麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

山梨県1泊2日


すごく久し振りの投稿です。
9月に入ってからは、今までで最長の旅行になった「九州一周」の旅をしていました。天気に恵まれた素晴らしい18日間になったのですが、自分のミスによる残念なこともあり、少しだけ後悔が残る旅になってしまいました。
詳細を記したいところではありますが、旅行に行った順序を変えてまで書きやすいところから投稿してしまうと、ただでさえ自分の脳みその容量を超えた完全なキャパシティーオーバーな記憶が、益々グシャグシャになって収拾がつかなくなってしまう恐れが大きいので、当初の予定通りに旅行した順番に少しづつでも記憶を何とか辿りながら書いていきたいと考えています。
現在、ブログ未投稿の長~い旅行だけでも2つも溜まってしまっていますが、今日はその前の8月前半に、1泊2日でお隣山梨県を訪ねた旅行をレポートします。

1日目:8月5日(水)

山梨の観光の主役は、何といっても富士山です。日本一周を始めて以来、近くまで行ってもその富士山が見えない天気が続いていることはいるのですが、自分的には冬にはほぼ毎日自宅の窓から雪を抱いた富士の秀麗が見えることもあり、「山梨まで行くんだから、天気さえ良ければ富士山が見えないわけがない!」と信じていたので、1週間前の週間天気で「山梨県=晴れ」の天気を確認した上で、この日の出発を決めたのです。この頃は本当に毎日猛暑が続いていて、山梨の中心甲府も盆地なので夏の暑さは相当なものとは聞いていましたが、暑さに関しては地元埼玉も負けず劣らずなので、暑さは気にしないことに決めていました。

確かに山梨県は我が埼玉県の隣県ではあるのですが、埼玉と山梨を結ぶ道は秩父からの山道&トンネルです。隣県に敬意を表する意味ではこのルートを使って旅行すべきとも考えたのですが、我が家から秩父までは同じ埼玉県内とは言え笑点3回分(つまり、1時間半)以上はかかるし、富士山に行くにはこのルートを使うと遠回りになることもあり、このルートを断念していつも通り圏央道~中央高速を使うことにします。このルートで行くと、埼玉⇒東京⇒神奈川⇒山梨と4都県を通ることになり、とても「隣県に行く」とは言えないような気もしますが、イメージと利便性(時間)を天秤にかけた結果です。

本日最初の目的地はその富士山五合目。天気予報通り朝から絶好の好天で、今日も猛暑になりそうな予感がします。中央高速に入ると、富士山がくっきりと顔を出してくれて、予定通りの歓迎ぶりに心も弾みます。

富士山五合目まで行く「富士スバルライン」にはマイカー規制がされているとの事前情報を入手していたので、富士吉田の出口を出ると迷わずに富士北麓駐車場に向かいます。ところが、入り口で私の車の身障者マークを見た係員さんから、「身障者はマイカー規制の対象外だから、ここに駐車せずにこのままスバルラインで五合目まで上がってください。その方が、料金も安いですよ!」とのこと。「安いですよ!」とお金のことを言われると弱い貧乏人としては、アドバイスに素直に従うことにして、言われた通りにUターンしてスバルライン入口を目指します。
スバルライン入口には検問があり、マイカー規制を知らないかなりの数のドライバーが追い返されているようで、私の車もその無知なうちの1台と思われ、「戻ってください。マイカー規制ですよ!」と言われますが、さすがにここで戻るわけにはいかずに身障者手帳を提示すると、ゲートを通行させてくれました。

イカー規制で、スバルラインを通る車は基本的にバス(観光バスとシャトルバス)と身障者用の車だけなので、快適なドライブです。上りのヘアピンカーブが続くので、前に大型バスがいると速度は落ちるのですが、多くのバスは道を譲ってくれるので、前に車がいないとスイスイと走れます。マイカーなので、シャトルバスでは通過するビュースポットにも立ち寄ることが出来、周囲の山並みも綺麗に見えています。
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この段階での富士山の頂上は見えているのですが… 山頂には雲が近づいていて、ちょっと怪しい雰囲気です。
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予定通り富士山五合目に到着。意外と混んでいる駐車場に何とか駐車スペースを見つけます。それにしてもほぼ満車とは、身障者の車は思ったより多いですね!?
ところで、天候ですが五合目に近づくにつれて雲が全体を覆ってしまい、頂上を見上げても、周囲が全く見えない状況です。
上が見えない五合目ですが、それでも観光客はメチャクチャ多く、しかもその殆どが外国人で、会話を聞く限り8割以上が中国人だと思われます。夏休みなので、子供連れの家族が多いのかと思っていましたが、小学生以下の子供を見かけることはあまりありませんでした。

