麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

12.東北一周の旅<その1:旅は米沢からスタート>


夏休みのお盆期間中に、東北地方一周の旅を楽しみました。
「まだ入社してから1年経っていないのに、何でそんなに休みがあるんだ?」と疑問に思われる方も多いとは思いますが、私の今の勤務先は学校法人なので、学生ほどではないのですが、職員にも夏休みがあります。今年の夏休みは8月10日~20日の間で、この期間中は新入社員といえども職員は全員休みになりますので、ありがたいことに有給を使わずとも10日以上の旅に出ることが可能なのです。私は、新人とは言えども年だけは取っている長老でもあるので、図々しく夏休みの2日前から有給を取り、結局8月7日(日)~21日(日)の15日間、昨年のニート時代と同じくらいの長い長い旅を実現できたのです。

この旅のプランニングには、年明け早々の房総の旅を終えてすぐに取り掛かりました。当初は、休暇前後に年休が取れるかどうかの状況も全く不明だったため、夏休み期間である10日間に絞ってプランニングを開始しました。8月の東北地方と言えば、東北三大祭りの時期で、個人的にはまだ見たことがない青森のねぶた祭りを見るのが悲願でもあったのですが、微妙に時期がずれているので、今回は断念することにしました。
ニート時代よりはほんの少しだけ予算に余裕ができたこともあり、ニート時代のビジネスホテル中心のケチケチ宿泊⇒安い温泉旅館や公共の宿などを中心としたプランに変え、2月頃から予約を少しづつ始めました。この頃、人気の秋田県乳頭温泉国民休暇村のサイトを見ていると、「宿泊予約は6ヶ月前から」の表記があり、この見ていた日が正しくちょうど6ヶ月前のその日だったことに気が付いたので、計画性もなにもなく衝動的にその場で電話してしまい、呆気ないくらい簡単に予約が取れてしまったなんてこともありました。

その後、日程を何度も何度も組み換え、その都度宿泊予約も取り直しをします。毎回、電話などで予約を変更していたとしたら、絶対に名前を覚えられて間違いなくブラックリストに載っていたのだろうと思いますが、幸いほとんどがネット予約ですからその心配もなく、ある意味「実際の旅行よりも楽しいプランニングの時間」を、半年以上に渡って満喫することができました。こうなると本番の旅は、自分の「練りに練った」プランを確認しに行くだけ(?)の時間となりますが、それはそれでまた楽しいものなのです。

今回のプランは、日本一周でまだ「達成」できていない北東北三県(青森、秋田、岩手)中心の予定でしたが、6月後半頃にようやく仕事のペースも少しずつ掴めて来て、夏休みの前に少しばかり有給休暇を足すことができそうになったので、出発を3日早めて全行程15日の旅にして、北東北三県に前回(昨年10月後半)ゆっくりとは見られなかった山形県と、震災後じっくりと見ることが悲願でもあった三陸縦断を加えた東北一周に変更することにしました。

岩手県三陸の野田村は、私が大学生時代4年間の夏休みを過ごした思い出の地ですし、その後就職して6年間は宮城県で過ごしているので、東北には思い出の場所もたくさんあり、すっかりご無沙汰してしまっている知人もいますので、今回の旅のテーマは、「昔懐かしい地や人を訪ねる旅」にすることにしました。
懐かしい地には、観光地であってもなくとも積極的に訪問して当時を懐かしみたいと考えます。懐かしい知人には、アポイントを取って会いに行く人に加えて自宅住所を知っている人(=年賀状だけのやり取りはある人)には、アポを取らずにとりあえずノーアポで行くだけ行ってみることにしました。結果的に会えなければ会えないで仕方がないと考えることにしました。
これから、忘れないうちに少しずつ投稿をしていこうと思います。

今回の出発は、1日準備に余裕を持たせた日曜日にしました。普段であれば休みを1日でも無駄にしたくないので、休暇に突入した土曜日に即旅立つのですが、こじつけた理由はいくつかあります。
・土曜の朝の高速道路の混雑が嫌だった
・長旅なので、土曜日のリハビリを受けてから出発したかった。
等で、リオ五輪の開会式が見たかったからでは決してありません。(オリンピックに興味がないわけでは決してありませんが、自分の中のプライオリティでは、圧倒的に旅行が最優先です。)同じ15日間の旅でも、(日)~(日)の旅行で翌日月曜日からいきなり出勤よりも、(土)~(土)の旅として、翌日曜日はゆっくりと休息して月曜以降に備える方が間違いなくベターではあるのですが、これだけ長期に渡る日程だと、予約を動かすのはさすがに無理そうだし、折角確保したホテルを諦める勇気もありません。

という事で、出発前日の土曜日はいつも通りにリハビリを受けた後には、特に何もせずだらだらと過ごし、「こんなことならば、今日の午後からでも出発するプランにしておけばよかった…!?」とも思いましたが、後の祭りでした。
時間に余裕があるので、何度も忘れ物をチェックしたのですが、にもかかわらず一つ忘れ物をしてしまいました。やはり、準備時間と忘れ物についてはあまり関係がないようですね!?

