麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

7、九州一周の旅<その13:佐賀県>


15日目:9月14日(月)

今日は長崎県を出て、佐賀県に行く予定です。

約10日前に、宮崎県で日本の47都道府県には全部足をしっかりと踏み入れたのですが、「そう言えば、まだ一泊も宿泊していない都道府県ってあるかしら?」と幼少時代からの記憶を辿ってみてみました。この日本一周を含めてほぼ全ての都道府県に宿泊したことは明快に思い出したのですが、ここ佐賀県だけは「何度か来てはいるけど、福岡にも長崎にも近いので、どう考えても泊まった記憶がない!」のです。
ということで、今晩の宿泊は47都道府県のフィナーレを飾る「S・A・G・A、佐賀~!」の宿泊になります。

昨晩泊まったコスパの高いサムソンホテルは、今日の午前中まで滞在していれば平戸のクルーズまで無料でついているという信じられないサービスの良さなのですが、早く佐賀県を見たい!という私のわがままで、せっかくのクルーズには乗らずにホテルを後にします。

佐賀県に向かう前に、九州の鉄道最西端の駅である、「たびら平戸駅」に行ってみます。
この駅は昔からずっと「日本最西端」の駅で、稚内や西大山と並んで鉄ちゃんの憧れの駅だったのですが、沖縄に「ゆいレール」が出来て日本最西端の座を奪われ、おまけにJR→3セクに経営が変わったために、「JR最西端」の座すら追われた今となっては、とてもかわいそうな運命を辿った駅なので、今では訪れる人もほとんどいないとは思うのですが、その歴史に敬意を表しての訪問です。
やっぱり今では、普通のローカル線の普通の駅でした。
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私を歓迎するかのように両方から列車が来ていたのが、「元気です!」という証拠のようで、何となく嬉しくなりました。
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いよいよ佐賀県です。佐賀県と言えば「焼き物の里」という事で、まず有田か伊万里のどっちかに行こうと思っていたのですが、「どっちに行く?」という段で大いに悩んでしまいました。ネットで情報をあれこれ調べたところ、有田はまさに「窯がたくさんある地」なのに対し、伊万里は「焼き物の商売(輸出)の中心地」という要素が強いらしく、それなら我々は買い物より観光なので、有田を目指すことにしたのです。

有田焼の中心地を徒歩で見学しようと美術館の駐車場を目指したのですが、生憎今日は月曜なので美術館はお休みのようです。
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仕方なく街道沿いの「窯元直営店」を覗きながらの散策をしますが、良い品なのでしょうが、日本一周で緊縮財政中の我々に手が出せるレベルの品はあんまりありません。お客さんの少ない平日の午前中に来た初老の夫婦を、どのお店でも「カモが来た」とばかりに茶菓などで接待してくれたのですが、どのお店でも手ぶらで店を出るのには、図々しい我々でもどうにも耐えられなかったのです。
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とは言え、せっかく有田まで来たのですから、記念になる器を1つくらいは買って帰りたいものです。今まで覗いたお店にその候補が全く無いわけではなかったのですが、入店するとすぐに店員さんがピタッと張り付くあれらのお店に、もう一度入る勇気もありません。
「どこかに、気軽に選べる焼き物アウトレットのようなお店はないかしらん?」と、パンフレットを見ていたら、まさにそんなお店の宣伝があったので、焼き物の中心街からは少し離れた場所にあるようなので、車で向かうことにしました。
目指すお店の、その巨大な駐車場を見た瞬間に少し嫌な予感はしていたのですが、案の定入口には日本の大手旅行会社の看板が出ていて、「○○会社協定」と書かれている団体旅行では必ず立ち寄る巨大なお土産センターだったのです!
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しかもこのお店のサイズは、修学旅行の全クラスのバスが着いても大丈夫なくらいの巨大なお店です。バスがまだ来ていない今の時間、店員さんはとっても暇そうですが、お土産センターらしく店員さんがいくら暇とはいえ我々に張り付くことはないので、お陰でゆっくりと品定めをすることが出来ました。「修学旅行生にも手が出せるレベルの価格」の商品もかなりあったので、貧乏な我々でも手が出せる商品が結構多くありました。

有田から伊万里に戻り、「伊万里らしい昼食場所はないかしら?」と探してみましたが、下調べをしていないのでそんなにうまい具合に名店が見つかる筈もありません。さんざん探した挙句、結局モスバーガーでお昼を食べたのですから、”下調べをしておかないとやっぱりダメだね!?”と、改めて思い知らされました。

