麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

6、長野・岐阜から北陸へ<その1:長野県(前篇)>


ようやく8月に旅したロングトリップについての投稿が出来ます。
旅行シーズンの夏休み期間中、私が信州や北陸を訪ねたのはお盆のピークである8月13日~24日の12日間です。
ニートで年中暇なお前が、何もサラリーマンの旅行のピークであるお盆の時期にわざわざ行くことないじゃん! 普段毎日必死に働いている人たちにも失礼だよ!」と、何人かの方に指摘されましたが、実は自分でもそう思っていたのですが、7月前半に北海道から帰ってきて以来、7月中~8月上旬には飛び飛びに何かしらの予定が入り、長い旅行にはで出られなくなっていたのです。「じゃぁ、混雑する8月になんか旅行しないで、9月以降にすればいい!」というご指摘もごもっともなのですが、自分なりにはどうしても夏の間に行っておきたいところが(2つ)あり、9月は九州に行くことをこの日本一周を始める時に何となく決めていましたので、そこ(2箇所)はやっぱり8月中に行っておきたいところです。

「どうしても夏に行きたい観光地」の一つ目でメインの場所は上高地です。「32年も旅行会社に勤務していたのに、上高地には行ったことがない!」というと、多くの方はびっくりされますが、企業中心の団体旅行が主な仕事だった営業担当者には、意外と私のように行ったことがない人が多いのではないでしょうか? お客様の大半は、「上高地には個人(家族)旅行/パック旅行で行った。」というパターンが多いようで、旅行会社が仕立てる(パック以外の職場旅行などの)上高地に行く団体旅行は、意外と少ないようです。

そんな上高地は、山岳が舞台になることが多い森村誠一さんの小説にしばしば登場し、大抵は小説の導入部分での重要な舞台になっています。梓川とか大正池河童橋など、山が大好きな森村さんのペンにより毎回とても魅力的に描かれているので、高校時代以降に森村推理に熱中した私にとっては、上高地は”憧れの地”になっていたのです!

今回の日本一周を始めるにあたり、「広~い長野県では、どこに行こう?」と考えた時に、私の頭の中にはまだ見ぬ梓川河童橋が即座に現れ、「長野に行くなら、上高地しかない!」とすんなりと決まったのですが、「じゃあ、いつ行くのがいい?」と色々と情報収集してみましたが、これが結構悩ましいのです。さすがに人気の上高地なので、”夏の期間”は当然の如く激混みで、”穴場”的な日があろうはずもありません。
上高地は年間を通じて「マイカー規制」をしています。上高地のマイカー規制には富士スバルラインのような抜け道(身障者は通行OK)などはなく、全員がマイカーを降りてシャトルバスかタクシーに乗り換えなければなりません。勿論、観光バスは例外なのですが、夏休み期間中は土日とお盆期間中は観光バスすら規制の対象になっています。
「逆に観光バス規制のこの日は、穴場的に意外と空いてるかも?」と考え、「どうせならみんなの心理の逆をついて、誰しもが”絶対に大混雑するに違いない!”と敬遠するであろう”お盆の中日の土曜日”に上高地に行くなんてどうなんだろう…??」とこの日のホテルを探してみたところ、上高地のホテルなので高いことは高いのですが、他の日と変わらない料金で河童橋の目の前のホテルが確保できることがわかりました!
こうなったらギャンブルです! あえて「1年で一番混むお盆中日の土曜日を、この旅行で一番混みそうな上高地宿泊の日に当てる。」というある意味暴挙に出てみることにしました。失敗すれば風情もなにもない大行列の上高地になるのかもしれませんが、下手にやや空いていそうな日などを選んだところで、大混雑に嵌ったら元も子もありません…
ということで、上高地の宿泊を8月15日(土)に決めてから、その前後の日程づくり&予約に取り組みました。