1日目:8月7日(日)

初日の目的地は山形県米沢市。昨年10月に米沢を素通りした時、山形県内に母方の実家がある妻が、「実は米沢には行ったことがない。」ということを30年以上一緒にいるのに初めて知ったための訪問です。米沢市近辺には、温泉地が数多くあるのですが、翌日以降温泉が続くのと、米沢といえば「どうしても米沢牛を食べたい!」という私のわがままを叶えるため、米沢市内の東横インを予約しています。

という事で、この日のスケジュールはかなり余裕があるので、家を早く出る必要は全くないのですが、年寄りの習性というか出発準備は早々に済んでしまい、「じゃあ、行こうか?」といつも通り8時には愛車をスタートさせます。
10ヶ月振りの東北道も、交通量は多いものの渋滞するほどではなく、順調に福島飯坂インターを降りて、山形県に向かう国道13号線で米沢を目指します。この道路、明治天皇により「萬世大路」と命名された道なのだとか。でも、前後の車も結構ビュンビュンスピードを出しており、私もつられるようにスピードアップしてしまったため、明治天皇が味わった景色を楽しむ余裕はありません。おまけに、至るところで工事をしています。どうも、この13号線に沿った高速を建設中のようです。

米沢到着はお昼前。この旅最初のランチは、米沢のもう一つの名物でもある米沢ラーメンに決めていました。とは言え、今日出発日は8月7日で、誰が考えても意外と夏は暑い山形県では予想通りの猛暑日です。いくらエアコンの効いた車に乗りっぱなしの我々とは言え、さすがに熱いラーメンはどうなんだろう? と、無駄に長い計画段階からおおいに悩んでしまった結果、米沢ラーメンの名店+もう一つの山形名物である「冷やしラーメン」も味わえるというお店をチョイスして、暑くともそうでなくとも対応できるプランにしていたのでした。私がチョイスしたその「かまた食堂」には、家を予定より早く出た分、11時半には着いて、すんなりと車は停められたものの、店に入るとこの時間で既に満席状態で、一人でラーメンをすすっていた地元のご老人のテーブルに相席させていただきました。
この日の天気は予想通りの猛暑日なので、我々二人のオーダーは冷やしラーメン。ラーメン好き中年としては、「どんなに暑くとも初志貫徹で米沢ラーメンにしよう!」と決意していたのですが、ギラギラの太陽には勝てませんでした。
初めて味わった山形名物の冷やしラーメンですが、「ラーメンを冷たくしたら、恐らくこんな味になるのだろう!」と予想した通りの味で、サプライズはないけれど十分に満足できる味でした。冷やし中華と交互に食べたい味でした。
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午後はいよいよ米沢の観光です。まずは郊外にある「田んぼアート」を見に行きます。
今回の旅の中で、東北で一番有名な青森県田舎館村の田んぼアートを見に行くことについては、結論が出ぬままに出発していました。人気の観光地なのですが、行けるとしたら一番混雑必至のお盆の土曜日で、しかも行程的に一番ハードな日になる筈なので、朝食を権利放棄してでも6時にホテルを出て見に行くかどうかをずっと悩んでいたのです。おんなじ田んぼアートを見れば考えが決まるかと思ったのですが、今年の図柄である真田幸村も、何もヒントは与えてくれませんでした。
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米沢市内に戻り、まずは定番の上杉神社を参拝します。
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上杉神社ゆかりの人と言えばケネディが崇拝するという上杉鷹山と大河で有名になった直江兼続が何と言っても有名ですが、個人的には天地人の頃から何故か上杉景勝が気になっています。真田丸でも優柔不断というかおおよそ大名らしくない雰囲気を、遠藤憲一さんが好演していて、益々気になっています。
ここでも、上杉景勝の面影を必死に追いかけていました。
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その後、妻のリクエストで米沢織り会館を見て、妻には染織体験を楽しんでもらっている間に、私は一人で米沢の銘酒東光の酒蔵へ。
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酒蔵見学も早々にして、メインは今回の旅で会うであろう人へのお土産として、東光の大吟醸を三本仕入れました。一本はあげずに自分へのお土産として持ち帰るつもりで三本仕入れたのですが、結果的には残念ながらというか嬉しいことに全てお土産に消えてしまいました。こんなことならもっと買っておけばよかった!

早めにホテルに入り休憩する妻を残して、明日会えるかもしれない友人への土産として米沢駅前まで峠の力餅を買いにとぼとぼと歩きます。お目当ての店はすぐに見つかりましたが、「賞味期限本日中」とデカデカと記載があり、明日の土産にはできないので、諦めることにしました。

本日の夕食は米沢牛。かなり混み合うという情報から、店は半月ほど前に電話予約しています。ただ、本来なら当日の暑さ具合で食べるメニューを決めたいところですが、テーブル予約の関係上、すき焼きか焼き肉かを事前に決めなければならないとのこと。迷った挙げ句に決めたメニューはすき焼き。最高級の米沢牛はやっぱりすき焼きで食べたいという個人的な思い入れ故のチョイスです。
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危惧した通り猛暑日のすき焼きでしたが、お店の中はガンガン冷房が効いていて、ビールをグイグイ飲んだら、昼間の暑さもどこへやらで美味しくすき焼きをいただくことができました。
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8月にすき焼きを食べた経験は、恐らく初めてだったと思います。