午後は東松浦半島に沿って海岸線をドライブします。最初の見どころは「浜野浦の棚田」。
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見事な棚田の風景ではありますが、棚田はやっぱり田植え前後の5月あたりが良いようなのはどこの棚田でも同じようです。この棚田もやはり田植えの時期の夕陽が沈む時間に来るのがベストなのだろうと思い、願わくば”その時期のその時間に再訪してみたい!”と思うばかりでした。
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急にお金のかかったような立派な建物がいくつか現れ、「この風景、見たことある!」と思いながらドライブしていると、案の定「玄海原発」の看板が現れます。原発建設により、地元市町村にかなりの補助金が下りたお陰の立派な公共施設なんでしょう… 3・11以降、世間の流れは「脱、原発」が時代の趨勢になりつつありますが、こういう立派な施設で豊かになった地元を見るにつけ、地元の皆様の複雑な心境が何となく少しは理解できるような気がします。とは言え、福島のまだ帰れない方々とそのふるさとの現状を見れば、私も「脱原発」に賛成したい気持ちに変わりはありませんが…

波戸岬で、玄界灘の海を眺めます。この先には、海中展望塔があり、美しい海中を眺められるようですが、日本国中の海の中は、沖縄から北海道の紋別までの日本各地を見てきていますので、今回は行かないことにしました。
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それより、波戸岬での楽しみは名物の「さざえのつぼ焼き」だったのですが、どうもこの日は定休日らしくたくさんの売店の玄関は固く閉じられています。ここで食べられなくても、次の加部島にもさざえのつぼ焼き売店があるという情報があったので、落胆せずに車を走らせます。

呼子大橋を渡り、加部島の「風の見える丘公園」に向かいます。この公園のナビでの目標の店の名前は、「つぼ焼き源さん」。このお店にナビをセットし、目標通り到着して呼子大橋などの眺望を堪能した後、「よし、いよいよつぼ焼き!」とお店に入ったのですが、何故か”源さん”に”つぼ焼き”は見当たりません。
妻はソフトクリームを食べて満足そうですが、私はフラストレーションが溜まる一方でした。
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それでも先を急いだのは、神秘の洞窟である七ツ釜の遊覧船に乗るため。船の時間に間に合うようにと船着き場に急ぎますが、着いてみると「本日欠航」の文字が…
こんなことなら、もっと真剣に「サザエのつぼ焼き」を探せばよかったと後悔しました…

戦国武将のオールスターゲームのような「名護屋城址」は、歴史ファンとしてはどうしても行きたかった場所です。秀吉による天下統一後、日本中の全戦国武将が、みんな行きたくなかったであろう朝鮮出兵のためにここ名護屋城に集結させられたのです。
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名護屋城址そのものもともかく、「戦国武将ファン」としては「徳川家康陣跡」や「上杉景勝陣跡」「黒田長政陣跡」などの看板を見ただけでも、何となくウキウキしてしまうのは私だけではないのでしょうね!?
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今日の宿は呼子。「呼子イカ」を食べたいがために選んだ宿泊地ですが、宿に入る前に、昨日30年以上振りに突然記憶が蘇ったクジラの軟骨の粕漬である「松浦漬」のお店が呼子にあることを昨晩調べていたので、立ち寄ってみます。
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私の父がまだ元気だった40年以上前には、福岡に住んでいる親戚(親父の親と兄弟)がいつもお土産に持って来てくれて、親父が毎晩の酒のつまみに旨そうに食べていたことが私の幼少時代の記憶なのですが、今の松浦漬の値段は1缶約1300円也。昔はここまで高くはなかったのだろうと思いますが、親父の墓前への土産にと思い、1缶だけ買ってみます。
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(後日談)
2か月ほどお土産として親父の仏壇に置いておきましたが、先日40年以上振りに勇気を出して食べてみました。「40年目の記憶が蘇って、懐かしい味でした!」と書ければ格好いいのですが、正直40年前の味は殆ど思い出せませんでした。

呼子は温泉でもなく、宿のウリはイカ一本。「イカってそんなに高級?」という疑問はありますが、イカ好きな我々夫婦には、「我々庶民の味方のイカの最高峰」という位置づけで呼子イカを楽しみました。
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味は… 予想以上に大満足でした!!