麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

北海道ドライブ紀行2014 <その④:富良野・熱気球体験>


この日は朝5時に目覚ましをセットして床についていたのですが、この旅行中は早ければ夜8時・9時台には爆睡が始まってしまうものの、3時台には北海道の早い朝はしらみ始めるのですが、この頃には目覚めて、その後は再び眠りにはつけずベッドの中で何となく今日の行動を考えながら朝が来るのを漫然と待っているのが日常でした。

なので朝目覚ましをセットして就寝したのは結局この日のみでしたが、この日は多少高くっても新富良野プリンスホテルに泊まって、どうしても朝に体験したいアクティビティがあったのです!

そのアクティビティとは「熱気球体験」。ホテルのHPでこのアクティビティを見つけてからは、自分の高所恐怖症を棚にあげて、「富良野では、この熱気球に乗ってみたい!!」と強く念じるようになったのです。

勿論、高所恐怖症の私が「乗りたい!!」と思うアクティビティなので、本格的なものではなく、ある程度「子供騙し」的な内容です。気球は移動せず、同じ場所で上昇して降りるだけですし、上昇するのも50メートルは上昇しないと思います。乗っている時間も僅か五分程度だそうで、何よりも安全最優先なので乗る気球にはロープが付いているのです!! 
そんなアクティビティなので、料金も1人2500円と手頃で、まさに高所恐怖症の私にはぴったりの手軽なアクティビティに思えたからなのです!!

気球のフライト(こう書くと、少しは本格的みたいでしょう!?)は風の吹かない朝(と夕方)で、それでも実施の確率は50%程度しかないようなので、予約は一切受け付けず実施当日にホテルの広大な敷地の中の開催場所に行けばいいのだそうです。
催行実施判断タイムの5時半に、ホテルのフロントに電話を掛け、実施を確認します。(でも、実施と決まっても風が強くなったら中止もあり得るのだそうです。)
電話に出たフロント氏は、何となく歯切れが悪そうに、「実施することはするみたいです。」との回答です。
「よし!!」と、集合時間の6時~7時にはまだ全然早いけれど、ホテル内とはいえ会場までは普通の人なら7分(つまり、私たちなら10分以上)はかかるらしいので、朝の散歩もかねて早めに部屋を出ます。

外に出て、フロント氏の歯切れの悪さが納得できました。外には霧雨が降っていたのです!! 傘も持っていない我々でしたので、妻は「どうするの?行くの?」と目で問いかけて来ますが、私の熱気球に乗るという強靭な意思は、こんな霧雨程度で揺らぐことはありません。妻の問いかけには気づかない振りをして、一歩一歩ゆっくりと着実に歩を進めて行きます。
幸い、雨は会場に着く頃までにほぼ止んでくれました。
これ以降、我々がこの1週間の間に雨に遭うことは全くありませんでした!

ホテルの敷地内、どう考えてもゴルフ場の中を、地図を頼りに歩き続けます。
ゴルフ場… 四年前ゴルフ中の昼食時に脳卒中を発症し、クラブハウスから救急車で病院に搬送された私にとっては、間違いなく四年振りに歩くゴルフ場です。
でも、ゴルフ場にしてはマーク・標識などゴルフに必要な施設がありません。「何でだろう?」と後で聞いてみましたが、この場所は「元ゴルフ場」とのこと。
何となく納得しました。

熱気球の会場はストレートなミドルホールの広いフェアウェイの真ん中あたり。勿論、まだ6時前ですので、我々が一番乗りです。
四年ぶりのナイスショットの時のように、フェアウェイの真ん中を堂々と歩きますが、会場では気球のスタッフがせっせと準備をしています。
そう、まだ空気が入っていなくてぺしゃんこの気球を膨らましているのです!!
DSC_0175.JPG
貴重な経験なので、しばし準備をゆっくりと見学します。まず、気球に空気をいれて膨らませ、次には中の空気を熱して上昇できるようにするようです。
DSC_0180.JPG
(膨らんでいる途中の気球)
DSC_0183.JPG
(ようやく、空を飛ぶ感じになりました!)