ずいぶん昔、元気だった老母とまだ小学生だった子供二人を連れてこの富士山五合目に来た時には、あまり歩けない母親と付き添いの妻を五合目に残して、私と子供2人はもう少し上までとハイキングの真似ごとをした記憶がありますが、今の私にはハイキングの真似ごとすらする元気はなく、五合目にある冨士山小御嶽神社で参拝をして、何も見えない富士山五合目の観光を終えることにします。
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(青空が全く見えない、真っ白な空です)

スバルラインを山麓まで下り、お昼を食べることにします。この日の昼食は富士吉田名物の「吉田のうどん」を食べることに決めていたのですが、特にお目当てのお店があるわけではなく、とにかく「吉田うどん」が食べられれば良いので、富士急のターミナル駅である富士山駅の中にあるお店でいただくことにしました。
私が食べたうどんは、「富士山うどん」。富士山を模した大きな天ぷらが載っているうどんで、猛暑の中ですが名物に敬意を表して温かいうどんです。
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妻は、暑さの中なので当然のように冷たいうどんをオーダー。麺に強いコシがあるのが吉田うどんの特徴なのですが、温かいうどんを食べた私にもかなりインパクトの強いコシで、固め好きな私にも「ちょっと硬すぎるかも…」と感じるくらいでしたが、冷たいうどんを食べている妻は、固いうどんにかなり悪戦苦闘しています。食べ終えた妻は、「固すぎる! もう懲り懲り!」と散々の感想でした。
やっぱり吉田うどんは、冷たいうどんには向かないような気がしました。

午後は富士五湖周辺を観光します。まずは山中湖近くにある「花の都公園」に花を見に行き、広い園内を散策しながらさまざまな花を楽しみます。五合目から降りた後には再び晴天が広がっていたのですが、公園から見る富士山には、雲がかかっていて全貌を見ることは出来ません。
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ひまわりの満開は8月後半らしいのですが、もう十分に見頃です。
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長い間咲くのでこの名前になったという「百日草」。初夏から秋まで咲くのだそうです。
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園内にある人工滝。普段はこんな水量なのですが…
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30分に1回(?)ショーのように水量が増えて我々を楽しませてくれます。ここまで水を運ぶ川にも迫力が増し、結構楽しめました。
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大学時代のキャンプの定番だった山中湖にも挨拶します。ここでも富士山上部には雲が掛かっています。
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次に向かったのは「忍野八海」。駐車場に車を停めて、富士山の伏流水に水源を発するといういくつかの池を歩いて巡りますが、ここでも五合目と同じくらいの凄い数の外国人ツアー客がいて、確かにお土産を”爆買い”しています。お土産屋さんは「笑いが止まらない」くらいの大繁盛に見えて、何とも羨ましい限りでした。
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富士五湖を代表するもう一つの湖である河口湖では、”カチカチ山ロープウエイ”というユニークな名前のロープウエイに乗り、湖の全貌を眺めます。
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美しい河口湖は惜しげなくその美貌を見せてくれましたが、反対側に見えるはずの富士山は相変わらずご機嫌ナナメで、結局富士山がちゃんと写った写真は一枚も撮れませんでした。
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この日の宿泊は「信玄の隠し湯」の名もある下部温泉。会社員時代に、何度もお客様をご案内した名湯ですが、実は恥ずかしながら初めての宿泊でした。

2日目:8月6日(木)

山梨の県庁所在地甲府には、大学時代の4年間毎晩のように飲み明かした朋友がいるので、本当ならば甲府にもう1泊してその友人と酒を酌み交わしたかったのですが、友人の都合より先に天気予報を見て出発日を決めたため、その後その友人に打診したところ、「この日の夜は既に先約があり×」とのことなので、甲府宿泊をあっさり諦めて1泊2日にしたのですが、「じゃぁ、せめて昼飯でも…」ということで、この日のお昼は甲府に行くことにしました。

