昨日、母親の三回忌を家族だけでささやかに行いました。
母が亡くなったのは一昨年の１２月１５日。６年前にガンの宣告を受け、我が家で同居しながら抗がん剤などで治療を続けていましたが、一昨年２月からはずっと入院状態となり、１２月に治療の効果むなしく享年８２歳で旅立ちました。
本人はガンの告知時から覚悟をしていたようで、入院した頃からは「早く逝かせてほしい」などと言っておりましたので、まぁ、幸せな最後だったと思います。
父親の死に目に逢えなかった私は、母親の最後には立ち会いたいとずっと願っていました。一昨年１２月１５日、前日主治医からの呼び出しがあったので、午後に会社を抜け出してアポイントの１６時に自宅の目の前にある母親の入院先に行きました。
主治医からは、予想通り「年を超えるかどうか…」という宣告を受けて、そのまま本人の病床の横でしばらく眠っている本人の横に１時間以上ぼんやり坐っていました。
その間… 「虫の知らせ」というのか、何故か昔の母親との思い出をずっと思い出していました。
私が中学生になって、訳あって母親と２人だけの暮らしを始めた時に、貧乏でしたが月に１回、当時我が家にはとても贅沢な３８０円のハンバーグステーキ定食を食べたささやかな楽しみ。
会社に入ってから、母親の初ヨーロッパ旅行と私の海外出張の日程がたまたま重なり、偶然にもウィーンに同じ日に滞在することが分かったため、母の参加するツアーの添乗員にお願いして、昼前に母親をホテルに迎えに行き、ウィーンに数少ない高級レストランで親子で豪華ランチを食べたこと…。
（そこはグルメではないドイツ語圏の国。味はイマイチだったのも思い出です。）
この昼食のことなんか、ここ何年もずっと忘れていたのに… ひょっとしたら母親が「人生最期の走馬灯の記憶」を思い出していた時に私にもテレパシーが来て、思い出を共有していたのかもしれません。そういえば確かに母がちょっと微笑んでいたような気が…
６時半過ぎに心臓に直結していた医療機器が突然鳴り出し、看護師・医師がすぐに来たものの、苦しむことなくそのまま安らかに息を引き取りました。
「皆に見守られて」という訳にはいきませんでしたが、私は希望通りしっかり見送ることができたわけです。
（ちょっと湿っぽい話になってすみません）
私が脳卒中で倒れたのはその半年後。みっともない姿を母に見せずに済んだことは、「不幸中の幸い」で神様に感謝しなければなりません。
なので昨年の１周忌は私の病院退院直後、まだ法事を取り仕切るどころか自分で墓まで行くのが精一杯でしたので、母の兄弟などの親戚に断った上で、一周忌は家族だけでささやかに執り行いました。とは言え一応お坊さんは手配して、お経だけはあげてもらいましたが。
今年は２年目ですが、３回忌なのだそうです。毎年行うのもちょっと釈然としませんが、今年からは数えでやるので「周忌」ではなく「回忌」になり、数えで３年目になるので３回忌なのだそうです。
１周忌ができなかった分、３回忌ぐらいは兄弟を呼んでやろうとも考え、親戚にも相談したのですが、母親の妹と弟は母より若いとはいえ間もなく８０の大台に手が届く年齢です。特に冬場の行事については、ちょっと体も辛いということで、仮に３回忌を行っても、親戚の皆さんにご負担を掛けることになります。
結局、３回忌も二人の孫（＝子供）に集合を掛けて、家族だけで行うことにしました。
昨年、１周忌はお坊さんを呼んでお経をあげていただきましたが、２０分程度のお経で数万円のお布施は今の家計には大変痛い出費です。
この日のために長女は新幹線で滋賀から帰ってくることもありますので、本来ならお経をあげないというのはルール違反なのでしょうが、節約好きな母だったので許してくれるかな？と思い、とりあえずお経をあげずに「家族全員集合で墓参り」を３回忌の行事に変えることにさせていただきました。
昨日は朝から生憎の雨模様。おまけに朝から宇都宮線が事故で止まっており、始発の新幹線で来た娘も大宮で足止めです。
ようやく娘と息子が集合したのが昼少し前、まだ雨は上がっていませんのでタクシーを呼んで家から車で１０分程度の公園墓地に向かいます。
まだ雨はザーザー降っており気温も低く、吐く息が白くすっかり真冬の気候です。
思えば四十九日の納骨の日も雪が降っていて、これ以上に寒い日だったのを思い出します。
（因みに２月１６日の雪の日に生まれたので、母の名前は雪子。葬式の日も小雪が舞い、納骨の日も… 最後まで雪に縁の深い人でした。）
こんな気候の日にお経を頼まなくてよかったと、ちょっと安堵しました。
我が家の墓守は勿論健在、雨の中けなげにお墓を守っていました。
お墓参りの後には、久しぶりに家族４人で昼食。久しぶりに焼肉を堪能しました。安楽亭チェーンのちょっと高めのお店「七輪坊」。息子はグビグビと生ビールを飲み、私はオールフリーで乾杯です。
久しぶりにお腹いっぱいに焼肉を食べ、クッパまでお腹いっぱいにいただきました。
（そのせいで写真撮るのをすっかり忘れました！）
年末が忙しい娘は、日帰りでの帰郷です。午後ちょっと寛いだら、滋賀へと帰っていきました。珍しく土日連休の息子は、ビールを飲みながらＴＶを見ています。
ところで今日は昨日とは打って変わっての晴天！
家からも富士山がきれいに見えます！
