10日目:9月9日(水)
九州一周の旅もようやく折り返し。門司からずっと時計回りに九州を南下して来ましたが、今日からは太平洋側を北上することになります。
鹿児島市内には三年間で合計3泊もしたので、お陰でかなり詳しくなりましたが、鹿児島県は佐多岬以外は十分に満喫したので、車と心のキズはそう簡単には消えないけれど、それはともかく鹿児島の思い出と美味しい料理にはたっぷりと感謝しながら、高速に乗り鹿児島県に別れを告げます。
今晩の宿泊地は熊本。でもその前に三年前に乗り継ぎで立ち寄った人吉を今回はゆっくりと観光したくなり、向かってみることにします。
その時人吉では、乗り継ぎの一時間で駅弁を食べ、駅前のからくり時計だけしか見ていないのですが、その時の下調べを通じて人吉のその魅力は私にも十分に伝わって来ていたので、三年越しの念願を叶える訪問になります。
人吉と言えば、まずは何と言っても日本三大急流の球磨川です。3年前にSLの車窓から見たのは、球磨川の急流でラフティングを楽しんでいる人たち。「船の上から見るSLって、さぞかし感動的なんだろうなぁ~!」と、いつかは乗ってみたいと思いましたが、今の私にはラフティングは無理ですし、今日は平日なので土日だけ運転のSLは走りません。
ラフティングは無理でも、日本三大急流の球磨川下りはしたいと思いますが、”急流”ということなので私でも乗れるかがいささか心配ではありましたので、最初に懐かしい人吉駅にある観光案内所に行き、バリアフリー状況を聞いてみたところ、丁寧にもわざわざ電話で状況を確認していただき、次の便に乗れるように予約までしてくれましたので、安心して乗船場に向かいます。
「平日なので、わざわざ予約しなくても、行けば大丈夫だろう。」なんて気軽に考えていましたが、船着き場に行くと団体客はいないもののそこには既にかなりのお客さんがいて、定期便は2艘で運航予定なのにもかかわらず、間もなく”満員御礼’”になりました。
やはりさすがは人気の”日本三大急流の一つ”なのですね!
何とか船に乗り込み、急流の球磨川の川下りがスタートします。
急流と言ってもやはりラフティングなどとは違って、いくらなんでもそんなに急流でスリルたっぷりな訳は無いのですが、乗船前全員ライフジャケットの装着を確認しないと船には乗せないという徹底振りでも判るように、確かに他の普通の川下りよりはスリルたっぷりです。
乗っている時にはあんまり感じてはいなかったのですが、いま改めて川の写真を見てみると、やっぱり結構急流だったみたいですねぇ~!?
鉄橋が見え、「ここをあのSL人吉が通るんだ」と思うと感慨もひとしおだったのですが、やはり平日ですのでSLが来ることはありません。それどころか近くに寄って改めて眺めたところ、鉄道の鉄橋みたいですが、意外にも車が走っています。相変わらず、私の見立ては全くあてになりません。
終点からはバスで船着き場まで送ってくれます。急流の川下り船は、回送でも反対には上がれないらしく、船をトラックなどに積んで回送する風景は、長瀞など急流では何度か見た風景です。
ちょっと早めですがお昼ごはんをいただきます。10日以上も日本各地を回っていると、途中で必ず一ヶ所は鰻が名物な土地か鰻の名店があるので、旅行中一回は贅沢して名物の鰻をいただくことにしているのですが、今回の九州旅行ではここ人吉がその一回のタイミングです。
人吉の名店「うえむら」は、平日でも行列必至と食べログに書かれていましたので早めに行ったお陰で、行列に並ぶことなく絶品の鰻をいただくことができました。
忙しそうな店員さんに妻が「日本一周しています!」と自慢していて、いささか恥ずかしい瞬間でした。
午後は人吉の市内を散策。寅さんに出てきそうな古い町並みを散歩し、みそしょうゆ蔵では昔ながらの製法を見学して、美味しそうな味噌と刺身用の醤油を我が家用に仕入れて、未だに家で楽しんでいます!
瓦葺屋根の門も本殿も何となく神社っぽくないものの見事なもので、意外にみどころが多い神社でした。
市内にある大庭園ではよくあるように、池を上手く使って広く見せるような工夫がなされています。
今晩の宿は温泉のあるビジネスホテル。ゆっくりと温泉を楽しんでから熊本の繁華街に繰り出し、3年前とは違うお店で辛子蓮根、馬刺しと相変わらず3年前と同じものを食べました。
3年経っても、進歩してないですねぇ~!