この日最初の観光は、日蓮宗の総本山である「身延山久遠寺」。熱心な仏教徒ではないし宗派もどことはっきりと決めているわけではないので、「総本山だから」という理由で訪問するわけではないのですが、仏教各宗派の本山には有名なお寺が多いので、「一度は行っておくべき」という純粋な物見遊山の観光客としての興味による訪問です。
本山の多くは厳しい修行の頂点としてなのか、かなり高いところに登らないと参拝が出来ない神聖な場所が多いようなのですが、ここ久遠寺も例外ではなく、急峻な身延山にあり結構登りがきつそうな本山です。
でも登りの参道は車で行けるようですし、一番奥の駐車場に車を停めると、そこには我々身障者にはとってもありがたい「斜行エレベーター」がある様なので、ネットの情報通りに9時前には奥の駐車場に車を停めます。
我らが味方の斜行エレベーターは駐車場のいちばん奥にあり、無人運転のありがたい施設です。エレベーターなので早速ボタンを押して呼ぶと、それなりの高度をゆっくりと降りてきます。エレベーターは無料なのですが、献金箱がちゃっかりとあるので、感謝を込めてささやかな献金をさせていただきます。(たとえ有料であっても)我々にはとてもありがたい限りです。
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エレベーターのお陰で、ほとんど苦労なく本堂に到着します。9時過ぎとは言え、既にかなり暑くなっているので、下からこの急な坂と階段を登ってきた方々はみんな既に汗びっしょりな感じですが、その中にいてまだ涼しげな顔をしている我々は、不思議な存在だったかもしれません。
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しばらくすると、大きなドンドンという音と大勢の呪文が聞こえてきます。「何だろう…」と思って声のする方を見てみると、白装束に同じ傘をかぶった信者さんたちが大きな声で呪文を唱えながら坂を上がってくる姿が見えます。
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年齢や性別などは判らないものの、このようなグループは大抵年配の方が多いのが通常なので、この方々も決してお若くはないのだろうと思います。この猛暑の中、この坂をずっと上がってくるなんて、本当に大変なのでしょう。
宗教の力って、本当に凄いですね!
身延山滞在中に、このようなグループは他にもいくつか見かけました。

本堂の更に上にはロープウエイがあり、身延山の山頂と山頂にある奥ノ院も手軽に楽しむことが出来ます。身延山から周囲の風景を楽しむべく登ってみましたが… 天気は絶好で周囲の山々は綺麗に見えているものの… 昨日に続いて相変わらず富士山だけは雲をかぶっていて、今日も全く見えません!
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身延山を後にし、甲府在住の友人と昼食を取り、午後は中学生の時以来40年振りに訪れる本当に久し振りの昇仙峡に向かいますが、友人とのランチ&お茶でかなり時間を使ってしまったので、のんびりと昇仙峡を散策する時間があまり無くなってしまいました。加えて妻の足の調子が少し悪くなり、散歩は控えた方が良さそうな感じです。

昇仙峡の散歩を諦め、懐かしい道をドライブしながら昭和50年当時を偲びます。初めて昇仙峡に来た中3の時は、写真(カメラ)に凄く嵌っていた時代で、たくさん撮った白黒のフィルムを自分で現像して、その写真を数十年の間ずっと実家に持っていたので、写真の1枚1枚の景色はかなり鮮明に覚えています。
今回は運転中なので写真は撮れなかったのですが、「ここの写真、撮った!」とか、「この岩、覚えてる!」などと、一人ではしゃぎながら運転していました。
最後に、昇仙峡ロープウエイに登り、高い場所から昇仙峡の岩を眺めます。
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でも、ここからも見えるはずの富士山はやはり雲に隠れていました。
昇仙峡は、紅葉の時期に改めて再訪しようと思います。

夕方、「秩父経由で帰ろうかなぁ~?」とも少し悩みましたが、遅くなったので普通に中央道で帰ったのですが、平日なのに中央道は渋滞していて、結局2時間近く余分に掛かってしまいました。
やっぱり、隣県らしく雁坂トンネル経由で秩父から帰るべきだったのかもしれません!

「この2日間こんなに晴天だったのに、富士の山頂が見えたのは結局行きの運転中だけか…」 と、考えながら中央道をドライブしていましたが、最後に富士山が見えるあたりで突然雲が切れ、富士山頂が顔を出してくれました!

富士山から、「また、おいで!」と言われたような気がしました。