ボチボチ準備が整いましたので、待望の受付が始まります。
当然、我々夫婦は一番乗りでしたので、受付も一番です。
ホテル内のアクティビティとは言え、ホテルの主催ではなく富良野のアクティビティ会社のメニューであることは、事前にその会社のHPで知っていて、その会社のHPで@300円の割引クーポンをGETしていた我々は、二人で4400円也で受付を済ませて、いよいよ気球への搭乗です。

でも、いざ搭乗の段になると、気球の我々が乗る籠のような場所が、非常に高く足を思いっきり上げないと乗れなそうで、俄に不安が広がります。
事前にこの会社に、「足が悪いのですが、乗れるでょうか?」とメールで問い合わせをしていて、「お手伝いするので、大丈夫です。」という返信を貰っていたので、安心しきっていたのです。でも、もうお金も払ってしまっているし、今さらやめる訳にはいきません。
なので、メールで通りにスタッフの方に手伝っていただきました。
私の巨体を男性二人にほぼ担ぎ上げて貰って、何とか気球に乗ることができました。

気球のバスケットのような人が乗るスペースは、数人が何とか立って乗れる狭さです。我々のフライトは、我々夫婦と赤ちゃんを抱いた若年夫婦に気球の操縦士さんの5人(+赤ちゃん)。何とか全員乗れた後には、ファーストフライトなのでもっと空気を熱することが必要らしく、下から何度か炎を噴出し、最後のスタンバイをします。
DSC_0190.JPG

その後、操縦士さんから「では、出発します。」という言葉を合図に、気球はふわりと意外と早く上昇を始めました。

そんなに高く上がるったわけではないと思います。下にいる順番待ちの人たちを見ると、こんな感じです。
DSC_0199.JPG

気球からは森の中に、我々のホテルであるプリンスホテルが見えます。
DSC_0216.JPG
反対側には十勝岳などの山並みが見えるはずなのですが… あいにくの曇り空です!
DSC_0211.JPG
 
フライト中には操縦士さんはいろいろな話をしてくれたのですが、正直周りを見るのに夢中で、あんまりよく覚えていませんでした。唯一覚えているのは、「冬はもっといいですよ!今度は是非冬にいらっしゃい!!」という、学生時代「冬の北海道フリーク」だった私をゾクゾクさせる、甘い誘惑の一言です。

五分のフライトがたった一瞬に感じられるほどの、興奮のひとときはあっという間に過ぎてゆき、気がつけば残念ながら地上に着陸していました。

でも、籠から降りる時は乗るときよりずっと大変でした。
熱気球は、全員が気球を降りると軽くなって浮き上がってしまうようなので、我々が降りるより先に次のお客さんを乗り込ませて、飛んでいかないように重量を確保するようなのです。狭い籠はあっという間にラッシュアワーの山手線のさながらの凄まじい混雑になります。
この状態で、足が悪い私が脱出を企てるのですから、笑っていられない状況になるのです!!
満員電車の中で人を助け出すような状況ですから、乗るときの二人のスタッフでは如何ともしがたく、結局三人のスタッフに次のフライトに乗る人(一般のお客さん)にまで手伝っていただいて、何とか何とか降りることができました。
正直、ひやひやモノの数分間でした。

我々が載ったのはファーストフライトだったので、上がっている状態の気球を見るのは降りてからが最初でした。
DSC_0217.JPG
空高く舞い上がっている気球を見ながら、「我々もこの気球に乗ったんだぁ…」と改めて思うと、忘れていた高所恐怖症が蘇ってきて恐怖感でゾクゾクっとしてしまいました。
DSC_0218.JPG

富良野に来た最大の目的である熱気球に乗ることが出来て、一日分以上の観光が終わったような気分になりましたが、時計を見るとまだ7時前です。
今から朝ごはんをいただいて、いよいよ待望の美瑛の観光に出発です!
ホテル入り口で靴にべったりと着いた芝を、ゴルフ場には必ずあるエアガンで丁寧に落とします。
そういえば、病気で倒れた時にハーフを終えてエアガンを使って以来でした!

今回は、一旦これで投稿させていただきます。