麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

3、山陰・山陽大周遊<2:京都~兵庫>


5月12日(火)

この日は「海の京都」の二つのみどころを見学する予定で、楽しみな1日だったのですが、(すべての日が楽しみな日といえばその通りなのですが…)この日季節外れの5月の台風が近づいていて、朝見た天気予報では、「昼から雨で夕方から豪雨」という予報です。ということで、兎に角楽しみな2つの観光について出来るだけ早く終えてしまおうと、朝早くから観光をスタートさせます。

最初のみどころは、”日本三景”の一つである「天橋立」。天橋立を見る観光スポットはいくつかあるようなのですが、最初は昨晩宿泊した宮津の町に一番近く一番ポピュラーな見どころである文殊地区に行き、駐車場に車を停めます。まだ9時前で、展望台に上がるモノレールなども動いていないので、まずは文殊地区を散策します。文殊地区の中心にあるのは智恩寺というお寺。「三人寄れば文殊の知恵」ということわざはこのお寺が語源だそうなので、我々夫婦2人にも少しその知恵をおすそ分けしてくださいとお祈りしました。
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その後、天橋立もちょっとだけ歩いてみます。元気であればレンタサイクルなどでこの天橋立をずっと反対側まで行けるとのことなのですが、今の私にはそんな元気はありません。(いつ、雨が降るのかの心配もありますし…)
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(この橋の先が、天橋立です。)

9時になってモノレールが動き始めたので、展望台からの景観を眺めることにします。こちらの展望台は「飛龍観」と呼ばれる場所で、展望台エリアには「天橋立ビューランド」という遊園地がありいくつかのアトラクションがあるようなのですが、勿論我々夫婦は展望台の風景のみが目的です。
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天橋立といえば「股のぞき」が有名。展望台には「股のぞき台」があって、母国語で説明を聞いたらしい外国人団体も、みんな股のぞきでこの風景を眺めています。皆様も「股のぞき」で見える風景をお楽しみください。(単に写真を反対にしただけと言われればその通りなのですが…)
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天橋立のもう一つのビュースポットは、反対側の傘松公園です。天橋立の中をレンタサイクルなどで通ってもいけるのですが、車で行くと結構大回りをするので30分ぐらいかかってようやくその傘松公園の下に着きました。
傘松公園ではケーブルカーで展望台まで登るのですが、ここ天橋立は奇妙なことに最初に登った飛龍観もこの傘松公園のどちらの展望台とも「リフト」が併設されており、料金は同じでどちらに乗っても良いことになっているようです。とは言え、手足が悪い私が入口に近づくと、親切な係員の方が近づき、当然のように電車の方に誘導してくれますので、私も「リフトにします!」などという我儘をいうつもりもなく、素直に係員の方の誘導に従います。
傘松公園の景観は「股のぞき」でご覧ください。
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空は今にも泣き出しそうですが、まだ何とか雨は降らずにいてくれています。

この2つの展望台を見ての正直な感想です。この二つ、どちらも素晴らしいことは素晴らしいのですが、正直どちらか片方だけ見れば十分なような気もします。それよりもこの2つの展望スポット、経営グループが違うことが原因なのか、現地での案内は勿論ホームページなどを見ても全く連携が取れていないのが天橋立の観光にとっては最大の問題のような気がしました。ここは観光協会あたりが音頭を取って、相互の案内表示や、ホームページで言えば「相互リンク」の設定が必要なように思います。
京都府さん、考えていただけませんか? 何と言っても、「日本三景」なのですから…
これ以外、お寺・神社などの天橋立の観光スポットもまだまだたくさんあるようなのですが、いつ雨が降り出すかもわからないので、少し早目に次の目的地に移動することにします。

今日二つ目のメインは、舟屋と呼ばれる家が並んでいる日本唯一の町である「伊根」の観光です。海に面した家の中から、直接船が出入りするこの「舟屋」については、TV番組などで何度か見たことがあり、他では見たことがないものであったため非常に興味を抱き、是非詳しく見てみたいと以前から考えていました。舟屋には実際に人が住んで生活している場所なので、たた見に行っても舟屋の中が見られる可能性は低いと考えたので、事前に町のHPにあった「地元のおばちゃんガイド」を予約していて、そこで生活している地元のおばちゃんに伊根の町を案内していただく予定でした。予定より早く11時半前に伊根に着きましたが、「台風接近」なので舟屋を海から見る遊覧船などは当然のように欠航しています。確かに雨はますます降る気配を強めているようですし、海はだんだん荒れてきているようにも見えます。ガイド手配を請け負っている町の観光協会に行き、「1時からのガイド予約ですが、少しでも早い時間に変更が出来ませんか?」というお願いをして、結果ガイドさんの案内を12時スタートに変更していただきました。

