麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

11.(京都)・滋賀・愛知<その3:感動の瞬間&愛知県>


3日目:4月30日(土)

本日は、滋賀県を後にして愛知県に向かうつもりです。
この日本一周で愛知県と言えば、昨年10月の四国の帰りに熱田神宮で安産祈願をして、愛知県の地図でいうと下の方(静岡寄り)の西浦温泉に泊まっていますので、今回は上の方(岐阜寄り)をメインに観光をしようと思っています。
愛知県と言えば何と言っても名古屋ではありますが、名古屋は前職時代に本当に何回も来ているし、病気で倒れる1か月前の最後の旅行の最終観光地は名古屋城だったし… そう、倒れる1週間前の最後の出張も名古屋で、仕事が終わった後に”名古屋メシ”の味噌煮込みうどんを食べて新幹線に乗り込んだのが、40代最後の夜だったことも思い出しました。

今回、愛知県の岐阜寄りのエリアで必ず行きたいと考えていたのは犬山城です。この日本一周でいくつかの城を訪ねて、ようやくお城に詳しくなった(元日本史好きを少しだけ取り戻した)私ですが、江戸時代から今でも天守閣が残っている現存12城を以前このブログでも紹介したことを記憶していますが、日本一周と言いながらまだ12城全制覇は恥ずかしながら果たせておらず、2周目の宿題にしています。

その12城の中には、国宝に指定されているお城が5つあり、残り7城は重要文化財に指定されています。元々の国宝は4城でしたが、昨年私が正に松江に滞在していたその日に松江城の国宝指定が決定し、翌朝松江城で地元TV局にインタビューされたなんてこともありました。残りの4つのうち姫路城、彦根城は昨年訪ねていますし、松本城は6年前病気になる1か月前に行っていますので、一度も訪問経験がないのはこの犬山城だけで、一周目達成までに12城全制覇は無理としても、犬山城には行っておいてせめて「国宝5城」だけでも全制覇したいと考えた次第です。

滋賀から犬山城方面に列車で行く方法としては、京都まで戻って新幹線で名古屋に出て、名鉄で犬山を目指すのが一般的なのでしょうが、それでは旅の面白味がありません。「何か、いい方法ないかなぁ~!?」と時刻表をめくっていたところ、京阪神から飛騨高山に行く在来線特急が犬山城のすぐ近くの鵜沼という駅に停まることを見つけました。おまけにこの列車、滋賀県の中でもいくつか停車駅があるので、京都まで戻って乗る必要がないのが、何とも嬉しいところです。宿泊ホテル隣の草津駅を9時前に出る特急列車「ワイドビューひだ」の指定券を、こちらも1か月前に嬉々として入手していました。久し振りの(新幹線以外の)在来線特急列車乗車です。

当日、普通列車で少し早めに草津駅に降り立ちます。草津と言えば、4年前に娘が転勤で住んで(働いて)いた街です。娘は草津には1年しかいなかったので、「娘がいるうちに、一度は訪ねてみたい。」という我々夫婦の夢は叶わず、4年遅れての草津駅到着です。駅名標の写真をパチリと撮り、娘に「懐かしいでしょ?」とLINEを送りましたが、最近にしては珍しいことにすぐにはリアクションがありません。
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8時を過ぎているものの、「まだ、寝てるのかな?」なんて思っていたのですが、その少し後、まだホームで特急列車を待っている時に娘の旦那からLINEが入り、「先ほど、無事に生まれました!」と写真が送られてきたのです! 
私が「おじいちゃん」になった、自分的には歴史的な瞬間です!!

産まれたのは20分ぐらい前で、何にも知らない私が駅名標をパチリと撮ってLINEを送っていた正にその時間だったようです! 娘は、昨晩寝る直前に陣痛が始まり、朝まで7時間程度頑張っていたとのことです。

この嬉しい気持ちは、本当に自分の子供が産まれた時以来二十数年振りに味わったような気がします。あまりに嬉しすぎて、衝動的に朝から売店でビールを買ってしまい、特急列車の座席に座った途端、”プシュ~”とビールの栓を抜き、隣にいる妻のジュースと思わず乾杯してしまいました! 本当に大声で”やったぞぉ~!”と叫びたいぐらいの気分でした。
久し振りの特急列車の景色を満喫するつもりでしたが、ビールを飲みながら「生まれたよ!」などのメール送信などに追われ、じじいになった感慨をゆっくりと味わう余裕もなく、気づいたらディーゼル特急は昨年鵜飼で2度も来た岐阜駅を早くも出ていました。

