麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

【日本2周目開始!】韓国に一番近い島へ!<その4:博多どんたく、日田、黒川温泉>

6日目:5月4日(木)続き

朝9時半、この旅二回目の福岡空港到着です。
”離島シリーズ”の第1回目が壱岐対馬で無事に終了したので、今日は2周目の新シリーズの”離島”に並ぶ大きなテーマにすると決めていた取り組みの第一弾に早速切り換えようと考えています。
その2つ目の大テーマとは、「日本のお祭り」。

日本一周をしたとは言え、我々はその間に各地に残る伝統的なお祭りを見たとは全く言えません。日本一周の前から考えても、人ごみが好きではない私は、有名なお祭りを見たことは非常に数少ないのです。大学生までに見たお祭りとしては、高1の時の長崎の精霊流し、大学2年の弘前ねぷたと秋田の竿燈程度。会社に入ってからは、仙台に6年も住んでいたくせに、七夕はともかく青森のねぶたも山形の花笠も見たことはありません。

そうなると、「その土地の文化を形作るお祭りも見ずして、お前は本当に日本各地を見たと言えるのか?」という自問自答には全く反論の余地はありません。
とは言え、お祭りはお盆などの特定の時季に集中する傾向があるし、仕事を休めない時期も多いし、何より全てにおいて混みあうので交通機関や宿の確保が大変で旅費そのものが高騰するのは、一応元業界人なので痛いほど知ってはいます。

ということで、全ての有名なお祭りを見るのは難しいかも知れませんが、とりあえず可能な範囲で各地の有名なお祭りは見ようと決意を固め、その第一弾としてゴールデンウィークに日本で一番混みあうお祭りとして名高い、「博多どんたく」を選んだのです。
どうせなら昨日から博多に宿を取りお祭りを満喫しようとも考えたのですが、さすがに博多のホテルはほぼ満室で料金も高いので、対馬の宿泊+翌日(今日)朝イチの航空便にし、祭りを見た後の今晩はの宿は博多には留まらずに大分県の日田まで行って泊まるという、お祭り料金を極力避けるという元業界人のノウハウを活かしたアレンジにしました。

”博多どんたく”は午後3時からのメインイベントであるパレードまでは、福岡市内各地のイベント会場でさまざまな出し物が披露されるようです。私のプランでは最初は博多駅周辺のいくつかのイベントスペースを巡る計画にしていたのですが、満員の地下鉄の乗客がほぼ全員博多駅で降りるのを見て、急遽予定を変更してメイン会場近くの天神へ直行。どんたくはゴールデンウィークの中でも日本一混雑するイベントと聞いているので、少しでもその混雑を避けられるとあらば、予定の変更にはきわめて柔軟です。

天神で降り、最初からイベント会場の中でも一番大きい福岡市役所駐車場のメイン会場へ。
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入場する人は行列を作っていますが、まだ午前中の早い時間のためか、何とか最後列のパイプ椅子を確保できました。
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ステージでは、踊り、演奏、ダンスなどさまざまな演じ物の披露が次々と。お祭りのテーマに沿った出し物ではなく、とにかく何でもの発表の場といった感じ。和服での踊りや琴など和楽器の演奏から、AKBのようなアイドルグループまで。演じる人はアイドルを目指すセミプロからどう見ても素人や子供達までがいます。さすがに”市民祭り”で、昔旅行会社時代に、「唄や踊りなどを海外で披露しませんか!?」と言って、上手くないグループまでも含めてとにかく勧誘しまくった日本文化紹介イベントである”○×フェスティバル”を懐かしく思い出しました。

お祭りにつきものと言えば屋台。午前中だというのに九州ならでは焼酎の屋台が出ていて、一杯200円で飲めるというので、11時前だというのに購入して、一人で悦に入ります。つまみは中津名物の鶏の唐揚げ。2年前、中津で食べ損ねたので、ようやくリベンジが叶いました! 昼前から好物のから揚げでチビチビと呑めるなんて、旅の醍醐味でもあり至福の瞬間です。

