麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

春を感じる旅<伊豆・箱根>その②


2月23日(月)

この日の朝は、激しい雨音で目覚めました。昨日夕に本格的に降り始めた雨は、カレンダーが変わっても降り続いているようです。
気を取り直して朝風呂に向かいます。今朝は、いなとり荘にもう一つある大型温泉棟にある「メゾネット風呂」にチャレンジです。メゾネット風呂、名前で嫌な予感はちょっとしていたのですが… 予想通り中に階段がある二階建てのお風呂になっていて、装具をつけずに入浴する私は、階段の片方にしか手すりがないこともあり、上階の湯船には行けそうにありません。下のやや狭い浴槽で満足することにしました。
オーシャンビューの浴槽から海を見下ろすと、激しい波がひっきりなしに打ち寄せていて、おまけに風も強そうです。引き続き雨は降り続いていて、今日の観光への不安が徐々に広がります。部屋に戻っていつもの朝のように「あさチャン」にチャンネルを会わせると、「雨は午前中まで」といつもの気象予報士の尾崎さんが、元気に仰ってくれているのですが…

朝食も昨日と同じ食事処でいただきます。高級旅館の場合は夫婦二人だけでも個室や区切られたスペースでの食事が多いのですが、ここペスカードいなとりでは少人数の人たちは昨晩の夕食も今朝の朝食も、スペースが十分にある一緒の広間で食事をいただきます。
久しぶりに他のお客さんの同じ顔を2日連続で見て、全く会話もしていないのに何故だか親しげに挨拶したくなりました。
不思議な感覚ですね!?

朝食でもチョイスがあり伊豆名物のキンメか、伊豆の朝の定番であるアジの開きかハムエッグかの選択です。伊豆の朝ごはんと言えば「アジの開きに決まり!」のはずなのですが、この日は二人共全く迷わずにキンメを選びました。
二人共の結論は、「やっぱり伊豆のキンメは最高!」で一致しました。

朝食から戻ると、嬉しいことに雨があがっていて、空には薄日が差し始めています。以後、この旅行中雨の心配をすることはありませんでした。
やっぱり私は、少なくとも妻に疑われていた「雨男」ではなかったようです。

今日午前中の観光は、今回のメインイベントとなる河津の桜並木です。でも、この季節に伊豆に来るほとんど全員の人が、この河津桜を見に来ると言っても過言ではないほどの人気観光地ですから、いくら平日の月曜日とは言え、桜並木だけではなく駐車場などもガッツリと混雑するはずです。なのでみなさんが河津に集まる前に、しっかり桜の見学を済ませてしまおうと、早めに宿をチェックアウトして河津に向かい、9時前には桜並木に近そうな民間駐車場に車を停めて、さっそく見学をスタートしました。

桜並木の数はさすがに昨日の「みなみの桜」よりも多いのですが、まだ9時だというのに観光客の数も昨日の南伊豆と比べても結構凄いものになっています。
開花状況はこちらも昨日同様木によってまちまちですが、全体的にはやや(一週間ぐらい)早く、木によって2分~5分咲きの感じです。
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河津桜は予備知識通り&昨日堪能したみなみの桜などと同じように、ピンク色の濃い派手な桜です。この色からは、何となく厚化粧の派手派手しい女性を想像してしまいます。桜は本当に美しいのですが、「俺は、薄化粧の(普通の時期に咲く)ソメイヨシノのほうが好きかも」なんて不謹慎なことを考えてしまいます。「こんなに早く2月から春の香りを必死に運んで来てくれる河津桜たちに失礼でしょ!よく見ると本当に綺麗だよ!」などと自分一人で自問自答しながら人の多い桜並木をゆっくりと散歩します。
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30分ぐらい歩いて、有名な「河津桜の原木」に着きました。駐車場にいた係員さんには、「全体的にまだちょっと早いけど、原木はもうかなり咲いているので必ず見てね。」と言われた通り、間もなく満開とまでは言わないものの、確かに一番の迫力です。
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でもこの原木、並木の中にあるのではなく、道路に面した一般人の民家の玄関にあるので、ちょっとビックリです。恐らく普通の家族が普通に生活しているのでしょうが、桜の季節の2ヶ月ぐらいは普通の生活をするのは大変でしょうね!?  パチパチ写真も撮られるので、洗濯モノも干せなさそうですし…
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でも、「私の家は、あの河津桜の原木のある家」と言えば誰でもわかるという意味では、少し羨ましくもありますね。