鵜沼と言う駅で特急列車を降ります。この特急列車の終着は飛騨高山。昨年お盆の日曜日に訪ね、大混雑だった街ですが、もう一回静かな時というかせめて普通の時期に再訪したいと改めて思いました。
ここ鵜沼は岐阜県ですが、もう犬山城は目の前です。駅前にタクシーがあればタクシーで犬山城を目指したいと考えていましたが、駅にはタクシーが見当たりません。仕方がないので隣の名鉄に乗り換えようと先を急ぎますが、乗り換えの案内がどうも関東の案内に慣れた我々にはわかりずらいのかそれとも私が間抜けなのかは不明ですが、ホームが6本(3面)ある駅だからとはいえ、2本も先着の列車を逃してしまうという大失態を犯してしまします。「おじいちゃん、だめじゃん!」と早速おじいちゃんらしい失態続きです。

名鉄を一駅だけ乗り犬山遊園駅へ。この間に木曽川を超えて愛知県に入ります。この駅前にもタクシーはいないので、諦めて木曽川の畔をトボトボと歩き犬山城を目指します。この木曽川の向う岸は、岐阜県です。
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犬山城までは15分程度で辿り着きます。最寄り駅犬山公園は静かなものでしたが、犬山城に近づくにつれて観光客はどんどん増えてきます。さすが国宝、さすがゴールデンウィークですね!
犬山城の麓には神社があり、早速産まれたばかりの命に感謝して、すくすくと成長するように、まだ見ぬ孫のことを祈願します。産まれたばかりの命の、最初のお祈りでしょう。でも、まだ名前が決まっていないので、○○君とは言えずに、「さっき産まれた孫が、元気で成長しますように…」とは、ちっと締まらないお祈りでした。
この神社、何となく京都の伏見稲荷のミニ版のような風景でした。
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犬山城も、さほど大きくないお城のようです。国宝だから城がデカいかというとどうもそうでもないようですが、織田信長の叔父さんが建てた日本最古の天守閣とのことなので、その存在感はやはり相当なものです。織田家も、ずっと命を繋いできて、今は織田信成君がメディアで活躍していますが、同じように何百年後に私の血を少しでも受け継いでくれた子孫が活躍していればいいなぁ~! と祈りながらの犬山城見学でした。
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昼食は犬山城の麓のいかにも観光地らしいレストラン。妻は名物の鮎釜飯をいただきますが、私は愛知県にいるうちは大好きな名古屋メシが喰いたいと思い、名古屋メシ同士の組み合わせだけども、名古屋でこの組み合わせは見たことがない「味噌煮込みきしめん」を注文。結論としては、いくら名古屋メシ同士とは言え、安易な組み合わせには乗らないことにしようと思いました。
やっぱり、味噌煮込みはうどんに限ります!

午後は、犬山でのもう一つの観光地として「博物館明治村」をチョイス。犬山城のすぐ下にタクシーがいればいいのですが、タクシーが見つからないので犬山城へ行くメインストリートをトボトボと歩きます。でもこの街も風情があってかなりいい感じです。今度は、この付近に泊まってゆっくり犬山を歩いてみたいと思いました。
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ようやくタクシーがつかまり、広い犬山市の反対側にある「博物館明治村」に向かいます。
この明治村は、私が旅行会社で仕事を始めた1983年には既に観光地として有名でしたので、私もこの明治村を組み込んだ日程表をかなりの数作った記憶があります。とは言え、実は訪問経験はなく、色々と資料を見たり話を聞いたりするうちに、「すっかり、行った気になってしまった。」有名観光地の一つでした。
同じような環境の知人から、「馬鹿にしていたけど、明治村って意外と良かったよ!」と言う話を聞いて、行く気になったのです。
結構広い園内を散歩しながら、移設された明治時代からの建造物を楽しみます。
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洋風の建築物が多い明治村ですが、意外と和風のものもあったりします。
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こんなところでも、妻の興味はやっぱり教会。教会には必ず行きたがります。
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さすがに元鉄ちゃんの私の興味は相変わらず乗り物。広い園内の見学と乗りもの好きは、趣味と実益を兼ねるような良い感じです。
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朝に出産した娘からようやく返信が来たのが3時頃。昨晩、寝ずに陣痛と闘ったので、大役を果たして疲れてぐっすりと眠ったのでしょう。
「痛かった。長かった。死ぬかと思った。」と言うのがその第一声。あの、泣き虫だった娘がこんなに立派に母親になるなんて… と、我々もとにかく感無量でした。
早速、「明日、行くよ!」と言う我々と、同じく今日にも病院に来たがっている旦那の両親(こちらも、初孫)との時間を調整したりと、出産直後なのに娘がiPhoneを駆使して、しっかり仕切っていました。