ステージでは交代でさまざまな出し物が登場し、出演者の家族や友人中心に盛り上がっているようですが、午前中にこれ以上焼酎を飲んでしまうとこれからの1日が台無しになってしまう恐れもあるし、ある意味大人の学芸会みたいなイベントを酒も飲まずに見続ける元気もありません。お昼になればこの周辺のレストランは混みあうこと必至でしょうから、ちょっと早いけれど天神のデパートに入りお昼にします。12時ギリギリ前だったので並ばずに入ることができました。

この日は初夏というより夏のような日射し。昨日のどんたくパレードは途中で突然の雹が降って、パレードが中止になったその翌日とはとても思えません。午後もこのまま屋外でイベントを見続けるにはあまりに暑いので、天神地下街にもあるイベントスペースでの見学に切り換えます。

屋外に比べて小振りな地下イベントスペース、妻は早々に座席を確保できたのですが、私は立ち見での見学が続いたので、途中で少ししんどくなり隣の喫茶店に逃げて、少しまったりしていました。
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地下街の出し物もさまざま。大ステージの出し物と小ぶりなステージでの出し物のレベルは正比例するのかしら?と、興味を持って見ていましたが、どうもそうではないようででした。
でも地下街で一番盛り上がっていたのは、子供がたくさん登場するダンスサークル。この時ばかりは、幼稚園、小学生の出演者の親たちが凄い盛り上がりようでした。
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メインイベントのどんたくパレードを良い場所で見ようと、桟敷席のチケットを遠く離れた埼玉県のローソンで1ヶ月以上前に仕入れていたので、天神と中洲の中間にある桟敷席まで移動。福岡のお祭りのチケットが埼玉県で買えるなんて、本当に便利な時代になったものです。
ビールでも飲みながらのんびりとパレード見学するつもりでしたが、過去に見たことないほどのコンビニに溢れる大量のお客さんで、人の洪水をかき分けてビール売り場からレジまで行くのは、どう考えても無理そうなので、諦めてとりあえず自由席の桟敷に何とか空席を見つけて陣取ります。
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@3000円也の桟敷代を節約した(?)地元民たちは、ずっと前から通路にゴザを敷いて場所を確保し、すぐ近くでパレードが見られるようですが、パレードの全体が見えるスタンドのような桟敷席は、高さが程よくとっても良い眺め。パレードは子供や中学生・高校生から始まりますが、ブラスバンドは上手いし演技も思ったより上質。
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ビールが無いのが唯一の心残りではありましたが、さすがにどんたくのメインイベントだけはあるようです。
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前日のような雹は降らず、桟敷席の払い戻しも無くなりましたが、@3000円の価値は十分にありました。
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パレードは7時頃まで延々と続くようですが、我々は5時半過ぎにはどんたくの見学を切り上げ、高速バスで大分県の日田を目指すことに。天神の高速バスターミナルは、さすがは九州のハブという感じで、数分おきに九州各地を目指して高速バスが発車してゆきます。行き先の地名は、知ってはいるものの未訪の地も多く、あのバスにもこのバスにも飛び乗りたい衝動を抑えるのに苦労しました。

大分県の日田までは高速バスで1時間半。おおよそ40分おきに発車する高速バスの座席はほぼ半分程度埋まっています。ダイヤを気にせずに乗ることができ、日田まで1時間半で料金もJRより安いとあれば、JRに勝ち目はありませんね!?

高速の上には高速バス同士の乗り継ぎの便を考えた基山のターミナルもあり、未体験の”高速バスの乗り継ぎ”には興味津々で、猛烈に降りてみたくなりました。
日田が近づくとインター毎に高速を降りて料金所すぐ近くのバス停で少しずつ乗客が降りてゆきます。近所に何もないバス停で、"こんなところで降りてどうするの?"とも思いますが、まもなく迎えの車が来るのでしょう。

日田のホテルは、駅とバスターミナルに近いルートイン。ここでも”本日は韓国人の大型団体がご宿泊です。”と、対馬を出て以来すっかり忘れていた韓国の旅行熱を思い出させてくれました。