同じ道の同じ桜を再びゆっくりと堪能しながら駐車場まで戻り、今回の旅行の「桜の見学」は終了です。
今年の日本一周では、季節感を大切にしたいということで春には「桜三昧」をしようと考えています。具体的には、今までに見たことのない桜を楽しむ、「桜三部作」ができたらいいなぁ…と考えています。今回はその第一部としての「2月に楽しむ桜」でしたが、満足のいく第一部でした。

伊豆東海岸を走る国道135号線を北上し、次に向かったのは伊東市郊外の大室山です。きれいな形のこの小山には、観光用のリフトがあり手軽に乗れて、このあたり全体が見渡せるということを今回の旅行に持ち込んだノートパソコンで、昨日ホテルの部屋でスマホにつないだネットサーフィンをして調べたものです。
でも本音は、「晴れていたら、大室山の上からは綺麗な富士山が見える!」という一言が気になったからなのです。「昨日見えなかった富士の秀峰にどうしても挨拶しておきたい!」と思ったため、立ち寄ったのです。

今までに乗ったリフトの大半は、冬のスキー場のリフトとして営業して、それ以外の季節には観光用にしていたところが多かった気がします。ラベンダーを見に行った富良野や群馬のたんばらは、正しくそのパターンでした。
でも、ここ大室山はスキーには関係なく、一年中観光用のみの目的です。「他のリフトと何が違うの?」と言えば、その傾斜が大変急で上りも結構恐怖でしたが、特に下りがとってもスリリングなジェットコースターのような傾斜でした。

山頂付近は晴れていて、伊豆の豊かな海や伊東の街並みを眺めることが出来ました。でも残念ながら待望の富士山はやっぱり雲が掛かっていて見ることができません。二回目のチャレンジも希望は叶いませんでした!
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昼食は伊東市郊外の回転寿司を久し振りに訪ねることに決めていました。前回来たのは10年くらい前でしょうか? 伊豆に家族全員で来た時に、地元の知人から薦められて、大混雑の休日の行列に並んで家族全員が大満足したことは勿論妻も覚えていて、再訪にはもろ手をあげて大賛成してくれました。
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平日でまだ12時前だったので、今回は並ばずにすぐ席に案内されたのですが、逆に開店直後でレーンにはまったくお寿司が流れていません。ではとばかりにメニューを見て、「おすすめ貝の三点盛り」などをいくつか注文して待っていたのですが、これが完全な失敗。握りたての美味しそうなお寿司が、どんどんレーンに流されてはじめて、次々と目の前を通過するのです。
「う~ん、これも食べたいし、あれも食べたい!」   貧乏根性丸出しで、すぐにあれこれ頼まないで、もうちょっとどっしり構えて悠然としていればよかったのです。
でも10年振り(?)のこのお店、今回も期待以上でした。今回、最高に美味しかったのは、やっぱり「キンメの握り」でした。
私も妻も回転寿司が大好物ですが、現在の我々夫婦の回転寿司全国ベスト2は、「釧路のなごやか亭」とここの店「伊東の魚磯」です。果たして、この評価一年後にどうなっているのかが、とっても楽しみです。