明治村は広すぎてとても全部は見切れなかったのですが、それなりに満足して、名古屋までの直通バスで名古屋市内へ。バス停は凄い行列だったので、「座れるかなぁ~?」と心配しましたが、よく考えたら高速バスなので、立って乗れる筈はありません。100人近い大行列でしたが、数台のバスで何とか座ることが出来、懐かしの中心街である名古屋の栄でバスを降りた後は、とぼとぼと歩いてホテルまで向かいました。

妻は友人と会うというので、珍しく夕食は別行動です。このところ、妻と名古屋に来るといつも妻の大好物でもある「ひつまぶし」を食べているのですが、今回、凄く久し振りに名古屋メシの定番である「味噌カツ」を喰おうと思い、これももの凄く久し振りの超有名店「矢場とん」の支店に入ります。
オーダーを待ちながら、「矢場とんに来るのって、いつ以来だろう?」と必死に記憶を辿ってみたところ、少なくとも1995年に出張で同僚と来て以来、来ていないことはほぼ間違いないことを思い出しました。つまり、21年振りです!
当時は本店だけで、観光客なんて我々ぐらいしかいなかったのに、今では支店もたくさんあり外国人もたくさん… やっぱり、20年は長い!のです。
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4日目:5月1日(日)

この日は、名古屋をブラブラしてから夕方の新幹線で埼玉に帰る予定だったのですが、旅行より名古屋より何より早く孫に会いたいので、早めに関東に戻ることにします。とは言え、病院の面会時間は午後2時からで、2時には旦那の両親が来るということで、我々に指定された時間は3時半以降です。
とは言え、中途半端な時間でもあるのと、特に名古屋で見たいところもなかったので、とりあえず懐かしの名古屋駅に向かいます。
まず駅で新幹線の時間変更などをして、続いて駅ビルの高島屋へ。今日持って行く出産祝いののし袋を買いに行ったのですが、流石は冠婚葬祭が派手な名古屋らしく、立派なのし袋があり親切にのし袋代だけで筆耕までしてくれます。「旅行先から急いで来た」のに、そうは見えない立派な出産祝いになりました。

息子の最初の勤務先は、この高島屋の上にある中華のお店。十八歳で就職して、最初の勤務地が名古屋と言われた時の息子の顔は、今でも忘れられません。出張で名古屋に来た際、よくここに飯を食いに来たものです。
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11時前なのに、もう順番待ちの人がいます。

ちょっと早いけれど、昼飯を食って名古屋を後にしようと思います。最後の名古屋メシは、これも妻の好物の”海老ふりゃ~”。兎に角バカデカイ”海老ふりゃ~”でした。
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さすがにゴールデンウイーク。11時前から有名店にはかなりの行列でしたが、あの喫茶店コメダ”にも行列が出来ているのにはさすがに驚きました!

この日は快晴だったので、”この日本一周で初めて”今日こそは富士山がキレイに見えて写真にも撮れる… 筈だったのですが、海老ふりゃ~の昼食で美味しくビールをいただいた影響でしょうが、静岡県に入る頃にはすっかり爆睡してしまい、気づいたらもうのぞみは神奈川県を走っていました! 無念!!

孫との初対面は、感動以外のなにものでもありませんでした。産まれて2日目の孫は本当に小さく、愛らしいのです。右手が使えない私は抱っこすることが出来ないので、今は頬をなでるぐらいしか出来ませんが… 抱けなくとも、十分に可愛いです!
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子供の成長は驚くほど早く、これを書いている6月中旬には生後1か月半になるので、驚くほど全く顔が違っています。

でも、じじい(私)に似ず、イケメンになりそうです!