7日目:5月5日(金)

大分県は、2年前の九州一周で最初に訪ねた県で、たくさんのみどころを貪欲に見て回ったのですが、時間の関係で泣く泣く諦めたのがここ日田。そもそも、前日の日本一周のサブテーマが、「寅さんがいそうな街並みを探す」だった筈なのに、寅さん第43作のメインロケ地になった日田を見ていないなんて完全な本末転倒です。
その分も含めて、日田の昔ながらの街並みが残る中心地”豆田町”はじっくりと見たいと思い、10時~の「豆田町町歩きツアー」(@1700円也)を予約していました。

いつも通り、早めにホテルをチェックアウトした我々は、豆田町までゆっくりと散歩して風情を楽しみます。私的に日田と言えば、昔甲子園をたびたび沸かせた日田林工、中でもその後阪神のドラフト1位で、「怪我さえなければ阪神を代表する投手になっていたに違いない!」とまで言われていた源五郎丸洋投手を懐かしく思い出しながら日田散策をしていました。
源五郎丸投手、今はどうしているのでしょう?

ゴールデンウィークど真ん中のこの日ですから、「町歩きツアーの参加者は大勢いるのかなぁ?」とも予想していましたが、指定時間に集合したのは我々夫婦だけ。二人だけでベテランガイドさんを独占する贅沢な1時間半になりました。
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江戸時代、幕府直轄地の”天領”だった日田が、何故天領だったか?などはベテランガイドさんの話を聞かないとわからないところでした。それ以外にも街並みと家をとっても興味深く見られたのは、我々のペースで日田の街並みを丁寧にご案内いただいたベテランガイドさんのお陰です。
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子供の日だからなのか、この日醤油蔵がお雛様の無料公開をしています。無料で見せるにはいささか勿体ないぐらいの見事なコレクションで、特に外人さんたちが大盛り上がりでした。
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ガイドさんに、寅さんと満男たちが訪ねた薬屋さんのロケ地の場所を尋ねましたが、ここ豆田町のちょっと先とのこと。結局行けなかったのですが、日田はどこを見ても寅さんがいそうな街並みばかりです。
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90分の散策を終え、ガイドさんにこの近くで日田名物のB級グルメである”日田焼きそば”の食べられるお店を聞いたところ、豆田町内にある中華料理屋さんを紹介され、わざわざ道案内までいただくことに。
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夫婦だけでやっている本当に小さな田舎町のラーメン屋さんの風情でしたが、日田焼きそばはパリパリしてなかなかの味でした。
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豆田町を出て、日田らしい眺めとして寅さんにも登場した川沿いを見に行きます。タクシーを拾い簡単な案内を期待したものの、全く案内する気はないらしく、意味もなく川沿いでちょっと止まるのが運転手さんのお気に召さないようでした。
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午後は今回の旅の最終目的地である黒川温泉へ。黒川温泉は噂通りアクセスが悪く、路線バスでも日田を含め路線は本当に少なく、大半の人たちはレンタカーを含むマイカー利用のようです。我々の日程は日田と組み合わせることができたので、その点ではラッキーでした。
イカーで来た2年前の九州一周の時に黒川温泉へも行ければ良かったのですが、あの時は主に予算面から九州を代表する名湯をスルーしており、今回はその”忘れ物”を取りに行く旅です。

でも、黒川温泉の各旅館の写真をネットで見ても、どの旅館の浴槽にも手すりが見つからず、手すりがなければ私が入れるお風呂はありません。なので黒川温泉の温泉組合にメールで問い合わせをしたところ、「黒川温泉に浴槽に手すりがある旅館は、たった3軒しかありません。」という回答がすぐに届きます。この手の問い合わせが多い故でしょうか?
黒川温泉は、湯巡り手形を持って各旅館自慢の温泉巡りが楽しいのでしょうが、もともとそこまでの温泉好きでもないし、一軒でも手すりがあればとりあえず黒川温泉には入れるということになるので、ちょっと予算オーバーだったものの、手すりがある黒川荘という宿を予約しました。
ゴールデンウィーク真っ最中の5月5日に、人気の黒川温泉の宿がそんなに簡単に取れるの?」と疑問にお思いの方もいらっしゃるでしょうが、実はこの予約をしたのは1月のこと。古巣の旅行会社のプランで、1月に宿泊費もカード決済してしまいましたが、我が古巣はてるみくらぶのような心配はなく、間際取消でもなければ、キャンセルしたとしても決済金額は全額戻ってきます。

