麻痺からの脱却~日本二周目挑戦中!~

2010年に脳卒中で右半身麻痺に。でも、「絶対に諦めない」をモットーに現在は『日本2周目』に取り組んでいます。

皇居と東京の桜


遂に3月31日、会社を辞めるその日が来ました。
「最終日って、会社行って何すんの?」と娘に聞かれましたが、自分でもはじめての経験なので、「みんなに挨拶メールしたりするんじゃん?」と曖昧に答えていましたが、その通りメールや電話のやり取りだけで1日が終わってしまい、32年間の感慨もあんまりないままに最後に夕礼で皆に挨拶して、呆気ないくらいの32年間最後の日でした。

そして翌4月1日、早速「日本一周」の一環である日帰りプチトリップを開始します。退職翌日から動き出す理由は、いきなりのんびりすると折角会社を辞めてまでようやく手に入れた自由な日々が、グータラな日々になってしまうことを恐れたためです。実は定期券が1日だけ残っていて、翌日行くより1000円は節約できるという、現実的な理由もありました。

「退職初日は皇居の見学をしよう」と心に決め、1か月前にちゃんと予約していたので、10時の入場時間に間に合うように東京駅の真正面にある皇居桔梗門に向かいます。
宇都宮線沿線住民の悲願であった「上野東京ライン」にも、実はこの日が初乗車でした。常に終着駅だった「ああ上野駅」を発車して、新路線が始まった時には、宮脇俊三さんが味わっていたような「ゾクゾク感」が全身を包みます。
「今日は新年度最初の4月1日、もう会社に行かなくていいんだ…」
新路線乗車のゾクゾクなのか、会社を辞めた感慨なのか判らないけど、不思議な気分でした。

皇居桔梗門前にはすでにかなりの人が待っています。予想以上に外国人が多く、半分近くの方は英語でも中国語でもない言葉で会話しています。「身分証明書の提示が必要」と書かれていましたが、実際には予約確認書だけで中に入れてくれました。
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最初にホールでビデオを見てから、約1時間ちょっとで2キロ強の皇居内コースを見学します。「売店は、帰りには閉まっているから買うなら今ですよ。」と言われ、妻は早速覗いて菊の紋章のある饅頭が買いたそうでしたが、すぐにまたロングトリップに出るので、日持ちのしない饅頭では近所のおばさん仲間には自慢できないと、買い物は諦めたようです。
皇居が都心の超一等地の中心に信じられないくらい広い敷地であるのは知っていましたが、今日の見学コースは2キロとは言え、地図を見ると左下のほんの一部分だけ(赤の破線のコース)なので、改めて皇居の巨大さに驚かされます。妻は、「何だ、これだけ?」とちょっと不満そうでしたが。
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今日の見学者は約100人で、「桜満開のいい季節なのに普段よりちょっと少ない人数。まぁ新年度初日の日なので、皆さんお忙しいのでしょうねぇ」と説明する人は仰います。改めて「そんな日に来れるニートになった自分」を実感してしまいました。

大行列での観光がスタートします。歩きながら途中のポイントでは立ち止まって説明と写真撮影タイムがあります。日本語ではある程度詳しい説明があるのですが、半数の人が外国人なのに英語での説明はなく、ポイントに着くと日本語で話した後に「ナンバーいくつ」とパンフレットの番号を言うだけです。
2020年に向け外国人誘致を強化している今、日本の象徴である皇居がこれだけというのはどうなんでしょう…? 宮内庁さん、もうちょっと頑張らないとダメなのでは? 外国人にとっては、「This is Japan」の観光地ですよね!?

因みに、これが宮内庁です。国家公務員上級のキャリア官僚の話はよく聞きますが、宮内庁の話は聞いたことがありません。いったいどんな人たちが働いているのでしょう?
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広い敷地内には、高級車ではなくごく普通の車がたくさん停まっています。ナンバーを見ても都内以外にも千葉・神奈川などのナンバーがあります。職員の方々のマイカーなのでしょうか? いずれにせよ、こんな都心の超一等地にマイカー通勤が出来るとしたら、こんな羨ましいことはありませんよね!?