もう一つの「夏に行っておきたいところ」は、黒部立山アルペンルートです。アルペンルートについては、病気で倒れて半身麻痺になる1か月前の2010年のGWに行ったばかりです。(写真のない回想記はこちら)その時は5メートルにも及ぶ雪の壁である「雪の大谷」を見るのが主目的だったのですが、雪の壁は十分に見られたもののそれ以外には残念ながら天気も悪く、アルペンルートの壮大な山岳風景が見られなかっただけではなく、まだ5月だったので黒部ダムの放水も見られずに、「これは、夏にもう一度来なければ!」と固く誓ったものの、そのすぐ後に病気になってしまって今に至っていますので、今回が絶好のリベンジのチャンスです。

そうなると信州に加えて長良川の鵜飼いを一回は見たいと思っていた岐阜県と、北陸3県を合わせた日程が一番無駄がないように思われます。ただ、北陸新幹線開業人気で金沢を中心に北陸は大混雑しているようなのでちょっと躊躇しそうになりますが、新幹線効果による北陸ブームは今年中には収まりそうな気配はなさそうで、「どうせ混むんなら、夏休みに行ってやれ!」と半ば開き直りの気持ちで決意した次第です。

結果的には、混雑はある程度は予想通りなところもかなり多くありましたが、日程的にはスムーズに消化することが出来たとっても良い12日間でした。
肝心な上高地のギャンブルについては… 是非本文(次の投稿<長野県(後篇)>)をご覧ください!

素晴らしい旅ではあった反面、私の致命的なチョンボがいくつかあったこの旅行は、自分的には大いに反省しなければいけない旅でした。再発防止と自戒の意味から、マイルールを破ってチョンボだけは先に掲載しています。(投稿はこちら

1日目:8月13日(木)

この日の朝のチョンボは既に書いた通りです。折角、早起きして7時前には家を出たのに、忘れ物に気が付いて1時間後にUターン。改めて自宅を出たのは9時過ぎになってしまいました。でも、再スタート後に「え~い、ままよ!」と混雑覚悟で高速に乗ったのですが、関越ではなく東北道に乗ったのが正解だったみたいで、途中佐久平にある店舗で働いている友人の元気な顔を見に立ち寄っても、本日最初の目的地小諸には、何とか昼過ぎには着くことが出来ました。
この日と翌日の長野県の天気予報は雨マーク。でも、この日はどんよりとした黒い雲が長野県全体を覆っているにもかかわらず、雨はまだ降っていない状況です。この2日間の私の気持ちとしては、「今日・明日雨でも、明後日以降の上高地が晴れていてくれればそれでいい!」です。その意味でも、「今日・明日で4日分の雨が降ってくれ!」と祈るとっても変な気持ちでした!

この旅行最初の昼食は”小諸そば”ならぬ”小諸のそば”。小諸市内では有名なお蕎麦屋さんのようですが、行列が出来るほどではない… と予想していましたが、行ってみるとかなりの大行列が! やっぱり、”お盆、恐るべし!”です。
この日の出発をちょっとだけ後悔したスタートでした。

小諸と言えば「小諸なる古城のほとり…」の小諸城址である懐古園が見どころです。昼食後、昔の石垣が残る懐古園をのんびりと散策してみます。妻はうろ覚えながら藤村の詞を口ずさみながら歩いているので、そのまま懐古園の中にある「藤村記念館」に立ち寄ってみます。妻にとって藤村と言えば「千曲川のスケッチ」のようなのでこの記念館はジャストミートなのですが、私にとっての藤村と言えば、「夜明け前」です。ここには「夜明け前」の藤村はまだいないので、むしょうに(今回の旅行では行く予定ではない)馬籠に行きたくなりました。
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次に向かったのは、真田幸村の居城であった上田城堺雅人演じる真田幸村が、来年の大河ドラマの主役とのことなので、この上田城は恐らく来年の今頃は凄い人気になるのだろうと思います。
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ところで、その堺雅人さんと菅野美穂さんの第一子が生まれたおめでたい日が、ちょうど我々が上田城を訪ねたこの日8月13日でした。加えて、この大河ドラマの撮影初日に我々は宮崎県にいたのですが、宮崎の地方新聞の一面には「来年の大河ドラマの撮影始まる!」とデカデカと載っていました。堺雅人さんが宮崎県出身だからこその扱いのようですが、何となく来年の大河には縁がありそうな気がして、楽しみにしようと思っています。

上田近辺には温泉もいくつかあるのですが、流石にお盆期間中の値段の高い時期に温泉に泊まれる予算もないので、別所温泉にある日帰り温泉で長野県の温泉を楽しむだけで満足することにします。

昼食も蕎麦でしたが、長野らしく、晩ご飯でも結局そばをいただきました!

