麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

九州旅行日記 その4 長崎タクシー観光


2日目:8月31日(金)

昨日は早く寝たにもかかわらず、朝は相変わらず早く目覚めてしまいました。
カーテンを開けて外を見ると、昨晩はきれいな夜景が見えた窓から朝日と長崎の朝の風景が見え、思わずパチリと写真を撮ってしまいました。
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引き続きベッドの中でまどろみ、ホテルで朝食を楽しんだ後の本日の予定は、観光タクシーを貸しきり、本格的な長崎市内観光をする予定です。

実はタクシーで観光をするのは意外にも初めての経験です。元気な頃は、個人的にも大好きな旅行は殆ど車(マイカーまたはレンタカー)でした。
なので、観光地でも車を降りて歩いて観光することはありましたが、元々下調べをしてしっかり地理を把握してから観光するタイプですので、案内を人に頼むこともなかったのです。
でも添乗員もやっていた頃には、タクシーでの観光をする方を見送ったり出迎えたりしたことは何回もあり、皆様それなりにタクシー観光に満足しているさまは常に見ていました。
なので今回の九州旅行でも迷わずにタクシー観光をすることを選択、ネットで事前に申し込みを済ませておきました。
長崎のタクシーと言えば、ハワイやアメリカ本土にも進出しているラッキー自動車と言う会社が業界では有名で、私も最初はこのラッキー自動車さんに申し込むつもりでしたが、HPを見ているうちに何となく「長崎個人タクシー出島会」さんにお願いする気になり、メールで依頼を済ませておきました。まぁ個人タクシーなら、新人さんや見習いさんもいないだろうし外れもないだろう… と何となく考えた結果です。

タクシー貸切時間は6時間。この「出島会」さんの6時間のモデルコースの名前も「長崎たっぷり満喫コース」で、おまけに我々夫婦は、必ず皆行くであろう大浦天主堂と観光時間が1時間ぐらいは必要になる筈のグラバー園を昨日に済ませておきましたので、6時間あれば足が悪く普通の人よりペースが遅い私であっても、たっぷりと長崎を楽しめるに違いない! と考え、6時間コースを申し込んだ訳です。むしろ6時間でグラバー園大浦天主堂に行かなかったら、「残りの時間、どうしましょうか?」的に時間が余ってしまうのでは… と余分な心配をしたくらいでした。
でもそんな心配は魅力たっぷりの長崎の街には、全く杞憂でした。長崎の皆様、本当に申し訳ありません!

予約時間の9時少し前にホテルに迎えに来てくれたのは出島会のHさん。HPにも芸能人をご案内した時の写真が掲載されているベテランの運転手さんです。

ホテルをスタートした観光タクシーは、まず山の麓の小さな個人宅から案内がスタートします。この個人宅は、今や「長崎と言えば…」という町一番の有名人、福山さんの実家なのだそうです。勿論一般宅ですから観光バスが来ることはないと思いますし、我々が車を降りることはありませんが、「こんなこともタクシー観光のいいところ」と嬉しくなってしまいます。
因みに、バスが停まる有名人の実家と言えば、昔は必ず観光バスのルートに組み込まれていた足寄の松山千春宅を思い出します。個人的な「観光バスが何でこんな場所で停まるんだ!理解できない!」場所のベスト1は、もう古い話にはなりますが「疑惑の銃弾」で故三浦和義氏の奥さんが撃たれたロサンゼルス市の何にもない場所。もっともロスのあの場所では全員がバスを降りて全員が記念写真を撮っていましたが…

タクシーは最初に被爆地長崎の爆心地である浦上地区を回ります。運転手さん曰く「観光の最後に原爆関連の地を巡ると、その方が沈んだ気分のまま長崎を離れる可能性があるので… なので原爆関連は最初に観光するようにしています。」とのことです。こういった細かい配慮も本当に嬉しい限りです。

最初の下車はクリスチャンの妻にも嬉しい浦上天主堂。教会の規模としては大浦天主堂を超える日本国内では滅多に見ない大きいカトリック教会です。妻は信者なので前に入れてもらいお祈りをさせていただいています。
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その後は原爆関連の施設を見学、モニュメントが有名な平和公園や爆心地、原爆資料館などを時間をかけてゆっくりと見学します。
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「長崎の原爆の威力は広島の1.5倍」だとか「長崎の周囲を山が囲む地形が、被害の拡大を防いでくれた。」などドライバーさんの説明は、何度か聞いたことがあり知っていたに違いないのですが、改めてこの圧倒的な状況を見ながら説明を受けると、改めて心に響くものがあります。

