を本当にたくさんいただいたので二人とも昼ご飯を食べる気になれず、私はビールとたこ焼きでお昼を済ませます。

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駅に戻ると、予想通り駅は大混乱中。でも何とか”帰りのスーパービューは、約1時間遅れ”ということが判り、駅前の喫茶店で時間を潰し、更に余った時間で私だけ駅近くのカメラマンが大勢待機している撮影スポットの端に場所を確保して、”列車と桜”の写真を撮るために列車を待ちます。

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30分程度で何本かの列車を撮影することができ、特に最後のスーパービューの写真を河津桜と一緒に撮ることができたので、1時間の遅延も大変ありがたい結果になりました。

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さようなら。スーパービュー踊り子

河津駅もホームに人が溢れんばかりの大混雑。反対側のホームには成田エクスプレスの車輛を転用した特急が停まっている中に、最後のスーパービューがやってきます。

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ガラガラだったスーパービューは河津駅であっという間にほぼ満席に。さすがに最後は海側のAB席は確保できずに山側のCD席でしたので、スーパービューとの最後のお別れの盃を酌み交わすうちに、熱海につく前にあっという間に眠りに落ちてしまい、気がついたら品川のビル街でした。

大満足の2日間のレポートをこれで終了します。でも、別の心配事がさらに増えてしまいました。今年のGWは、数年前から念願だった弘前を中心に東北の桜を見に行く予定で既にホテルの予約も完了していますが、日本中どこも桜の開花が早く、GWには楽しめないのでは…? という心配です。
結果がどうなるかは、5月のレポートでご報告します。