麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

4、北関東・新潟・会津周遊の旅<最終回:会津地方~栃木県>


4日目:6月11日(木)

昨晩は会津若松の駅前に宿を取り、本日は福島県会津地方を観光することにします。
会津と言えば、会津若松と並ぶ観光都市は「喜多方」なのですが、喜多方ラーメンが大好きな私は、喜多方には昭和の時代以降妻共々何度となく来ていて、その都度喜多方ラーメンを満喫しているので、今回は日程の都合上喜多方はスルーさせていただきました。

会津若松に来るのは、娘が間もなく小学校の修学旅行でここ会津若松に来ることになっていたため、近くの東山温泉に泊まった翌日急遽家族旅行の観光を会津若松から喜多方に振り替えて以来ですから、恐らく16年振りくらいです。

最初の訪問地は、白虎隊の勇士が眠る飯盛山。「昔、こんな設備あったかしら?」と我々の記憶にはなかった有料のスロープコンベア(動く坂道)がありましたので、私でもさほど苦もなく登ることが出来ました。
朝早かったので、参拝客は他には誰もいない中で白虎隊の並んだお墓に参拝、改めてご冥福をお祈りします。
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それにしても、たった13才~17才でその短い命を散らした白虎隊の美少年(当たり前ですが、絵に描かれている勇士は全員美少年です!)たちの思いは、いかばかりだったのでしょう…? 美少年では全くなかった私も、美少年たちの気持ちになって(!?)感慨深くなってしまいます。
飯盛山からは、会津若松市内の眺望がよく見えました。一説によると、「白虎隊は、飯盛山鶴ヶ城の火災を見て落城したと思い、自刃した。」との説がありますが、私の見る場所が間違っていたのでしょうか、ここ飯盛山から鶴ヶ城は見えませんでした。
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次に向かったのはその鶴ヶ城明治維新など近い時代のこのあたりの物語はたくさん見知っているので、名城鶴ヶ城を眺める感慨もひとしおのものがありますが、忙しいこの日のスケジュールを考え、天守閣への登城は遠慮し、下から眺めるだけにさせていただきました。
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次に訪れたのは会津武家屋敷。会津の家老屋敷などが保存されている歴史ミュージアムです。実際の史実が記された展示をゆっくりと見学しましたが、ちょうどその時に大河ドラマ”花燃ゆ”でやっていた、京の都での「薩摩・会津連合軍と長州との小競り合い」の史実が書かれていて興味津々でした。今の大河ドラマは、長州側の視点でストーリー展開をしていますが、この博物館は当然のことながら会津の視点からの展示がなされています。
「確かに史実には、必ず両面の視点が必要だなぁ~!」と改めて考えさせられました。
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まだまだ会津若松の見どころはたくさんあるのですが、今日は先を急ぐことにします。2年前列車の日帰りトリップ(SLばんえつ物語がメイン 旅行記こちら)でも、SLに続いて乗った会津鉄道の線路に沿って南下します。
ちょっと気になったので近くの「芦ノ牧温泉駅」に立ち寄ってみます。この駅には猫の名誉駅長がいて、2年前には「お昼寝中」で会えなかったため、「今日は会えるかも?」と思って立ち寄ったのですが…
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この日も猫の名誉駅長は「お昼寝中で会えず」でした。
この後、和歌山の本家猫の駅長「タマ」が亡くなっているのでこっちの駅長はこれからも頑張って福島の観光を牽引して(!?)欲しいものです!

続いて向かったのは、今回の旅で個人的に一番来てみたかった「大内宿」。本当にメイン道路には茅葺屋根の民家が並ぶ、写真でみたまんまの風景が展開します。
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白川郷などと同じで、実際に大内宿に並ぶ全ての家は、お土産屋さん・食堂・民宿などすべてが観光客相手の商売なのですが、これだけ整然と並んでいるさまは本当に美しく、散歩のし甲斐があります。左右に並ぶお土産屋さんを覗きながらゆっくりと散歩を楽しみます。
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大内宿の名物は「ねぎそば」。そばと一緒に出される長ねぎ1本を使って、そばを食べるというものなので、名物に敬意を表してチャレンジしてみます。
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(利き手ではなかった)左手一本の生活になって5年、お世辞にも左手一本の箸の使い方が上手くなったとは言えない私ですが、何とか長ネギ一本でそばを完食して、箸代わりのネギも薬味としてほぼ完食することが出来ました!