長崎の原爆からの復興にご尽力された永井隆さんの如己堂にもご案内いただきました。この永井さんの話は観光バスのガイドさんの話を何回か聞いたことがあったのですが、我々(観光ではなく仕事できている添乗員)がいかにガイドさんの話を聞いていないかの象徴のように、何となく記憶には残っているものの話の中身はあまり覚えておらず、改めてドライバーさんの話がズッシリと来るひと時でした。

まだまだ見どころの多い長崎の観光は続きます。26聖人殉教地は高台にあり、汗かきながら登ったことを思い出しましたが、今回はタクシーでスイスイです。
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諏訪神社から見る長崎の街も魅力的です。
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長崎のシンボル「めがね橋」。昔大雨被害で流されたこともあったようですが、いまはちゃんと復興しています。
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龍馬伝大泉洋が演じた饅頭屋長次郎。この記念碑も最近建てられたそうです。
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長崎と言えばカステラ。でも今や全国区のお店も多く、わざわざ長崎の土産として持っていくには、「長崎でしか売っていなくて&美味しい」というお店のものでないと… と運転手さんに教えていただいたお店「匠寛堂」へ。しっかり友人へのおみやげ&自宅のおやつを仕入れました。
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そして長崎でのお昼と言えば「ちゃんぽん」&「皿うどん」。これも運転手さんおすすめのお店長崎中華街の江山楼でいただきます。妻は皿うどん派で私がちゃんぽん派なのでどちらもおいしいというこのお店で頂きました。
(何故かちょっとピンボケですみません。)
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味は… 確かに美味しかったのですが、最近リンガーハットも冷凍食品も美味しくなっているので…
長崎の中華街も散歩しましたが、確かに横浜の中華街と比べると… ですね!?

午後の観光はまずはオランダ坂へ。思わず「活水あたりはまだ、絵はがき通りの坂」というさだまさしの大昔の曲「絵はがき坂」を口ずさんだら、流石に地元の運転手さん、ご存知だったようです。
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今回ご案内いただいたこのタクシー、さすが個人タクシーだけあり、後部座席の前に画面が出る機能をつけてくれていて、その土地にゆかりのある音楽のビデオを見せてくれるユニークな演出(サービス)をしてくれます。この日も「長崎の鐘」から始まり「思案橋ブルース」「長崎ブルース」そして「長崎は今日も雨だった」とその時の話の流れでタイミングよくビデオを見せてくれており、これも観光タクシーの素晴らしい演出の一つになっています。
因みに、雨の昨日の最初の曲はクールファイブだったのだそうですが、この日は非常にいい天気でした。
その後中国と長崎との深い関係を知ることができる孔子廟を見学します。
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その後、昨日はやはり夕方遅かったためにもう扉が閉ざされていた「新しい大浦天主堂」への訪問を果たし、妻は満足顔です。こういうコースに融通が利くのも、タクシー観光ならではの魅力なのでしょう。

長崎観光の最後の見どころは出島。鎖国時代の日本の唯一開かれた島だった出島ですが、最近までは出島の見学場所はありませんでした。でも近年、もう埋め立てが進み完全に埋立地の中に埋もれた出島を再興しようと、「甦る出島」プロジェクトが出島を再興しているというのを見て、私が是非訪れてみたい場所の一つでした。
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今後、本当に出島と周囲の海(の部分)が再興され、ますます出島が完全復興されるようです。また10年後にどうなっているのか楽しみになりました。

6時間の観光もこれにて終了、予定通り長崎駅についたのはちょうど15時でした。

初めてのタクシー観光は予想以上に素晴らしく、本当に大満足です。
これだけタクシーでゆっくり観光させてくれて、歴史やエピソードを案内してくれて、地元の穴場を教えてくれて… たったの23,400円です。(入場料等は別)
元気だったころ、都内中心部でしこたま飲んで深夜タクシーで帰宅すると、深夜割増もあり田舎の自宅まで18,000円を超えたことを考えると、あと5千円出すだけなので、コストパフォーマンスを考えても、全くこっちの方が良いお金の使い方です。
これからは、タクシー観光をもっと利用しようと思います。
特に坂が多く、道が入り組んで見どころが山ほどある長崎ではお勧めです!!

私も、10年後にはもう一度このHさんのお世話になりたいと思います。
甦った出島を見るために!