2日目:8月14日(金)

この日は長野市近辺を観光する1日の予定です。

午前中は、「栗と北斎の町」小布施を観光します。長野電鉄小布施駅にある観光案内所で情報収集した後に、「駐車場が少ないから気を付けろ!」と昨日会った佐久平の友人のアドバイス通りにまず駐車場を確保し、風情溢れる小布施の町を散歩します。

まずは北斎美術館。私はてっきり北斎は小布施の人なのかと思っていたのですが、代表作の執筆後の晩年の数年間滞在したという縁のようです。この美術館も「北斎美術館」と銘打っていますが、北斎というより”浮世絵美術館”という感じでした。

小布施の町には風情のある通りがいくつかあるので、のんびりと散策してみます。10時を過ぎると予想通りの混雑が始まり、駐車場待ちの車が溢れだします。
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栗と言えば和菓子もですが、私的にはモンブラン。このモンブラン… 栗の香りが強くて絶品でした!
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ちょっと早いけれど、お昼も小布施で栗ごはんをいただきます。
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和菓子を買って宅配便で送りましたが、自分たちの食べる分には賞味期限が心配です… 小布施(の栗)がすっかり気に入った我々は、「また、来ます!」と言ってとりあえず小布施の町を後にしました!

次に向かうのは善光寺ですが、長野市に向かう途中に長野電鉄の踏切が閉まっていたので、慌ててスマホを構えます。長野電鉄には、小田急ロマンスカーなどの旧車両が第2の人生を送っているのをTVなどで何度も見ているので、「もしかしたら、ロマンスカーの勇姿がここ長野で見られるかも?」と思って待っていましたが、来たのはロマンスカーではなく、何とNE'X(成田エクスプレス)!!
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20年前ぐらいから、この列車で何度成田に行ったことでしょう!? あの頃、一番乗った列車であることは間違いありません! 懐かしい!

善光寺には雨天の中の参拝となりました。この日の夕方はお祭りのようなのですが、この天気では開催が心配です。6~7年前に長野出張中に善光寺を訪れた時には、殆ど人もおらずにひっそりとしていましたが、さすがに今日はこの天気でも人が溢れています!
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その後、「日本三大車窓」の1つである姨捨駅からの善光寺平の風景を眺めに行きます。「日本三大車窓なのだから電車に乗って見に行かなきゃダメじゃん!」と言われそうですが、この絶景はやはりどうしても見ておきたいところです。
姨捨地区に行くと、まずは有名な棚田の風景が広がります。雨は上がってくれたので、棚田地区を少しだけ散歩します。
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反対側を見ると、善光寺平の絶景が広がっています。
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姨捨駅に到着。車を置いて駅に入ってみます。
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ホームから眺める絶景。やっぱり、この景色は列車の中から見るべきですね!?
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この日の泊りは塩尻駅前。松本市内が取れずに止む無く塩尻に宿を取りましたが、さすがにお盆の時期なので料金はどこも高く、ビジネスホテルなのに1部屋1万2千円以上します。(普段は2人で1万円以内がマイルール)
おまけに… ホテルに着いてみるとこの料金で部屋は3階なのにエレベーターがなく、階段の手すりも片側にしか付いておらずおおいに慌てました。でも部屋の変更もできず他のホテルにも空きがありませんので、我慢するしかありません。

この日本一周で一番高くって不便なホテルステイでしたが、お盆なので仕方ないですね!?