続いて向かったのは「塔のへつり」。2年前の列車旅の時にも「途中下車したい!」と強く思った観光地に、念願かなっての初訪問です。
上から見る阿賀川阿賀野川ではありません)、吊橋と対岸に広がる断崖が見どころです。
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下に降りて吊橋を渡って奇岩などを見て回りますが、妻は途中にあるお土産屋さんで売っていた山菜がとっても珍しいらしく、観光そっちのけでお買い物に夢中です。
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会津最後の見どころは、「前沢曲家集落」。今回、この旅のプラン作りで初めて知った観光スポットです。「曲家」と言えば岩手県の「南部曲家」をすぐに連想してしまいますが、この前沢は会津の中でも栃木県に近いのですが、曲家と言う文化があるということは、やはりここは東北地方なんだ… と思わされます。
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この「前沢曲家集落」は、今日お昼に訪ねた「大内宿」とは対極をなす観光地のような気がします。大内宿は「観光地として整備された場所で、観光業を前提にそこに住む人々の生活が成り立っている。」ところですが、ここ「前沢曲家集落」は全く真逆で、「昔からの曲家が集まる集落ではあるが、そこでは普通に人々が(おもに農業などの)観光には全く関係のない仕事で生活している。」場所なのです。
なので観光的には(大内宿のような)統一性もあまりなく、普通の人の家なので我々観光客が見られない場所も多いのですが、「普通に人々が生活している場所だからこそ、一見の価値がある。」と思うのは私だけでしょうか?
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曲家には資料館とカフェを除いては中には入ることが出来ないのですが、普通に人々が生活している曲家を外から眺めるだけでも心が癒されるひとときです。
他に観光客らしい人はいずに、道路ですれ違って「こんにちわ!」と声を掛けて下さる人たちはみんな地元民の方々のようです。
唯一のカフェで休憩しようと思いましたが、お店には誰もいずに、「ただいま、下の畑におります。用のある方は下の畑まで。」のような張り紙があり、下の畑がどこだかわからない我々は、結局コーヒーも飲めませんでした。

でも、本当に心が豊かになった1時間強で、大内宿と同じ日にこの「前沢曲家集落」を訪ねられたことは本当に幸せでした。

この日の宿泊は県境を超えて鬼怒川温泉。栃木県にも温泉はたくさんあり選択に迷うところですが、格安の宿に泊まらないといけない我々にとっては、高級~格安と選択の幅が広い鬼怒川温泉は、強~い味方でした。

5日目:6月12日(金)

この日は「世界遺産、日光」を訪ねて、埼玉の自宅に帰る予定にしていましたが、残念ながら今日もあいにくの雨模様です。
日光には、(ゴルフできた経験も含めると)本当に数えきれないくらい来ているのですが、仙台出身の妻にとっては「中学校の修学旅行以来」だそうなので、改めて日光の代表的な見どころをこんな天気ではありますが見て回ろうと思います。
個人的なテーマとしては、”滝大好き”中年の私なので、「日光に数ある名瀑を出来るだけ見てまわろう!」というテーマがありました。

最初にいろは坂を登って中禅寺湖畔に到着します。ところが、いろは坂を登っている最中からは上の方はどんどん霧が深くなってきて、中禅寺湖のほとりの道では、数メートル先も見えない最悪の状況です。すぐ横に日光最大の名瀑「華厳の滝」の駐車場があるのですが、この霧の状況では華厳の滝はどう考えても全く見えそうにありません。駐車場の入り口には、「現在、濃霧で滝が見えない可能性があります。」という看板が…
どう考えても「可能性」ではなく「見えません!」と言うのが正しい日本語のように思えましたが、とりあえず他の見どころを見てから、再トライすることにしました。

中禅寺湖畔を奥日光の方にドライブしますが、湖も濃霧でほとんど見えないので、車を停めて写真を撮ることもできません。でも、奥日光の方に進むにつれて、ほんの少しだけ霧は消えてくれています。