日田から黒川温泉までは1時間半強の筈なのですが、途中の杖立温泉に近づくと、田舎道で突然の大渋滞が始まります。
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杖立温泉ではどうやら鯉のぼりのイベントをやっているようで、それによる渋滞らしいのです。この渋滞を抜けるのに30分以上かかり、ホテルに黒川温泉バス停までの迎えを頼んでいた私は、ヤキモキしていたのですが、30分ディレイで着いた我々をニコニコと出迎えてくれたホテルの方によると、「このバスは到着予定がリアルタイムにネットに出ているので、30分遅れもわかってましたよ!」とのこと。ヤキモキしてイライラしていたのは、どうやら私だけだったようです。
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黒川荘のお風呂は、宿泊客専用と湯巡り客用がありましたが、我々は当然宿泊客専用に。この宿泊客専用の露天風呂、とにかく広くてお客さんも少なくて最高!さすがは九州を代表する黒川温泉だと、このお風呂だけで一瞬にして黒川温泉に心奪われてしまいました!
夕食もとっても美味で、とにかく黒川荘に大満足した九州最後の夜でした。
この日だけで、すっかりこの黒川荘のファンになり、初日に訪ねた友人と、”次回は、どっか九州の温泉に行こう!”と話していたので、「例の次の温泉旅行の話、黒川温泉にしましょう!」とすぐさま電話してしまいました。
旅館は、もちろん手すりがあるここ黒川荘です!!

8日目:5月6日(土)

朝風呂は宿泊客専用ではなく、湯巡りゲスト用の方へ。朝はまだ湯巡りのお客さんはいないので、ここも宿泊客だけで、朝イチなので私の貸切!
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(写真は、本当はダメなんでしょうが…)
宿泊客専用であの広さなのだから、湯巡り客用もさぞや広いのでしょう…と、思っていましたが、あにはからんや意外に広くはないのです。とはいえ、貸切状態は最後まで続き、大成功だった今回の旅をあれこれ回想しながら、名湯黒川温泉を30分は貸し切った最高の朝のひとときでした。

とは言え、今回のこの旅で唯一どうにも思うように行かなかったのが、この最終日。熊本に出て熊本辺りで少しでも復興支援になるよう観光をしたかったのですが、バスがうまい具合に繋がらず、おまけに帰りの飛行機も福岡発の夕方の便。その間行くところもなくかといってGWの航空機は全便満席で予約変更もできません。

仕方がないので、来た時と同じルートで日田を経由して福岡に戻ります。たっぷり3時間かかったとても長いバス旅で博多駅着が12時過ぎ。ここで、九州ラーメンが苦手な妻を説き伏せて、ようやく博多ラーメンの有名店へ。もう一つの博多名物である博多餃子とラーメンを大行列に並んでようやく味わうことができました!
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その後も何とか時間をつぶし、夕方の便で帰ることに。ところが、我々の予約している便がオーバーブックしているようで、「席を譲って次の便で帰ってくれた方には、御礼に7500マイル差し上げます。」との案内が出ているではありませんか。7500マイルあれば九州までの片道分ですし、二人分なら往復分が一気にGETできるので、「我々、特典(無料)航空券ですけど、7500マイル貰えるのなら次の便に振り替えますよ!」と宣言して結果を待ちましたが、ユナイテッド航空のように誰かが引きずり降ろされることもなく、私の甘い考えは一蹴されてしまいました。

これで日本2周目、最初の旅である九州のレポートを終わります。今回、足を踏み入れた県は、福岡県、長崎県大分県熊本県の4県。
次は今年の夏休みに、今の予定では「隠岐の島」に行く予定です!