午後の観光は、春を感じる第2弾として梅を見に行こうと思います。季節感からすると桜→梅というのは逆で、ツアーをアレンジするプロとしては、季節通りに 梅→桜と行かなければいけないのですが、ホテルの予約の関係などの諸事情により、逆にせざるを得ませんでした。
唯一の「お客さん&参加者」である妻はどう思ったのでしょう? いつか聞いて見たいと思います。
梅の名所は伊豆周辺にも修善寺・湯河原などたくさんあるのですが、日本一周の我々は「このあたりで梅といえば?」と聞くと8割の人が答えるであろう「熱海」に行くことにします。
5年振りの熱海市内ですが、坂が多く道が狭いのは昔とおんなじです。(あたりまえか?)ナビを頼りに何とか熱海梅園にたどり着きましたが、さすがは有名な熱海梅園、月曜日とは言え満開の梅を見に多くのお客さんが来ていて、駐車場はどこも満車の状態です。苦労して梅園近所の民間駐車場に何とか車を停めて、ようやく梅園観光が出来ました。
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熱海の梅は、厚化粧の赤い梅と薄化粧の白い梅が適度なバランスで咲いています。この状態なら、「厚化粧が好きな人も」「薄化粧派の(私のような)人にも」どちらも楽しめる感じです。適度に坂道があり小山や滝もある梅園の散歩は、それなりに楽しめるものでした。
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梅といえば関東では水戸の偕楽園なので、今年余裕があれば偕楽園にも行きたいと思っています。 独身時代に梅満開の偕楽園に行ったことがあるらしい妻によると、「やっぱり熱海より水戸の偕楽園の方が凄い!」とのことなので「これは、(水戸に)行かなければ」と思う反面、妻が行ったことがあると聞くと、連れて行く私のモチベーションが何となく上がらない複雑な心境です。

熱海梅園を見学しても、時計はまだ3時前で、このままここから近い本日の宿に直行しても、まだちょっと早い感じです。なので、美術館好きの妻のために、20年くらい振りにMOA美術館に行って見ることにしました。20年振りですから、当時のことは当然のごとく殆ど覚えていません。はじめての訪問のように新鮮な感動があればいいなぁ~ と思いながら相変わらず急坂が多く細い道を、何とかナビを頼りながらMOA美術館に向かいます。

今日はシーズンオフの休日ですから、美術館もガラガラでのんびりと名画を見られるに違いない! と信じて入場したのですが、自分の目の前に展開する風景が現実のものとは思えず、思わずほっぺたをつねってみたい瞬間でした。展示室の全ての絵には、二重三重の人だかりが出来ていて、まるでパンダの公開のようだったのです!
この人たち、まちまちな見学ペースなどを見ても、どう見ても団体さんではなさそうです。この美術館運営母体の某宗教団体の信者の動員でもなさそうですし、そう考えると、ちょうど開催していた企画展示の大当たりか、普段からいつもこんな人気なのか… であれば、オーナーは笑いが止まらないだろうなぁ~!?  など、私は絵はそっちのけで、この大量なお客さんを見ながら、そんなことばかり考えていました。妻は絵で満足してくれたみたいなので、とりあえずは一安心です。
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(美術館から見た海です)

いよいよ本日の宿に向かいます。本日のホテルは隣町ですが神奈川県の湯河原温泉を予約していますので、昨日から我々を満足させてくれた静岡県とはここでお別れです。
「日本一周2県目、静岡県認定!」といきたいところですが、何となく肝心な自分自身が釈然としません。その理由は2つあります。
①昔から伊豆は、(特に横浜勤務時代)仕事・プライベート共に本当に何度となく行っているので、「静岡イコール伊豆」というより、「伊豆は伊豆」という気がしています。なので伊豆だけで「静岡県制覇!」とは何となく考えたくない。
②何よりこの2日間、富士山を一度も眺めていなく、「富士山も見ていないのに静岡は完了!」とは言いたくない。
という訳で、今回静岡は「仮認定」とすることにします。次回、別の静岡県内のどこかから富士山をちゃんと見ることが出来た時に、「静岡県、認定。」としたいと思います。

とりあえず県がかわったので、一旦ここで投稿することにします。