本日の「滝三昧」、最初の滝は「竜頭の滝」。国道沿いの駐車場のすぐ目の前が滝で、比較的手軽に滝が楽しめます。
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次に訪ねた滝は戦場ヶ原を超えたところにある「湯滝」。ここは500円也のちょっと高い(?)駐車料金を払い、駐車場から2分程度で豪快な滝を見ることが出来ます。展望台は滝壺のすぐ近くにあるので結構な迫力です。数ある日光の滝の中でも、その迫力(近さ)は最大級かも知れません。
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来た道を戻って戦場ヶ原で休憩します。日光近くの町(栃木県鹿沼市)出身の母親と、小学生時代にハイキングした懐かしの地で、ここにきてようやく雨は少し小降りになり濃霧も消えてきています。
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とは言え、中禅寺湖畔に戻ると、さっきよりはややマシですが、それでも濃霧の状況は相変わらずです。
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華厳の滝の駐車場前に行っても、このあたりは何故か濃霧の状況がさっきと全く変わっていないようで、駐車場に停まっている車もほぼゼロの(厳密には、全く見えない)状況です。
なので今回は華厳の滝の見学を諦め、いろは坂を降りることにしました。

次に道路看板を見つけた「裏見の滝」へ行ってみますが、駐車場からの道があまり良くなく、しかもこの雨で悪路がかなりぬかるんでいるので、今の私には無理できないと判断します。遠くから遠望できる場所もないので、無念の撤退です。

最後の「滝三昧」は「霧降の滝」。この滝も遠くから眺める滝なのですが、同様に展望台に行くにはあまり道が良くなく、雨で滑りそうな道は少々危険で、同様に歩行を諦めます。
でもこの滝駐車場のそばには、「テラス席から、滝が遠望できるレストラン」があります。かなり高そうな高級レストランで、ランチコースも数千円以上~と、我々貧乏旅行者には手が出ない場所ですが、間もなくランチの時間にもかかわらず「コーヒーだけでいいですか?」という貧乏人の望みを快諾していただき、滝の見える席にご案内いただきます。
テラス席から見える滝は… これでも望遠機能を使って拡大している眺めです!
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午後は日光のハイライトである世界遺産の二社一寺を観光します。最初に、巨大な幕に覆われていてそこに本堂の絵が描かれている、3代将軍家光の「輪王寺」に行ってみます。現在大改装中とのことなのですが、「改装中の今しか、見られない」というバックステージツアーのような観光が出来るというので、トライしてみることにします。「改装中の建物(天空回廊)は7階まで階段だが、手すりはちゃんとある。」ということなので、この日何度か臆病風を吹かせて見学を断念しているので、ここくらいはちゃんと見てやろうという決意です。
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確かに、普段は遠くに鎮座している仏像が半分に分解されてすぐ近くに転がっていたり、普段は見られないアングルである最上階7階から見下ろす本堂の様子などは、今しか見られない興味深いものがありました。最初のうちは若いお坊さんがかなり熱心に説明してくれていたので凄くいい雰囲気だったのですが、最後に「販売のための丁寧な説明」であったことが判って、何となく興ざめしてしまいましたが…

メインディッシュは初代将軍家康の東照宮。4月に静岡の久能山東照宮を観光したので、どうしても久能山と比べてしまいます。
でも、東照宮最大の見どころである「陽明門」(日暮門)が下の写真の通り工事中ですっぽりと覆われており、輪王寺とは違って「工事中ならでは」の見どころも全くなく、完全に興ざめでした。
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更に困ったのは日本を代表する世界遺産なのに、バリアフリー対応がないこと。上の写真の階段を見ていただいて判る通り、手すりなどが全くありません。(左右にある棒は下<足元>にあり、立って掴める高さにはありません。)行きは何とか登れたものの、下りは思ったより勾配がきつく、捉まるところがなければ歩いては降りられません。
結局、恥も外聞も捨てて階段に座り込み、座ったままで一歩一歩お尻から降りるしか方法がなく、周囲の外人さんたちからは変な目で見られながら降りるしかありませんでした! 今頃もしかしたら中国のブログなどに、「変な日本人」の記事が投稿されているかもしれません!?

北関東周遊4泊5日の旅、最後はあまり良くない印象になってしまいました。