今、都電での通勤帰宅中です。今日は優しい運転手さんで、私が乗るのを止まって待っていてくれました。
さて、行きの続きです。
毎回「どの列車に乗ろうか」半年以上悩んでいたのです。
「ブルートレインなんてどれも一緒じゃん!」と思いますよね。確かに寝台車も食堂車も、どれも編成はほぼ同じでした。
ところが、鉄道好き少年にとってはみんな違うのです!
友達にも名前があり顔があるように、夜行列車にもみんな名前があり特徴があります。
例えば停車駅。必ず止まる主要駅はともかく、当時の列車は担当を分けるように中規模の駅に止まって行きます。
私にとってはその止まる駅こそがその列車に顔であり個性でした。
なのでどの列車が好きとか嫌いとかではなく、「全ての列車に乗りたい!」というのが少年の希望でした。
でも夢はありました。一番遠くまで行っている「はやぶさ」に乗っていつか終着駅の西鹿児島にいってみたい!というのが夢でした。
はやぶさで終着駅まで行くともう一つの楽しみというか夢がありました。
それは「はやぶさは自分自身と二回すれ違う」ため、二度目の自分との対面を実現する! ことです。
同じ列車とすれ違うことは日常茶飯事です。ところが、自分と二回すれ違う為には24時間以上同じ線路を走りつづけなければいけません。
はやぶさは、まず夜中に自分自身とすれ違い、そして終点間際の疲れ切った時に、西鹿児島を出発して元気いっぱいの自分自身と二度目の対面をします。
私にとってのはやぶさとは、こんなロマンチックな列車なのです。
勿論、だからといって東北をひた走るはやぶさを否定するつもりはありません。
でも私にとってはやぶさとは、一晩中走りつづけた疲れ切った体で、桜島を目指している… その姿なのです!