まだ雨は降ってはいないものの、風は徐々に強くなり波はかなり高くなってきている中での、我々2人だけの貸切ガイドツアーの始まりです。個人的には、湖ではなく川でもないところで舟屋を作っても、干潮満潮の対応をどうするのかとか、津波や今日のような台風などの時の対応はどうするのかなど、聞きたいことは山ほどあったのですが、実際にこの伊根の舟屋に住んでいるおばちゃんガイドから説明を受け、この町が奇跡的といいたいくらい舟屋に適した自然の条件を満たしている話を聞いて、納得しながら感動してしましました。
この写真、台風が近づいているので海にある浮遊物のようなものが台風の影響で集まってきてしまっているようなのですが、台風が過ぎて2日も経てば何もしなくてもいつも通りの綺麗な舟屋の前の海に戻るのだそうです。(人間の出したゴミではありません。念のため)
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これらの大きな船はさすがに家の中には入らないので、家の前に繋ぎっ放しにしているようなのですが… 随分と、波が高くなっているのが写真でも見てとれます。
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今は使っていなくてそのまま残してある舟屋の中を見せていただきました。本当に、普通の家の玄関の先にこの風景が展開するのです!
ちょっと、感動ものでした。
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予想通り1時過ぎてから雨が降りはじめ、説明をする方も聞く方もかなり辛くなってきましたが、何とか予定の1時間半のガイドツアーを無事に終え、(ガイドツアースタートの)道の駅で、この旅行で一番美味だった海鮮丼を食べているうちに、雨はその強さをどんどん増していきます。本当にギリギリセーフで、時間変更大正解でした! 感謝!

この雨と風ですから、この後の観光予定はすべて取りやめて、本日の宿泊地である兵庫県城崎温泉に向かいます。でも、このドライブ、ちょっと失敗でした! 全く道がわからない中、ナビを「距離優先」でセットしたので、確かに「距離優先」なのでしょうがメチャメチャ細くてアップダウンの厳しい道が1時間以上ずっと続きました。おまけに天気はますます豪雨が凄いことになっています。運転しながら、「これって、京都府から兵庫県に行く道だよね~??」と、ナビを「推奨ルート」から変更した自分を恨みながらのドライブになりました。

ようやく城崎温泉に着いたのは4時過ぎ。豪雨の中、何とか旅館にチェックインを済ませます。城崎といえばその楽しみは外湯巡り。フロントの方に、「外湯巡り、行かれますか?」と聞かれますが、妻は「行きません。」と即答。
でも、この豪雨の中でも外湯巡りに出かける方もいたのですから驚きでした!

余談ですが、「城崎」と聞いて思い出すのは、昨年の号泣会見で有名になった兵庫県の(元)号泣県議会議員。この連想をするのは私ぐらいかと思っていたら、「今、城崎にいるよ」と連絡したこの春まで神戸に住んでいた娘も、全く同じ連想をしていたようでした。

5月13日(水)

前日の夜は激しい風雨でしたが、朝には台風は抜けていて正しく「台風一過」の好天です。でも台風の影響で風は強いのがちょっと心配です。
この日は兵庫県からいよいよ鳥取県への移動です。兵庫県側でいくつかのきれいな海岸線に立ち寄って写真を撮ったり散歩をしたりしましたが、「きれいなだけの海岸」にはこの旅行ですっかり慣れてしまって免疫が出来てしまったので、「きれいだなぁ~!」とは思うものの、それ以上の言葉も出てきませんし感動もしませんでした。(従って、レポートは省略します。)

兵庫県での最後の見どころは、「鉄ちゃん」ならだれでも知っている鉄道の聖地、「餘部橋梁」です。(『誰でも知っている聖地』かどうかはよく判りません。私が勝手にそう思っているだけだと思います。)
この餘部橋梁は、写真でもわかるように非常に高いところに掛かっている橋なのですが、昔は本当にもっと危なげに橋が掛かっていて、その危なっかしさが人気のスポットでした。
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(今の餘部橋梁)
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(昔の橋。道路脇に展示・保存されています。)

ずっと危なっかしいと思っていたのですが、遂に昭和61年には鉄橋から列車が下に転落するという今では信じられないような大惨事を引き起こしました。そのニュースを見た当日、元国鉄マンの義父と「あそこ、危ないと思ってたんだ…」と珍しく酒を酌み交わしながら話が盛り上がったことが強く記憶に残っています。
その橋、いまは頑丈に掛け変わっているのですが、昔の橋が一部保存されていて、橋梁の下には「道の駅」があり、昔の橋の一部を「空の駅」として公開しています。
この高さですから歩いて登るのは辛そうで、上まで車で行ければいいのですが、上にある「餘部駅」にも車ではアクセスできずに、下から階段とスロープで登るしかないとのことなので、元鉄ちゃんとしてはこれは登らないわけにはいきません。
何とか上まであがることが出来て、憧れの餘部駅との感動の対面です。
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昔の線路が空の駅として残されており、橋の途中まで行くことが出来ます。
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(右側の線路が、実際に今使われている線路です。)

餘部橋梁で兵庫県の観光を終え、お昼からはいよいよ鳥取県に入ります。