見学コースや見ることが出来る施設については、多くの方々のブログを拝見していたのですが、ほぼその通りで目新しものはありませんでした。例えば毎年正月に一般参賀で両陛下および皇族の皆様が手を振るあの場所、殆どのブログには「思ったより低い」と書いてありますが、確かに「前の方に立てれば、すぐ近くに両陛下が見えるなぁ~!」と思いました。でもニートになっていくら時間があっても、私が見に行くことは絶対にありませんが…
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皇居内から見る二重橋も初めての体験です。ビル街とのコントラストが素敵です。
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櫓を見ると、皇居というより「江戸城観光」というイメージになります。
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桜の満開の時に合わせて予約した気持ちの中には、「この広い皇居の普通に(予約なしでは)入れないエリアの中にも、桜の絶景スポットがあるに違いない!?」と予想していたのですが、確かに後半に歩いた山下通りの桜は綺麗でしたが…
何となくもっと凄いスポットがあるのでは? と想像していたのですが…
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1時間強で見学が終わり、その後皇居東御苑(普通に入場可能)を見学しながら、北の丸公園の方に抜けるのがベストルートなのですが、先週来疲労で足が痛い私は、休憩するところが全くない1時間の散歩で、今の足はもう限界状態。皇居を歩いて抜けることを諦め、タクシーにて千鳥ヶ淵の桜の絶景に向かいます。

武道館の横で何とかタクシーを降りますが、北の丸公園千鳥ヶ淵は平日とは信じがたいほどの大混雑で、左側通行と決められた歩道を歩くのも大変な状態です。
千鳥ヶ淵名物のボートから眺める桜は最高の景色なのでしょう。ボートが漕げない体になった私は、上から想像するだけで満足することにします。
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次に訪れたのは靖国神社靖国神社そのものには何度目かの訪問ですが、(終戦記念日以外は)「都心一等地にある静かな神社」のイメージがあるのですが、満開の桜の下の靖国神社は、普段の静かな神社とは別物の感じがします。IMG_1989.JPG
勿論、英霊に敬意を表してお祈りします。
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改めてよく見ると都内あちこちにあれだけたくさんいた外国人観光客が、桜が満開でもこの靖国神社には全くいないのには、改めて驚かされます。本当に外国人の靖国嫌いは徹底しているのでしょうか? 
個人的にはごく一部のA級戦犯に対する誤った先入観だと思うのですが…

これで皇居周辺の桜見学を終えますが、最後に個人的にどうしても行きたかったもう一つの都内の桜の名所を訪れることにします。その場所とは、王子駅のすぐ横にある「飛鳥山公園」。
病気になってから4年間、この王子駅都電荒川線に乗り換えて毎日通勤していた私は、都電から見える駅すぐ横のこの公園に登る子供電車のようなモノレールがずっと気になっていたのです。
「北区が運営している無料の乗り物で、昼だけの運転。」という情報はネットから得ていたので、毎朝晩に王子駅を通過するだけの私には乗る機会がありません。勿論、飛鳥山公園自体が桜の名所であることは有名なので、「桜の季節に、あのモノレールに乗って桜を見に行く。」ことが憧れになりました。
「いつか会社を辞めたら、あのモノレールに乗って桜を見に行こう!」という夢は、思ったより早く実現することになったのです。

無料だからでしょうか? 駅にはそれなりの人が待っています。
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定員は16人らしいので、3往復目まで待ってやっと乗り込むことが出来ました。(20分ぐらいの待ち時間) たった1~2分の乗車ですが、毎日通った都電の線路(このあたりは道路の路面を走る都電でも数少ない区間)が見下ろせるのですが、満員のモノレールの中なので写真は撮れません。
頂上で満員の電車を降りて、ようやくその小さくて可愛い車体を撮ることが出来ました。
(都電が来るまで待つ根性がありませんでした。これじゃぁ、「撮り鉄」にはなれませんね!) 
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飛鳥山の桜自体は勿論綺麗なのですが、自分的メインイベントはあの2分間のモノレール乗車。モノレールの余韻を桜と共に楽しんだと言うと、桜に失礼でしょうか?
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下りのモノレールも登りと同様に混んでいたので公園を散策して、反対側から階段を歩いて駅まで降りることが出来ました。

これにてニート初日のプチトリップを無事終了。
3日からは、いよいよ本格的に日本一周の旅をスタートさせます!